社会貢献活動を行っている団体にPayPayで気軽に寄付できるようになり、多くの人の関心を集めています。しかし、
「どのような活動や団体に寄付できるのか」
「どうやって寄付をすればいいのか」
といった疑問がある方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では以下について解説します。
- ・PayPayのオンライン募金・寄付の概要
- ・PayPayで寄付できる団体
- ・PayPayで募金に寄付する手順
PayPayの活用方法を理解し、寄付を通じて日常生活に気軽に社会貢献を取り入れる一歩を踏み出しましょう。
PayPayのオンライン募金・寄付とは?
PayPayでは、募金(お金を集める行為)だけでなく寄付(お金を贈る行為)もオンラインで完結できます。ここでは、以下のPayPayを使ったオンライン募金・寄付のポイントについて詳しく解説します。
- ・PayPayユーザーはいつでも寄付が可能
- ・寄付には本人確認(eKYC)が必須
- ・寄付先は信頼できる団体のみ
PayPayユーザーはいつでも寄付が可能
PayPayユーザーは普段の支払いと同じように、スマートフォンを使っていつでも手軽に寄付が可能です。
PayPayのシステムでは、募金を行う団体への寄付がキャッシュレスで即時に完了する仕組みが整備されています。指定した金額は迅速に各団体に届けられ、すぐに支援活動に活用されます。
PayPayでのオンライン寄付は、社会貢献を日常生活の一部として気軽に実践できる環境が整っているといえるでしょう。
PayPayユーザーが寄付するには本人確認が必須
PayPayで寄付を行う際は、事前に本人確認(eKYC)を完了させる必要があります。これは寄付をする人の安全性を確保し、第三者の不正利用の防止を図るためです。
とはいえ、本人確認が完了すれば寄付手順はシンプルです。寄付団体のウェブサイトで金額を入力し、「送金する」をタップするだけで寄付は完了します。
初回のみPayPayへのログインが必要ですが、2回目以降はスムーズに寄付が完結するので継続的な寄付もしやすいでしょう。
PayPayでの募金は信頼できる団体のみ
PayPayでの募金は、厳重な審査を通過した信頼できる団体のみが対象です。
具体的には、ビジネスアカウントの開設時に団体の実態調査や活動状況の確認が対面で行われ、不正を防止する体制が整えられています。
さらに、開設後も寄付活動の透明性を確保するため、取引のモニタリングや実績の確認が継続的に実施されています。
これにより、PayPayユーザーは安心して信頼できる団体へ寄付することが可能です。
PayPayで寄付できる団体
2024年8月の「24時間テレビ」を皮切りに、計6法人の寄付団体や企業が寄付の支払い方法としてPayPayを導入しています。寄付できる募金団体は順次拡大中です。
ここでは、2024年にPayPayを導入した団体を紹介します。それぞれの活動内容や、NPOの専門家・gooddoマガジン編集部による注目ポイントも参考にしてください。
認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン:人道支援や災害支援の分野で20年以上の経験を持つ日本発祥のNGO
ピースウィンズ・ジャパンは、国内外で自然災害、あるいは紛争や貧困などによる人道危機や生活の危機にさらされた人々を、教育、水衛生、保健、シェルター、生計向上、弱者保護、物資配布などの分野で支援している団体です。
また、国内において保護犬の里親探しや譲渡を促進するプロジェクト「ピースワンコ・ジャパン」の展開や、緊急災害支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団」の運営を行っています。日本発祥の国際NGOで、これまで33か国で活動を行っています。
ピースウィンズ・ジャパンは、広島県より認定NPOの認証を受けている団体です。また、優れたソーシャルビジネスの取り組みを表彰する、日経ソーシャルイニシアチブの受賞歴もあります。
活動を通し、人々が紛争や貧困などの脅威にさらされることなく、希望に満ち、尊厳を持って生きる世界を目指しています。
- すぐに人の役に立つ活動に寄付したい!という方
災害支援がメインということもあり初動が速く、支援が実行されるまでの時間が短いです。 - 支援内容の報告をしっかり受けたい!という方
ピースウィンズ・ジャパンは活動の報告を頻繁に行っています。特にYouTubeでの報告は現地の様子や活動の詳細がわかりやすいです。 - 寄付の効果を実感したい!という方
ピースウィンズ・ジャパンの主な支援分野の一つである自然災害は、日本でも多く発生しており、自分の身近なところでいつでも起こり得ます。遠い国のできごとでも、日本に住む私たちにも支援地の変化の様子がイメージしやすいです。
また、PayPayは利用できませんが、クレジットカードまたはGooglePayの決済で継続寄付も可能です。
継続寄付には、以下のメリットがあります。
- 定期的に支援することで、団体が安定した資金源を確保でき、長期的な活動計画が立てやすくなる
- 寄付者にとっても一度の手続きで継続的に支援できるため、時間と手間が省ける
- 団体からの活動報告やニュースレターなどで寄付の成果を感じる機会が増え、社会貢献の実感が深まる
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】「ピースウィンズ・ジャパン」の気になる口コミ評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
ピースウィンズ・ジャパンが運営する保護犬の支援活動については、こちらの記事をご一読ください。
>>ピースワンコに寄付したらどうなる?使い道と寄付方法を解説【殺処分ゼロ】
認定NPO法人国連WFP協会:飢餓のない世界を目指す
WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は飢餓のない世界を目指して、紛争や自然災害などの緊急時に食料支援を届けるとともに、途上国の地域社会と協力して栄養状態の改善と強い社会づくりに取り組んでいます。
国連WFP協会は日本国内において、世界の飢餓問題やWFP国連世界食糧計画の食料支援活動に関する情報発信を行い、日本社会からの物心両面の貢献が格段に高まることを団体の目的としています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 「緊急支援」「学校給食プログラム」「母子栄養支援」など、寄付の使途を選択して支援ができるようになっている
- 毎日のお買物で学校給食を支援できる「レッドカップキャンペーン」はマークのついた対象商品を購入すると、その売り上げの一部が企業から寄付される仕組みで、2011年開始以来、累計1,500万人以上の子どもたちに学校給食を届けている
- 国連WFP協会は、募金活動や企業・団体との協力関係の推進、広報活動を通して日本における支援の輪を広げている。結果日本は世界有数の支援国として国連WFPの活動を支えている
認定NPO法人ジャパンプラットフォーム:NGO・経済界・政府と連携
ジャパンプラットフォームは、NGO・経済界・政府がそれぞれの強みや特徴を生かして、緊急人道支援に取り組んでいます。紛争による難民や自然災害による被災者に迅速に支援を届けています。
「日本のNGO支援を世界を広げ、すべての人が自ら未来を切り拓く世界」を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- NGO、経済界、政府が対等なパートナーシップのもと、日本の緊急人道支援のスピーディかつ効果的な実施という目的に向かって連携する新しい仕組みが特徴
- 設立以来の実績と、現在も国内外で、そしてコロナ禍に対しても加盟団体が活動を展開
- わかりやすく詳細な年次報告書
ジャパンプラットフォームへのPayPayでの寄付は、2024年内の開始予定です。
赤い羽根共同募金:戦後から続く「助け合い」の精神
赤い羽根共同募金は、募金を集めた地域の子ども・高齢者・障がい者など、助けを必要とする人へ地域福祉活動を通して還元しています。相互扶助の精神をもとに、困ったときにお互いを助け合う社会を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 1947年に市民が主体の民間の募金運動として誕生し、法律(社会福祉法)に基づき地域福祉の推進のために募金を活用。シンボルである「赤い羽根」で知られ、70年以上にわたって国内の募金活動を牽引する存在
- 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、様々な地域福祉の課題解決に取り組む民間団体を応援する、「じぶんの町を良くするしくみ。」として取り組まれている。募金をいただいた地域での福祉活動に約7割、市区町村を越えた広域での活動や災害時の備えや支援に約3割が使われている
- 年間で集まる募金額は約173億円(2019年度実績)にのぼる
Yahoo!ネット募金:迅速な支援が可能
Yahoo!ネット募金は、災害・復興支援や、防災減災活動支援、感染症対策など、幅広い社会課題の解決に向けた募金プラットフォームです。
寄付金は、募金対象ごとに異なるプロジェクトや団体に分配され、様々な社会的ニーズに対応しています。
Yahoo!ネット募金は、人々が日常的に社会貢献できる環境を提供し、迅速な支援と継続的な活動を通じて、支援の輪を広げています。
- 気軽に社会貢献したい!という方
PayPayのみならず、クレジットカードやVポイントを使って、少額から簡単に寄付ができます。 - 災害支援や緊急支援をしたい!という方
災害時に迅速な支援を行いたい人に適しています。 - ITによる社会課題の解決支援に関心がある方
テクノロジーの力で教育や医療などの問題解決を目指すプロジェクトも多く支援しています。
Yahoo!ネット募金へのPayPayでの寄付は、2024年10月下旬から開始予定です。
24時間テレビ・キャッシュレス募金:テレビを通じて社会貢献
24時間テレビは、障がい者や病気と闘う人々、被災地の支援など幅広い社会問題に焦点を当てたチャリティー活動を展開しています。
募金活動や募金イベント、チャリティーマラソン、特別番組を通じて寄付を集めるのが特徴です。
視聴者や参加者が一丸となり、チャリティー活動を通じて「愛」と「感謝」の心を育み、社会全体の支え合いと共生意識を高めることを目指しています。
- テレビを通じて社会貢献を実感したい!という方
テレビを通じて寄付することで、障がい者や病気と闘う人々、被災地支援など、目に見える形で社会貢献を実感できます。 - 家族や友人と一緒にチャリティー活動をしたい!という方
家族や友人と一緒に参加しやすい多様な募金イベントがあります。 - 寄付の意義を実感したい!という方
支援が必要な人々の生活に直接貢献できるため、寄付の意義を強く実感したい方におすすめです。
2024年の24時間テレビの募金は9月10日(火)に終了しました。
PayPayで募金に寄付する手順【スマホ】
スマートフォンからPayPayで寄付をする際は初回利用時のみ認証が必要ですが、以下の手順で簡単に決済は完了できます。
- 各団体の寄付ページで「PayPay」を選択
- 初回のみ「連携する」をタップし、認証を完了
- 寄付金額を確認し、「寄付」ボタンを押すと寄付が完了
2回目以降は、PayPay画面への切り替えなしで直接団体のサイト上で寄付が完了します。なお、PayPayアプリは利用に一部制限があるため、デフォルトブラウザでの寄付が推奨されています。
PayPayで募金に寄付する手順【パソコン】
パソコンからもPayPayを使って簡単に寄付が可能です。スマホと同様に初回のみ認証が必要ですが、2回目以降はスムーズに手続きを進められます。具体的な手順は以下の通りです。
- 各団体の寄付ページで「PayPay」を選択
- 初回は携帯番号とパスワードでログインし、SMS認証コードを入力する
- 寄付金額を確認し、「寄付」ボタンを押せば完了
なお、シークレットモードでは利用できないため、最新バージョンのChromeやSafariでの利用が推奨されています。
PayPayで募金に寄付する際によくある質問Q&A
ここでは、PayPayでの寄付に関して、よく寄せられる以下の疑問をQ&A形式で解説します。
PayPayを使って募金・寄付をする予定の人は、ぜひチェックしてみてください。
PayPayポイントで寄付できる?
PayPayポイントは寄付に利用できません。寄付には「PayPayマネー」と呼ばれるPayPay残高が必要です。
PayPayのシステムは、本人確認済みの「PayPayマネー」のみの利用に制限されており、ポイントやマネーライトは使用できない仕組みです。「PayPayマネー」を使う際は、銀行口座やATM、またはYahoo!フリマ・Yahoo!オークションの売り上げからチャージしてください。
また、PayPayステップの付与やカウントは寄付の対象外であることを覚えておきましょう。
Vポイントやdポイントなどを利用した寄付方法は、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
>>ポイント寄付で社会貢献!1ポイント・100円から寄付できるサービスを紹介
いくらから寄付できる?
PayPayでの寄付は、少額から始められます。具体的な金額は団体によって異なりますが、例えば、赤い羽根共同募金では100円から、国連WFP協会やピースウィンズ・ジャパンなどのNPO法人では、一口1,000円から寄付が可能です。
なお、PayPayでは寄付額の上限も決まっており、1回あたりの寄付額は30万円まで、24時間以内の合計額も30万円までとなっています。また、過去30日間での寄付は50万円を超えることができません。
寄付額の上限があること、無理のない範囲で継続的な支援活動を行えるのがPayPay寄付の魅力です。
領収書は発行される?
PayPayでの寄付には、基本的に領収書の発行が行われません。もし領収書が必要な場合は、直接寄付先の団体に問い合わせましょう。
PayPayでの寄付は手軽さが魅力ですが、証明書類などが必要な際は団体へ事前に確認しておくことをおすすめします。
寄付金控除を受けられる?
PayPayに限らず、寄付金控除を受けるには特定の条件があります。
控除が適用されるのは、国や特定公益増進法人、認定NPO法人などへの寄付に限られているため、PayPayでの寄付先が控除対象かどうかは各団体に確認が必要です。
さらに、控除を受けるには確定申告の際に寄付時の領収書を提出する必要があります。控除を希望する場合は、寄付前に団体が控除対象であるか確認すると、安心して手続きを進められるでしょう。
PayPayで募金に寄付して、気軽に社会貢献をしよう
この記事では、PayPayを使った寄付が可能な団体やその手順について詳しく解説しました。PayPayで募金・寄付をするうえで押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- PayPayユーザーは、いつでもどこでも指定団体へ寄付できる
- 寄付には事前に本人確認(eKYC)が必須
- PayPayの寄付先は、厳重な審査をクリアした団体のみに限られている
PayPayでの募金・寄付は、手軽なだけでなく安全性も考慮されていることが大きな魅力です。PayPayを通じた寄付で、あなたも気軽に社会貢献の一歩を踏み出してみましょう。
▼PayPayでの寄付や継続寄付ができる団体
団体名 | gooddoマガジン編集部の注目ポイント |
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ピースウィンズ・ジャパン |
【どんな人に向いてる?】 ・すぐに人の役に立つ活動に寄付したい!という方 災害支援がメインということもあり初動が速く、支援が実行されるまでの時間が短いです。 ・支援内容の報告をしっかり受けたい!という方 ピースウィンズ・ジャパンは活動の報告を頻繁に行っています。特にYouTubeでの報告は現地の様子や活動の詳細がわかりやすいです。 ・寄付の効果を実感したい!という方 ピースウィンズ・ジャパンの主な支援分野の一つである自然災害は、日本でも多く発生しており、自分の身近なところでいつでも起こり得ます。遠い国のできごとでも、日本に住む私たちにも支援地の変化の様子がイメージしやすいです。 |
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。