(地震発生の2023年9月時点の情報を元にした記事です)
「混乱の中を不安な気持ちで過ごすモロッコの人々のために寄付したい!」
と思うものの
・どのような人道支援が必要とされている?
・どのような支援団体が寄付を募っているの
・寄付はどのようにしたらいいの?
と疑問を感じることと思います。
そこでこの記事ではその疑問に答えるべく、混乱の中にあるモロッコの人々を支援する団体について紹介します。
具体的には
- モロッコ地震の被害状況
- 被災地で必要とされている支援
- モロッコで地震被害に遭った人々を支援する団体一覧と概要
の順にご紹介します。
モロッコ地震に関する現状(2023年9月12日更新)
2023年9月8日午後11時11分(日本時間日午前7時11分)、モロッコの中央部の都市マラケシュ南西70キロで、マグニチュード6.8の地震が発生しました。
モロッコ政府によると死亡者は少なくとも2,862人、負傷者は2,562人以上とされています(現地時間12日午後7時)。また、世界保健機関(WHO)によると、今回の地震では30万人以上が影響を受けているとのことです。
過去に大きな地震が何度か起きている地域ではありますが、地震が頻発する地域ではありません。そのため、石やレンガを積み上げた耐震性の低い建物が多く、被害の大きさにつながっているようです。
特に山岳部の人里離れた集落の被害が特に大きいです。道路が土砂崩れなどで寸断され、救助活動が思うように進まず、ヘリコプターが往復し救援物資を届けています。
モロッコはアフリカプレート*上にあり、すぐ北にはユーラシアプレートとの境界線があります。この境界でプレート同士が押し合い、アフリカプレートにストレスが溜まったことにより断層がずれ、地震が発生したと言われています。
*プレート:地球表面を覆う、厚さ10-100kmの岩石の層(出典:気象庁 地震について)
モロッコで必要とされている支援(2023年9月時点)
モロッコの被災地では、現在、各支援団体が状況の調査、必要な支援の分析を始めています。
今後必要になるとみられる支援は以下の通りです。
- ・支援ニーズの調査
- ・食料、飲料水、衛生用品などの物資支援
- ・医療物資や医療サービスなどの医療支援
- ・避難場所の提供
- ・子どもや弱者への心理社会的ケア
- ・学校に行けなくなってしまった子どもたちへの教育支援
- ・長期的な復興支援
詳しく紹介します。
支援ニーズの調査
地震発生からまだ数日。被害の大きな山岳部にニーズ調査に向かうには、通れるルートを探したり、がれきを撤去したりするところから始める必要があり、困難を要します。
このような状況下でも各支援団体が現地スタッフや現地パートナー団体と協働で各地に足を運び、被災者とコミュニケーションを重ねていきます。
必要な支援を必要とされる場所に届けるため、正確なニーズの把握が不可欠なのです。
食料、飲料水、衛生用品などの物資支援
生活を維持するための食料、飲料水に加え、寝床としてのマットレス、乳児向けの食料やオムツ、生理用品などが必要とされています。
また、感染症のまん延を防ぐための衛生用品の配布も不可欠です。
医療物資や医療サービスなどの医療支援
負傷者が多く、医療施設が逼迫しています。
地震によるインフラの破壊の影響で水や電力の供給が止まっています。また、余震を恐れ、屋外のテントで治療を続ける診療所もあり、通常通りの医療サービスが提供できていない状況です。
現在は、手に入る物資でなんとか治療を続けていますが、底をついてきています。
避難場所の提供
都市部の近代的な建物がある程度持ちこたえた一方、小さな村の伝統的な建物の多くは完全に破壊されてしまっています。路上や空き地で睡眠を取る人たちがいます。
夏といえども、山間部の朝晩は気温が下がります。そんな中、体調を崩す人も出てきています。また、冬になると雪が積もる地域もあります。
家を失くしてしまった人たちが、安心して過ごせる避難場所が必要です。
子どもや弱者への心理社会的ケア
被災時のトラウマ、続く余震への恐怖、これからの生活の不安など、被災地の人々は心理的に不安定な日々を過ごしています。
深刻な精神的苦痛を受けている人々に対する、心理的ケアが必要です。
特に、保護者と離れ離れになってしまったり、周囲の大人が様々な対応に追われる中「助けてほしい」と言い出せない子どもたちは大きな不安を抱えています。
モロッコの人口のおよそ3分の1が17歳以下の子どもです*。今回の被災者にも子どもが多く含まれていると考えられます。
*出典:THE SITUATION OF CHILDREN IN MOROCCO (UNICEF)
学校に行けなくなってしまった子どもたちへの教育支援
学校が倒壊したり閉鎖になったりして、授業を受けられない子どもたちがいます。
閉鎖された学校が再開されても、校舎などが避難所になっているため十分な授業ができない可能性があります。さらに、住んでいた地域以外での避難生活を余儀なくされ、学校に通えない子どもたちもいます。
子どもたちの学びを止めないためにも、緊急物資支援がひと段落した段階で早急に教育支援が必要になってきます。
長期的な復興支援
緊急支援がひと段落する数か月後には、日常を取り戻すための長期的な復興支援が必要となる見込みです。
震源地から70キロほどの都市マラケシュは世界遺産に登録されている古都です。
モスクや宮殿など歴史的な建物や広大な広場にひしめき合う屋台などを観光資源とした、国内有数の観光地です。今回の地震で、これらも被害を受けてしまいました。
インフラの再整備や住まい、建物の再建のみならず、あらゆる産業の再建や多くの人々の職業復帰、経済的再自立への支援が必要となります。
モロッコの人々を支援するために私たちができることとは
現在、モロッコ政府が空軍や陸軍などを動員し、救助活動を行っています。
また、政府はアラブ首長国連邦、カタール、スペイン、英国の4か国の政府からの救助隊を受け入れる声明を出しました。その他、多くの国が自国で派遣隊を待機させながら救助要請を待っています。
しかし、モロッコ政府は「混乱を招く」とし「現場のニーズを慎重に検討」した上で、現在のところ上記4か国の救命隊のみを受け入れる姿勢です。
民間では、日本を含めた各国のNPOなどの団体が続々と現地へのスタッフ派遣を進めています。臨機応変に動けるNPOには期待が寄せられますが、活動には資金が必要です。
日本に住む私たちが今すぐできる支援は、モロッコの人々のために活動する団体へのお金の寄付です。
お金の寄付であれば、今この瞬間にインターネットを通じてクレジットカードで行うことができます。また、現地で活動する支援団体が判断し、その時に一番必要とされる支援に使われるので効果的です。
団体によっては継続寄付を受け付けている団体もあります。
食料や物資の支援により混乱を乗り越えた後は、復興のための持続的な支援が必要となります。
モロッコの人々の支援活動に寄付できる支援団体を紹介!
ここでは、「モロッコで被災した人々へ寄付したい」と考えている方へ向けて、モロッコで支援活動をしている団体を紹介します(団体紹介は随時追加していきます)。
モロッコの被災者を支援している団体
【寄付先1】(寄付金募集終了)特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)
AAR Japan[難民を助ける会]は1979年に日本で発足した国際NGOです。
自然災害・紛争時の緊急支援、難民支援、障がい者支援、地雷対策などを、日本を含め世界16カ国で実施しています。特に困難な状況にある方たちに迅速に支援を届け、中長期的な支援を行うことが特徴です。
モロッコ地震の発生直後より情報を収集し、現地で活動する2つの団体と連携して被災者支援を開始しました。日本人職員も2人派遣しました。
山間部などアクセスが悪く支援が届いていない地域を中心に、テント、飲料水、食料、オムツ、衛生用品などを配付していきます。
山岳地帯ではすでに朝晩は気温が下がり、冬季には雪が40センチほど積もることがあるため、仮のテントでは冬を越すことができません。食料や衛生用品などの物資配付に加えて、越冬に向けた仮設住居の建設が急がれます。
モロッコ地震緊急支援指定の寄付募集を締め切りました。ご支援ありがとうございます。
【寄付先2】(寄付金募集終了)特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン
2023年9月8日深夜モロッコ中部で発生したM6.8の地震を受け、ピースウィンズは9月11日、日本から看護師を含む支援チームを派遣しました。
モロッコ中部の都市マラケシュの旧市街にて被災状況の確認、中南部の都市アミズミズの避難テントで看護師による被災者の健康状態の聞き取り、山間部のトゥクラフェ村で不足している水や食料などの物資支援を行なっています。
モロッコ地震緊急支援指定の寄付募集を締め切りました。ご支援ありがとうございます。
このように考えている方は、この機会に遺贈寄付を考えてみませんか?
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【モロッコ地震に関するよくある疑問】
モロッコ地震に関して、よくある質問をまとめました。
モロッコ地震に関するよくある疑問
- モロッコってどこにあるの?
- モロッコでは地震はよく発生するの?
- 日本政府はどのような支援を行っているの?
1. モロッコってどこにあるの?
モロッコはアフリカ大陸の北部に位置します。
モロッコ北側にあるジブラルタル海峡を挟み、フェリーで20分の距離にスペインがあります。
2. モロッコでは地震はよく発生するの?
モロッコは地震が起きやすい断層上に位置しています。そのためモロッコ周辺では、M5以上の地震が、1900年以降9回発生しています。
その中でも1960年に、今回の震源から130キロ離れた海沿いで発生したM5.9の地震は「アガディール地震」と呼ばれ、1万人以上の死者を出しました。
しかし、M6を超える自信は1900年以降で初めてで、過去120年で最大規模となりました。
ただし、日本のように小さな地震が頻発する地域ではないため、モロッコの人々が地震に慣れているというわけではないようです。
3. 日本政府はどのような支援を行っているの?
2023年9月15日、日本政府は、総額300万ドルの支援を発表しています。
・国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)を通じた、一時的避難施設や食料等の支援活動として200万ドルの緊急無償資金協力
・ジャパン・プラットフォーム(JPF)を通じた、日本のNGOによる100万ドルの支援
モロッコ地震の被災者への支援は今すぐ簡単にできる
この記事では、モロッコで必要とされている支援、地震の被害に遭った人々のために私たちができること、支援活動をする団体の概要を紹介しました。
記事の内容をまとめます。
- ・モロッコの人々を支援する団体に寄付をする効果的な手段は、お金の寄付。その時に一番必要な支援のために寄付が使われる
- ・クレジットカード決済や振込みで、今すぐに支援を届けられる
- ・食料や水の他に、安心して過ごせる避難場所、医療物資、心理サポートなどが必要とされている
「モロッコで地震の被害に遭った人々のために今すぐ自分にできることをしたい」と考えている方は、ぜひ紹介した団体のホームページを確認してみてください。
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