現在世界では地球温暖化が問題となっています。今でこそ、その深刻さが訴えられていますが、ことの始まりは18世紀の産業革命時にまで遡ります。そこから徐々に今の状態へと推移してきました。
地球温暖化の影響は各地で見られますが、その中には海面上昇が世界でも取り沙汰されています。
この海面上昇とは何か、そして近年の海面の変化や現状などをこちらの記事で解説します。
地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説
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地球温暖化による地球への影響
地球温暖化は様々な影響を地球、そしてそこに住む私たち人間や動植物に影響を与えています。
温暖化である以上、気温の上昇はもちろんですが、それに伴う気候変動と自然災害は深刻な被害をもたらします。 熱波や干ばつ、夏場の真夏日や猛暑日の増加だけでなく、台風の大型化や豪雨の増加、降雨日の減少などが挙がります。
これらの自然災害には土砂災害や洪水などの二次災害、熱中症などにかかるリスクの増加も付き纏います。 それだけではありません。気温の上昇は当然、海水温の上昇にも繋がります。そうなると北極海にある海氷や陸地の氷河、氷床に貯蔵されていた氷が融解して海に流れ込んでしまいます。
この現象がもたらす結果は海面の上昇です。実際に過去に観測された海面水位の変化では110年にわたって上昇しているという報告が挙がっています。
長い時間をかけて、少しずつ上昇していることからなかなか気づきにくい変化ではありますが、着実に上昇しています。
これは、地球温暖化の影響の中でも深刻とされる影響の1つであり、このまま上昇を続けていけば取り返しがつかないことになってしまいます。
(出典:国立研究開発法人 国立環境研究所「海面上昇とゼロメートル地帯」)
海面上昇はどうして起こる?
海面上昇は先述したように海氷や氷河、氷床が融解することによって起こります。 厳密には、氷河や氷床の融解が特に大きな要因となっています。
海氷は元々海水が凍ることによってでき上がります。 つまり元々海にあった水を氷に変えているだけなので質量そのものは変わらず、氷になることで体積は増えます。これが水に戻ったとしても体積そのものは減るということになるのです。
しかし実際に海面の上昇が起こっているのは、海氷同様に陸上の氷河や氷床も気温の上昇によって融解します。 これらが川から海へ流れ込めば全体の質量や体積も増えることになります。
氷床は比較的小さいものから大陸や島を覆うほどのものまで様々ですが、それらが溶けて流れ込めば、海洋の質量は増加するのは明らかです。
また気温の上昇は海水温の上昇にもつながることは紹介しましたが、これによって全体的な海水の体積が膨張します。 体積が膨張すれば海面の上昇も起こってしまうため、これも要因として考えられています。
(出典:国立研究開発法人 国立環境研究所「海面上昇とゼロメートル地帯」)
過去100年で19センチも上昇
これらを要因として、過去の海面上昇の観測では1901年から2010年の110年間で19センチも海水面が上昇したとされます。 これによりフィジー諸島共和国、ツバル、マーシャル諸島共和国など海抜が低い多くの島国では高潮による被害が大きくなっています。
田畑や井戸には海水が入り込み、飲み水にもできず作物も育てられない状況にあり、平均海抜が1.5メートルしかないツバル(オセアニアにある国家,島国)では2002年からニュージーランドへの移民も始まっています。これをツバル政府は「環境難民」として国際社会に訴えかけています。
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センター「1-6 海面上昇の影響について」)
今後予想されている海面上昇
過去約100年でこれだけの海面上昇が起こっており、地球温暖化はなお続いていることから、今後の予想も立てられています。
これは2013年に公表されたIPCC第5次評価報告書(気候変動に関する政府間パネル)によるものであり、今後2100年までに海面上昇は最低でも26センチ、最大で82センチとなると見積もられています。
これはRPCシナリオというものを元に算出されており、RPC2.6が低位安定化シナリオで26センチ、RPC8.5が高位参照シナリオで82センチに達するとの予測です。
RPCシナリオについては後述しますが、例えば日本の東京湾や伊勢湾、大阪湾の海岸堤防は2~3メートル以上の高潮を想定して整備を進めているため、仮に82センチの海面上昇が起こっても水没する可能性は低いです。
しかし2018年に関西などを襲った、台風21号による記録的な暴風や高潮によって、関西国際空港など、様々な場所が水害による被害を受けることとなりました。 自然災害は時として人間の想定を大きく越えてくることがあり、油断することはできません。
日本では先ほどの湾口を除いて、全国の砂浜の9割は、海面が1m上昇することで失われると予想されています。 また40センチの上昇でも沖に出ている120メートル分の干潟は消滅してしまうため、そこに住む生物の産卵や子育て、餌場としている渡り鳥にも影響を与えます。
つまり、82センチの上昇で、日本の砂浜や干潟は消滅してしまう危機にあるということです。 海面上昇の主たる原因の1つに氷床の融解があることは紹介しましたが、その中でも大きな影響を与えると考えられているのがグリーンランド氷床です。
今後1000年以上後にこの氷床が消滅すれば、海水面は7mも上昇すると考えられており、早ければ2100年までには融解量が降雪量を上回ると予想され、それによって徐々に縮小すれば、海水面の上昇は進むとされています。
(出典:国立研究開発法人 国立環境研究所「海面上昇とゼロメートル地帯」)
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センター「1-6 海面上昇の影響について」)
(出典:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「第5次評価報告書」,2014)
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センター「2-5 2100年までの海面水位の変化予測」)
RCPシナリオとは
先ほど出てきたRPCシナリオとは、代表濃度経路シナリオ(Representative Concentration Pathways)と呼ばれるもので、IPCCは第5次評価報告書からこのRPCシナリオに基づいて気候の予測や影響評価などを行っています。
RPCシナリオは4段階あり、以下のようなシナリオ(予測)のタイプとなっています。
略称 |
シナリオ(予測)のタイプ |
RPC2.6 |
低位安定化シナリオとして世紀末の放射強制力が2.6W/㎡と規定されています。 将来の気温上昇を2℃以下に抑えるという目標のものとに開発された排出量の最も低いシナリオです。 |
RPC4.5 |
中位安定化シナリオで世紀末の放射強制力が4.5W/㎡と規定されています。 |
RPC6.0 |
高位安定化シナリオで世紀末の放射強制力が6.0W/㎡と規定されています。 |
RPC8.5 |
高位参照シナリオであり世紀末の放射強制力が8.5W/㎡と規定されています。 2100年にける温室効果ガス排出量の最大排出量に相当するシナリオです。 |
第4次報告書では社会的または経済的な将来像シナリオから将来を予測した「SRESシナリオ」を用いていましたが、第5次報告書ではこのような代表濃度経路を複数用意して、将来の機構を予測し、その濃度の経路を実現する様々な社会経済シナリオを策定できるRPCシナリオを用いるようになりました。
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センター地球環境研究会「地球環境キーワード事典(四訂)「将来予測における「RCPシナリオ」とは?」,2013)
地球温暖化への対策が急務
冒頭でも触れましたが、地球温暖化は様々な影響を及ぼしています。
この海面上昇もその1つですが、海面上昇は慣性があり、例え気温の上昇を抑え気候を安定させたとしても、過去の温暖化の影響を受け、すぐには止まりません。
そうなると将来的に温暖化を防止する対策として手を打っても、影響を受け続ける可能性は十分にあります。 そのため長期的な目標とするのも大切ですが、今すぐにでも地球温暖化への対策を行わなければいけません。
時既に遅しとなる前に政府や関連機関だけでなく、私たち自身もできることを行っていくことが求められるのです。
地球温暖化や気候変動、そしてそれを防止し改善するための対策を知り、すぐにでも取り掛かることをおすすめします。
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