2019年度より施行された働き方改革関連法では、大企業や中小企業に向けた労働環境の改善のために、様々な改正を行いました。
労働環境の改善には、多くの費用がかかります。そこで中小企業に向けた助成金が設けられ、労働環境を改善するための取り組みを推進しています。
助成金の種類や内容について紹介します。
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政府は企業・経営者向けに様々な支援を実施
政府は企業や経営者に向けて、企業や経営者が働き方改革への対応を進めやすくするために、助成金や無料相談窓口など働き方改革関連法の促進に向けた支援を行っています。
特に中小企業や小規模事業者にとって、働き方改革に伴う労働環境を把握したり、対応するのは大変です。
時間外労働に伴う36(サブロク)協定の締結や、同一労働同一賃金などに対して負担を少しでも軽減するため、政府をはじめ関連機関が助成金の設立や無料相談窓口での対応などの支援をしています。
働き方改革における助成金は?
働き方改革における助成金には以下の3つがあります。
これまでの労働環境や労働条件の変更に対応するため、中小企業や小規模事業者が大きな負担を抱えることなく、できるだけスムーズに移行できるようにするための助成金となっています。
(出典:厚生労働省「働き方改革特設サイト」)
(出典:厚生労働省「働き方改革特設サイト 「助成金のご案内」」)
働き方改革推進支援助成金とは
時間外労働等改善助成金は、働き方関連法の制定に伴い、規定が設けられた時間外労働の上限設定に取り組む中小企業事業主に対して、改善・実施にかかった費用の一部を政府が助成するものです。
時間外労働の上限設定に円滑に対応するためには、生産性を向上させつつ労働時間の短縮に取り組まなければいけないため、中小企業における労働時間の設定改善の促進を目的として作られた助成金です。
この助成金はコースが5つに分かれているため、その概要と対象となる事業主、支給金額をそれぞれ紹介します。
中小企業事業主とは以下の表のAまたはBの要件を満たす企業を指し、5つのコースで述べる中小企業事業主は全てこれに該当することとします。
業種 | A:資本または出資額 | B:常時雇用する労働者 |
---|---|---|
小売業(飲食店含む) | 5000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
(出典:厚生労働省「労働時間等の設定の改善」)
労働時間短縮・年休促進支援コース
2020年4月1日より導入される時間外労働の上限規制に対して、中小企業の長時間労働見直しのため働く時間の縮小を検討し、実際に取り組んでいる中小企業事業主を支援するためのコースです。
支給対象となる事業主
支給対象となる事業主は、以下の条件すべてに合致する中小企業事業主です。
成果目標
- 全ての対象事業場において、月60時間を超える36協定の時間外労働時間数を縮減させること。
(時間外労働時間数で月60時間以下に設定・時間外労働時間数で月60時間を超え月80時間以下に設定) - 全ての対象事業場において、所定休日を1日から4日以上増加させること。
- 交付要綱で規定する特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇)のいずれか1つ以上を全ての対象事業場に新たに導入すること。
- 時間単位の年次有給休暇制度を、全ての対象事業場に新たに導入させること。
(引用:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内」)
以上の成果目標、さらに指定する労働者の時間に対して賃金額を3%以上、5%以上で賃金引き上げることを成果目標にすることが可能です。
支給金額
支給額は取り組みの実施に要した経費の一部を成果目標の達成状況に応じて支給されます。
下記のうち一番低い額が支給されます。
- 成果目標①~④の上限額および加算額の合計額
- 対象経費の合計額×補助率3/4
(常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取り組みで⑥から⑧を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5)
成果目標①の上限額
事業実施後に設定する時間外労働時間数等 | 事業実施前の設定時間数 | |
---|---|---|
現に有効な36協定において、時間外労働時間数等が月80時間を超える時間外労働時間数を設定している事業場 | 現に有効な36協定において、時間外労働時間数で月60時間を超える時間外労働時間数を設定している事業場 | |
時間外労働時間数で月60時間以下に設定 | 100万円 | 50万円 |
時間外労働時間数で月60時間を超え、月80時間以下に設定 | 50万円 | – |
(引用:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内」)
成果目標②の上限額
成果目標③達成の上限額
成果目標④達成の上限額
賃金引き上げの達成時の加算額
引き上げ人数 | 1~3人 | 4~6人 | 7~10人 | 11~30人 |
---|---|---|---|---|
3%以上引き上げ | 15万円 | 30万円 | 50万円 | 1人当たり5万円 (上限150万円) |
5%以上引き上げ | 24万円 | 48万円 | 80万円 | 1人当たり8万円 (上限240万円) |
(引用:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内」)
(出典:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」)
(出典:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内」)
勤務間インターバル導入コース
勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで働く人の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るものが「勤務間インターバル」です。
2019年4月からこの制度の導入が努力義務化されたことにより、導入に取り組む中小企業事業主を支援する助成金が勤務間インターバル導入コースです。
支給対象となる事業主
支給対象となる事業主は、以下の条件すべてに合致する中小企業事業主です。
- 労働者災害補償保険の適用事業主であること
- 次の3つのうちのいずれかに該当する事業場を有する事業主であること
支給金額
支給金額は対象経費の合計額に補助率(注1)3/4を乗じた額が助成されます。ただし以下の表の上限額を超える場合は、その上限額までとなるので注意が必要です。
休息時間数 | 「新規導入」に該当する取り組みがある場合 | 「新規導入」に該当する取り組みがなく、「適用範囲の拡大」または「時間延長」に該当する取組がある場合 |
---|---|---|
11時間以上 | 100万円 | 50万円 |
(引用:厚生労働省「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」)
この表における休息時間数は、事業実施計画において指定した事業場に導入する勤務間インターバルの休息時間のうち、最も短いものを指します。
注1):常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取り組みで以下の5つを実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5となります。(ただしこちらも上記の表の上限額を超える場合は、その上限額までとなります。)
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
- テレワーク用通信機器の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)
(出典:厚生労働省「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」)
職場意識改善コース
週労働時間60時間以上の雇用者が5割減り、2020年には年次有給休暇取得率が70%を達成することを目指しているのが職場意識改善コースです。
労働者のワークライフバランス実現を目指しつつ、生産性の向上を図り、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備を行う中小企業事業主を支援する助成金です。
支給対象となる事業主
支給対象となる事業主は、労働者災害補償保険の適用事業主であり、以下の条件を満たす中小企業事業主です。
支給金額
支給金額は以下のどちらか低い方の額が支給されます。
成果目標の達成状況 | 補助率(注1) | 1企業当たりの上限額 |
---|---|---|
両方とも達成 | 3/4 | 100万円 |
成果目標1(*1)を達成し、成果目標2(*2)が未達成の場合 | 1/2 | 50万円 |
*1:年次有給休暇の取得促進
(交付要綱別紙で規定する、特別休暇のいずれか1つ以上を全ての事業場に新たに導入すること)
*2:所定外労働の削減
(労働者の月間平均所定外労働時間数を5時間以上削減させること)
注1:常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取組で以下の5つを実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5となっています。
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
- テレワーク用通信機器の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)
ただし、こちらも1企業あたりの上限金額内での計算となり、上限額を超える場合はその上限額までとなっています。
(出典:厚生労働省「「時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)のご案内」)
団体推進コース
中小企業事業主の団体やその連合団体(以下、事業主団体)が、その傘下の事業主のうち、労働者を雇用する事業主の労働者の労働条件改善のために、時間外労働の削減や賃金の引き上げに向けた取り組みを実施した場合に助成されるコースです。
直接労働者を雇用する事業主が、事業場の労働条件改善のための取り組み実施に対する助成金になります。
これは事業主団体などに対して行われるものであると同時に、団体を更生する事業主を応援することを目指しています。
支給対象となる事業主
支給対象となる事業主は、3事業主以上で構成する事業主団体のうち、以下のいずれかに該当する必要があります。
事業主団体 | 法律で規定する団体など | 事業協同組合 事業協同小組合 信用協同組合 協同組合連合会 企業組合 協業組合 商工組合 商工組合連合会 都道府県中小企業団体中央会 全国中小企業団体中央会 商店街振興組合 商店街振興組合連合会 商工会議所 商工会 一般社団法人及び一般財団法人 |
---|---|---|
上記以外の事業主団体 | 一定の要件あり | |
共同事業主 | 共同する全ての事業主の合意に基づく協定書を作成している等の要件を満たしていること |
ここでの事業主団体などは、事業主団体等が労働者災害補償保険の適用事業主であり、中小企業事業主の占める割合が、構成事業主全体の2分の1以上であることが条件です。
支給金額
支給額は以下のうち一番低い金額が適用されます。
(試作品の試験販売などで発生した収入など)
(都道府県単位または複数の都道府県単位で構成する事業主団体等(構成事業主が10以上)に該当する場合は、上限額1000万円です。)
(出典:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)」)
テレワークコース
時間外労働の制限やその他の労働時間の設定の改善とバランスの取れた仕事と生活の推進のため、在宅やサテライトオフィスでの就業となるテレワークに取り組む中小事業主を助成するコースです。
支給対象となる事業主
支給対象となる事業主は以下の条件をいずれも満たす中小企業事業主になります。
※過去に本助成金を受給したことのある事業主は、対象労働者を2倍にしてテレワークに取り組む場合は、2回まで受給が可能
支給金額
支給額は、以下の支給対象となる取り組みの実施に必要となった経費の一部を目標達成状況に合わせて支給されます。
対象経費は以下の通りです。
助成額
成果目標の達成状況 | 達成 | 未達成 |
---|---|---|
補助率 | 3/4 | 1/2 |
1人当たりの上限額 | 40万円 | 20万円 |
1企業当たりの上限額 | 300万円 | 200万円 |
※ただし上限を超える場合は上限額まで
(引用:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」)
この上限額とは「1人当たりの上限額」×対象労働者数または「1企業当たりの上限額」のいずれか低い方の額を指します。
対象経費に関しては契約形態がリース契約やライセンス契約、サービス利用契約などで「評価期間」を超える契約の場合は、「評価期間」に係る経費のみが対象となります。
(出典:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」)
業務改善助成金
生産性を向上して事業場内の最低賃金の引き上げを図るための活動に対しての支援が、業務改善助成金になります。
機械設備やPOSシステムなどの導入に伴う設備投資などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成する制度です。
コース区分 | 引上げ額 | 引き上げる労働者数 | 助成上限額 | 助成対象事業場 | 助成率 |
---|---|---|---|---|---|
25円コース | 25円以上 | 1人 | 25万円 | 以下の2つの要件を満たす事業場 ・事業内最低貸金と地域別最低貸金の差額が30円以内 ・事業場規模100人以下 |
【事業場内最低貸金850円未満】 4/5 生産性要件を満たした場合は 9/10 |
2~3人 | 40万円 | ||||
4~6人 | 60万円 | ||||
7人以上 | 80万円 | ||||
30円コース | 30円以上 | 1人 | 30万円 | 【事業場内最低貸金850円未満】 4/5 生産性要件を満たした場合は 9/10 【事業場内最低賃金850円以上】 3/4 生産性要件を満たした場合は 4/5 |
|
2~3人 | 50万円 | ||||
4~6人 | 70万円 | ||||
7人以上 | 100万円 | ||||
60円コース | 60円以上 | 1人 | 60万円 | ||
2~3人 | 90万円 | ||||
4~6人 | 150万円 | ||||
7人以上 | 230万円 | ||||
90円コース | 90円以上 | 1人 | 90万円 | ||
2~3人 | 150万円 | ||||
4~6人 | 270万円 | ||||
7人以上 | 450万円 |
(引用:厚生労働省「業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援」)
この中の「生産性」とは、企業の決算書類から算出した労働者1人当たりの付加価値のことを指しています。
これをもとに以下の支給要件を満たしたとき、その中小企業に助成金が支給されます。
事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)
- 単なる経費削減のための経費
- 職場環境を改善するための経費
- 通常の事業活動に伴う経費
(出典:厚生労働省「業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援」)
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、有期契約労働者や短時間労働者、派遣動労者などの非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進を助成する制度です。
正社員化や処遇改善の取り組みを促進し、これを実施した事業者を助成します。
キャリアアップを図ることで労働者の意欲や能力を向上させて、事業の生産性を高めることや優秀な人材を確保することを目的としています。
こちらも7つのコースに分かれているため、コースの内容をそれぞれ説明していきます。
正社員化コース
正社員化コースは、有期契約労働者などを正規雇用労働者などに転換、または直接雇用した場合に助成されます。
1人当たり | 生産性の向上が認められる場合 | ||
---|---|---|---|
①有期→正規 | 中小企業以外 | 42万7,500円 | 54万円 |
②有期→無期 | 中小企業以外 | 21万3,750円 | 27万円 |
③無期→正規 | 中小企業以外 | 21万3,750円 | 27万円 |
1人当たり | 生産性の向上が認められる場合 | ||
---|---|---|---|
①有期→正規 | 中小企業 | 57万円 | 72万円 |
②有期→無期 | 中小企業 | 28万5,000円 | 36万円 |
③無期→正規 | 中小企業 | 28万5,000円 | 36万円 |
これら①~③を合わせて1年度1事業所あたりの支給申請上限人数は20人までです。
賃金規定等改定コース
このコースは一部の有期契約労働者などの基本給の賃金規定などを増額改定し、昇給した場合に支給されます。
助成額は対象労働者数によって変わり、すべての有期契約労働者などの賃金規定を2%以上増額した場合は以下の助成額になります。
中小企業以外7万1,250円9万円中小企業以外14万2,500円18万円中小企業以外19万円24万円中小企業以外1万9,000円2万4,000円
1事業所あたり(11人~100人については1人当たり) | |||
---|---|---|---|
1人から3人 | 中小企業 | 9万5,000円 | 12万円 |
4人から6人 | 中小企業 | 19万円 | 24万円 |
7人から10人 | 中小企業 | 28万5,000円 | 36万円 |
11人から100人 | 中小企業 | 2万8,500円 | 3万6,000円 |
一部の有期契約労働者などの賃金規定を2%以上増額した場合は以下の助成額になります。
通常生産性の向上が認められる場合中小企業以外3万3,250円4万2,000円中小企業以外7万1,250円9万円中小企業以外9万5,000円12万円中小企業以外9,500円1万2,000円
1事業所あたり | |||
---|---|---|---|
1人から3人 | 中小企業 | 4万7,500円 | 6万円 |
4人から6人 | 中小企業 | 9万5,000円 | 12万円 |
7人から10人 | 中小企業 | 14万2,500円 | 18万円 |
11人から100人 | 中小企業 | 1万4,250円 | 1万8,000円 |
助成は対象労働者が全部か一部に関わらず、1年度1事業所あたり100人まで、申請回数は1年度1回のみとなっています。
健康診断制度コース
有期契約労働者などを対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、4人以上に実施した場合に助成されます。
1事業所あたり | ||
---|---|---|
通常 | 生産性の向上が認められる場合 | |
中小企業 | 38万円 | 48万円 |
中小企業以外 | 28万5,000円 | 36万円 |
助成は、1事業所あたり1回のみとなっています。
賃金規定等共通化コース
賃金規定等共通化コースは有期契約労働者などに対して、正規雇用労働者と共通の職務などに応じた賃金規定などを新たに作成し、適用した場合に助成されます。
1事業所あたり | |||
---|---|---|---|
通常 | 生産性の向上が認められる場合 | ||
1人目 | 中小企業 | 57万円 | 72万円 |
中小企業以外 | 42万7,500円 | 54万円 | |
2人目以降 (加算) |
中小企業 | 2万円 | 2万4,000円 |
中小企業以外 | 1万5,000円 | 1万8,000円 |
助成は1事業所あたり1回のみであり、2人目以降の助成額の加算は上限20人までとなっています。
諸手当制度共通化コース
有期契約労働者などに関して、正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合に助成されます。
1事業所あたり | |||
---|---|---|---|
通常 | 生産性の向上が認められる場合 | ||
1人に1つの共通諸手当制度を適用 | 中小企業 | 38万円 | 48万円 |
中小企業以外 | 28万5,000円 | 36万円 | |
共通化した対象労働者(2人目以降) | 中小企業 | 1万5,000円 | 1万8,000円 |
中小企業以外 | 1万2,000円 | 1万4,000円 | |
同時に共通化した諸手当(2つ目以降) | 中小企業 | 16万円 | 19万2,000円 |
中小企業以外 | 12万円 | 14万4,000円 |
助成は1事業所あたり1回のみであり、共通化した対象労働者への加算は上限20人まで、同時に共通化した諸手当は上限10手当までと定められています。
選択的適用拡大導入時処遇改善コース
選択的適用拡大導入時処遇改善コースは労働合意に基づく社会保険の適用拡大の措置により、有期契約労働者などを新たに被保険者として基本給を増額した場合に助成されます。
1人あたり | 生産性の向上が認められる場合 | ||
---|---|---|---|
3%以上5%未満 | 中小企業以外 | 2万2,000円 | 2万7,000円 |
5%以上7%未満 | 中小企業以外 | 3万6,000円 | 4万5,000円 |
7%以上10%未満 | 中小企業以外 | 5万円 | 6万3,000円 |
10%以上14%未満 | 中小企業以外 | 7万1,000円 | 8万9,000円 |
14%以上 | 中小企業以外中小企業以外 | 8万9,000円 | 12万5,000円 |
1人あたり | 生産性の向上が認められる場合 | ||
---|---|---|---|
3%以上5%未満 | 中小企業 | 2万9,000円 | 3万6,000円 |
5%以上7%未満 | 中小企業 | 4万7,000円 | 6万円 |
7%以上10%未満 | 中小企業 | 6万6,000円 | 8万3,000円 |
10%以上14%未満 | 中小企業 | 9万4,000円 | 11万9,000円 |
14%以上 | 中小企業 | 13万2,000円 | 16万6,000円 |
助成は1事業所あたり1回のみで、支給申請上限人数は45人までとなっています。
短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者労働時間延長コースは、短時間労働者の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に助成されます。
この週所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険を適用した場合は以下の助成額になります。
1人あたり | ||
---|---|---|
通常 | 生産性の向上が認められる場合 | |
中小企業 | 22万5,000円 | 28万4,000円 |
中小企業以外 | 16万9,000円 | 21万3,000円 |
上記金額は、2020年3月31日までの間の支給額の増額に伴う金額です。
労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を延長し、新たに社会保険が適用されることに加え、賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースを実施した場合は以下の通りです。
1人あたり | |||
---|---|---|---|
通常 | 生産性の向上が認められる場合 | ||
1時間以上 2時間未満 |
中小企業 | 4万5,000円 | 5万7,000円 |
中小企業以外 | 3万4,000円 | 4万3,000円 | |
2時間以上 3時間未満 |
中小企業 | 9万円 | 11万4,000円 |
中小企業以外 | 6万8,000円 | 8万6,000円 | |
3時間以上 4時間未満 |
中小企業 | 13万5,000円 | 17万円 |
中小企業以外 | 10万1,000円 | 12万8,000円 | |
4時間以上 5時間未満 |
中小企業 | 18万円 | 22万7,000円 |
中小企業以外 | 13万5,000円 | 17万円 |
上記金額も2020年3月31日までの金額です。
(出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内」,2019)
活用できる助成金を探そう
紹介してきたように様々な助成金があり、事業所の方針や対応に合わせて利用しやすくなっています。
労働環境を改善していくのであれば、それに見合った助成金を申請し、事業所の負担を減らすことができます。
労働環境の改善がみられ、生産性が向上すれば助成金が増額されることもあり、事業者にとっても労働者にとってもより良い労働環境づくりを目指すことは、メリットが大きいと言えます。
働き方改革にともない、これまでの労働環境を見直し、誰もが働きやすい環境づくりができるよう心がけていくことをおすすめします。
『紛争・貧困などによって困難に直面する子どもたち』
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