日本の労働環境や労働時間については、解決すべき様々な問題があります。
現代の労働状況は一昔前とは大きく変わり、個々の事情やライフスタイルに合う労働環境づくりが求められています。
それらを実現するために行われているのが働き方改革であり、施行された働き方改革関連法です。
この記事では、働き方改革やその関連法について解説します。
みんなが働きがいを感じて仕事をするためには?解決するべき日本の課題や現状とは
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働き方改革とは?
働き方改革は、働く人々の環境や個々の事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現するための改革です。
日本は近年、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、育児や介護との両立、働く人のニーズの多様化など、様々な課題に直面しています。
そうしたなかで、投資やイノベーションにより生産性の工場を目指し、就業機会の拡大、意欲や能力を存分に発揮できる環境づくりなどが必要とされているのです。
働き方改革でこのような課題に対する施策を行うことで、一人ひとりがより良い将来の展望が持てるような社会を目指しています。
(出典:厚生労働省「「働き方改革」の実現に向けて」)
働き方改革関連法とは?
働き方改革関連法は、正式には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」と名づけられています。
この法律の目的は、現代において多様化する労働者の事情に応じ、働き方の選択ができる社会の実現と、働き方の改革を総合的に推進することです。
そのため、これまで問題となっていた長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保など、様々な対策や措置を講じる旨を記しています。
さらに働き方改革の総合的かつ継続的な推進として「労働基準法」や「雇用対策法」などの改正を行うための法律としても機能しています。
例えば雇用対策法では、その題名や目的規定などを働き方改革関連法の制定に合わせて改正し、国の講ずべき施策と事業者の責務を明確にしています。
そして、国からは現行の雇用関係の施策に加えて次の4つを新たに規定しています。
また、これに関わる事業者の責務として、職業生活の充実に対応することが必要とされています。
具体的には「労働者の労働時間の短縮その他の労働条件の改善など、労働者が生活との調和を保ちつつ意欲と能力に応じて就業できる環境の整備に努めなければならない。」と改正により規定されています。
(出典:厚生労働省「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)の概要」)
働き方改革関連法のポイントは3つ!
働き方改革関連法では、労働基準法を含む労働関連の法律の改正が行われました。
この法改正後の大きなポイントは以下の3つです。
これらは働き方改革を打ち出す上で大きな争点となっており、改正後はこれまでより条件が厳格となり、厳しい罰則などを加える形でより効力の強いものに変わりました。
(出典:厚生労働省「働き方改革特設サイト」)
働き方改革関連法の内容は?
働き方改革関連法の内容は、労働に関してこれまでの規定を改正し、労働者がより働きやすい環境を整備することを目的とした内容です。
時間外労働の上限規制や年次有給休暇の時季指定などをはじめ7つの項目があります。それぞれの内容について見ていきましょう。
時間外労働の上限規制
臨時的な特別の事情がなければ時間外労働の上限である原則月45時間、年360時間を超えてはいけないと定められています。
この臨時的な特別の事情は、労働者と雇用側が合意する場合の特別条項であっても以下のような上限規制が定められています。
施行時期
この規制については、大企業は2019年4月1日からの施行ですが、中小企業は事情に配慮しながら助言指導を行うため2020年4月1日からの施行となっています。
また上限規制には適用を猶予・除外する事業・業務もありますが、基本的にはどの中小企業も大企業での実施から1年の猶予があると考えて良いでしょう。
年次有給休暇の時季指定
年次有給休暇について、以下の条件を満たした労働者は年10日付与されることになっています。
このうちの年5日間については使用者が労働者の希望を踏まえた上で時季を指定し、付与することが義務化・実施されます。
これを「年次有給休暇の時季指定」と言います。
施行時期
これは大企業、中小企業問わず2019年4月1日からの施行です。
フレックスタイム制
フレックスタイム制度の拡充において、労働時間の調整が可能な清算期間がこれまでは1ヶ月だったのに対して、改正後は3ヶ月となります。
例えば、これまでは1ヶ月の中で法定労働時間を超えていた場合は割増賃金を支払う必要がありました。
しかし改正後は1ヶ月で30時間の時間外労働が合った場合、翌月の労働時間を30時間短くすることで調整することにより、割増賃金を支払う必要はなく、所定労働時間働いていない月も欠勤扱いされなくなります。
高度プロフェッショナル制度
高度専門知識を有し、職務の範囲が明確で一定の年収要件を満たす労働者を高度専門職と呼びます。
この職については労働時間や休息、休日および深夜割り増し賃金に関する規定から外し、新たな規制の枠組みが創設されます。
これは主に労使委員会の決議および労働者本人の同意を前提としており、年間104日以上の休日確保や健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置を講ずるというものです。
ただし制度の導入には法律に定める企業内手続きが必要です。
雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
この施策では、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇の差をなくすことを目的としています。
どのような雇用形態を選択していても、待遇に納得して働き続けられるようにすることで、多様で柔軟な働き方を選択できるようにするとしており、「同一労働同一賃金」を目指しています。
パートタイム・有期雇用労働法
パートタイム労働者・有期雇用労働者では同一企業内で、正社員と非正規社員間の基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止されました。
もし裁判となった場合、判断基準となるのが整備された以下の2つの法律になります。
均衡待遇規定 | 不合理な待遇差を禁止しており、「職務内容」「職務内容・配置の変更の範囲」「そのほかの事情」などの違いに応じた範囲内で待遇を決定する必要があります。 |
均等待遇規定 | 差別的取り扱いを禁止しており、「職務内容」「職務内容・配置の変更の範囲」が同じ場合待遇について同じ取り扱いをすることが必要となると定められています。 |
労働者派遣法
労働者派遣法では改正後に「派遣先の労働者との均等・均衡待遇」か「一定の要件を満たす労使協定による待遇」のいずれかを確保することを義務化するよう変更されました。
また派遣先事業主にこれらを遵守できるよう、派遣料金の額の配慮義務を新たに創設しています。
そして均等・均衡待遇規定の解釈の明確化のため、ガイドラインの策定根拠の規定も行われています。
産業医・産業保健機能の強化
事業主から産業医への情報提供や、産業医などによる労働者の健康相談などが強化されます。
これにより長時間労働者の状況や労働者の業務状況を、事業主は産業医へ情報提供しなければならないと定められました。
また事業主は産業医から受けた勧告に関して、事業場の労使や産業医で構成される衛生委員会に報告しなければいけない義務を負うことになります。
ほかにも、事業者は労働者が産業医などに健康相談できる体制整備を行うこと、労働者が安心して事業場における健康相談や健康診断を受けられるようにすることが定められています。
これも実施期間は2019年4月1日からです。
労働時間等設定改善法の改正・勤務間インターバル制度
1日の勤務終了時刻から、翌日の出社までの間に一定時間に上のインターバル(休息時間)を確保する制度を導入しています。
例えば始業時刻が8時の企業でインターバルを11時間確保するならば、前日23時まで残業した場合、始業時刻を後ろ倒しにして10時とする制度になります。
これも中小企業の実施期間は2019年4月1日からです。
(出典:厚生労働省「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」)
(出典:厚生労働省「働き方改革~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~」)
働き方改革における助成金は?
働き方改革を推進するなかで、中小企業の負担はどうしても大きくなってしまいます。
2016年時点で、日本国内の企業の99%以上は中小企業です。
そして中小企業に務める従業員は全体の約70%となるため、中小企業には支援による的確な移行が求められます。
そのため中小企業の支援のために3つの助成金が設けられ、それぞれのコースに細分化されています。
その助成金の内容とコースについて見ていきましょう。
(出典:中小企業庁「2019年版中小企業白書」,2019)
時間外労働等改善助成金
時間外労働等改善助成金は働き方関連法の制定に伴い、規定が設けられた時間外労働の上限設定に取り組む中小企業事業主に対して、その改善・実施にかかった費用の一部を政府が助成するものです。
時間外労働の上限設定を円滑に対応するためには、生産性を向上させつつ労働時間の短縮に取り組無必要があります。
そのため、この助成金は中小企業における労働時間の設定改善の促進を目的として作られました。
以下の5つのコースに分かれています。
(出典:厚生労働省「労働時間等の設定の改善」)
業務改善助成金
生産性を向上して最低賃金の引き上げを図るための制度が業務改善助成金です。
そのために機械設備やPOSシステムなどの導入に伴う設備投資などを行い、事業所内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するという制度です。
コースは2つに分かれており、最低賃金が800円未満かどうかで分類することができます。
コース | 引き上げる 労働者数 |
助成 上限額 |
助成対象事業場 | 助成率 |
30円コース (800円未満) |
1~3人 | 50万円 | 事業場内最低賃金800円未満かつ 事業内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内および 事業場規模30人以下の事業場 |
5分の4 生産性要件を満たした場合は10分の9 |
4~6人 | 70万円 | |||
7人以上 | 100万円 | |||
30円コース (800円以上) |
1~3人 | 50万円 | 事業内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内および 事業場規模30人以下の事業場 |
4分の3 生産性要件を満たした場合は5分の4 |
4~6人 | 70万円 | |||
7人以上 | 100万円 |
この「生産性」とは、企業の決算書類から算出した労働者1人当たりの付加価値のことを指しています。
これをもとに以下の支給要件を満たしたとき、その中小企業に助成金が支給されます。
事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)
1.単なる経費削減のための経費
2.職場環境を改善するための経費
3.通常の事業活動に伴う経費
(出典:厚生労働省「業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援」)
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は有期契約労働者や短時間労働者、派遣動労者などの非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進する制度です。
これにより正社員化や処遇改善の取り組みを促進し、実施した事業者に対して助成を行います。
このような制度を取り入れることで労働者の意欲や能力を向上させ、事業の生産性を高めること、優秀な人材を確保することを目的とし7つのコースに分かれています。
(出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内」,2019)
(出典:厚生労働省「働き方改革特設サイト「助成金のご案内」」)
政府は企業・経営者向けに様々な支援を実施
働き方改革の推進は日本の労働に関する様々な課題の解決を図ります。
そのため政府は企業や経営者に向けた様々な支援を行い、確実な実施に向けて取り組んでいます。
働き方改革関連法は順次施行となっていますが、事業者だけでなく、労働者もこの法律や取り組み目を向け、新しい環境での労働に慣れていく必要があります。
現代における個々の事情に合わせたライフ・ワーク・バランスを実現するためにも、この働き方改革と関連法について知り、実施していくことが大切です。
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