シリア難民によるヨーロッパの難民危機というのはまだ記憶に新しいかもしれません。
2015年に起こった難民によるヨーロッパ諸国の混乱はニュースでも多く取り上げられていました。
この危機に関してはシリアについてピックアップされていましたが、決してシリア難民による問題だけではありません。
アフリカ難民もヨーロッパへ押し寄せ、事態をさらに大きくすることになってしまいました。アフリカでは今でも多くの難民が存在し、紛争が続くことで増え続けているのです。
この難民の一部が、シリア難民と共にヨーロッパに押し寄せ、混乱を招いてしまいました。
欧州難民危機とはどのような問題か、解説をします。
アフリカの人々が難民となる原因や現状、キャンプでの暮らしや必要な支援とは?
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アフリカの難民がヨーロッパに大量に押し寄せた欧州難民危機とは
アフリカでは今も内戦や紛争が続いている地域があります。かつては多くの国で紛争が勃発していました。これはアフリカだけでなく中東でも同じです。
これらアフリカや中東での内戦・紛争は多くの国内避難民や難民を生んでしまいました。
国内避難民はまだ国内に留まって避難キャンプで生活をしていますが、難民は近隣諸国などに逃げ延びていきます。
しかしその近隣諸国でさえ、受け入れ体制が整っていないことや、国そのものが貧困状態で受け入れることも難しい国さえあります。
そうなると一部の人々は受け入れてくれる国を目指し、さらに移動しなければなりません。
彼らが目指したのはアフリカより北側にあり、国としても安定した場所が多いヨーロッパでした。
これによりヨーロッパ諸国には地中海を渡って、あるいは陸続きで移動してきた人々が押し寄せ、欧州難民危機と呼ばれる問題にまで発展してしまったのです。
(出典:国連UNHCR協会 「続・ヨーロッパ難民危機 ヨーロッパで今、何が起きているのかー。」)
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アフリカの難民がヨーロッパに逃れてきた理由は?
ヨーロッパ諸国に流入する難民の多くはシリア難民です。しかしシリア難民だけがヨーロッパに押し寄せてくるわけではなく、アフリカからも難民がヨーロッパを目指します。
アフリカでも内戦や紛争が今も続いている地域があり、それらの難民を受け入れる国の中には貧困であるがゆえに、受け入れ体制が整わず満足な支援を受けられないところも多いことが原因の一つとなっています。
これは政情不安や紛争の影響であり、また、同じ国に中東であるシリアからの難民も押し寄せたため受入国のキャパシティを大きく超えることとなり、やむを得ず地中海を渡ってヨーロッパへ逃れるしかありませんでした。
しかし地中海はかなり広く、ボートなどでの移動は非常に危険です。
途中で命を落とすことも多く、そしてヨーロッパ側の上陸場所となるギリシャなどはこの流入を食い止めるべく、強制送還するといった処置をとるようになりました。
(出典: 国連UNHCR協会「続・ヨーロッパ難民危機 ヨーロッパで今、何が起きているのかー。」)
(出典: ピースボート「ギリシャにたどりついた難民に支援をーピレウス」)
アフリカから押し寄せた難民たちの現状は?
ヨーロッパの中でも最も難民を受け入れている国はドイツ、次点がスウェーデンになりますが、ドイツで難民を受け入れている人数は2017年時点では、19万8,300人と圧倒的な多さを誇ります。
ドイツを含め、難民の人々はヨーロッパでどのような生活をしているのでしょうか。
難民申請が追いつかず就労できない
多くの難民が流入するため、まず彼らの難民申請が追いつかず、また申請してもすぐに通るわけではないため、長期的に就労ができない状態に陥ってしまっています。
自国にいた際に身につけた技術などを活かそうにも、就労許可が下りなければ働くことはできません。
これにより、支援だけでの生活を余儀なくされてしまいますが、それにも限界があります。
不安な日々を送ることになるため、避難させてもらっている現地の人々や同じ難民同士で衝突することも少なくありません。
(出典:国連UNHCR協会 「数字で見る難民情勢(2017年)」2017)
(出典:難民支援協会 「難民を知る」)
満足な医療を受けられない
就労できないことによりお金を得られないため、満足に医療を受けることもできない状態にあります。
難民としてヨーロッパに移動している際にも病気にかかる人や子どもがいますが、現地で治療を受けることが難しい状態であると言われています。
様々な危険にさらされる子どもたち
自国にいた際も命の危険にあった子どもたちは、ヨーロッパに渡っても危険に脅かされる日々が続いています。
暴力や搾取、人身売買は避難先でも起こり、さらにはしっかりとした住居を確保できないことから、雨や寒さにさらされます。
上記のように医療をまともに受けられないことも多いため、身体的にも肉体的にも疲弊したところに大きな病気にかかってしまうことや、一生もののトラウマとして抱えてしまうことも少なくありません。
(出典: 公益財団法人 日本ユニセフ協会「欧州への難民流入 いま、子どもを守る連携を 子ども最優先の施策が急務」)
(出典:国連UNHCR協会公式 「難民の半数は、子どもです」)
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ヨーロッパに逃れた難民たちに行われている支援とは?
ヨーロッパの難民受け入れ国の多くは、難民申請に追われており、満足な支援ができていない状態にあります。
それでも難民申請を1人でも多く通すことや、子どもたちが現地の学校で教育を受けられるように試行錯誤を行うなど、難民に対してのアプローチが続いています。
しかしそれだけでは当然、支援は間に合いません。これに対してNPO・NGOが各国と協力して難民の支援に当たっています。
難民申請のサポート
そもそも言語が違う場所で申請を行うため、その申請を行うのも一苦労です。そこでNPO・NGOが登録をサポートし、できるだけ迅速に申請が通るよう手助けをしています。
保護者がいない子どもの登録と支援
難民の中には保護者と離れてしまった、既に亡くなってしまい保護者がいないという子どももいます。
そのような子どもの難民登録や、ホストファミリーの確保などを行っています。
はぐれた家族との再会
避難中にはぐれてしまった家族を再会させるような支援も行っています。これまでに、少なくとも約6,000人以上の子どもが家族と再会を果たすことができています。
子どもが安心して遊べる・学べる場所の確保
「子どもにやさしい空間」を設置することで、子どもたちが安心して遊べる、あるいは学べる環境づくりを支援しています。
また心理社会的ケアも同時に行われています。
母子スペースの設置
母子に必要な水や衛生用品の提供、母乳育児の支援をするようなスペースの確保を行い、安心して子育てができる環境の設置を支援として行われています。
ボランティアによる医療福祉サービス
難民申請の遅延やお金がないことから現地で診察を受けられない人々に対して、ボランティアの医師や看護師による診療、あるいは心理カウンセリングを受けられるように支援をしています。
私たちにもできる支援を考え、行動しよう
今もヨーロッパ諸国に押し寄せた難民を支援すべく、その国の政府と協力しながらNPO・NGOは活動を続けています。
それにより多くの難民が新しい生活を始めようとしていますが、それでも支援は不足しているといわざるを得ません。
残念ながら現地へ行ってこのような支援に参加することは困難です。
しかし、私たちには寄付により支援活動を支える方法があります。
NPO・NGOの活動資金の多くは寄付により賄われます。少額であっても私たちが寄付をすることで、活動が支えられ、それらの活動によって難民の人々を救う手助けになるため、難民支援の大きな力となるのです。
今何かをしたいと考えているのであれば、すぐできる方法としてこのような寄付をすることも一つの手です。
寄付をしながらさらに参加できる活動を考え、行動していくことがアフリカの難民を助けていく上では必要なことです。