世界でも大きな社会問題となっている「難民」問題は、アフリカ各国で救援者数が上昇の一途をたどっています。
今回の記事では、アフリカの難民事情と、私たちが支援できることについて解説します。
アフリカの人々が難民となる原因や現状、キャンプでの暮らしや必要な支援とは?
また、どうしようもない理由で祖国を奪われた難民のために少しでも貢献したいという思いのある方は、難民支援に取り組む団体を応援してみませんか?
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アフリカ難民とは?
アフリカでは、内戦や民族紛争、人権侵害、干ばつ、飢餓などにより自国を出て難民として他国へ逃れる人たちが大勢います。
2018年のデータにおいて、紛争や暴力、迫害によって、故郷を追われた人は世界中で7,080万人と、過去70年間で最も高いレベルの数値となっています。
そしてこの年新たに移動を強いられたのは1360万人と、年々増えています。
難民を受け入れる人数は国によって大きく変わります。
2018年では、トルコが370万人で4年連続第1位、パキスタンが140万人、ウガンダが120万人、スーダンとドイツがそれぞれ110万人と続いています。
(出典:国連UNHCR協会公式サイト 「数字で見る難民情勢」2018 )
紛争
アフリカでは、貧困、民族や宗教の対立、経済的利権、権力、独立問題などの複雑な要素が絡み合い、世界中で武力紛争が最も多く起こっています。
武力紛争が起こることで、多くの人々が殺傷され、難民が大量に発生しています。
(出典: 外務省「アフリカの紛争に対する日本の取り組み」)
農業の不作
気候変動により、アフリカの気温は今世紀中に3度から4度上昇すると推測されています。
すでに深刻な洪水や干ばつで、農業での生計を諦めて避難するしかない人が大勢います。
気候の変化に対応できず、農業形態のいくつかは維持することがさらに難しくなっています。酪農や畜産に必要な資源は限られており、資源をめぐる敵対行為に及んだ村落もあり、人々の移動に拍車をかけています。
(出典: 独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト「紛争、貧困、気候変動が生み出す難民・移民 西部・中部アフリカで毎年1200万人 半数以上が子ども ユニセフ報告書『機会を求めて』発表」,2017)
汚職や腐敗による人権侵害
政治的立場にある人々の汚職、欲望によって荒廃した国では、多くの国民が祖国を離れる選択を余儀なくされています。
権利あるものが弱者を追い込み、弱者はすべてを奪われるのです。
奪われた土地の権利を主張しても、逆に殺害されるなどの危機に見舞われます。
コネなどのつながりがあるかないかで未来が決まる、国の利益が一部の富裕層に集まる――。
最低限の人間としての生活すら保障されない人々が祖国を捨てる状況が生まれているのです。
(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト 「アフリカにおける民主化の現状と支援のあり方 」)
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アフリカの人々が難民となってしまう理由は?
自分ではどうにもならない背景により大勢の人が難民になってしまいます。
アフリカの人々が難民となってしまう理由を国や地域ごとに解説します。
コンゴ民主共和国
アフリカ大陸の中央に位置しているコンゴ民主共和国の紛争は、「コンゴ紛争」と呼ばれ周辺国を巻き込みながら15年以上続いています。
この紛争では、第二次大戦後に起きた紛争としては世界最多である540万人以上の犠牲者を産み出しているのです。
長い争いの原因となったのは「豊富な天然資源」にあります。
コンゴ東部には今も手付かずの広大な熱帯雨林が広がっており、金や銅、木材、スズ、コバルト、ダイヤモンド、タンタルなど、豊富な天然資源に恵まれています。
しかし、これに目を付けたヨーロッパ諸国が資源確保のために争いを引き起こしたのです。
そして1998年にはコンゴのジョセフ・カビラ政権への不満を募らせた隣国のルワンダが、反政府勢力を組織しました。
この反政府勢力のコンゴ国内侵攻により、コンゴ政府との不安定なこう着状態が続いたのです。
コンゴ紛争は、子どもたちが兵士として徴兵され、戦争の「道具」として危険な戦闘に駆り出されます。
その役割は「地雷原を歩かされ、命と引き換えに人間地雷探知機として使われる」「新しい子ども兵の誘拐」「少女兵の場合、性的虐待や強制結婚をさせられる」などです。
このような最悪な現状から、多くの人々が難民になり、逃げ惑う日々を過ごしています。
(出典: テラ・ルネッサン「コンゴ事業」)
中央アフリカ紛争
中央アフリカ共和国では独立以来クーデターを繰り返し、多くの難民が生まれ、今でも不安定な情勢が続いています。
2018年にも暴力が激化し、子ども2万8,600人を含む、少なくとも5万5,000人が故郷を離れることを余儀なくされています。
また、暴力が原因で子どもの3分の1は学校に通えない現状に直面しています。
そして、5歳未満児の41%は慢性的な栄養不良に苦しんでいます。
支援を試みた組織が中央アフリカ共和国の人道支援のために要請した資金額のうち、集まったのはわずか15%です。
被害は年々悪化し、支援額は年々足りなくなっています。
(出典: 日本ユニセフ 公式サイト「中央アフリカ共和国 暴力と避難生活の影響受ける子どもたち 情勢悪化、130万人が人道支援を必要 ユニセフ、資金要請」,2018)
(出典: 外務省 公式サイト「中央アフリカ共和国 基礎データ」,2019)
南スーダン紛争
南スーダンは、2011年1月に「スーダン」から独立してできた新しい国です。
「南スーダン」という国ができたことで、内戦は収束に向かうはずでした。
しかし、今度は南スーダン内での対立が起き、内戦が再燃したのです。
異なる民族の出身だった2人が南スーダンの大統領と副大統領に就任、お互いがそれぞれの権力維持を図ろうとしたことから民族対立が勃発したのです。
2013年12月に紛争が勃発して以来、150万人以上が国を離れ安全な場所を求める事態となったのです。
南スーダンはアフリカ大陸内においても最大規模の難民危機となり、世界ではシリアとアフガニスタンに次いで3番目となりました。また、民家の略奪や放火、性的暴力、誘拐、深刻な食糧不足などに悩んでいます。
しかし、他の国と比較して注目されておらず、慢性的に財源が不足しています。
(出典: テラ・ルネッサンス公式サイト「南スーダンから”逃げざるを得ない”人たち」,)
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私たちにできる支援方法は?
寄付はアフリカの難民を支援するひとつの方法です。寄付先については、支援活動をウェブサイトで公開していたり、活動に積極的な団体への寄付が実績も多く安心といえます。
寄付
内戦で苦しむ南スーダン、コンゴ、ブルンジといったアフリカ中部・東部における武装勢力の暴力行為など、多くの難民問題がアフリカでは起きています。
求援者数は年々増加し、毎年過去最高を上回っています。
避難した人々を守るためのテント、毛布、水、食料、医薬品、生活用品などの援助物資の提供も必要です。
そして、紛争によって経済的弱者に立たされる女性、子どもたちの自立支援や教育支援も求められます。
このような支援を行うために、多くの協力を必要としています。
継続寄付
食糧支援、医療支援は継続的に行う必要があります。
しかし、求援者数は増えていく現状がありながらも、支援金が削減される流れが増えています。
既に、NPO・NGOの力だけでは賄えない人々が苦しんでいるため、一人でも多くの継続した支援が必要なのです。
継続寄付は毎月同じ額を寄付し続ける方法です。
ウェブからすぐに申し込みができる上、少額から申し込むことができるため負担も少なく始められます。
一人ひとりが少額でも、継続することや多くの人の寄付が集まることでアフリカの人々にとってかけがえのない支援につながります。
都度の寄付
最初から継続寄付をすることに抵抗がある人も、「まずは1度だけ寄付してみたい」という場合は1回きりの支援も選べます。
余裕のある月に少しだけ寄付してみる、思い立ったときにすぐ寄付したい、という方におすすめの方法です。
まずは現状を知り、小さな支援から始めるのも一つの選択です。
物資の寄付
物品の寄付は、NPO・NGOによって独自に行われています。
主な寄付物品として、衣類、日用品、本、書き損じハガキ等の「換金できるもの」を集めている団体もあります。
寄付した物品を売った金額で支援ができる方法もあれば、物品を直接現地へ届ける団体もあります。
後者については現地で必要な物資が時と場合によって変わるため、各団体に連絡し、確認してから行動するようにしましょう。
- 支援活動をウェブサイトで公開していたり、活動に積極的な団体への寄付が実績も多く安心
- 継続寄付、都度寄付、遺贈・遺言による寄付など自分にあった方法で無理のない寄付をしよう
- 物資の寄付は、非営利団体に必要なものと寄付の方法を確認してから行動しよう
(出典: 国連UNHCR協会公式サイト「大幅な資金不足の犠牲となる難民」)
一人でも多くの支援がアフリカ難民の人々を救う力に
今回の記事ではアフリカで起きている難民事情と私たちにできる支援方法について解説しました。
アフリカの難民問題は複雑な要因によって起きています。
紛争、政治、天候などによる被害を小さくするのは容易ではありません。しかし、小さな支援が一人でも多くの命を救うことを知り、無理のない支援から始めてみてはいかがでしょうか。