40年以上にわたる紛争によって、アフガニスタンは多くの難民を流出する国となりました。そんなアフガニスタン難民に対して必要な人道的支援とは何があるのでしょうか。
この記事では、アフガニスタン難民の数や行われている支援などについて紹介します。ぜひこの機会に、アフガニスタン難民の現状を知っていきましょう。
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アフガニスタンとはどんな国?
アフガニスタン(アフガニスタン・イスラム共和国)は、中東・中央アジアに位置する内陸国で、周囲を6つの国に囲まれています。
アフガニスタンの広さは日本の約1.7倍あり、東西文化の十字路として様々な国の文化が融合しています。
そんなアフガニスタンは30以上の言語が話される多民族国家であり、昔から争いが絶えない国です。また、アフガニスタンの成人識字率は非常に低い水準となっており、紛争によって学ぶ機会を失ったことが原因と考えられています。
そして、アフガニスタンは女性の地位が非常に低く、女性差別が激しい国としても知られています。
(出典:外務省「アフガニスタン・イスラム共和国 基礎データ」)
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アフガニスタン難民の数が増えた理由
多民族国家であるアフガニスタンは、東西文化の十字路として様々な文化が融合していることもあり、昔から争いの絶えない地域です。
アフガニスタン難民が増えたのは、1979年のソ連軍侵攻を皮切りとして、相次いで紛争が起こったことが原因とされています。未だアフガニスタン国内では反政府武装勢力による爆破テロや襲撃などが相次いでおり、紛争によって多くの死傷者や食料不足が生じています。
また、アフガニスタン国内では激しい紛争で住む場所を追われるだけではなく、干ばつなどの自然災害により、著しく低い生活レベルで暮らさざるを得なくなり、難民として国外に出る人々も後を絶ちません。最大時は約620万人にも及ぶアフガニスタン難民が生まれる程でした。
(出典:外務省「アフガニスタン・イスラム共和国 基礎データ」)
アフガニスタン難民の数
アフガニスタン難民の数は、2018年時点で約270万人にものぼり、世界各地の難民のうちの約4%にあたる人数となります。そして、このアフガニスタン難民数は世界で最も難民の多いとされるシリアに次いだ数字となっており、世界のなかでも難民の数は非常に多いと言われています。
次に、そんなアフガニスタンの難民を受け入れている国を紹介します。
(出典:外務省「難民の出身の多い国」)
アフガニスタン難民の受け入れ国
過去30年以上にわたり、アフガニスタン難民の受け入れはパキスタンやイランが中心となって行ってきました。
国際機関の自主帰還事業支援を受けて、アフガニスタン人口の4分の1を占める数がアフガニスタンへと帰還することができましたが、未だ多くの人々が難民としてパキスタンやイランに避難をしている状況にあります。
パキスタン
パキスタン政府はアフガニスタン難民に対して、安全を守りながら自主帰還を推進する支援活動を行っており、これまで多くのアフガニスタン難民が自国に帰還することができました。
それでもパキスタンには、難民登録された100万人以上のアフガニスタン難民が長期間にわたって留まっています。
パキスタンでは教育や医療、インフラなどの生活分野において、難民やパキスタン国内の受け入れコミュニティの支援を行い、アフガニスタン難民の支援を継続的に行っています。
(出典:外務省「パキスタンに対する無償資金協力「アフガン難民及びパキスタン若年層の保護計画」(UNHCR連携)に関する書簡の交換」
(出典:外務省「パキスタンにおけるアフガニスタン難民及び受入れコミュニティに対する緊急無償資金協力」)
イラン
イランには、アフガニスタンを中心とした難民が数多く滞在しています。
イランではアフガニスタン難民に対して、難民登録の有無にかかわらず、すべての子どもたちの教育サポートを行っています。
また、国民健康保険や就労許可なども行っており、イラン国内で難民が援助だけに依存しない、自立した生活を送れるような支援を行っています。
(出典:外務省「国別地域別政策・情報 イラン」)
アフガニスタン難民の日本の受け入れ数
日本は難民認定の条件が厳しいことから、日本で受け入れられている難民の数は圧倒的に少ないのが現状です。
しかし、日本にもアフガニスタン難民は暮らしています。2018年における日本での在留が認められた難民認定申請者は82名であり、そのうちアフガニスタン難民は4名となりました。
日本で難民認定されたアフガニスタン難民は、更新可能な1~3年の定住者として日本での在留資格が与えられます。さらにアフガニスタン難民も日本の国民健康保険の申請をすることができるため、市区町村の役所を通して福祉支援を受けることが可能です。
また、困窮しているアフガニスタン難民に対しては保護費として、一定額の生活費や住居費などが支給され、難民として保護されることになります。
日本では申請する必要がありますが、1年間であれば何回でも出入国ができる難民旅行証明書の発行も行うことができます。
(出典:法務省「平成30年における難民認定者数等について」)
(出典:出入国在留管理庁「難民認定制度」)
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アフガニスタン難民に行われている支援活動
アフガニスタンで行われている支援活動は多岐にわたっており、様々な支援団体が、緊急支援や自主帰還支援、シェルター支援や自立生計支援、教育支援などの支援活動を行っています。
緊急支援では緊急用テントや毛布、衛生キットといった援助物質の配布が行われ、自主帰還支援では支援センターの設置によって、健康診断や予防接種、帰還のための交通費の支給や対人地雷回避に関する教育などを行う活動が行われています。
また、日本政府も補正予算から支援機関などに対して資金提供を行い、子どもへの教育や若者への職業訓練を行える環境を作っており、多くの機関や国によってアフガニスタン難民の自立支援を促す活動が行われています。
(出典:外務省「日本のアフガニスタン難民・避難民支援」)
(出典:外務省「アフガニスタンに対する日本の支援パッケージの実施状況」)
(出典:外務省「日本のアフガニスタンへの支援」)
増加するアフガニスタン難民の数を知り、できる支援を考えよう
アフガニスタン難民の数は長期間にわたって増えています。アフガニスタン難民の数は世界でも2番目に多いとされており、深刻な状態が続いています。
日本やアフガニスタンの周辺国によってアフガニスタン難民へ支援が行われていますが、膨大な難民の数は周辺国にとっての負担は計り知れないものです。
私たち一人ひとりの小さな支援が、多くのアフガニスタン難民の命を救うことにつながります。ぜひこの機会に、私たちにできる支援は何なのかを考えてみてはいかがでしょうか。