ピースウィンズ・ジャパン

ピースウィンズ・ジャパンの東ティモールでの活動やフェアトレードとは

フェアトレードは途上国などを中心に行われており、そこに住む人々の自立と生活の安定を目指して行われている活動の1つです。
東ティモールと言う国ではピースウィンズ・ジャパンというNPOがこの活動を行い、生産者の自立を促してきました。

今回はピースウィンズ・ジャパンの東ティモールでの活動やフェアトレードについてご紹介していきます。

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンとは?活動内容や支援方法を解説

フェアトレードとは?


本来貿易とは双方に利益があるよう公平でなければいけません。
しかし、先進国と開発途上国の間で行われる貿易などは、経済的あるいは社会的に弱い立場である途上国にとっては公平な貿易となっていないケースが多く見られます。
特に途上国の小規模生産者にとっては深刻な問題であり、貧困の拡大へと繋がっています。

フェアトレードとはそのような経済格差をなくすことを目的とした貿易であり、欧州を中心として1960年代からこの運動は広がりを見せました。
途上国で作られた農作物はもちろん、手工芸品を通常の国際市場価格よりも高めの価格で買取することで、生産者の利益を上げ、継続的に取引をしていくことで、自立や持続可能な生活向上を与えられるというメリットがあります。

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の東ティモールでのフェアトレード活動

ピースウィンズ・ジャパンでは東ティモールでこのフェアトレード活動を行っています。
オーストラリアの北に位置する東南アジアの国、東ティモールでは、1999年に起こった独立前の騒乱の際にピースウィンズ・ジャパンが緊急支援を行い、現地での活動をスタートさせました。

ピースウィンズ・ジャパンは騒乱により破壊された住居の再建や、現地での仕事を再開できるよう環境の整備を行うなど、人々の日常を再び取り戻せるよう後押しをしてきました。
しかしその生活は向上を見せず、持続可能な発展のためにも自立を促し、何かを生み出すシステムの構築が不可欠であると考えました。

コーヒーの栽培・加工に注目

そこでこの地域で唯一の換金作物であったコーヒーに着目し、調査を開始したのです。

東ティモールではコーヒーの栽培や加工知識を持った人はほとんどおらず、品質についても貿易に出せるほど良いとは言えない状態でした。
この状況を打開するため、課題を洗い出し、1つ1つ解決し、高品質のコーヒーとして輸出できれば、生産者の収入向上と安定につながると考えたのです。

コーヒー栽培のノウハウを伝達

まず、実際に現地の人々にコーヒー作りのノウハウを学んでもらうため、ピースウィンズ・ジャパンが支援し、品質を向上させたコーヒー農園での栽培から収穫まで行ったのです。

その後の脱肉や発酵、水洗、乾燥までの各段階をスタッフと共に丁寧に作業することで修得。
こうする事で高品質で高い評価を得られるコーヒーへと進化を遂げたのです。

実際日本での評価は高く、2004年にはフェアトレード・コーヒーとして一般販売を開始しました。
また、この農民支援事業は2003年から国際協力機構の協力も得て、より本格化しています。

その後情勢の悪化により、一度はスタッフが出国しなければならなくなり、天候不順などで品質管理も大変で現地の人々にも過度のストレスがかかるなど、継続的な生産に課題も多く見られました。
しかし、限られたスタッフや現地の人々の尽力と話し合いを重ねることで、その窮地を乗り越えてきたのです。

他にも生産性向上のため、リハビリテーションの必要性やその方法など、コーヒーを生産する上で知らなかった知識を身につけるための講義形式の研修や実地研修を行い、継続的な生産を現地の人に意識して身につけてもらう事業も行いました。

さらには、生産者への苗木贈呈やコーヒーフェスティバルといったイベントを催すことで、現地で生産されているコーヒーへの理解や、ここまでの歩みを知ってもらう活動も進めています。

次世代のコーヒー栽培を担う子どもたちへも教育を

コーヒー栽培は、今の生産者ばかりに頼りきりではいけません。
継続的に行っていくためには次世代である子どもたちへの教育も行っていかなければいけないのです。
ピースウィンズ・ジャパンでは学校の再建などにも支援を行ってきました。そこで学ぶ子どもたちの中から、小学5、6年生を対象としたコーヒー生産の授業を行いました。

コーヒーの生産の仕方はもちろんのこと、木の老朽化による生産性の減少から手入れの必要性など、今の生産者が知識として不足していたことを中心として子どもたちに授業をしたのです。
ただし、将来的なことを考えればコーヒーだけを生産していてもいけません。

多様性を身につけるためにも、様々な作物を耕作して収入源を増やすことが大事であることも、この授業を通して子どもたちに伝えています。

東ティモールの人々のためにできる支援は?


ピースウィンズ・ジャパンの東ティモールでの支援は、現地の人々の生活を確実に向上させています。
この活動が始まり20年もたっていないために、未だ十分とは言えない状態です。
まだまだ現地での支援は課題が山積みであり、コーヒー栽培もやっと安定し始めたところですが、油断をしたらその安定が崩れてしまう可能性もあります。

そうなると継続的な支援は必要と言わざるを得ませんが、ピースウィンズ・ジャパンの支援にも限界はあります。
そこで、現地へ行って栽培の手伝いなどができるわけではありませんが、日本にいながら東ティモールの人々を支援することが可能なのです。

寄付する

支援の1つとして寄付があります。
ピースウィンズ・ジャパンでは人々の支援のために寄付を募っており、その寄付金が活動資金や支援物資の調達などに利用されます。
当然、東ティモールでの活動もこの寄付を利用しています。寄付が少しでも集まれば、現地で活動できる幅も広がりますし、支援物資もより多く送ることができるようになります。
こうする事で、東ティモールの人々を間接的に支援できます。

コーヒーを購入する

東ティモール製のコーヒーを個人で購入することも可能です。
ピースウィンズ・ジャパンでは公式オンラインショップを設け、そこで東ティモールで作られたフェアトレード・コーヒーを販売しています。

これを購入することで、東ティモールの人々の収益につながるため、直接的な支援ができます。
品質も高いことから、普段コーヒーを飲まれる方は、この東ティモール製の有機ピースコーヒーに変えてみるのもいいでしょう。

東ティモールの人々へ支援としてコーヒーを購入しよう


東ティモールでは、今日も自立に向けてコーヒーの栽培を続けています。
独立による騒乱で一度は失われかけた日常が、20年近くの時間をかけてやっと形になろうとしているのです。

しかし、まだ安定性まで得られたとはとてもいえない状況です。支援を必要としながらも、一生懸命生きるためにコーヒーを作り続ける人々がいます。
東ティモールの支援として寄付をしたり、コーヒーを購入してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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