特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンは1996年に設立された団体で、、世界に幅広く人道支援の活動をしており、近年では災害被災地での支援活動、地域再生活動、動物愛護活動などさらに活躍の場を広げている団体です。
ここではそのピースウィンズ・ジャパンとその活動内容について詳しく紹介していきます。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンとは
ピースウィンズ・ジャパンは、もともと1996年2月にイラク北部のクルド人自治区での人道支援を行う目的で設立された団体です。
ピースウィンズ・ジャパンの代表理事である大西氏は、当初は別の非政府組織(NGO)の一員としてイラク北部で人道支援の活動を行っていましたが、このNGOが経営難となったため、現地を撤退することになりました。
この撤退によって支援活動が途切れてしまうことを懸念した大西氏は、独立して団体を作ることを決意し、同じ目標をもった2人とともに当初日本人スタッフ3人で立ち上げた団体が、ピースウィンズ・ジャパンです。
彼らは「緊急支援」「復興・開発支援」「国内事業」の3つを軸とし、これまでに158万人以上もの人々、そして27,000以上もの家族を救ってきました。
ピースウィンズ・ジャパンの支援分野や活動内容は?
設立当初はイラク北部で人道支援の活動を行っていましたが、1996年に特定非営利活動促進法に従ってNPO法人格を取得し、東ティモールやコソボの紛争についても人道支援の活動を行うようになります。
また、アフガニスタンでの避難民に対する人道支援、イランの大地震による緊急支援、インドネシア大津波による被災地での緊急支援、パキスタン地震での緊急支援、シリア難民、ソマリア難民の支援、東ティモールでのフェアトレード活動など海外での数多くの支援活動を行っています。
日本国内においても新潟県中越地震、広島土砂災害、東日本大震災、熊本地震などに対して、幅広く被災地での支援活動を行っています。
災害緊急支援
ピースウィンズ・ジャパンではネパールにおいて、雷雨、大雨、竜巻などで被災した319世帯(約2400人)の人たちに対して災害緊急支援活動を行いました。
災害時にもっとも重要とされる食料、水、食器、衛生用品、布団、毛布などの物資を優先して支援を行っています。
また、地域の特性として虫が多いこともあり蚊帳なども支援物資として運び込まれました。
天候の悪化や、風が強いと仮設テントの中で火を起こして料理ができないという事情があったため、キッチンコンロも届けられています。
その他の災害緊急支援
こうした災害時の緊急支援に関しては、イランの大地震やインドネシアの大津波、パキスタンの地震など数多く行われています。
もちろん日本の災害にも支援が行われています。
2018年9月に起きた北海道胆振東部地震では特に被害が大きかった厚真町・安平町・むかわ町と、北広島市の1市3町に対してすぐに使用できるような家電を支援した他、現地の提携団体と業務委託契約を結ぶことで、食料や毛布などの物資を早い段階から支援していました。
海外人道支援
ピースウィンズ・ジャパンでは食料などの物資を支援するだけでなく、幅広い海外人道支援が行われているのも特徴です。
たとえばケニアのカロベエイ難民居住地区では、トイレの問題がありました。
作られているトイレはほとんどが汲み取り式のトイレ、通称「ぼっとん便所」と呼ばれるもので、地元の人々も使いたがらないほど不衛生な環境でした。
そこでピースウィンズ・ジャパンでは、国内大手メーカーであるLIXILが開発した途上国向けの簡易式トイレシステムである「SATO」を現地に50基建設したのです。
このトイレは、利用するときにだけトイレの弁が開くように設計されているため、悪臭や虫の発生を抑えることができるほか、プラスチック製のため軽くて掃除がしやすいというメリットもあります。
このトイレが現地の人からの評判もよく、衛生面で大きな改善が見られたことからさらなる増加が決定されました。
その後は現地住民に対して使用方法や手入れの方法などの説明とともに取り付けていく支援活動が行われています。
その他の海外人道支援
ピースウィンズ・ジャパンでは、イラク、パレスチナ、南スーダンなどの国でも教育や医療、保健衛生、社会福祉などの支援活動が継続して行われています。
2003年に起きたイラク戦争のときにも支援活動は続けられ、特に劣悪な教育環境を改善するために小学校の改築や増築事業が実施されています。
シリアやパレスチナに関しては、内戦による政情悪化のために発生した難民への支援も並行して行われています。
地域復興・教育
ピースウィンズ・ジャパンでは継続的な地域復興支援なども行っています。
たとえば佐賀県では、伝統工芸の魅力を発信し、さらに時代性やデザイン性を高め進化させていくプロジェクトも展開されています。
瑠璃釉を得意としている坂本窯陶工房や、源右衛門窯などでは伝統工芸を返礼品として利用することで多くの職人の技が広く知られるようになっていると好評です。
全国の被災地で活動も
また、地震や水害など災害時にはいち早く緊急支援が行われています。
熊本の地震や広島の土砂災害、九州の大雨による災害に対しても食料などの支援が行われています。
こうした緊急支援に関しては、現地の提携団体などと連携することで、素早い対応をとることができるだけでなく、ピースウィンズ・ジャパンからもスタッフが現地に派遣されて積極的に行動しているのが特徴です。
フェアトレード
支援活動は、その場限りの物資の支援だけを行っていても、長期的な経済活動の盛り上がりということにはなりません。
そこでピースウィンズ・ジャパンでは、現地での食料品の栽培などを支援し、長期的な主要産業を育てる活動も行っています。
東ティモールで行われているコーヒーづくりは、その代表的なものです。
世界でも通用するような高品質なコーヒー豆の栽培をサポートしており、現地住民へもコーヒーの作り方、なぜ公正な貿易を行うことが重要なのかといったことを細かく説明し、フェアトレードを行える土壌づくりを行っています。
ピースウィンズ・ジャパンの設立者、大西健丞とは
ピースウィンズ・ジャパンの設立者である大西健丞氏について紹介します。
大西氏は大阪市で生まれ上智大学を卒業後、イギリスのブラッドフォード大学の大学院に留学。
在学中にNGOの活動に感銘を受けたことから、1994年にNGO「アジア人権基金」に加入。
後にアジア人権基金が経営難から規模を縮小した際に独立してピースウィンズジャパンを設立しました。
大西健丞氏のビジョンとは
人道支援、災害支援、地域支援、動物愛護など幅広いビジョンを持ち、それを次々と実現させていることからも、広い分野に関して積極的な活動を行っていることがわかります。。
日本国内はもちろん、世界中で支援が必要な地域に支援を続けています。
など、多様なフィールドで活躍しています。
ピースウィンズ・ジャパンが求める人材とは
ピースウィンズ・ジャパンでは、ますます活動の範囲を広げており、それに伴って多様な才能を持った人材を集めています。
これからさらにグローバル化、高齢化が進むことを見据えて、単純なNGO組織という枠を超えて、持続的な社会改革を促すような「ソーシャルイノベーション・プラットフォーム」に転換することを目標としているのです。
そのため2020年までの中期経営計画の実現のために5つのポリシーが策定されています。
- 現場を起点とした知恵と創意工夫で、問題解決に向けて突破する。
- 民間の力を基点に、既存の枠組みを超えたイノベーションを生む。
- 目先の課題だけでなく、未来を洞察するビジョンを描く。
- 他者、他のアクターとの協働からコレクティブインパクトを創出する。
- 仕事に「遊び」と「面白さ」を。「ホモルーデンス」であれ。
目先のことだけに目をとらわれることなく、未来のことを考え、創意工夫をすることで問題解決にあたっていく人材が求められていることがわかります。
ピースウィンズ・ジャパンに寄付する方法、手順は?
ピースウィンズ・ジャパンの活動に共感したら寄付をするで支援することも可能です。
寄付の仕方や方法はいくつかの種類がありますので、紹介していきます。
継続寄付
安定的、継続的に支援活動を行うために継続寄付を行うことができます。
毎月決まった額を寄付することができ、その金額は以下の中から選ぶことができます。
最も少額となる寄付では、一日あたり40円なため、家計への負担が少なく支援できます。
また、継続寄付を行う人を「ピースサポーター」と呼んでいます。
ピースサポーターになると3ヶ月に1度発行されるニュースレターと、毎年5月ごろに発行される年次報告書が送付されてくるようになります。
継続寄付を行う方法
クレジットカードからの支払いを行う場合は、クレジットカードの情報を登録します。
銀行引き落としを希望する場合は、それぞれの銀行の登録用紙に記載をして登録をすることになります。
今回のみ寄付
支援をしたいタイミングで寄付をする方法です。
支援したい国や、何に対しての寄付かを選ぶことも可能です。
その時に寄付をしたいという直接的な行動をとることができるのが特徴といえます。
こちらも少額からの寄付が可能なため、少し余裕のあるときに思い立って寄付できます。
今回のみ寄付を行う方法
クレジットカードで寄付をする場合はカード情報を登録します。
カード会社の決済を通って入金まで最長2ヶ月ほどかかる場合があります。
銀行、郵便局から寄付する場合は、「払込取扱票」または 「郵便振替払込請求書兼受領証」に必要事項を記入して振込を行います。
口座番号:00160-3-179641
加入者名:ピース ウィンズジャパン
三井住友銀行 青山支店
口座番号:1671932
口座名義:特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン広報口トクヒ)ピースウィンズジャパン コウホウグチ
ふるさと納税
寄付額に応じて所得税や住民税が軽減されるシステムがふるさと納税です。
ピースウィンズ・ジャパンの活動をふるさと納税で支援するためには、広島県神石高原町または佐賀県NPO支援を指定してふるさと納税をすることになります。
ふるさと納税から寄付することで、寄付額の98%がピースウィンズ・ジャパンの活動費となり、2%が町の事業に使われます。
寄付額から2000円が引かれた額が確定申告時に所得税や住民税から控除されることとなり、返礼品がピースウィンズ・ジャパンから届くこととなります。
「ピースワンコ・ジャパン」「ピースクラフツSAGA」の2つにふるさと納税を行うことが可能で、ピースワンコの方は自治体と連携して「犬の殺処分ゼロ」を目指す取り組みに使用され、
ピースクラフツの方は佐賀県の伝統的工芸品の支援に使用されます。
ふるさと納税をする方法
ふるさと納税を利用する際には、神石高原町のホームページから申し込みするか、ピースウィンズ・ジャパンのサイトから申し込みするかのどちらかになります。
PWJ支援者サービス係 TEL:0847-89-0887
受付時間:9:00-18:00 (土、日、祝日は休み)
ダウンロードした申込書を出す場合は以下の場所になります。
FAXの場合:TEL:0847-82-2949
郵送の場合:〒720-1622 広島県神石郡神石高原町近田1161-2 2F
相続・遺言
自らの遺産を遺言によって寄付する、自分が相続を受ける財産を寄付する、香典や御花料としてもらったお返しを寄付する、という方法も可能です。
ピースウィンズ・ジャパンは認定NPO法人ですので、こちらに寄付をした場合、相続税の申告期限内に寄付手続きをした場合は、寄付をした部分に関しては相続税が課税されないようになっています。
ピースウィンズ・ジャパンを通して社会問題に貢献しよう
ピースウィンズ・ジャパンは幅広い支援を行っている団体です。
人道支援、経済支援、災害支援、地域支援などその活動の幅は広く、この団体を支援することでそれらを社会的に支援することにつながるのです。
世界には紛争・難民・貧困・災害・人権など様々な問題が起こっています。
平和に暮らすことができている日本も他人事ではありません。
まずはそのような問題を認識し、理解を深めることも支援の一つです。
一人でも多くの人を救いたい、ピースウィンズ・ジャパンの活動内容に共感が持てる人は活動を支えるために寄付してみてはいかがでしょうか。