ここ数年で加速度的に数が増えているこども食堂ですが、決められた定義がないため地域や食堂によって多様な形式で運営されています。
そして、最近では食事の支援だけではなく教育支援、体験プログラムなどの新しい取り組みが行われるケースも増えているようです。
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえは、そうした全国のこども食堂を支援するために2018年に設立した新しい団体です。活動実績やメンバーの経歴などをご紹介します。
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえとは?
全国こども食堂支援センターの活動などについて紹介
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえとは?
むすびえは「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる」ことをビジョンに掲げこども食堂や地域のネットワーク団体に支援活動を行うNPO法人です。
このビジョンは国連SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発のための2030アジェンダ)が掲げる「“誰一人取り残さない”世界の実現」の価値観と呼応しています。
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの活動・事業内容は?
むすびえの支援活動は地域ネットワーク支援事業、企業・団体との協働事業、調査・研究事業と3つの柱で展開しています。
地域ネットワーク支援事業
こども食堂は県や市町村のエリアごとに、食堂関係者らの情報交換や意見交換のハブ的な役割を担う「地域ネットワーク団体(中間支援団体)」が結成されています。
むすびえはこども食堂の立ち上げ支援や運営者同士のネットワークづくり、行政や関係団体との連携、寄付物品の仲介、情報提供など多岐にわたる支援を行っています。
企業・団体との協働事業
企業やNPO団体と協力し、こども食堂の支援を行います。
全国にあるこども食堂の地域ネットワークを通じ、企業や団体からの寄付やプログラムなどをそれぞれのこども食堂に提供を実施。
実際に、お寺のお供え物を経済的に困難な家庭へ提供する団体と提携し、こども食堂に配布したり、こども支援団体が開催するチャリティーイベントを通じて、こども食堂について広く知ってもらう活動などの実績があります。
調査・研究事業
こども食堂が社会の「あたりまえ」となり、より多くの子どもたちがアクセスできるような環境を目指して調査・研究事業も行っています。
2016年には少なくとも319箇所だったこども食堂は、2017年には2,200箇所以上に。
2019年6月に発表したむすびえが調査を行なったデータでは1年で1,500箇所以上増えて3,700箇所以上あることがわかりました。
そして2022年12月時点では全国のこども食堂の数は約7,300箇所と急増しています。
(出展:朝日新聞独自調査)
(出展:こども食堂安心・安全向上委員会)
(出展:NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ)
NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの実績は?
むすびえは前述した3つの事業で数々の実績をつくり、こども食堂の支援について着実にノウハウを蓄積しています。
そして、むすびえを構成するメンバーもこれまでに数々の経歴があります。
理事長の湯浅誠は、1990年代から日本の貧困問題に携わってきた経験と実績を持ち、内閣府参与(大臣のアドバイザー)の経験もしています。
また、2016~2018年にかけて「広がれ、こども食堂の輪!」全国ツアーの実行委員を務めたり、2018年には「こども食堂安心・安全プロジェクト」で全国のこども食堂の保険加入状況を改善。
その際に利用したクラウドファンディングの実績が優れていたため、1年の間に実施されたのプロジェクトの中から、特に優れた挑戦を讃える賞をクラウドファンディングのサイトから贈られています。
さらに子どもの貧困対策に関するコラムの連載を通じて、こども食堂や子どもの貧困対策について発信を続けるなどの活動を行い、全国各地のこども食堂とも緊密なコミュニケーションをとり続けています。
また、理事の釜池雄高は全国のこども食堂をまとめる団体の事務局として、企業・団体からの寄付の仲介などを中心的にとりまとめてきました。
むすびえは、団体としては設立されたばかりですが、こども食堂を支援するために必要な経験とノウハウはそれぞれが持ち合わせ、経験を活かした強みを活動に踏襲しています。
むすびえでボランティアに参加できる?
「こども食堂を手伝いたい」「全国の子どものために何か行動したい」という方は、こども食堂ボランティアに参加してみてはいかがでしょうか。
むすびえの団体に所属して行うボランティアの活動は、現在は募集はしていません。
しかし、全国のこども食堂を支援しているむすびえは、各地域のネットワーク団体を通じて様々な活動を行っています。
近くのこども食堂や地域のネットワーク団体に、手伝いの申し出をしてみるのがおすすめです。
むすびえの団体の支援をしたい場合
特定のこども食堂ではなく、全国のこども食堂に関して支援を行いたい場合は、むすびえに寄付をすることができます。
むすびえに寄付した金額は、様々なプログラムをこども食堂で実施するための事業費、こども食堂の現状の調査費用、 むすびえの運営費用として活用されます。
寄付金を送るには以下の方法があります。
- 毎月同額を寄付する「継続寄付」
- 寄付したい時だけ行う「都度寄付」
- 貯まったポイントを寄付する「Tポイント寄付」
また、不要になった書籍やDVDを送り、その売却金額を寄付に充てられる方法もあります。
いずれの寄付もむすびえにとって大きな支えとなります。
全国のこども食堂を支援するNPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえを応援しよう
全国で急速に広まりを見せているこども食堂。その中で様々な課題や問題がありながらも、各食堂では試行錯誤を重ね運営がされています。
むすびえは、「子ども」「こども食堂」「こども食堂を応援しようとする人々」をつなげる役割となるため、日々活動を行っています。
まずはこども食堂について興味を持つ、知ってみることも大きな支援の一歩となります。