ジェンダーレス

ジェンダーレスの歴史とは?社会背景から振り返ろう

世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2019年12月に公表した「Global Gender Gap Report 2020」によると、日本の男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数は世界153ヶ国中121位となっており、世界で見ても日本は男女格差が大きい国の一つとされています。

近年では、ジェンダーレス社会を目指す動きが大きくなってきていますが、日本におけるジェンダーレスには長い歴史があるのです。
この記事では、日本におけるジェンダーレスの歴史を社会背景とともに紹介します。

ジェンダーレスとは?意味や定義などを徹底解説

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ジェンダーレスの歴史とは?

日本は男女格差が大きい国の一つとされていますが、なぜ男女格差が生まれてしまったのでしょうか。
男女共同参画局の調査によると、男女格差が生まれた原因として「男女の役割分担についての社会通念・慣習・しきたりなどが根強いから」、「仕事優先、企業中心の考え方が根強いから」と考えている人が多いという結果が出ています。

男女の役割分担に対する固定観念を持つ原因の一つは、出産が可能なのが女性のみであるという点が大きいです。出産前後は入院が必要なため入院期間中は仕事をすることが難しくなりますし、子どもが生まれると子育てをするための時間が必要になります。
このことから男性は仕事をして家族を養い、女性は結婚したら家庭に入るといった考え方が定着し、男女格差や男女の性差による差別や偏見が持たれるようになったと考えられているのです。

しかし、1985年に男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として女性差別撤廃条約が締結されて以降、1990年代からジェンダーレス、ジェンダーフリーという言葉が少しずつ浸透し、認識されるようになりました。それにより、男女の性差による差別をなくしていこうという動きが活発になり、男女を平等に扱うための法律が制定されるようになったのです。

(出典:男女共同参画局「社会において男性が優遇されている原因」)

1985年女子差別撤廃条約成立

女性差別撤廃条約は1979年に国連総会において採択され、1981年に発効されました。女性差別撤廃条約は男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念としています。

日本では、1985年に女性差別撤廃条約を締結しました。
国連は女性差別撤廃条約の締約国に対して、政治的及び公的活動、並びに経済的及び社会的活動における差別の撤廃のために適当な措置をとることを求めています。

1986年男女雇用機会均等法成立

女性差別撤廃条約が締結された翌年の1986年に、男女雇用機会均等法が成立しました。
男女雇用機会均等法とは、働く方が性別により差別されることなく、かつ働く女性が母性を尊重されつつ、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することを目的とした法律です。

募集・採用、配置・昇進等の雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別の禁止や婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等が定められました。
2017年(平成29年)1月1日からは、上司・同僚からの職場における妊娠・出産等に関するハラスメント防止対策の措置も義務付けられています。

1993年中学校・1994年高校で「家庭科」が男女共通必修科目に

1947年(昭和22年)に職業科のカリキュラムとして家庭科が創設され、1958年(昭和33年)になると「技術科、家庭科」に名称が変更され、男子生徒は技術科、女子生徒は家庭科と男女別々のカリキュラムとして授業を受けるように変更されました。
しかし、1985年(昭和50年)以降、女性差別撤廃条約成立を受けて、男女共修の取り組みが始まり、1993年(平成5年)に中学校で、1994年(平成6年)に高校で「家庭科」が男女共通で必修科目に変更されています。

1997年男女雇用機会均等法改正(セクシャルハラスメント防止)

1997年(平成9年)に男女雇用機会均等法が改正され、事業主に対するセクシュアルハラスメント防止措置が義務化されました。
そのほかにも、「募集・採用、配置・昇進に関して男女を均等に扱うことに対して努力義務から禁止に変更」「母性健康管理措置が義務化」「行政指導に従わなかった場合の企業名公表制度」などの改正も行われたのです。

1999年男女共同参画社会基本法成立

1999年(平成11年)男女共同参画社会基本法が成立しました。
男女共同参画社会基本法は、「男女の人権尊重」「国際的協調」「社会における制度または慣行についての配慮」「家庭生活における活動と他の活動の両立」「政策等の立案及び決定への共同参画」の5つの基本理念が掲げられています。

男女共同参画社会基本法は、男女が社会の対等な構成員として、自らの意思により社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を作るための法律です。

2001年配偶者暴力(DV)防止法成立

2001年(平成13年)配偶者暴力(DV)防止法が成立しました。
配偶者暴力防止法とは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的とする法律です。
配偶者暴力防止法は男性、女性問わず適用されますが、被害者の多くが女性であることから「女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取り組みにも沿うものである」といった前文が記載されています。

2003年少子化社会対策基本法

2003年(平成15年)少子化社会対策基本法が制定されました。
少子化社会対策基本法は、妊産婦及び乳幼児に対する健康診査、保健指導等の母子保健サービスの提供に係る体制の整備や、育児休業、労働時間の短縮などの雇用状況の改善、多様な需要に対応した良質な保育サービスを受けられるようにするなど、安心して出産や子育てができる環境を整えるための内容が定められています。

2010年育児・介護休業法の改正

2010年(平成22年)育児・介護休業法が改正されました。
育児・介護休業法の改正により、母親、父親の両方が育児休業を取得することで、従来の1年間(子が1歳に達するまで)の育児休業が1年2ヶ月(子が1歳2ヶ月に達するまで)まで取得が可能になったのです。

そのほかにも、事業主に対して3歳までの子どもを養育する労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度(1日原則6時間)が義務化されるなど、短時間勤務がしやすい環境作りが目的となっています。

2015年女性活躍推進法成立

2015年(平成27年)女性活躍推進法が成立しました。
女性活躍推進法により、301人以上の大企業に対して(300人以下の中小企業は努力義務)、「女性の積極採用」「長時間労働是正など働き方の改革」「勤続年数男女差」「女性管理職比率」など、自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析や女性の活躍に関する情報公表などが義務化されました。

(出典:厚生労働省「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の概要」)

2015年持続可能な開発目標(SDGs)

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年に国連で決められた国際社会共通の開発目標です。2030年までに達成すべき目標として以下の17の項目を掲げています。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

この17の目標の一つにも「ジェンダー平等を実現しよう」が掲げられています。これらが達成された世界を作るためには、国や企業だけではなく私たち一人ひとりが社会に関心を持つことが必要です。

  • 日本は男女格差が大きい国の一つ
  • 1985年に女性差別撤廃条約が締結されて以降、ジェンダーレスやジェンダーフリーという言葉が浸透し認識されるようになった
  • 2030年までの開発目標、SDGsにもジェンダー平等が掲げられている
  • ジェンダーレスに対する人々の意見は?

    ジェンダーレス社会を作ろうという動きが活発化する中で、ジェンダーレスに対してどのような意見があるのでしょうか。

    ジェンダー・バックラッシュとは

    性差による不平等をなくそうという動きが進んでいる反面、ジェンダーレス社会は社会の秩序を乱すと考えられ、性差別を無くそうとする動きや、性に関する教育を発展させようとする動きに対する反対圧力が起こるようになりました。
    このようなジェンダーレスに反対する動きのことをジェンダー・バックラッシュと言います。

    ジェンダー・バッククラッシュが起きた背景には、ジェンダーレスに対する正しい知識を持たない人がいたことや、男らしさ、女らしさという固定観念からセクシャルマイノリティ(性的少数者)の人に対する偏見があることが一つの原因として考えられています。

    ジェンダーフリーとは

    ジェンダーフリーとは、「従来の固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること」です。
    家庭を持つと男性は外で仕事をして家族を養い、女性は家庭に入り、家を守るといった考え方が未だに根強くあるため、妊娠や出産をすると仕事が続けにくい、男性の育児休暇は取得しにくいと感じている人は少なくありません。

    少子高齢化が問題視される反面、男女の役割に対して固定観念を持っている人はまだまだ多く、法律で整備されても実際の職場ではこのようなことが現実に起きています。
    ジェンダーフリーの社会を実現するためには、ジェンダーレス、ジェンダーフリーについての正しい知識を学ぶ機会が必要です。

  • ジェンダーレスに反対する動きのことをジェンダー・バックラッシュと言う
  • ジェンダーフリーとは、「従来の固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること」
  • 男女の役割に対して固定観念を持っている人はまだまだ多いため、ジェンダーレス、ジェンダーフリーについての正しい知識を学ぶ機会が必要
  • ジェンダーレスのビジネスへの影響は?


    ジェンダーレス社会の実現に向けた取り組みは、ビジネスにも影響を与えています。

    ジェンダーレスという考え方が浸透してきていることで、男性向け、女性向けというはっきりした区別のない商品の開発が進んでいるのです。
    例えば、男女兼用で使用が可能なファッションや化粧品です。以前は化粧品や脱毛というと女性のものという認識がありましたが、最近では男性向けのメイクだけではなく男性向けの脱毛サロンなども増えてきています。

    仕事に関しても、結婚をして子どもができても好きな仕事を続けたいと考える女性が増えており、平成29年の総務省「労働力調査」によると、女性の労働力人口は2,937万人と前年に比べ45万人増加(前年比1.6%増)し、5年連続増加しているのです。
    この数字からも、男性が家族を養い、女性は家庭を守るといった考え方が変わってきていると言えます。

  • ジェンダーレスという考え方が浸透してきていることで男女の区別のない商品が開発されるようになってきた
  • 仕事に関しても結婚後に仕事を続けたいと考える女性が増加し、平成29年時点で5年連続女性の労働力人口は増加している
  • (出典:厚生労働省「働く女性に関する対策の概況(平成15年1月~12月)」)

    差別のないジェンダーレス社会を目指そう


    本来であれば、すべての人が自分らしく生きることは当然の権利になります。
    しかし、男女による格差、セクシャルマイノリティの人への偏見や差別を感じている人はまだまだ多いのが現実です。
    差別のないジェンダーレス社会を作るために、それぞれが抱えている問題や個性を尊重できるよう正しい知識を得る機会を増やし、認め合うことの大切さを学ぶことが必要だと言えるのではないでしょうか。

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    この記事を書いた人
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