2022年7月に世界経済フォーラムが男女間の格差を測るジェンダーギャップ指数を発表し、日本は146か国中116位という結果でした。
この記事では、男女による格差をなくし、ジェンダーレス社会にするためにはどのような取り組みが必要なのか紹介します。
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ジェンダーレス(平等)な社会とは?多様性はなぜ必要?
ジェンダーレスな社会とは、性別による格差がない社会のことです。
ジェンダーギャップ指数は、経済、教育、健康(保健)、政治の4つの分野のデータから作成されており、各分野における日本のスコアを見ると、特に経済、政治の分野における男女の格差が、ほかの国と比較するとかなり低い水準であるという結果が出ています。
また、男女による格差だけではなく、世界ではLGBTQ+(※1)をはじめとする多様なセクシャリティ(性のあり方)への対応が求められています。セクシャルマイノリティ(※2)の人々に対して差別的な意見や偏見を持つ人々も少なくはなく、配慮の欠如が社会問題となっているのです。
ジェンダーレスとは、男女の性差をなくしていこうという考え方のことです。もちろん生物学的な性差があるため、妊娠、出産は女性のみが可能であるといった違いを変えることはできませんが、生物学的な性差も踏まえた上で、性別による格差のない社会づくりをしていくことが必要になります。
※1 LGBTQ+:L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシュアル)T(トランスジェンダー)Q(クエスチョニング)+(プラス)
※2 セクシャルマイノリティ:性的少数者
(出典:内閣府男女共同参画局「共同参画」2020年3・4月号)
日本におけるジェンダー問題
日本におけるジェンダー問題の一つに雇用に関する問題があります。
少子高齢化が進む日本では、女性の活躍が重要だと言われていますが、現実を見ると職場に家庭と仕事の両立を支援する雰囲気がなかったことを理由に退職する女性や、出産や妊娠を理由に解雇または退職を勧奨されたという女性も少なくありません。
また、採用率が男性の方が高い、女性の管理職の割合が大企業になる程低いという現状があります。
1986年に男女雇用機会均等法が施行され、性別を理由にした差別は法律で禁止されていますが、実際には結婚や妊娠を理由に退職を余儀なくされる女性も少なくありません。
雇用に関する問題だけではなく、セクシャルマイノリティの人々への偏見や差別、男性の育児への参加に対して理解が得られないこともまだまだ多く、生きづらさを感じている人が数多くいます。
性別などに関係なく平等な社会であるのが本来あるべき姿ですが、性差に関する固定観念からいわれのない差別を受けている人がいるという現実を、行政だけではなく私たち一人ひとりが認識することが大切です。
ジェンダーレス社会とは
ジェンダーとは、生物学的な性差をもとにして与えられた「男性」「女性」という社会的性差や文化的性差のことです。そしてジェンダーレス社会とは、このような男女の性差がない社会のことを意味しています。
先述したように、生物学的な性差があるため、妊娠や出産が可能なのは女性のみであり、男性と女性では骨格も筋力も異なります。このような視点で考えると、生物学的性差=社会的性差=自然な役割とは必ずしも言えないことも事実です。
だからといって生物学的性差の観点から、男らしさ、女らしさという固定観念で差別があって良いということではありません。
生物学的な性差を考慮し、理解し合い、認め合い、助け合える社会こそが本当の意味でのジェンダーレス社会と言えるのではないでしょうか。
多様性はなぜ必要?
多様性は、英語でDiversity(ダイバーシティ)と表現されることもあります。多様性とは、「人や働き方には様々な種類や傾向がある」という意味で使われることが多いです。
ビジネスにおいて使われるダイバーシティとは、生物学的な男女の性差、国籍や宗教、年齢などにとらわれず、多様な人材を積極的に活用しようという考え方になります。誰もが働きやすい職場環境の整備を進めるため、厚生労働省では「ダイバーシティ推進事業」が行われているのです。
ダイバーシティは、もとは社会的マイノリティの就業機会拡大を意図する意味として使われていました。
性的指向・性自認に関する基本的な情報や社会における施策、企業の取り組みの意義や実際の取り組み事例を紹介することにより、企業や働く人による性的指向・性自認についての理解を促進し、セクシャルマイノリティの当事者を含めた多様な人材が活躍できる職場環境の整備を進めようとしています。
- ジェンダーレスな社会とは、性別による格差がない社会のこと
- ジェンダーとは、生物学的な性差をもとにして与えられた「男性」「女性」という社会的性差や文化的性差のこと
- 多様性とは、「人や働き方には様々な種類や傾向がある」という意味で使われることが多く、ダイバーシティと表現されることもある
ジェンダーレス社会の実現に必要なこととは?
ジェンダーレス社会を実現するためには、どのようなことが必要なのか、下記で詳しく紹介します。
「男らしさ」「女らしさ」の固定観念をなくす
ジェンダーレス社会を実現するためには、生物学的性差をもとにした固定観念をなくすことが必要になります。
男らしさ、女らしさという固定観念は、親や周りの人々、慣習から影響を受けて作られるものです。生物学的性差による固定観念を持っていると、性別を基準にした行動や言動を相手に求めてしまい、差別的な発言や行動につながりやすくなります。
性のあり方について学校教育に取り入れる
ジェンダーレス社会を実現するためには、多様化している性のあり方に対して正しい知識を持つことが必要です。
これから大人になる子どもたちが、性に対して偏見を持つことがないように、性のあり方について学校教育に取り入れていくことが必要だと考えられています。
またセクシャルマイノリティで苦しむ子どもの存在に気付くためにも、教える側の教師が正しい知識を持つことが重要です。
職場における雇用条件や待遇の改善
少子高齢化が進んでいる現代では、女性の能力を活かしていこうという動きがあります。しかしその一方では、女性の妊娠、出産、子育てなどの理解がなく職場における雇用条件や待遇面で不当な扱いを受けている人も大勢いるのです。
子育ては、母親だけの仕事ではありません。父親も一緒に子育てをすることはもちろんですが、出産をした女性が子育てをしながら仕事をするためには職場における理解と、短時間勤務制度や育児休業制度の整備などの雇用条件や待遇の改善が必要です。
女性の地位向上・活躍促進
女性の地位向上・活躍促進のために、行政では様々な取り組みを行っています。
これまでも女性起業家への支援、女性管理職登用の好事例の周知、女性の学び直しに対する支援、妊娠・出産・育児・介護等を理由に退職した人々に対して、従来の勤務経験が適切に評価・処遇される再雇用制度を導入した事業主に対しての支援などが行われてきました。
しかし、一般的にはまだまだ周知されていないことも多くあります。女性の地位向上や活躍を促進するためには、より多くの人にこのような支援や制度があることを広めていくことが必要です。
- ジェンダーレス社会を実現するためには、生物学的性差をもとにした固定観念をなくすことが必要
- 子どもたちにも性に対して偏見を持つことがないように、性のあり方について学校教育に取り入れていくことが必要であり、教える側の人も正しい知識を持つことが重要
- 女性の地位向上や活躍を促進するためには、多くの人に様々な支援や制度があることを広めていくことが必要
ジェンダーレス社会を実現するための具体的な取り組みは?
ジェンダーレス社会の実現に向けて、すでに行われている具体的な取り組みについて紹介します。
セクシャリティの多様性(LGBTQ+)に関する教育
セクシャリティの多様化に伴い、厚生労働省では、セクシャルマイノリティに関する情報の公開や教職員に向けてセクシャルマイノリティサポートブックの配布を行っています。
同性パートナー証書の発行(渋谷区・世田谷区)
平成27年11月に東京都の渋谷区と世田谷区では同性パートナー証明書の発行を開始しています。
同性パートナー証明書に婚姻届程の法的な効力はありませんが、病院で家族しか面会できない場面で家族と認めてもらえる、賃貸住宅や公営住宅の契約時に家族として認めてもらうことができるようになりました。
LGBTQ+に配慮した商品やサービスの開発
LGBTQ+を含むセクシャルマイノリティの人に配慮した商品やサービスの提供に取り組む企業が増えてきています。例えば、生命保険の受取人は基本的に家族以外の人を指定することはできませんが、事実婚状態の同性のパートナーを保険の受取人にできる保険会社があります。
そのほかにも、携帯電話会社では家族割のサービスを同性のパートナーにも認めるサービスや、航空会社では貯めたマイルをパートナーと分け合えるサービスを行っているのです。
多様で柔軟な働き方による女性活躍推進
ジェンダーレス社会の実現に向けて、多様で柔軟な働き方ができるようになってきました。
例えば、テレワークやイクメンプロジェクトなどです。
テレワークの導入により、育児や介護が必要な人でも仕事を続けることが可能になる人が増え、イクメンプロジェクトの導入により、男性の育児休暇が取得しやすい環境が整いつつあるのです。
しかしその一方で、育児や介護、男性の育児に対して周りの人々から理解を得られないと感じている人が多いのも事実になります。女性の活躍をより推進するためにも、制度の導入だけではなく事業主や会社の人々の理解が必須です。
- ジェンダーレス社会の実現に向けて、教育面でも取り組みが進んでいる
- 同性のパートナーにも家族割を適用できるなどのLGBTQ+に配慮したサービスが提供されている
- 女性の活躍は制度の導入だけではなく、事業主や会社の人々の理解が必須
多様性が認められるジェンダーレス社会にするために
近年ジェンダーレスという言葉が浸透していることから、LGBTQ+を含むセクシャルマイノリティの人への配慮だけではなく、生物学的な性差による不公平をなくしていこうという動きが進んでいます。
しかし、残念ながら2020年時点でも性差による不当な扱いや偏見、差別などで生きづらさを感じている人がいるのも事実です。
すべての人々が生きやすいと感じる社会にしていくためには、それぞれが抱えている問題や個性を尊重していくことが大切になります。そのためには、正しい知識を得る機会を増やし、認め合うことの大切さを学ぶことが必要なのではないでしょうか。
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