2024年10月現在も現地で活動を行い、寄付を必要としている団体があります。詳しくはトルコ・シリアの人々の支援活動に寄付できる支援団体を紹介!をご確認下さい。
「混乱の中を不安な気持ちで過ごすトルコやシリアの人々のために寄付したい!」
と思うものの
「どのような人道支援が必要とされている?」
「どのような支援団体が寄付を募っているの?」
「寄付はどのようにしたらいいの?」
と疑問を感じることと思います。
そこでこの記事ではその疑問に答えるべく、混乱の中にあるトルコ・シリアの人々を支援する団体について紹介します。
具体的には
- トルコ・シリアで地震の被害状況
- トルコ・シリアで地震被害に遭った人々を支援する団体一覧と概要
- 被災地で必要とされている支援
の順にご紹介します。
- 1 トルコ・シリア大地震に関する現状(2023年2月27日更新)
- 2 トルコの人々を支援するために私たちができることとは
- 3 トルコ・シリアの人々の支援活動に寄付できる支援団体を紹介!
- 3.1 【寄付先1】公益財団法人 日本ユニセフ協会:知名度の高さが信頼に
- 3.2 【寄付先2】認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン:長期的な支援活動をする国際NGO
- 3.3 【寄付先3】認定NPO法人 難民を助ける会:10年以上前からトルコで活動。 現地のネットワークを活かして迅速に支援
- 3.4 【寄付先4】(寄付金募集終了)認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン:難民支援や災害救援の分野で20年以上の経験を持つ団体
- 3.5 【寄付先5】(寄付金募集終了)公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン:子どもとともに地域開発を進める国際NGO
- 3.6 【寄付先6】一般社団法人ピースボート災害支援センター:国内外で多くの災害支援を積み重ねてきた経験
- 3.7 【寄付先7】(寄付金募集終了)認定NPO法人REALs(リアルズ):トルコ、シリアで活動歴のある「争い」を防ぐスペシャリスト
- 3.8 【寄付先8】公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:子どもたちとその家族の命を守るための活動を行う
- 4 トルコで必要とされている支援(2023年2月末時点)
- 5 トルコへの支援は今すぐ簡単にできる
トルコ・シリア大地震に関する現状(2023年2月27日更新)
2023年2月6日午前4時17分(日本時間同10時17分)トルコ南東部、ガジアンテプ市付近で大きな地震が発生しました。マグニチュードは7.8。日本の震度基準でいうと震度5~6度相当だと言われています。
さらに、約9時間後の同日13時24分(日本時間同19時24分)、ガジアンテプ市から北に100キロ弱の距離にある同国カフラマンマラシュ県のエルビスタン地区でもマグニチュード7.5の地震が発生しました。
死者数はトルコ・シリア両国あわせて2月17日時点で4万4,000人近くいると言われています*。
被災地はシリアとの国境に近いため、トルコの難民キャンプで生活する4万人以上のシリア難民も被害を受けています。
さらに、シリア北部の人たちも被害を受けているのです。このエリアに住む400万人以上の人たちは、12年続く紛争の影響により、地震発生前から既に援助に頼って生き延びています。
救助活動は行われているものの、余震の影響により難航していています。今後建物の倒壊も増加すると予想されています。そのため、死者・負傷者は今後も増加すると見られています。
被災地から近いイスケンデルンの港では地震により大規模火災が発生。被災地に向かう貨物を積んだ大型船や救助隊が入港できなくなっています。
また、シリア北部への支援は反体制派の支配下にあるため困難を極めています。この地区は既に紛争によりインフラが破壊され、寒さをしのぐ術がありません。燃料の高騰や医療品の不足にも直面しています。
特にシリア北西部は、元々トルコ国境から支援を届けるルートが1つだけに限定されていましたが、このルートが被害を受けたため支援物質を届けられない状況に陥っています。
*参考:日本赤十字社
トルコの人々を支援するために私たちができることとは
混乱が続くトルコ、シリアの現況は以下の通りです。
・寒さと余震が続く中、救助活動が困難を極めている
・建物の倒壊や政治的理由で、救助ルートや支援物資を届けるルートが限られている
・避難場所は提供されてはいるが、テントなどの場合も。雪が降る氷点下でのテント生活は寒い。車中泊をする人もいる
・死傷者が多く、医療施設が逼迫している
国連機関や各国政府、NGO・NPOなど多くの団体が物資提供やシェルターの用意などの支援を開始しています。しかし、まだまだ十分ではありません。
特に、臨機応変に動けるNPOなどの民間団体の活動には資金が必要とされています。
日本に住む私たちが今すぐできる支援は、トルコ・シリアの人々のために活動する団体へのお金の寄付です。
お金の寄付であれば、今この瞬間にインターネットを通じてクレジットカードで行うことができます。また、現地で活動する支援団体が判断し、その時に一番必要とされる支援に使われるので効果的です。
団体によっては継続寄付を受け付けている団体もあります。
食料や物資の支援により混乱を乗り越えた後は、復興のための持続的な支援が必要となります。
トルコ・シリアの人々の支援活動に寄付できる支援団体を紹介!
ここでは、「トルコの人々へ寄付したい」と考えている方へ向けて、トルコの支援活動をしている団体を紹介します。
トルコ・シリアの人々を支援している寄付できる団体
【寄付先1】公益財団法人 日本ユニセフ協会:知名度の高さが信頼に
2月6日未明にトルコ・シリア国境で発生した大地震。ユニセフはトルコおよびシリアの被災地において、パートナー機関とともに支援ニーズの把握と緊急支援物資の配布を迅速に進めています。
病院や保健施設、学校校舎も深刻な損害を受けており、ユニセフは子どもの命と生活を守るために必要なライフラインの確保、基礎社会サービスの復旧に力を注ぎます。
お寄せいただいたご寄付は、被災した子どもと家族が1日でも早く日常生活を取り戻せるように、安全な飲み水や衛生用品等の緊急支援物資の提供、教育の再開支援、子どもの心理社会的サポートなど、ユニセフが被災地で行う緊急・復興支援活動に役立てられます。
【寄付先2】認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン:長期的な支援活動をする国際NGO
ワールド・ビジョンは、国連に認定された世界最大の子ども支援団体です。
すべての子どもが「豊かないのち」を生きられる世界の実現を目指し、約100カ国で活動しています。
国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンは、ワールド・ビジョンの支援国事務所として1987年に設立され、30年以上にわたり、貧困、紛争や自然災害などのため困難な状況で生きる世界中の子どもたちに支援を届けてきました。
東京都に認定された「認定NPO法人」で、国内6万人以上の支援者に支えられ活動しています。
国内では、東日本大震災後は約30万人を対象に、熊本地震では約16,400人に支援を届けました。また、西日本豪雨の被災地でも緊急支援を行いました。
【寄付先3】認定NPO法人 難民を助ける会:10年以上前からトルコで活動。 現地のネットワークを活かして迅速に支援
AAR Japan[難民を助ける会]は1979年に日本で発足した国際NGOです。
自然災害などでの緊急支援、難民支援や、障がい者支援、地雷対策などを、世界16カ国で実施しています。
特に困難な状況にある方たちに迅速に支援を届けています。世界各国での緊急支援の経験を生かし、いち早く現場に駆け付け活動しています。
この度も、地震が発生した翌日から緊急支援物資の配付を行っています。被災者からは「AAR Japanを通じて支援いただいている日本の皆さんにも、心からありがとうと伝えたいです」という感謝の声が届いています。
お寄せいただいた寄付は、トルコ地震の被災者への緊急支援活動に活用させていただきます。
<これまでの支援例>
・食料(パスタ、オリーブ、チョコなど)、毛布、子ども用おむつ、下着セット、衛生用品などの物資配付
・農村部など支援が行き届いていない地域の被災者へ物資を配付
・現地調査を実施
※調査の上、支援現場で必要とされることに基づき、支援を届けていきます。
【寄付先4】(寄付金募集終了)認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン:難民支援や災害救援の分野で20年以上の経験を持つ団体
ピースウィンズ・ジャパンは、発災後すみやかに情報収集を開始、その日のうちにトルコ・シリア大地震に医師・看護師を含むスタッフを派遣し、緊急支援を開始しました。国内外の被災地・紛争地で活動してきた空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”のチームが、トルコの提携団体などとともに支援活動を行っています。
死者・負傷者の数は今後も増加が見込まれています。そして、厳冬期の寒さと余震の中、多くの人が助けを待っています。
私たちは、人命救助はもちろん、避難した方々への食料や生活必需品の配布など、総力を挙げて支援活動に取り組みます。
▼具体的な支援内容の一例
・医師・看護師等による医療支援
・レスキュー隊員による捜索・救助
・食糧、衛生用品の配付など緊急支援物資の配付
・その他、被災地のニーズに応じた支援などを行います。
トルコ・シリア緊急支援の募集を終了しました。ご支援ありがとうございます。
【寄付先5】(寄付金募集終了)公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン:子どもとともに地域開発を進める国際NGO
プラン・インターナショナルでは、シリア北西部で最も被害が大きい地域を支援するための寄付募集を開始しました。
シリア北西部は、11年以上にわたる内戦の影響で410万人もの人々が人道支援を必要としています。その多くは子どもと女性たちです。学校は閉鎖され、子どもたちの教育が中断されています。
災害などの危機的状況下では、弱い立場に置かれていた子どもや女の子の権利はないがしろにされ、暴力や虐待、搾取などに遭うリスクが高まります。子どもたち、特に女の子の保護を最優先に、現地のパートナー団体を通じ、食料、水、医薬品、月経衛生キットなどの提供、現状調査に基づいた、「緊急下の教育」、「緊急下の子どもの保護」、住宅再建等の継続的な支援を実施予定です。
トルコ・シリア緊急支援の募集を終了しました。ご支援ありがとうございます。
【寄付先6】一般社団法人ピースボート災害支援センター:国内外で多くの災害支援を積み重ねてきた経験
PBVは、現地支援団体などと協力し、刻一刻と変化する現地のニーズに、最適な支援ができるよう進めていきます。
皆さまからのご寄付は、緊急物資支援(食料品、飲料水、日用品の配布、医療サービスなど)の提供、その他被災地のニーズ合わせた緊急支援活動に大切に活用させていただきます。
現地の人々が安全な暮らしと笑顔を1日でも早く取り戻せるよう、皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
【寄付先7】(寄付金募集終了)認定NPO法人REALs(リアルズ):トルコ、シリアで活動歴のある「争い」を防ぐスペシャリスト
REALs(リアルズ)は紛争やテロなどの「争い」を防ぐため、中東・アフリカで活動する認定NPO法人です。トルコでは2015年、シリアでは2019年から活動してきました。
今回の大地震を受けて、REALsはトルコ・シリアで被災した方たちに生き延びるための緊急物資を配布します。現地では今、食料や水、衛生用品に加えて、ブランケットやマットレスなど、寒さを防ぐための物資が必要とされています。
激しい揺れにより多くの建物が倒壊・全壊するなか、被災地域にはまだ雪が降り気温が氷点下を下回るところもあります。
トルコ・シリア緊急支援の募集を締め切りました。ご支援ありがとうございます。
【寄付先8】公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:子どもたちとその家族の命を守るための活動を行う
セーブ・ザ・チルドレンは、トルコとシリアで子どもたちとその家族の命を守るための活動を行っています。
震災発生後1週間で行った支援:
・温かい食事、水、テント、毛布、燃料、衛生用品、防寒着など生活必需品の配布
・コミュニティセンターにおける子どものための心理社会的支援(こころのケア)
・水系感染症の拡大を予防するため、正しい衛生習慣に関するパンフレットの作成
・がれき撤去のための重機提供や捜索・救助チームへの食料提供など
今後もこれらの支援を続けていくほか、中長期的なニーズに対応し、幅広い分野で活動を拡大していく予定です。
このように考えている方は、この機会に遺贈寄付を考えてみませんか?
生前に手続きを済ませるだけで、自分の遺産を支援団体に寄付(遺贈寄付)できます。
遺贈寄付先の選び方をチェックする
トルコで必要とされている支援(2023年2月末時点)
トルコ・シリアでは
・トルコで被災したトルコの人々、およびシリアからの紛争避難民
・シリア北部で12年に渡る紛争の被害者として既に援助を受けて生き延びてきた人々
への支援が必要とされています。
現在、各支援団体が状況の調査、必要な支援の分析を行っています。
主に必要だと考えられている支援は以下の通りです。
- ・支援ニーズの調査
- ・情報提供
- ・食料、飲料水、毛布などの物資支援
- ・医療物資や医療サービスなどの医療支援
- ・避難場所の提供
- ・子どもや弱者への心理社会的ケア
- ・学校に行けなくなってしまった子どもたちへの教育支援
- ・長期的な復興支援
詳しく紹介します。
支援ニーズの調査
余震が続く中、建物の倒壊も増え、被災地の状況は日々刻刻と変化しています。それに伴い、人々のニーズも日々変化します。
地震発生からまだ数日。ニーズ調査に向かうにも、通れるルートを探すところから始める必要があり困難を要しています。また、シリアの反体制派が支配するエリアにおいては情報収集も簡単ではない状況です。
しかし、このような状況下でも各支援団体が現地スタッフや現地パートナー団体と協働で各地に足を運び、被災者とコミュニケーションを重ねています。
必要な支援を必要とされる場所に届けるため、正確なニーズの把握が不可欠なのです。
情報提供
日々状況が変わり混乱が続く中、被災者は正確な情報を求めています。
支援物資や支援場所の情報を提供する案内所やコールセンターなどが必要とされています。
食料、飲料水、毛布などの物資支援
生活を維持するための食料、飲料水に加え、乳児向けの食料、氷点下を越える寒さを乗り切るための毛布や燃料が必要とされています。
また、感染症のまん延を防ぐための衛生用品の配布も不可欠です。
医療物資や医療サービスなどの医療支援
負傷者が多く、医療施設が逼迫しています。一部の地域では救急車がフル稼働しています。
地震によるインフラの破壊の影響で水や電力の供給が止まったり、元々紛争の影響ですでにインフラが整っていない地域もあります。また、流通の停滞による医薬品の不足などの問題が今後起こると予想されます。
避難場所の提供
日を追うごとに学校をはじめとした避難場所の数は増加していますが、まだまだ足りていません。
安全で、寒さをしのげる適切な環境の避難場所が必要とされています、
子どもや弱者への心理社会的ケア
被災時のトラウマ、続く余震への恐怖、これからの生活の不安など、被災地の人々は心理的に不安定な日々を過ごしています。
深刻な精神的苦痛を受けている人々に対する、心理的ケアが必要です。
特に、保護者と離れ離れになってしまったり、周囲の大人が様々な対応に追われる中「助けてほしい」と言い出せない子どもたちは大きな不安を抱えています。
学校に行けなくなってしまった子どもたちへの教育支援
学校が倒壊したり閉鎖になったりして、授業を受けられない子どもたちがいます。
トルコ全土(被災地以外も含む)およびシリアの一部では一時的に学校が閉鎖されています(2月8日時点)。
学校が再開されても、校舎などが避難所になっているため十分な授業ができない可能性があります。さらに、住んでいた地域以外での避難生活を余儀なくされ、学校に通えない子どもたちもいます。
子どもたちの学びを止めないためにも、緊急物資支援がひと段落した段階で早急に教育支援が必要とされています。
長期的な復興支援
緊急支援がひと段落する数か月後には、日常を取り戻すための長期的な復興支援が必要となる見込みです。
インフラの再整備や住まいの再建のみならず、あらゆる産業の再建や多くの人々の職業復帰、経済的再自立への支援が必要となります。
トルコへの支援は今すぐ簡単にできる
この記事では、トルコ・シリアで必要とされている支援、地震の被害に遭った人々のために私たちができること、支援活動をする団体の概要を紹介しました。
記事の内容をまとめます。
- ・トルコ・シリアの人々を支援する団体に寄付をする効果的な手段は、お金の寄付。その時に一番必要な支援のために寄付が使われる
- ・クレジットカード決済や振込みで、今すぐに支援を届けられる
- ・食料や飲料はもちろんのこと、氷点下の寒さをしのぐための毛布や医療物資、心理サポートなどが必要とされている
「トルコ・シリアで地震の被害に遭った人々のために今すぐ自分にできることをしたい」と考えている方は、ぜひ紹介した団体のホームページを確認してみてください。
シリアでは、いまだ長引く紛争の影響を受けている人たちがいます。シリアに留まり避難生活を送る人もいますが、トルコでも多くのシリア難民を受け入れています。
以下の記事ではシリア内戦について詳しく解説しています。
今回地震の影響を受けているトルコやシリアについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご一読ください。
>>シリア内戦の原因・現状は?難民の人々が必要としている支援とは何かわかりやすく解説