「プラン・インターナショナルへの寄付を考えている」
「プラン・インターナショナルって怪しくない?本当に寄付して大丈夫?」
このように思う方のために、gooddo編集部がプラン・インターナショナルについて調べました。ホームページでの活動内容チェックやSNSでの口コミリサーチ、寄付の専門家にインタビューした内容を紹介します。
結論から申し上げると、プラン・インターナショナルは寄付先として信頼できる団体です。
その理由は、
・寄付者や支援者からの口コミ評判は良いものが多い
・様々なNGOを知る専門家からの評判も高い
・編集部で寄付の使い道や活動実績をリサーチしても十分な信頼が得られた
という点です。
プラン・インターナショナルへの寄付を考えている方は、前向きに検討して大丈夫です!
プラン・インターナショナルの良い口コミ評判まとめ
プラン・インターナショナルの口コミ評判の良い面、悪い面の両方を紹介していきます。
まずは良い口コミについて紹介します。
フォスター・プラン(最近プラン・インターナショナル・ジャパンという名前に変わった)をこの40年余続けている。この20年位は南米の子を選んでいる。その子が大人になるまで寄付を続ける。名目は子供だが、その子の住んでいる村の改善に使われる率が高いようである。今度はホンジュラスの子になった。(twitterより)
寄付金控除の確定申告をしてきた。プラン・インターナショナル・ジャパンへの年間の寄付で3割ぐらいは還付される。3年ぐらい前からずっとパラグアイの子どもに寄付を続けている。(twitterより)
今年も領収書が届いた。
少額ながらも、見知らぬどこかの子の教養や教育や衛生の助けになれているのだと思うと嬉しい。
国際NGOプラン・インターナショナル(twitterより)
プランインターナショナルから、チャイルドのプロフィールが届いた。遠い、海外の子のために少しでも役に立てていることが何よりも嬉しい。そして幸福度があがります。(中略)チャイルドとの手紙のやり取りがすごく楽しみ。(twitterより)
リサーチした結果、
「チャイルドとの手紙のやりとりが楽しみ」
「自分の寄付が誰かの助けになっていると思うと嬉しい」
といった投稿が確認でき、おおむねプラン・インターナショナルへの口コミ評判は良いものと確認できました。
プラン・インターナショナルの悪い口コミ評判まとめ
一方、 プラン・インターナショナルの悪い口コミ評判 を紹介します。
JRの車内に必ずあるプランインターナショナルの広告、まさかNGOがここまで大々的に広告出す予算あるとは思えないので、無償なんかな。(twitterより)
つまり、
「NGOは広告費を出す予算があるのか?という違和感がある」
というのが気になる書き込みと言えます。
この内容の真偽を確かめるべく、専門家へインタビューしてきました。
専門家から見たプラン・インターナショナルの評価は?インタビューで徹底取材
悪い口コミ評判を踏まえ、プラン・インターナショナルについて大きく気になる点は2つ。
- NGOには大々的に広告を出す予算はあるのか?
- プラン・インターナショナルの強みや特徴は?
これらの点について、NPOに詳しい寄付アドバイザーの河合さんにお話を伺いました。
非営利団体の運営支援コンサルタント。寄付の講座を開催しその魅力を伝えている。
数々の団体の経営に携わりながら、自らもNPOに寄付を続ける。
※詳細なプロフィールは文末に掲載
インタビュー結果まとめ: プラン・インターナショナルの「子どもの権利条約」に基づく支援!大きな広告はより支援を広げるため
寄付アドバイザー河合さんへのインタビュー結果を先に紹介します。
問)NGOには大々的に広告を出す予算はあるのか?
プラン・インターナショナルの場合、活動の規模が大きいため、必要な費用が大きい。
それを集めるためにも大々的な広告が必要な場合があり、そのための予算はある。
問)プラン・インターナショナルの強みや特徴は?
・プラン・スポンサーシップという寄付プログラム
・特に女の子に焦点を当てた活動
・「子どもとともに進める地域開発」という手法
・グローバルなネットワーク
詳しく紹介していきます。
インタビュー詳細1:NGOには大々的に広告を出す予算はあるのか?
プラン・インターナショナルには、大きな広告を出す予算があると思います。
グローバルなネットワークを持つ大きな規模の組織だからこそ、プロジェクトも広範囲にわたり、必要な費用は大きくなります。それだけの費用を集めるには、広報活動もより効果的に行う必要があります。
そのためには、多くの人の目に触れることが重要です。広告費をかけて関心を喚起すれば、より多くの支援が集まる可能性が高まります。多くの支援が集まることで、多くのニーズに対応した活動を実現することができます。
また、その費用に見合う寄付が集まっているからこそ、広告などの宣伝活動が行われているとも言えます。とはいっても予算をやみくもに広告費に使っているわけではなく、支出の10%に抑えられています。
また、それぞれの団体の広報に対する考え方や経費の考え方にも違いがあります。特に、小さな規模の団体では、現実問題として、広告に費用をかけるのは難しいことが多いです。
インタビュー詳細2:プラン・インターナショナルの強みや特徴は?
プラン・インターナショナルの強みや特徴は
- プラン・スポンサーシップという寄付プログラム
- 特に女の子に焦点を当てた活動
- 「子どもとともに進める地域開発」という手法
- グローバルなネットワーク
です。
プラン・スポンサーシップという寄付プログラム
プラン・スポンサーシップは、寄付者がスポンサーとして1人の子どもを応援しながら、その子や家族、地域全体の成長を後押しするプログラムです。
教育や医療など“点”の支援だけでなく、地域全体のサポートなど、“面”での支援を行うのが特徴です。
子ども、特に女の子に焦点を当てながらも、地域の自立に向け、あらゆる課題を総合的に解決していきます。
プラン・スポンサーシップの活動においては「取り残される存在」の最大のグループである、女の子や女性たちの意見や潜在的な能力が活かされるよう配慮しています。
その理由は、彼女たちが「取り残されているから」だけではなく、女の子への支援は、家族や身近な人々はもちろん、地域社会や次世代にも及ぼす波及効果が大きいからです。
特に女の子に焦点を当てた活動
「女の子だから」というだけの理由で差別や偏見を受けているということに焦点を当て「ガールズ・プロジェクト」などを展開している点も特徴です。
プラン・インターナショナルは、女の子は世界を変える力を持つ存在であり、弱い立場にある女の子たちへの支援こそ世界を前に進める近道と考えています。
女の子や女性たちに力を注ぐこと、教育や学ぶ機会をもたらすことが、彼女たち自身だけでなく、
彼女たちの家族や地域、さらには国にとっても、貧困削減につながることが証明されています。
世界の課題解決のためにどこに焦点を当てるべきか考えて活動を行っていると言えます。
「子どもとともに進める地域開発」という手法
活動の基本方針として「子どもとともに進める地域開発」を掲げているのが特徴です。
地域が抱える問題の認識から活動の計画立案、実施、事後評価まで、すべてのプロセスに地域の住民、なかでも子どもたちが主体的に関わります。
この方針の軸となっているのが、国連に採択された「子どもの権利条約」です。この条約にあるように、子どもの意見を聞き、反映させ、可能な範囲で子どもたちも活動に参加できるしくみが必要との考えのもと、子どもたちが主体的に活動に関わることで、本当の意味で地域の「自立」につながっていくよう取り組んでいます。
さらに、子どもや若者との関わり方を「子どもと若者のセーフガーディングに関するグローバル・ポリシー」を掲げ、性的搾取や虐待・ハラスメントなど、子どもと若者の安心と安全が脅かされることのないよう、業務を遂行しています。
グローバルなネットワーク
プラン・インターナショナルは世界70か国以上で活動しています。また、国連に公認・登録されている団体です。
このようにグローバルなネットワークを持ち、外務省や国連機関などの公的機関をはじめ、広いつながりを持っていることが強みだと思います。
また、作家の角田光代さんをはじめ、著名人からの支援が多いのも特徴です。
プラン・インターナショナルは怪しい?信頼できるかを調べてみた
gooddo編集部も独自に団体公式ホームページをリサーチし、プラン・インターナショナルの信頼性を確かめました。
以下の3点を調査しました。
- 寄付の目的と使途が整合しているか?
- 情報開示を行っているか?
- 認定NPOを取っているか?
1.寄付の目的と使途が整合しているか
プラン・インターナショナルが公式ホームページ上で公開している「2023年度 年次報告書」を確認すると、寄付金が収益の約70%を占めていることが分かります。
また、2023年度年次報告書の費用を見ると、全費用約37億円のうちの約83%にあたる約30億円が事業費に使われています。
活動報告書を見ると、2023年度には以下のような活動が行われていました。
【2023年度の主な活動内容の一例と支援を受けた人の数】
- 約1,045万人:誰もが質の高い教育を受けられるための活動
- 約3,001万人:女の子と若い女性の性と生殖に関する健康と権利を守るための活動
- 約1,381万人:子どもを保護するための活動
このように、集まった寄付は適正に使われていることがわかります。
より詳しい活動内容や会計報告は以下をご一読ください。
>>プラン・インターナショナル・ジャパン | 年次報告書
2.情報開示を行っているか
プラン・インターナショナルは、過去10年以上分の決算報告も含めた事業報告書や活動報告書をホームページ上に公開しています。
2023年度の年次報告書の事業一覧では、各国のプロジェクトと事業費が分かりやすくリスト化されています。
また、各種SNSでもこまめに情報発信を行っており、情報公開を積極的に行おうとしている姿勢が感じられます。
>>プラン・インターナショナル・ジャパン | 年次報告書
3.信頼できる法人格を取っているか
プラン・インターナショナル・ジャパンは公益財団法人です。
この法人格を取得するのは条件が厳しく、運営を行う上での遵守事項も厳しいため、信頼ができると言って良いでしょう。
このような様々な条件を満たす一般財団法人が、民間有識者からなる第三者委員会による公益性の審査を経て、行政庁(内閣府または都道府県)から公益認定を受けます。
このようなプロセスを経て認定を受けているので、信頼度の高い団体であると言えます。また、寄付する側にとっては、自分の寄付がちゃんと事業に使われるという安心感を得られます。
プラン・インターナショナルへの寄付募金の方法
プラン・インターナショナルへ寄付募金する方法は、以下の通りです。
- 継続寄付
- プラン・スポンサーシップ
プランの活動している国に暮らすチャイルド(0~18歳までの子ども)と交流しながら地域の成長を、毎月継続的に支援する - ガールズ・プロジェクト
女の子が直面する問題に焦点を当てて支援する - グローバル・プロジェクト
紛争や災害など世界が直面するリスクから子どもたちを守る - その他の寄付
プラン・インターナショナルへの寄付金は主に地域の自立支援に使われます。
どのような支援方法なのか、詳しく見てみましょう。
1. 継続寄付(プラン・スポンサーシップ、ガールズ・プロジェクト、グローバル・プロジェクト)
継続寄付は定額を定期的に寄付します。
一度登録すると毎月自動で決済されます。決済方法は、クレジットカード、口座振替から選択できます。
継続寄付は以下の理由で特におすすめです。
- 継続的にチャイルドが暮らす地域を支援できる
- チャイルドのプロフィールやチャイルドからの手紙、チャイルドや地域の近況報告が届くのでチャイルドや支援地とのつながりを感じやすい(プラン・スポンサーシップのみ)
- 年次報告書や機関紙が届くため支援の効果を実感しやすい
- 自動決済なので忘れずに寄付ができる
もちろん、一度の寄付でも大きな力になりますが、より多くの子どもに支援を届けるには、継続的な寄付が必要です。
プラン・スポンサーシップ
プラン・インターナショナルでは地域全体を見守る継続支援を「プラン・スポンサーシップ」と呼んでいます。
プラン・スポンサーシップは、世界の0~18歳までの子どもたち「チャイルド」と交流しながら、地域全体を毎月継続的に支援するマンスリーサポーターです。
子どもの支援ですが、生活費や学費としてお金を本人に渡す里親制度のような支援とは異なります。
プラン・スポンサーシップは、子どもの住む地域の課題を解決し、子どもの成長を支える基盤を作る活動です。
子どもたちを包括的に支えられるのが魅力です。
特に、差別や暴力の対象となりやすい女の子に焦点を当てて支援しています。
例として、今までの成果を紹介します。
- インドネシアにて就学前教育を受ける割合が87倍に
- ベトナムにて年収が約10倍に
- バングラデシュにて早すぎる結婚を200件以上阻止
多くの支援者のサポートにより、このような成果を挙げることができています。
2021年時点で、プラン・スポンサーシップ支援者数は 約3万5,800人もいます。
また、プラン・スポンサーシップの支援者になると、このような特典があります。
- 支援しているチャイルドと地域のプロフィールが届く
- チャイルドと手紙のやりとりをすることができる
- 定期的な報告「一年の歩み」で、チャイルドと地域の成長がわかる
寄付はウェブサイトから簡単にできます。
申し込み時に、支援したいチャイルドの地域と性別を選べます。
3,000円、4,000円、5,000円の中から好きな金額を設定できます。
支払い方法はクレジットカード、口座振替から選択が可能です。
プラン・インターナショナルの活動への継続寄付に興味のある方は、プラン・スポンサーシップのご案内をご覧ください。
>>プラン・スポンサーシップ(毎月定額寄付)のご案内
プロジェクト支援
以下2つの特定のプロジェクトへ寄付することができます。
- ガールズ・プロジェクト
女の子に焦点を当てた取り組みへの支援 - グローバル・プロジェクト
その時々に解決すべき課題解決への支援
それぞれ詳しく紹介します。
ガールズ・プロジェクト
女の子が直面する差別や暴力問題への取り組みを支援できるのが、ガールズ・プロジェクトです。
下記のように、各国のニーズに沿った取り組みを行っています。
- グアテマラ:先住民族が多く住む男性優位のコミュニティにて、女性が自立するための職業訓練
- ベトナム:早すぎる結婚の弊害に関する理解を深めるためのトレーニングや意識啓発活動、収入向上の支援
- インド:DV被害を受けた女の子が適切な裁判を受けるためのサポートやカウンセリング
※プロジェクトは2-3年ごとに入れ替わります。
教育を推進するプロジェクトに参加したインドのサロジニさんは、早すぎる結婚(児童婚)をしないで学校を続けることができ、教師を目指すという夢ができました。
サロジニさんのような女性を支援したい!という人は、1,000円以上からの金額(1,000円単位)を設定し寄付することができます。
支払い方法はクレジットカード、口座振替です。どちらもウェブサイトから簡単に登録できます。
グローバル・プロジェクト
世界では今もさまざまな問題が起きています。
変化に対応できるよう、その時々に解決すべき課題に取り組んでいるのが、グローバル・プロジェクトです。
具体的には5つのカテゴリーでプロジェクトを実施しています。
- 紛争と難民
- 気候変動と災害
- 少数民族
- 障害
- 弱い立場におかれた子どもの保護
こちらもウェブサイトから簡単に申し込みができます。
1,000円以上から好きな金額(1,000円単位)を設定します。
支払い方法はクレジットカード、口座振替です。どちらもウェブサイトより簡単に登録できます。
>>グローバル・プロジェクトについて
その他の寄付
プラン・インターナショナルに寄付する方法は他にもあります。
- 1回の寄付
- お香典・ご祝儀からの寄付
- 遺贈や相続財産からの寄付
ここでは、1回の寄付について説明します。
1回の寄付
1,000円以上の自分の好きな金額を、自分の好きなタイミングで、単発で寄付できます。
2022年3月時点では、寄付の使途は10以上ある国別のプロジェクトから選択可能です。
いくつか例を紹介します。
- 先住民族の女の子の収入向上:グアテマラ
- 早すぎる結婚の防止:ベトナム
- 地域主導型の小学校給食:カンボジア
何を選んだら良いかわからないという方は、
「実施中のプロジェクトから事務局にお任せ」を選択できます。
また支払い方法は以下から選択できます。
- クレジットカード払い
- コンビニ払い
- 銀行振込
- 郵便振替
参考:プラン・インターナショナルは寄付金控除の対象団体となっている
プラン・インターナショナルへの寄付金は、寄付金控除を受けられます。
寄付金控除とは、特定の団体に対して年間で一定金額以上を寄付すると、確定進行を行うことで税金の控除を受けられる仕組みのことです。
プラン・インターナショナルは寄付金控除の対象団体となっているため、ある程度の金額以上を寄付すれば税金の控除を受けられます。
ただし確定申告が必要であるなど、控除を受けるには条件があります。寄付金控除について詳しくは下記をご確認ください。
>>確定申告における寄付金控除とは?対象者や金額の上限、計算方法について解説
プラン・インターナショナルとは?
ここからは参考までにプラン・インターナショナルの活動内容を改めて紹介します。
プラン・インターナショナルは「子どもとともに地域開発を進める国際NGO」として、地域の大人だけでなく子どもの視点や意見を中心にしながら活動を展開しています。
最終目標は「地域の自立」です。
地域の住民、特に子どもたちが主体的に関わることで、最終的には地域の力だけで問題が解決できるようになることを目標に活動に取り組んでいます。
では、2023年度のプラン・インターナショナルの活動資金の収益と費用を見ていきましょう。
>>プラン・インターナショナル・ジャパン | 年次報告書
上記ページにある2023年度報告書の4ページ目に、決算の概要が載っています。
支出は約37億円。その内、約83%にあたる約30億円が事業費として使われています。
また、2023年度の収益は約39億2500万円。
その内、継続寄付であるプラン・スポンサーシップを含む寄付金は約28億円となっています。
多くの方の寄付によって活動ができていることがわかります。
プラン・インターナショナルの活動内容
プラン・インターナショナルは、下記の事業を行っています。
- 教育
- 子どもの成長
- 性と生殖に関する健康と権利
- 生計向上
- 子どもの参加
- 子どもの保護
- 緊急支援
- アドボカシー
各事業の詳細を説明していきます。
教育
乳幼児教育から中等教育まで、等しく継続的に子どもたちが教育を受けられるよう活動をしています。
例えば
- 中途退学した子どもと若者への教育支援
- 自然災害や紛争の影響下にある子どもたちの教育支援
- ジェンダーに基づく暴力や差別のない学校づくり
などの支援活動を行っています。
例えば過去にはガーナ北部の農村地域で、経済的理由から学校に通えなくなった子ども達に教育を提供していました。
また、いつでも学校に戻れるように、奨学金を提供するなどの支援も行っています。
子どもの成長
差別されることなく、教育や保健などの面からも必要なケアを受けられるように活動しています。
具体的には
- 栄養改善、小児疾患に対する総合的な取り組み
- 衛生状態の改善や安全な水の確保
- 地域を拠点とした乳幼児教育
などを行っています。
活動地の1つであるラオスでは、少数民族が住む地域の多くの子どもが5歳になる前に亡くなっていました。
理由は、保健所に少数民族の習慣や言語を理解できる保健師がいないこと。それにより、適切な保健知識を得ることができませんでした。
そのため、少数民族の女性たちを助産師としてトレーニングすることで、地域の女性たちは安心して出産できるようになり、子どもの死亡率も改善することができました。
性と生殖に関する健康と権利
18歳を迎える前に結婚や妊娠をするなど、児童婚は途上国の問題とされてきました。
そのため、女の子と若い女性が正しい知識を得る活動を行っています。
主に、このような活動を行っています。
- 学校での包括的性教育
- 月経衛生管理
- 早すぎる結婚や女性性器切除などの慣習撤廃
生計向上
女性をはじめとした若者を対象に、職を得るための技術を身につけたり起業を支援することで、経済的に自立できるようサポートしています。
失業者の半数以上が24歳以下であるホンジュラスでは、起業支援の他に、コミュニケーション向上のためのトレーニングを行いました。
この活動の参加者である17歳のデニアさんは、このように話しています。
中学校を卒業した後、仕事がありませんでした。プランによるトレーニングで会計管理などについて学んだおかげで、飲料水などを売る小さい雑貨店を始めることができました。
この店でほかの女性も働けるようになれば、地域全体の雇用機会が生まれます。地域にとっても、良いことだと思います
経済的な自立は、長期的に貧困のサイクルから抜け出すことになるのです。
子どもの参加
若者や子ども、特に女の子が自ら課題を理解し、発信する力を持つことで、地域から国レベルで変化を起こすことができる能力の強化を行っています。
具体的な事業内容は下記の通りです。
- 女の子のリーダーシップ育成と政策提言
- 若者によるメディアを通じた情報発信
- 子どもや若者組織とのネットワーク強化
東ティモールのジュリアナさんはリーダーシップを発揮するためのトレーニングを受けた一人です。
その結果、彼女は自分が暮らす村で女性初の村長になりました。
ジュリアナさんが村長になったことで女性が村の発展のために意見を述べたり、課題解決に関わる機会が増えるなど、事業の波及効果も見られています。
子どもの保護
世界では10億人の2歳から17歳の子どもが、何らかの形の暴力の被害に遭っているといわれています。*
子ども、特に女の子が暴力にあわないよう、下記の取り組みを行っています。
- 子どもの保護システムの確立
- 人身取引、児童労働などを防止
- 女の子にとっても安全なまちづくり
その中の1つ、ウガンダでの「女の子にとっても安全なまちづくり」を紹介します。
ウガンダでは、男性からの嫌がらせにあった経験がある女の子や女性が多くいます。
数百人の若い男性を対象に、犯罪の撲滅や、その背景にあるジェンダー差別の意識変革などのトレーニングを行いました。
すると、トレーニングを受けた男性が自らの過去の間違った考えを話してくれました。
「女性に触ることが悪いことだと思っていなかった」
正しい知識を身につけることで意識や行動が変わった実例です。
*出典:World health Organization Violence against children Fact sheet June 2020
緊急支援
災害や紛争時に、女の子は暴力や性的搾取の対象となるリスクが高まります。
このようなリスクから女の子を守り、安心した生活が1日でも早く送れるよう、支援を行っています。
具体的に下記のような配慮を行っています。
- 女性のスタッフを増やすことで、女性からのニーズを汲み取りやすくする
- 生理用品・下着・歯ブラシなど、衛生用品を支給することで衛生環境を保つ
- 着替えや授乳スペースを設けるなどのプライベートスペースを確保し、性犯罪を防止する
また、長期的には、心のケアも大事な支援の一つです。
アドボカシー
世界の課題を解決するために、各国政府や国際社会などに政策を改善する働きかけをする一連の行動を、アドボカシーと言います。
アドボカシーの一環として、プラン・インターナショナルが長年取り組んでいるジェンダー問題の解決に向け、子どもや若者とともに働きかけを強化しています。
例えば、プラン・ユースグループとして、毎年、国際ガールズ・デーに際し
「Girl’s Leadership(ガールズ・リーダーシップ)~女の子が変える未来〜」
というアクションをグローバルで展開しています。
まとめ:プラン・インターナショナルへの寄付が向いている人はこんな人!
ここでは、プラン・インターナショナルの評判や活動内容の紹介、専門家へのインタビューなどを行いました。
記事で紹介した内容をまとめます。
- 女の子をはじめとした子どもの権利が守られ、公正な社会を実現するために、7つの活動分野を軸に包括的な支援活動をしている
- プラン・スポンサーシップという継続支援者の数は約3万5千人。多くの人から支援を受けている老舗NGO団体
- 運営を行う上での遵守事項が厳しい公益財団法人として40年以上活動し、安定的で持続的な運営を行う信頼できる団体
自分が支援したい国や事業を選び、長期的な視点で活動する団体を応援したい!と考える人に向いている寄付先だと思います。
「プラン・スポンサーシップの支援者になり、手紙などで支援地の子どもたちと交流したい!」
「女性が活躍する社会づくりを寄付で応援したい!」
と考えている方もぜひこの団体の公式サイトをチェックしてみてくださいね。
参考:プラン・インターナショナルの基礎情報
団体名 | 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン |
所在地 | 〒154-8545東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル10F&11F |
代表者 | 理事長 池上 清子 |
活動内容 | ・教育:等しく質の高い教育を提供 ・子どもの成長:栄養・衛生環境の改善 ・性と生殖に関する健康と権利:包括的性教育の実施 ・生計向上:経済力を身につける支援 ・子どもの参加:主体性を育むプログラムの実施 ・子どもの保護:差別や暴力から守る ・緊急支援:自然災害、難民支援など |
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。