日本では様々な災害が起こります。そのなかでも毎年夏から秋にかけて警戒が必要なのが台風です。
特に近年は台風による被害が甚大なものとなっています。これは台風に地球温暖化が影響を与えているものと考えられています。
この記事では、地球温暖化が台風の発生に与える影響を、台風の発生のメカニズムとともに解説します。
地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説
累計2億円の支援金額を達成!
「ちょっといい明日づくり」に挑戦する私たちgooddoと一緒に、まずは無料で社会支援をしてみませんか?
この無料支援は、「気候変動などの問題から世界の美しい自然を守るため」活動をしている「国際環境NGOグリーンピース・ジャパン」に10円の支援金として贈られます。
地球温暖化と台風の関係性
近年、大型化して接近や上陸によりいくつもの被害をもたらしている台風は、その発生や大型化の原因の一つに地球温暖化が関係していると言われています。
台風そのものは昔から日本の南近海で発生し、毎年通過や上陸をしてきたことから、日本をはじめとした近隣国にとっては、付き合っていくべき気候現象または災害であると考えられてきました。
地球温暖化が台風の発生に関係しているのか、そして影響を与えるのか、その謎を紐解くには、台風のメカニズムを理解する必要があります。
台風を発生させる条件
台風は風が渦を巻きながら移動しますが、それには地球の自転が大きく関わっています。
また日本の南側の海で台風が発生しやすいのは、南東貿易風と北東貿易風がぶつかる位置にあるためです。
この2つの貿易風がぶつかることで熱帯集束帯という雲の帯ができ、そこで雲の渦である雲渦が発達します。熱帯集束帯は夏や冬でも水温が高いことから、1年中上昇気流が発生しており、そのなかでも巨大な積乱雲が生まれては消えています。
夏から秋にかけて台風が発生する位置はフィリピンから赤道近くの北太平洋西部の海上です。
マリアナ、カロシン、マーシャル諸島付近の海上が熱帯集束帯になります。
これに太陽の熱が加わることで、水蒸気を含む空気が膨張したり、冷やされることで多くの雲が発生し、海上の水蒸気が供給されることで台風は発達していくのです。
台風発生のメカニズム
地球の自転とそれによる風の渦、そして熱帯集束帯によって、どのようなメカニズムで台風が発生するのか紹介します。
赤道近くとなる熱帯地方では、太陽の日差しが強く海水面の温度を上昇し、海水は温度が上昇すれば蒸発していきます。
空気は温度が上がることで膨張し、上昇する傾向があるのです。これによって多くの水蒸気を含んだ上昇気流が海上で発生します。
上昇気流により運ばれた水蒸気は、上空に運ばれることで冷やされて凝結し、雲を形成します。上昇気流は常に多くの湿気を含んだ空気を運ぶため、形成された雲は上に積み上げられる形となり、巨大な積乱雲を生み出すのです。
そして水蒸気が凝結して雲に変わる際に熱を解放します。熱が大気の温度を上げ、積乱雲内部の上昇気流をさらに強めることになり、弱い低気圧を発生させることになるのです。
加えて地球の自転による風の渦は、上昇気流によって周りから空気が移動してくる際にも発生するため、低気圧の中心に温度が高く湿気のある空気が反時計回りに吹き込みます。
多くの湿気を取り込みながら上昇し、雲が積み重なり勢力を増していくことで台風まで発達します。
台風の特徴
台風の中心にある目は、雲が渦を巻くことで台風が発生するメカニズムによるものです。
台風まで発達すると、風が渦を巻くエネルギーはかなり強くなり、高速で回転します。勢力が強ければ強いほど回転速度は増し、遠心力が作用して中央部には湿った空気が進入できなくなります。
湿った空気がなければ雲は発生しないため、中心には晴れ間の「目」ができるということです。
また台風は、右側のほうが危険であると言われています。
台風は発生する際に多くの積乱雲が凝縮しています。積乱雲は通常局地的なにわか雨を降らせる原因でもありますが、台風を形成する雲のほとんどが積乱雲であるため、大量の雨が降るのです。
台風の形成上、北半球では風が吹き込む方向が決まっていることから、反時計回りの渦を巻きます。
進行方向の右側では風が吹き込む方向と台風の移動方向が重なるため、相乗効果で強風が吹くため注意が必要です。
(出典:国土交通省「台風のしくみ」)
地球温暖化が台風に与える影響とは
台風の発生条件とメカニズムから、熱帯付近の気温と水蒸気が大きく関係していることが分かります。
地球温暖化は地球全体の温室効果ガスによる気温上昇が問題となっている気象現象です。その影響は様々な場所で出ていますが、気温の上昇が台風の発生にも影響していると考えられます。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告でも、その点は触れられています。
地球温暖化が進んだ世界では、強い熱帯低気圧が増加する可能性が高いと言われているのです。
つまり勢力がより強い台風の発生数が増える傾向にあるということになります。
近年の日本でも、近海での台風発生数や上陸数は大きく変化していないものの、大型化した危険な台風が増えてきています。
(出典:気象庁「台風の将来予測」)
台風の大型化を防ぐには地球温暖化対策が必要
近年の台風の大型化と甚大な被害は、それまでに予測されていた通り起こっており、地球温暖化が関係しているとされています。
日本の各地が台風によって受けた被害は、人間の活動による温室効果ガスの発生と蓄積や地球温暖化を進行させた結果の一つであるとも言えます。
このまま地球温暖化が進めば、さらなる被害が出る可能性もあるでしょう。
そうならないためには地球温暖化を抑制するための取り組みが必要です。すでに世界各国で行われており、日本でも温室効果ガスの削減を進めていますが、すぐに効果は出ません。
つまりすぐに取り組まないと、台風の大型化や、被害を減らすことが遅れてしまいます。
将来的な被害を抑えるためにも、地球温暖化を抑制するための取り組みに積極的に協力していきましょう。
累計2億円の支援金額を達成!
「ちょっといい明日づくり」に挑戦する私たちgooddoと一緒に、まずは無料で社会支援をしてみませんか?
この無料支援は、「気候変動などの問題から世界の美しい自然を守るため」活動をしている「国際環境NGOグリーンピース・ジャパン」に10円の支援金として贈られます。