地球温暖化が北極に与える影響とは?

地球温暖化

地球温暖化が北極に与える影響とは?

地球温暖化は、真夏日や猛暑日の増加、豪雨や洪水、台風の大型化の頻度を上昇させるなど、私たちの生活に大きな影響を与えています。
しかし、この影響は人が住む大陸や島国だけに留まりません。極寒の海域である北極にも影響を与えています。

この記事では、地球温暖化が北極に与える影響について紹介します。

地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説

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北極圏にも深刻な影響をもたらしている地球温暖化

北極圏にも深刻な影響をもたらしている地球温暖化
地球温暖化は私たちの生活に多大な影響を与えます。地球温暖化は地上の温度を上げている現象ですが、影響はそれだけではありません。
特に気候に関する影響が大きく、豪雨の増加や台風の大型化などは日本でも観測されています。
海水温の上昇による海面水位の上昇や農作物への影響なども見られ、地球温暖化による気温の上昇を受けて起こっていると考えられているのです。

地球温暖化が起こるのは温室効果ガスが関係しています。
温室効果ガスは一つの気体ではなく、二酸化炭素やメタンガス、フロンガスなどをまとめて呼称するものです。
地表の熱を大気内に閉じ込めてしまう温室効果の働きをするため、温室効果ガスと呼ばれています。

本来は太陽からのエネルギーで地表を温めた熱や赤外線エネルギーは、宇宙空間に放出されて地表は冷えます。
しかし温室効果ガスが大気中に広がることで、地上から宇宙へ放出されるはずの熱が温室効果ガスに吸収され、再放射されることで大気が温まるのです。
温室効果ガスの濃度が高まれば、温室効果が強くなり、地上の温度は上昇し続けることになります。

温室効果ガスの主となるのは二酸化炭素であり、排出量は18世紀に起こった産業革命をきっかけに急激に増加していきました。
人類による活動で多くの二酸化炭素が排出されているため、地球温暖化は人類が招いた気象現象となるのです。
このまま何の対策も行わなければ、21世紀末には世界の平均気温は2.6~4.8℃、地球温暖化対策を行ったとしても0.3~1.7℃の上昇が予測されています。

そうなれば気温の上昇だけでなく、平均海面水位は最大82センチメートル上昇する可能性が高いとされており、そのほかの影響もより深刻なものになると考えられています。
地球温暖化による気温の上昇と影響は世界全土に広がっていますが、それは極寒の海域である北極も例外ではありません。

  • 地球温暖化が起こるのは温室効果ガスが関係しており、温室効果ガスの主となるのは二酸化炭素である
  • (出典:環境省「地球温暖化の現状」,2018)

    地球温暖化は北極にどんな影響を及ぼしている?

    地球温暖化は北極にどんな影響を及ぼしている?
    大陸を持たず、多くの氷が浮かぶ極寒の海域が北極です。
    寒さで海は凍り、広大な氷河が広がっていますが、それは氷点下を大きく下回る温度によるものでした。
    しかし地球温暖化による気温の上昇は北極やその周辺の北極圏にまで影響を与えています。
    直接的な熱や赤外線エネルギーだけでなく、海水や河川が温められることによる熱の流入なども関係しているのです。

    北極域の気候変動の影響を調査するある研究では、2020年の海氷面積の記録が、観測史上2番目に少なくなっており、急速な減少が進んでいることが分かっています。
    北極圏にある陸域でも永久凍土の衰退や積雪が増えていることが報告がされました。

    海面上昇が起こるのは水の温度が上がることによる膨張と、北極圏の陸域、つまり陸上にある雪や氷が解け、それが河川から海洋へ流入することで水の量が増えることが影響しています。
    地球温暖化に伴う降水や降雪量の増加、永久凍土の衰退による土壌の湿潤で、北極海への河川の水の流入量は過去70年間増加傾向です。

    さらに永久凍土の衰退により現れる土壌は熱を吸収します。この熱により河川の水は温められ、海洋に流入することで海水温はさらに上昇することになります。
    これが海氷を融解させ、海洋や大気の温暖化に影響するものと考えられています。
    つまり北極や北極圏への地球温暖化の影響は、海氷の減少を引き起こすだけでなく、海水温や海上気温の上昇を起こし、北極の温暖化をさらに強める働きをしていることが明らかになったのです。

    北極の今後の影響予想

    北極での地球温暖化の影響調査と研究は進められているため、今後新たな予測が出てくるかもしれません。
    しかし、将来的に北極でも2020年に起こったような異常気温の頻度が増加するものと見られています。

    2020年はロシアの東シベリアを熱波が襲い、観測史上最高気温となる38℃を記録しました。
    これは高緯度にあるシベリアではかつてないほどの暑さを観測していますが、北極でもこのような異常気温に襲われ、海氷融解がさらに進む可能性は十分にありえると言われています。

  • 地球温暖化による気温の上昇は北極やその周辺の北極圏にまで影響を与えている
  • 北極海への河川の水の流入量は過去70年間増加傾向にある
  • 地球温暖化の影響は、海氷の減少を引き起こすだけでなく、海水温や海上気温の上昇を起こし、北極温暖化をさらに強める
  • (出典:国立研究開発法人海洋研究開発機構「北極海の海氷減少と気温上昇に及ぼす暖かい河川水の影響を世界で初めて解明」,2020)

    北極における地球温暖化の影響は私たちのところにもやってくる

    北極における地球温暖化の影響は私たちのところにもやってくる
    地球温暖化は私たち人類が起こしたものであり、北極にもその影響が及んでいます。
    研究結果にもあるように、北極圏への影響で永久凍土は減り続け、海面の上昇を起こす原因になるだけでなく、熱を吸収することで北極域の温暖化を進行させることになります。

    そうなれば地球全体の温暖化も加速させる可能性があり、海面上昇もさらに進むことにもなるかもしれません。
    災害など異常気象による被害が増す可能性は十分に考えられます。

    そうならないために研究や調査は行われており、各国でも二酸化炭素排出削減などを中心とした地球温暖化対策を行っています。
    私たちもこの対策に協力していかなければ、地球温暖化を食い止めることはできないため、必要な知識をつけて自分にできることから取り組んでいきましょう。

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