私たちが住む地球では地球温暖化が進行しています。この地球温暖化により、気温の上昇だけでなく災害が増加しており、その原因となっているのが温室効果ガスの排出です。
温室効果ガスは、二酸化炭素やメタン、一酸化二窒素などいくつかの気体のことですが、その排出量は年々変化しています。
この記事では、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量について説明します。
地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説
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温室効果ガスとは
地球温暖化の原因とも言われているのが温室効果ガスです。
温室効果ガスは、私たちが活動することによって増加していますが、一つのガスではなくいくつもある気体のなかで特に地球温暖化に影響を与えるものの総称となっています。
そのなかでも特に多いのはエネルギー起源の二酸化炭素であり、主に化石燃料に由来して発生します。
またそれ以外の二酸化炭素は非エネルギー起源として、森林減少や土地利用変化などによって発生したものと区別されています。
二酸化炭素に次いで多いのがメタンであり、湿地や池、水田で枯れた植物の分解で発生するほか、家畜のげっぷ、天然ガスの採掘でも発生します。
残りは一酸化二窒素やフロン類になりますが、このフロン類は代替フロン第4ガスと呼ばれる気体に分けられます。
それがハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)、三フッ化窒素(NF3)です。
これらの気体は地球温暖化に影響を与えますが、特に大きな影響を与えるのが二酸化炭素であり、地球温暖化を食い止めるために二酸化炭素の排出削減の対策がされています。
(出典:気象庁「温室効果ガスの種類」,2013)
地球温暖化の原因となる温室効果ガスはどれくらい排出されている?
二酸化炭素を主とした温室効果ガスはどれほど排出されているか、日本を中心に世界と比較し紹介します。
その前に温室効果ガスにおける各気体の種類別割合について触れておきましょう。
温室効果ガスで最も多いのは二酸化炭素であることは先述しましたが、エネルギー由来のものが65.2%、非エネルギー由来のものが10.8%で合計76%程度を占めています。
それに対してメタンが15.8%、一酸化二窒素が6.2%、フロン類が2.0%です。割合そのものはその年の排出された量によって異なりますが、概ねこの程度の割合になります。
(出典:気象庁「温室効果ガスの種類」,2013)
日本の温室効果ガスの排出量
日本における温室効果ガスの排出量を2017~2019年の3年間で見てみます。
2017年の温室効果ガス排出量はおよそ12億9,200万トンでした。このうち二酸化炭素は合計でおよそ11億9,000万トンにものぼります。
2018年は温室効果ガスがおよそ12億4,700万トン、うち二酸化炭素がおよそ11億4,400万トン、2019年は温室効果ガスがおよそ12億1,300万トン、うち二酸化炭素がおよそ11億600万トンという結果が出ているのです。
これだけ見ると温室効果ガスは年間12億トン以上、二酸化炭素でも11億トン以上が排出されていると同時に、年々減少していることが分かります。
この減少率を2005年度、2013年度、前年度の3つで比較してみましょう。
2017年度は2005年度比が6.6%減、2013年度比は8.4%減となっています。
2018年度は2005年度比が10.2%減、2013年度比が12.0%減、前年度比が3.9%減と大きく減少しています。
また2019年度は、2005年度比が12.2%減、2013年度比が14.0%減、前年度比が2.7%減となり、順調な減少が見られました。
この2018年以降の温室効果ガスの排出量は1990年以下であり、2009年を除いて過去30年間の間で最も少ない排出量を2年連続で更新しています。
理由としては、エネルギー消費量の減少による二酸化炭素の排出量の減少が考えられています。
二酸化炭素の排出量は世界でも排出削減が叫ばれており、日本でも様々な対策を行った結果として現れていると言われています。
一方で、冷媒によるハイドロフルオロカーボン類の排出量は年々増加しているという懸念材料もあります。
世界の温室効果ガスの排出量の比較
温室効果ガスのなかでも特に排出量が多く、その削減が世界中で行われている二酸化炭素について、世界の排出量の比較がなされています。
2017年のデータでは、最も多くの二酸化炭素を排出しているのが中国でおよそ92億6,000万トンであり、世界全体の28.2%を占めています。
次点がアメリカでおよそ47億6,000万トン(14.5%)、EUでおよそ32億1,000万トン(9.8%)が続きます。
EUに関しては28ヶ国合計で見ているため、各国の排出量で見ればその結果は大きく異なります。
EUのなかで最も多いのはドイツのおよそ7億2,000万トン、次が当時EUに所属していたイギリスでおよそ3億6,000万トンですが、いずれも日本より排出量は少なく、ドイツ以外は15番目に位置するオーストラリアよりも少ないという結果でした。
日本は世界から見てもインドの21億6,000万トン(6.6%)、ロシアの15億4,000万トンに次ぐ6番目に位置しています。
世界全体の排出量はおよそ328億トンであり、今もこの排出量の削減は続けられています。
将来的な温室効果ガスの排出量の見通し
日本における温室効果ガスの主たる二酸化炭素が今後どれほど排出されるかの見通しも行われています。
もし2017年度時点の政策維持のシナリオとなる場合、その排出量は増加し続け、4万2,475メガトンにまで増加すると考えられています。
一方で、2017年度時点で用意されていた新政策を用いた場合で3万5,881メガトンまで増加し、持続可能な開発のシナリオの場合は1万7,647メガトンにまで減少すると考えられています。
(出典:環境省「2019年度(令和元年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について」,2019)
(出典:環境省「世界のエネルギー起源CO2排出量(2017年)」,2017)
(出典:経済産業省「日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」)
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減には私たちの協力も不可欠
温室効果ガスは日本での排出量は減少しているものの、世界全体で見ればまだまだ多いのが現状です。しかし各国の排出量はその国の政策などに依存します。
私たちができることは、日本の温室効果ガスの排出量をさらに減らすことです。
二酸化炭素は生活のなかで多く排出されています。自動車はもとより、家電などの電力も化石燃料によって発電されている部分が大きく、電力を消費した分だけ二酸化炭素も排出されます。
そのため自動車の使用を控えることや、節電などを心がけるだけで二酸化炭素の排出量を抑えることが可能です。
温室効果ガスの排出の現状を知り、自分たちができることから取り組んでいくことが大切になります。
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