近年、地球温暖化への解決策として、将来的な脱炭素化社会が目指されています。
地球温暖化は二酸化炭素などの温室効果ガスが原因となっており、二酸化炭素の発生を極力抑えた社会として脱炭素化社会の構想が練られています。
この記事では、脱炭素化社会とはどのようなものなのか、今後の日本の目標も合わせて説明します。
地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説
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地球温暖化の解決策として目指される脱炭素化社会
地球温暖化は18世紀に起こった産業革命以降、人類が排出し続けた温室効果ガスの影響により進行しています。
この温室効果ガスのなかでも特に排出量が多く、主の気体として問題視されているのが二酸化炭素です。
私たちは呼吸をするなかで二酸化炭素を排出します。それは様々な動物も同じです。呼吸だけであれば植物が二酸化炭素を吸収し、酸素を排出するため地球温暖化を引き起こすほどの量にはなりませんでした。
しかし産業革命が起こるなかで人類は石炭や石油、天然ガスといった化石燃料を燃焼させてエネルギーを得るようになり、多くの二酸化炭素を排出することになったのです。
生活を便利にしていくモノの生産や交通手段に利用するガソリン車も二酸化炭素を排出します。
私たちが生活を続けていく限り二酸化炭素の排出は止められませんが、そのままにしておけば致命的な状況にまで地球温暖化が進行する可能性があるのです。
そうならないためにも、先進国を中心として各国で二酸化炭素の排出削減の数値目標を定め、取り組みを行っています。
日本は2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減すると目標を掲げています。
そのためには家庭部門で約40%の削減が必要であり、40%のうち14%は徹底した省エネによる達成が求められているのです。
今後は、温室効果ガス排出量を削減するために、二酸化炭素を排出するものに頼った生活をできるだけ抑える脱炭素化社会を構築することが必要とされています。
地球温暖化を抑えるために二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする
脱炭素化社会と言われると、炭素から脱して、それ以外のもので社会を成り立たせていくというイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実際には少し異なります。
先ほども触れたように私たち人類を含む動物は二酸化炭素を排出します。その時点で二酸化炭素を排出しないことは不可能です。
しかし、呼吸による二酸化炭素の排出で地球温暖化が進むことはほとんどありませんでした。これは植物が吸収し、酸素を吐き出すほうが多かったためです。
つまり植物が吸収し、二酸化炭素を除去する量と均衡あるいはそれ以下に二酸化炭素の排出量を抑えられれば、地球温暖化は進行しないということにもなります。
脱炭素化社会では、二酸化炭素実質排出量ゼロを目指して取り組みが行われています。これは二酸化炭素など、人による温室効果ガスの排出量と、森林などの吸収源による除去量を均衡にすることが目的です。
脱炭素化社会とは完全に炭素から脱却するのではなく、自然との折り合いをつけた炭素との付き合い方を目指すということにほかなりません。
(出典:環境省「脱炭素社会づくりに貢献する製品で温室効果ガス排出量削減|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。」,2019)
(出典:環境省「地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況」)
脱炭素化社会で地球温暖化を抑える
地球温暖化の原因は温室効果ガスであり、そのなかでも二酸化炭素の排出は特に削減しなければいけないものであることを説明しました。
そのために日本では様々な取り組みがなされており、2050年までには二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする脱炭素化社会の実現を目指しています。
では具体的に脱炭素化社会に向けてどのような取り組みがなされているのか紹介します。
中期的目標と解決策
二酸化炭素は発電や工場からも発生しますが、何より私たちの生活から発生しています。
二酸化炭素の直接排出のうち、家庭由来のものの約40%は削減する必要があることは先ほども触れました。
家庭由来のものでは冷暖房や給湯器、照明などの利用により二酸化炭素が発生しています。
2017年の環境省による調査では、1世帯あたり年間4.5トンもの二酸化炭素を排出していました。このうち暖房16%、冷房は2%、給湯器は15%キッチンが6%、照明・家電製品などが33%、自動車が23%となっています。
家庭による排出量の40%を2030年度までに削減することが目標ですが、特に14%を徹底した省エネで削減することが求められているのです。
その方法としては、照明をすべてLEDに変更する(6.6%)、全居室の窓を複層ガラスに変更する(3.1%)、10年前のエアコンを最新型に買い換える(4.6%)、10年前の冷蔵庫を最新型に買い替える(6.0%)が挙がり、このなかから3つ以上を行うことで14%削減は達成可能であると試算されています。
もちろん根本的に普段から使用する電力を抑える節電や、自家用車の使用を抑えて公共交通機関などを利用する方法で二酸化炭素の排出を抑えることができ、40%中の26%はこの方法での削減を目標としています。
つまり節電と省エネによる二酸化炭素排出の大幅削減が解決策の一つとして挙げられているのです。
※()は都内4人家族の戸建て住宅での試算となります。
長期的戦略と解決策
長期的な戦略として、今世紀後半(2050年以降)のできるだけ早期に脱炭素化社会を実現することが挙げられています。
そのためにも脱炭素ライフスタイルの構築が必須であり、日常生活で排出される二酸化炭素の7割に着目した取り組みが提案されています。
2017年度時点での1人あたりの二酸化炭素排出量は年間8トンと言われているのです。
このうちの18%が食事、21%が移動、32%が住居と3つの領域に分類されます。
領域における脱炭素ライフスタイルへの変更が効果的であると考えられており、すでに実践可能な様々な取り組みが存在しています。
例えば食事であれば、食品ロスの削減や野菜を増やした食生活が挙げられます。特に食品ロスは2016年度の推計で643万トンも出ており、その運搬や廃棄に多くの二酸化炭素が発生するのです。
また食品の元となる食材の生産にも二酸化炭素の発生が関わっています。食品ロスを抑えることで、食材を過剰に生産する必要がなくなり、運搬や廃棄での排出量も削減できます。
加えて食材の生産時の二酸化炭素排出量は、野菜よりも畜産のほうが多くなります。そのような観点から、野菜を増やした食生活を意識することも脱炭素ライフスタイルにつながるのです。
移動については公共交通機関の活用はもちろん、自家用車を購入する場合はエコカーの購入や、アイドリングストップによるエコドライブができるものを選ぶことが勧められています。
また新型コロナウイルスの感染拡大により増えたテレワークも、脱炭素ライフスタイルにつながります。
テレワークであれば移動を必要としないため、そこで排出されるはずだった二酸化炭素を削減することが可能です。
住居に関しても断熱リフォームの実施や再エネ電気への切り替えといった解決策があります。
このような取り組みのもとで、2050年には脱炭素化社会を実現できるように、政府だけでなく自治体や企業などが協力して取り組みが行われ、国民にも協力が呼びかけられています。
(出典:環境省「脱炭素型ライフスタイルの施策について」,2020)
(出典:政府広報オンライン「もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう」,2019)
地球温暖化の解決策を知り、みんなで取り組もう
地球温暖化はどこかの国だけが取り組めば解決するものではなく、国内においても政府や企業だけが対策を行えば改善するものでもありません。
社会全体にその原因があり、私たちの生活のなかにも取り組むべきことはあります。
それは難しいことではありません。脱炭素化社会についても、私たちができることを進めていくことで実現可能です。
日本の目標では2050年代後半までには到達することを目指していますが、今から私たちができることを進めていく必要があります。
日常に目を向け、見直すことで二酸化炭素の排出を削減できることを知り、できる範囲のことから始めていきましょう。
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