地震

災害を振り返り支援しよう!熊本地震の震度や震源地、被害の大きさは?

東日本大震災から5年経過した2016年に、熊本で最大震度7の大型地震が発生しました。この映像を見たときに東日本大震災を思い出した人も多いと思います。それほどまでに大きな地震でした。
東日本大震災との違いは、この震度7のあとに震度6強、震度6弱の地震が連続して発生したことでしょう。そんな熊本地震によって、多くの地域が被害にあいました。
それを映像で見て、「自分たちにできることはないか」と感じると同時に「どのように支援していけばいいのか分からない」と感じた人もいるでしょう。そこで今回は、熊本地震の恐ろしさを知った上で、どのように支援していくべきか解説します。

地震・震災の対策や津波発生時の注意点は?地震保険や南海トラフ巨大地震の想定被害も解説

なお、地震などの大規模災害の被災地支援に関心があるという方は、まずは気軽に支援に参加してみませんか?

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平成28年熊本地震の被害状況とは

まずは、熊本地震の概要を確認しましょう。

発生日時 平成28年4月16日1時25分
震源地 熊本県熊本地方(北緯32度45.2分 東経130度45.7分)
マグニチュード 7.3
最大震度 震度7(2回)
死者数 272名
行方不明者数 0名
負傷者数 2,808名
避難者 183,882名
建物被害(全壊) 8,668戸

(出典:内閣府非常災害対策本部)

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震度7の本震が2回、その後の余震も異常な回数で発生

この熊本地震の最大の特徴とも言えるのが、震度7の本震が2回、そして異常とも言えるくらい発生した余震です。
本震だと思われていた地震が前震だったという珍しいことも起こりました。余震でも震度6を超えるものが多く、多くの人が不安で眠れませんでした。
まずは、震度6以上の地震頻度を見てみましょう。

平成28年4月14日21:26以降に発生した震度6弱以上の地震

発生日 発生時刻 震央地名
4月14日 21:26 震度7(熊本県熊本)
22:07 震度6弱(熊本県熊本)
4月15日 0:03 震度6強(熊本県熊本)
4月16日 1:25 震度7(熊本県熊本)
1:45 震度6弱(熊本県熊本)
3:55 震度6強(熊本県阿蘇)
9:48 震度6弱(熊本県熊本)

ここから分かる通り、たったの3日間で震度6以上の地震が7回も発生しています。日本国内の震度7の観測事例としては4例目であり、九州地方では初のことでした。
震度7が2回観測されたのは、現在の気象庁震度階級が制定されてから初めてのことです。また、一連の地震回数(M3.5以上)は内陸型地震では1995年以降で最多を記録。政令指定都市で震度6弱以上の地震を観測したのは、2011年の東北地方太平洋沖地震以来5年ぶりのことです。

そして、余震というには規模の大きい震度4以上の地震は4月14日~4月30日までで120回も観測されました。その中には震度5強も観測されており、この2週間強は余震との闘いだったと言われています。またいつ本震が来るのかと恐怖ばかりがつきまとっていました。かなり不安定な状況であったことが分かります。

平成30年10月13日時点での震度1以上を観測する地震は総数で4,544回とされており、内訳は以下の通りで異常とも言えるくらい地震が発生していた時期であると分かりました。

  • 震度7:2回
  • 震度6強:2回
  • 震度6弱:3回
  • 震度5強:5回
  • 震度5弱:13回
  • 震度4:123回
  • 震度3:417回
  • 震度2:1,238回
  • 震度1:2,741回

人的被害

人的被害では、死者(合計):272人(うち直接死は50人)、負傷者:2,808人、避難者数:183,882 人と発表されました。直接死とは、倒壊した住宅の下敷きになったり土砂崩れに巻き込まれるなどして死亡した場合のことを指します。
14日の前震から本震前の15日までには益城町と熊本市で計9人の死亡が確認されました。

『震災関連死』も多く見られ、避難生活によるストレスや持病の悪化などで亡くなる人も相次いだのです。2018年4月13日の時点で、熊本地震による震災関連死と自治体に認定された人は212人にもなっています。
また、この震災では震源地となった熊本県だけでなく、大分県でも3人が震災関連死が認定されており、どれほど劣悪な環境に置かれていたかが分かります。

(出典:内閣府非常災害対策本部)

建物・施設の被害

消防庁の発表では、2018年10月15日の時点で、住宅の全壊が8,668棟、半壊が34,720棟、一部破損162,562棟が確認されています。また公共建物の被害が439棟となっており、多くの建物が倒壊しました。
全壊など、大きな被害にあったのは家屋被害は建築基準法が改正された1981年以前に建築された古い木造家屋に集中しており、被害を拡大させた要因でもあります。
耐震基準が強化された家屋では全壊になるものは少なかったのですが、震度7が2回発生した地域などでは全壊も見られました。

(出典:内閣府非常災害対策本部)

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地震後、165億円もの義援金が熊本県に寄せられる

熊本地震では、発生直後から多くの人が義援金として寄付などを行いました。地震が発生してから1ヶ月と半分が過ぎた6月3日には義援金総額が約165億円にもなり、どれほど多くの人が被災地のことを考えているのか分かります。そんな義援金ですが、最新である平成31年2月13日の発表では以下のような割合で集まっています。

  • 日本赤十字社:29,157,823,872円
  • 共同募金会:3,090,565,655円
  • 熊本県:20,535,114,630円
  • 合計:52,783,504,157円

現在では527億円もの義援金が集まったようで、熊本地震への関心はまだまだ高いとみられます。
熊本県では、集まった義援金を被災者に向けて都度分配しています。人的被害にあわれた方、住宅被害にあわれた方に対して、数回にわたって分配されているのです。
これからも多くの被災者に分配されていく予定となっています。

(出典:熊本県庁サイト)

熊本地震から現在の復興状況は?

熊本地震が発生してから3年が経ちましたが、熊本では順調に復興が進んでいます。義援金も多く集まっており、うまく分配することで復興がスムーズに行われているようです。
それでも、まだ多くの人が避難生活を行っている状況なのは変わりありません。少しでも良いので、復興支援に協力していきたいものです。

そして熊本地震で最も衝撃的だったのが、熊本城の倒壊。熊本県では、すぐに熊本城の復旧作業にとりかかりました。2019年10月のラグビーワールドカップ開催までに、熊本城の大天守の外観修復を完了する予定です。それに伴い一般公開も再開する予定となっています。
小天守を含む天守閣全体の修復を終えて内部が見られるようになるのは2021年の春ごろになる予定です。

(出典:熊本城総合事務所)

熊本地震の被災者、被災地のためにできる支援とは


地震による被災者、被災地に対して私たちができることは限られています。しかし、確実に被災者の方々のためになることもあります。まずは、私たちにどのような支援ができるのか考えてみましょう。

寄付・募金

被災地から離れていたとしても、できることはあります。それが『寄付と募金』です。お金だけでなく物資を送る方法もあります。自分に合った方法を選びましょう。

お金の寄付、募金

熊本地震への寄付や募金は積極的に行われており、義援金箱などが熊本県内に設置されています。平成28年4月19日から設置されており、期限は設けられておりません。当分の間は設置する予定とされています。場所、受付時間などは以下通りです。

  • 各区役所(中央、東、西、南、北)
  • まちづくりセンター(託麻、秋津、東部、花園、飽田、天明、幸田、城南、南部、北部、清水、龍田)
  • 内総合出張所
  • 大江交流室

【受付時間】
平日の午前8時30分から午後5時15分

そのほかに、金融機関による振り込みも行っていますし、現金書留封筒での義援金も受け付けています。
現金書留封筒で義援金を送付される場合は郵便料金は免除となるので、送る前には郵便局窓口で確認しましょう。

物品の寄付

個人で物品類を被災地へ直接送り寄付することは、非常に難しいと言われています。被災地では、何が足りないのか、何が必要なのかは日によって異なります
「今はこれの使い道はない」と判断されてしまうこともあるのです。そこでおすすめなのが、NGO/NPOやボランティアグループが物資の募集をしているときに送る方法です。それによって、今何が欲しいのか分かるので被災地でも無駄なく使用できます。

ボランティア活動

熊本地震ではボランティアを募集しています。災害ボランティア活動をするには、『災害ボランティアセンター』を確認するとよいでしょう。
災害ボランティアセンターでは『ボランティアする人』と『ボランティアを必要としている人』を結びつける役割を担っており、必要に応じてボランティアを派遣しています。
ボランティアに必要な道具や装備を用意してくれることも多く、個人でボランティアに赴くよりは費用はかかりません。

ただし、被災ボランティアに参加するには1年有効の『ボランティア活動保険』に加入することが必須となっています。出発の前に焦らないように、早めに加入しておきましょう。
被災地などでのボランティア活動の際に負った怪我などを補償してくれます。ボランティア活動の日時などは指定できないので、自分で休みを取る必要がでてくるのがボランティア参加の難しい要因です。

これまでも熊本地震へのボランティア活動は積極的に行われており、熊本県内の災害ボランティアセンターで把握しているボランティアの参加人数は合計で約12万人にもなっています(平成30年3月31日まで)。
しかし、それだけのマンパワーをもってしてもまだまだ完全な復興を果たしていません。多くのボランティアを募集していますので、これを機に参加してみてはいかがでしょうか。

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1人でも多くの支援を熊本の地震被災者へ届けよう

熊本地震は発生してまだ3年しか経っていません。まだまだ支援を必要としている地域や人はたくさんいます。
自分でもできることは何か、自分だからこそできることは何かを考えて支援してみましょう。
いきなりボランティアは難しいと思いますので、少額の寄付から始めるなど自分に合った支援を考えてみてはいかがでしょうか。

今後も同じような災害が発生するかもしれません。次に支援を必要とするのは自分かもしれない、そう考えると被災地の状況は他人事ではありません。今、自分にできることを今一度考えてみませんか。

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この記事を書いた人
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