地震が発生したとき、その震源地が海底や海に近い場合は津波が発生する危険性があります。
地震による被害だけでなく、それ以上に恐ろしいのは津波による被害です。
東日本大震災ではこの津波によって多くの方が命を落としました。この震災以来、津波に対しての認識が改められ、津波による被害を増やさないためにいくつもの対策が講じられています。
津波から身を守るためには当然避難する必要がありますが、そのときに覚えておきたいポイントもいくつかあります。
こちらでは地震による津波について、避難するためにおさえておきたいポイントなどを紹介します。
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津波の伝わる速さと高さ
津波はものすごい速度で移動します。例えばチリで大地震が発生した場合、日本にその津波が到達するのは約22時間後です。
津波は海底までの距離が深くなるほど速く、浅くなるほど遅くなります。
そのため平均でしかその速度を求めることはできませんが、チリから日本まで約1万7,000kmもの距離があることから平均速度は時速770kmとなり、ジェット機並みの速さで移動してくることがわかります。
海底から5,000mあるところでは最大時速800kmともいわれ、そこから500mで時速250km程度、100mで時速100km、10mで時速36km程度とされています。
陸地に近づくほど速度は遅くなりますが、それでも時速36kmは人間が移動する速度と比較するとかなりの速度です。
そして海底からの深さと表現しましたが、これは津波の最大の高さまでであり、陸地に近づくほど高さは増します。
海底から10mでも、津波の高さは最大で標高8mの高さまで駆け上がることがあり、これは海外線での津波の2倍程度の標高となり非常に高くなると予想されます。
そのため地震の発生から津波が到達するのは非常に早く、海岸線ではそれほど高く見えなかったとしても到達することにはその倍にもなるため危険であることが分かります。
地震が起こった際はすぐ沿岸沿いから避難し、海から離れた高台まで遠ざかるようにしましょう。
(出典:内閣府「防災情報のページ」)
(出典:国土交通省公式サイト)
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津波は何度も押し寄せる
津波は海底下の断層運動、つまり地震が原因で起こる自然災害です。
海底に地殻変動が起こり、その上の海水を押し上げることで水の塊が津波となって四方へ広がります。
そして、この水の塊は波紋のように広がり、幾重にも広がるのです。
そのため第1波が到達してしばらくすると第2波、第3波と次々とやってきます。その回数は津波によって異なりますが、複数回押し寄せてくることはしっかり覚えておきましょう。
さらに複数の波が重なって著しく高い波になることもあります。
くどいようですが津波は水の塊です。ひとたび襲われればその速さとエネルギーに巻き込まれ逃れることはできなくなります。
膝の高さ程度であっても、大人でも立っていられないほどの力で引き込まれます。それほどに津波は危険なのです。
(出典:気象庁公式サイト)
地震・津波が発生する前に準備しておきたいこと
このような地震・津波が発生した際、すぐに避難するためにも事前にいろいろな準備をしておく必要があります。
防災グッズを入れた避難用袋などはもちろんですが、避難する際の経路や場所、危険な地域、海周辺の高い建物の確認など、事前に準備しておくことがたくさんあります。
いざ避難するとなったときに闇雲に逃げるのではなく、危険な場所を避け、できるだけ最適な避難経路を移動するためにも、以下の項目はチェックして置くようにしましょう。
避難場所・経路の確認
避難場所や避難経路の確認は重要です。しかも1箇所や1経路だけでなく、複数の確認しておく必要があります。
地震の後では建物の倒壊や火災により経路が通れない可能性もあります。
その際、他の経路を確認しておけば慌てることなく進路を変更することが可能です。
また、確認するだけでなく実際の避難経路を歩いて備えておくことも大切です。
ハザードマップの確認
自治体の多くは災害時の被害を予測したハザードマップを作成しています。地震や津波など災害によってハザードマップは異なるため、しっかり確認しておきましょう。
ただし指定された避難場所であっても予想を超えて津波が襲ってくることもあります。そのような状況に陥った場合、各自の判断で率先して避難するようにしましょう。
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海の周辺の高い建物の確認
海の周辺の高い建物も事前に確認しておきましょう。
津波に襲われた場合、高台あるいはこのような高い建物に避難する必要があります。
このとき「津波注意」「津波避難場所」「津波避難ビル」のマークを探しておくとよいでしょう。
これらは津波が起こった際に津波が襲来する危険がある場所、そのとき避難を推奨された場所や建物を表しています。
海の近くにいるときはこれらのマークも確認しておくことが万一の場合への備えになります。
(出典:日本気象協会 トクする!防災公式サイト)
津波警報・注意報の種類ととるべき行動
津波警報、注意報には種類があり、それぞれ予想される津波の高さと取るべき行動が違います。それぞれの種類についてまとめました。
予想される津波の高さ | 取るべき行動 | ||
数値での発表 (津波の高さ予想の区分) |
巨大地震の場合の発表 | ||
大津波警報 | 10m超(10m~) | 巨大 |
沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなの安全な場所へ避難してください。 「ここなら安心」と思わず、より高い場所を目指して避難しましょう。 |
10m(5~10m) | |||
5m(3~5m) | |||
津波警報 | 3m(1~3m) | 高い | |
津波注意報 | 1m(0.2~1m) | 表記しない | 海の中にいる人は、ただちに海から上がって、海岸から離れてください。 |
(出典:気象庁公式サイト)
津波警報には「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」の3種類が存在します。
3mを超えれば警報となり、5mを超えると大津波警報となって発表されます。
警報が出た場合は速やかに沿岸部や川沿いから避難し、すぐに高台など津波に巻き込まれない場所に移動する必要があります。
もちろん注意報であっても油断してはいけません。例えば0.3mの予報でも海の近くにいれば沖合いに引き込まれてしまうことも十分ありえます。
津波の高さはあくまで予測であり、それ以上の津波になって押し寄せる場合もあります。それらの危険性も踏まえ、注意報以上が出たらすぐに避難するよう意識しておく必要があります。
過去に起きた東日本大震災では、岩手県大船渡市の綾里湾で局所的に40.1mの津波を観測しています。
これはそれまで想定していた津波を大きく超えることとなり、過去最大の津波として今も記録が残っています。
予測を超えることも十分ありえるため、津波が起こった際にはすぐさま高台などへの避難しましょう。
(出典:日本気象協会 トクする!防災公式サイト)
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地震が来たら津波を警戒しよう
紹介してきたように津波は地震が起きた際には警戒しなければいけない危険な災害の1つです。
実際に大きな地震が起きたときは、規模の大きい津波が発生する危険性があります。例えそれほど大きな津波ではなくても、油断してはいけません。
もし海の近くで地震が起きたときは、海岸から多少離れていても「地震が起きたら津波が来る」という意識を持って、すぐに津波から身を守る行動を取るよう心がけることが大切です。