地震

地震が来たら取るべき行動は?知っておきたい対策方法

地震はいつ起こるかわからない恐ろしい災害の一つです。予兆があるわけでもなく突然起こることが多いため実際に遭遇した場合慌てることも少なくありません。

しかし慌てて行動するのは、自らの命を危険にさらす可能性を高めます。
できる限り安全に自分の身を守るためにはどうしたらいいのでしょうか。

それには事前に地震が来たときに取るべき行動を把握し、対策方法を理解しておく必要があります。この記事ではそれらの行動、そして対策方法を紹介します。

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地震が起こったときはいる場所によって違う行動を


地震は日本に住む私たちにとって身近な自然災害であり、いつ訪れるとも分からない恐怖でもあります。

そのため必ずしも自宅にいるときに地震にあうわけではなく、会社や学校など屋内や通勤、通学中の屋外、レジャーで訪れる海沿いや森、山、街といかなるシチュエーションで遭遇するかは分かりません

そのためそれぞれの場所で地震に対しての行動を行う必要がありますが、場所によってその方法は異なります。

その行動を誤れば命に関わることにもなり兼ねないため、しっかりと場所ごとの行動を把握しておく必要があるのです。

また、地震は一瞬で起こります。緊急地震速報があるとはいえ、行動を起こすための数十秒の猶予しかありません。
そのためそれぞれの行動を事前に知っておかなければ動くことはできないのです。

災害用の備えも必要ですが、知識としてしっかりと理解、整理しておくことは私たちの命を守る上で最も大切なことなのです。

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屋内で地震があったときに取るべき行動


それではそれぞれのシチュエーションや場所で地震にあったとき、どのような行動を取るべきかを解説します。

家の中にいるとき

家にいるときはとにかく自分の身を守ることを優先する必要があります。そのときに行うべき行動は3つです。

  • テーブルの下に移動
  • 脱出口を確保する
  • 火の始末をする

まずは自分の身を守り、次に火事などの二次災害を防ぎ逃げるようにしましょう。

テーブルの下に移動

地震の際、最も危険なのは頭上から物が落ちて当たることです。棚や電気、酷いときは天井が落ちてくる危険性もあります。そのためすぐに身を守れるテーブルの下に身を隠すように心がけましょう。

脱出口を確保する

脱出口の確保は大切です。地震によって家屋に歪みが発生した場合など玄関が開かないことや、そこへ行き着くまでの動線が塞がれるなど外に出られなくなることもあります。

地震後脱出できるようにするためにも戸を開けてすぐに出入り口の確保を行うようにしましょう。

火の始末をする

地震発生時、すぐにできるとよいのですが火の始末はとても大切です。火の始末をしていないことによる二次被害として火災が起こります。

阪神大震災のときもそうですが、地震の倒壊よりも二次災害の火災による被害、焼失が酷かったという報告も挙がっています。

逃げる前に必ず火を止め、ガスの元栓まで締めて逃げるようにしましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

職場・ビル

職場やビルでは高層の位置にいることや、会社という関係上、様々な機材や機器が近くにあるため地震にあったときの危険性は大きくなる可能性があります。

最近は耐震構造がしっかりしている建物も多いですが、それでも地震の際にはしっかりと身を守る行動に出なければ危険です。

このような場所では以下の行動を取る必要があります。

  • 窓際から離れる
  • OA機器などの落下に注意
  • 避難するときはエレベーターを使わない

窓際から離れる

身を守るため、家と同じように机の下などに隠れるのは大切です。

ただ、場所によっては窓際に近い場合もあるため、そのような場所から離れることを優先してください。これは地震によって窓ガラスが割れることがあり、隠れていても怪我をする可能性があるためです。

OA機器などの落下に注意

OA機器などが落下してくる場合もあります。職場によって置いてあるOA機器は異なるため必ずしも落下してくるわけではありません。

しかし、固定が甘いものや不安定なものは自分の身に落ちてくる可能性があり、危険であるため注意を払うようにしましょう。

避難するときはエレベーターを使わない

避難する際にはエレベーターを絶対に使わないようにしましょう。災害によってエレベーターの機能が正常に働くか分かりません。

また、1回の輸送人数には限界があり混乱を招くことや、再度地震が起こった際にエレベーター内に閉じ込められるといった二次災害を引き起こすこともあります。

大変危険ですので日ごろから非常口をしっかり確認し、慌てずに行動し避難するようにしましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

スーパー・デパート

スーパーやデパートを利用した際に地震に遭遇する可能性もあります。
このような場所は身に危険を及ぼすこのも多いため注意を払うようにしましょう。

  • 商品の少ない場所、柱付近に避難
  • ガラス製品や割れ物の陳列棚から離れる
  • 避難するときはエレベーターを使わない

商品の少ない場所、柱付近に避難

地震の際に私たちを襲ってくるのは商品であることが多いです。そのためエレベーターホールや比較的商品が少ない場所、柱付近など物が落ちてこないような場所に避難するようにしましょう。

ガラス製品や割れ物の陳列棚から離れる

ガラスは地震の際に最も怪我の危険性を高めるものになります。
職場、ビルなどでも地震でガラスが割れることはよくあります。

スーパーやデパートになるとガラス製品や瀬戸物など、割れ物が陳列された棚などは大変危険なためすぐに離れ、落下や転倒には注意しましょう。

避難するときはエレベーターを使わない

職場やビル同様に避難するときにエレベーターを使うと二次災害にあう危険性があります。
避難経路をすぐに確認して、そこから慌てず店員や係員の指示に従って避難するようにしましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

屋外で地震があったときに取るべき行動


屋外で地震にあった場合はその行動が大きく変わります。
市街地、海の近く、山や丘陵地、運転中の場合など場所によって対処が変わるためそれぞれの取るべき行動をまとめます。

市街地

市街地にいる場合は周りの建物の影響を受けます。そのため身を守る行動にいち早く出なければいけません。主に次の2つの行動をすぐにする必要があります。

  • 高いビルや建物から離れる
  • 落下物や窓の破片から頭を守る

高いビルや建物は震度によって倒壊する恐れがあります。そのため近くにいる場合は速やかに離れるようにしましょう。

また、たとえ倒壊しなかったとしても割れたガラスの破片や屋根、看板などが落ちてくる可能性があります。

これはビルや建物に限りませんが、とにかく鞄や上着など、あるいは身を隠せるような場所で頭を守るようにしましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

海の近く

海の近くにいた場合は津波に警戒する必要があります。東日本大震災のときもそうでしたが、津波による二次災害での犠牲者は計り知れないものとなりました。

たとえ大きな地震でなくてもすぐに避難する必要があります。

  • 高台または3階以上の建物に避難
  • 避難標識を探し、あれば避難

高台または3階以上の建物に避難

津波の大きさはその地震の規模によって変わります。それをすぐさま把握するのは難しいため、大きな被害を想定しすぐに避難をする必要があります。

高台や3階以上の建物の屋上などに避難するようにしましょう。

高ければ高いほど津波に飲み込まれる危険性は減りますが、建物によっては波に押し流される場合もあるためできることなら高台や構造がしっかりした建物に逃げてください。

避難標識を探し、あれば避難

津波が過ぎ去ったあと、あるいは津波が来なかったとしても更なる避難を行う必要があります。

その際、闇雲に避難するのではなく避難標識を探すようにしましょう。
土地勘がないことも多いため、むやみに逃げれば危険にさらされることもあります。必ず避難標識を探して、それに従い避難するようにしましょう。

また、津波は何度も繰り返し押し寄せることがあるため、一度落ち着いたからと行って海の側に戻ることは絶対にしてはいけません

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

山・丘陵地

山や丘陵地帯になると、落石や土砂崩れなどの危険性があります。身を守る場所もないため、地震が起きたらすぐに身を守るように行動しなければいけません。

  • 落石から身を守る
  • 崖や急傾斜地には近づかない

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落石から身を守る

揺れによって身を危険にさらすものの1つに落石があります。落石はどこから来るかなかなか予測はできません。

当然ですが自分よりも上にある斜面から落ちてくることが多いですが、すぐに落石が起こりそうな方向を確認し、そこから離れるようにしましょう。

崖や急傾斜地には近づかない

地震では土砂崩れの危険性もあります。落石同様に危険であり、巻き込まれれば助からないことが多いため非常に危険なので崖や急傾斜地には近づかないようにしましょう。

また、このような場所ではその上にいても危険です。

足場が崩れて悪化してしまうこともありえるため、いずれにしても近づかないように気をつけましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

乗り物に乗っているとき

運転中や乗り物に乗っているときに地震に遭遇した場合も焦らず適切な行動を取る必要があります。
自動車、鉄道、新幹線、地下鉄でそれぞれ取るべき行動をまとめていきます。

自動車の運転中

自動車の運転中に地震に遭遇した場合、慌てて急ブレーキをかけると追突事故を起こす可能性があり、かえって危険です。

急ハンドルや急ブレーキを避けて、できるだけ安全に車道の左側に寄せ、停止するようにしましょう。そのまま揺れがおさまるまで車外に出ず待ちましょう。
そのあとは地震情報や交通情報を聞き、状況に応じて行動するように心がけることが大切です。

避難する際はドアロックをしないで窓を閉めて移動します。
連絡先を見えるところに置き、車検証や貴重品を持ち、徒歩で避難するようにしましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

鉄道・新幹線

鉄道や新幹線乗車中は地震が起こった際に緊急停止などの措置が取られます。

私たちにできることは慌てずに行動することであり、アナウンスなどに従い避難するようにしましょう。
勝手な行動を取ると混乱が起こり、周りや自分自身を危険にさらすことになります。

地震が起こったら、鉄道の場合は座っているときは低い姿勢をとり、頭部を鞄などで保護してください。立っている場合は手すりやつり革につかまり転倒を防止します。

新幹線の場合、座席に座っていれば前に飛び出さないように、座席の間に体を隠し、立っている場合は手すりをしっかり握って転倒防止を行います。

地下鉄

地下鉄に乗っている際に地震にあった場合も、基本的にはアナウンスに従って避難を行う必要があります。

地下であることから不安を覚える人も多いようですが、地下鉄はかなり頑丈に作られているため火災などが発生しない限りは安全である可能性が高いです。

パニックになると逆に危険であるため慌てて行動しないようにしましょう。

こちらも地震が起こった場合は鉄道と同じように座席の場合は低い姿勢をとって頭を守り、立っている場合は手すりなどにつかまって転倒を防止します。

停電になったとしても非常灯が1時間程度で電気が再開すると考えられるため慌てずに行動しましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

揺れが収まったらすること


地震の揺れが収まったあと、ただ避難するだけではありません。身の安全の確保や情報収集、判断などが要求されます。

また、地震が起こったときの行動でもいくつか触れていますが、そのまま避難すれば二次災害になることもあります。揺れが収まったあとの行動をしっかりと把握して避難することが大切です。

身の安全の確保

まずは何よりも身の安全を確保することが大切です。
慌てて行動すると転倒した家具類や飛び散ったガラスの破片などで怪我をする恐れがあります。

靴やスリッパなど何かしらを履いて逃げるように準備しましょう。

また、出口が封鎖される危険性もあるため、小さな揺れのときや揺れが収まったら窓や戸を開けてすぐに出口を確保します。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

情報収集を行い避難の判断

地震など災害が起こったときはデマなどが飛び交う可能性があります。そのため噂などを鵜呑みにせず、まずはテレビやラジオ、行政機関の情報に注意し正しい情報の把握に努めてください。

行政機関からの避難指示、勧告が出たらそれに従います。もし出ていなくても身に危険が迫っていると判断すれば、躊躇わず避難しましょう。その際に電話などを使うと回線がパンクし、緊急連絡などもできなくなってしまいます。

そのため地震直後の電話や携帯電話の使用は控えるようにしましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

避難

実際に避難をする際、そのまま出て行く前に、いくつかのことに注意して避難しないと二次災害を引き起こす可能性もあります。

家を出るときと避難方法についてみていきましょう。

家を出るとき

家を出るときには周囲の確認も重要です。ガラスや看板が落ちてくる可能性もあるため注意を払いましょう。

また、電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めることも大切です。
電気は復旧した際、家電から火を噴く可能性があります。ガスも火事の原因となることがあるためどちらも逃げる前に必ず確認したいポイントです。

避難方法

避難方法をするときは原則として徒歩での避難を行ってください。車の場合、渋滞などを起こす原因となり消防車や救急車の妨げとなります。

また、歩くとなると歩きやすい服装や背負える範囲の荷物にして活動しやすい状態にすることも大切です。
避難場所は基本的に最寄の小・中学校、公民館などが指定されています。そこを目指して慌てずに移動しましょう。

また、危険性がある場合は広域避難場所に避難する必要もあるためそのような場所もチェックしておくようにしてください。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

帰宅困難に陥ったとき

避難した後、帰宅困難に陥った場合はその判断と方法をしっかり把握しておく必要があります。

避難方法は知っていてもこの判断と方法を知らない人は意外と多いため、こちらもしっかり確認しておきましょう。

帰宅の判断

遠距離を無理に帰宅しようとすると、二次災害を引き起こす可能性もあります。
通行できる道路の制限や、駅などに人が押し寄せてパニックが発生しているかもしれません。

家族の安否も気になるとは思いますが、このような状況に陥った場合は無理に帰宅しようと判断せず、状況に応じて地域の救援活動に参加することも考慮し、最寄の避難所に避難する様にしましょう。

また、家族との連絡は電話は避けてNTTの災害伝言ダイヤル171などを利用するようにしてください。

帰宅方法

徒歩で帰宅する場合は普段から帰宅ルートを確認するようにしましょう。
災害時に通行止めになる混乱が発生しそうなルートはできるだけ避けてルートを確認するようにしてください。

ただし夜の移動は足元が見難く危険が高まります。遠距離の人は特に時間帯も考えて行動することも大切です。

災害時には情報提供を行う帰宅困難者支援施設として学校や公共施設、コンビニ、ガソリンスタンドなどが指定されています。ルート上にあるこれらの施設もあわせて確認しておくと良いでしょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)
(出典:首相官邸「防災の手引き」)

火災に遭遇したとき

火災に遭遇したときのためにも避難ルートを日ごろから確認しておく必要があります。火災報知設備の警報を聞いたら現状把握と速やかな行動を心がけましょう。

もし煙が部屋や廊下に充満した際は口と鼻をタオルやハンカチで覆い、姿勢を低くして煙を吸わないように注意しながら避難することが大切です。

救出・救護活動

災害が大きくなると負傷者の数が増えます。また、道路が塞がれ通行困難になり消防車や救急車の到着、救出活動が間に合わない場合もあります。そのため軽い怪我などの処置はお互いに協力して行う必要があります。

また、建物の倒壊や落下物の下敷きになっている人がいる場合、意識の有無の確認を行い励ますことが大切です。

個人での救出活動はかえって危険を伴い二次被害にあう恐れもあるため、行うのであればできるだけ複数で協力して行うようにしましょう。

(出典:消防庁「震災対策啓発資料 防災マニュアル」)

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緊急時に備えて事前に対応を知っておくことが大切


地震は突然やってきます。そのため緊急時に備えるためには事前に対応を知っておくことは何よりも大切です。

それは避難方法や場所、経路だけではありません。地震が起こった瞬間にすぐに行動に移すための知識、避難時に行わなければいけないことの把握などそれぞれの備えがとても大切なのです。
把握できていなかった、知らなかったという人も含め、もう1度緊急時の対応をしっかりと確認し、備えておくことをおすすめします。

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この記事を書いた人
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