風力発電は風の力を利用して電力を発電しており、日本でも導入が進んでいます。
しかし住んでいる地域によってはその姿を目にする機会がほとんどない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、風力発電はどのような場所にあるのか、その発電量などはどれほどのものなのか紹介します。
風力発電とは?発電の仕組みやメリット・デメリットについて知ろう
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風力発電の仕組みやメリット
風力発電が置かれている場所について解説するためには、まず風力発電の仕組みやメリットなどを知ってもらう必要があります。
風力発電はその名の通り、風の力によって発電する方法です。
風車が風を受け止めて回転し、その回転エネルギーをタービンに伝えることで電気エネルギーに変換するというシンプルなものになります。
ただ当然ながらこのような簡単なものではなく、設備内には発電効率を上げるための構造やシステムが組み込まれています。
風車の歴史は古くオランダなどで用いられてきましたが、その機構を発電に活かしたものが風力発電であるとも言えます。
オランダを含むヨーロッパやアメリカなどでは導入が進んでおり、日本ではやや遅れていますが、2016年度末にはすでに2,203基の風力発電が設置され、累積設備容量は335万7,000kW(キロワット)まで増加しています。
この風力発電のメリットは、化石燃料を使う火力発電と違い、二酸化炭素を排出しない点にあります。
風さえあれば発電できることから、化石燃料に依存する必要もありませんし、何よりもクリーンであることが挙げられます。
また陸上だけでなく洋上でも発電が可能です。
陸上風力の設置はもとより、ヨーロッパでは洋上風力の導入も進んでおり、大きな導入ポテンシャルを持つことから、どちらも運用することで発電量をさらに増加させることができます。
もし陸上だけでなく洋上でも大規模に発電できれば、発電コストは火力発電並みであることから、経済性も確保できる可能性があることも利点です。
ほかにも現在の風力エネルギーは、技術の発展もあり高効率で電気エネルギーに変換できる点や、風さえ吹いていれば夜間でも稼動できる点もメリットになります。
(出典:経済産業省「なっとく!再生可能エネルギー」)
風力発電所はどのような場所につくられる?
風力発電の仕組みが分かったとなれば、その設置場所は自ずと見えてくるのではないでしょうか。
風力発電は風を受けて発電します。そして大規模な設備になればより大きな電力を生むことができますし、それは陸上だけでなく洋上でも設置が可能ということです。
ここで問題となるのが、風の量と風速です。風力発電では連続して風が吹き続けなければいけないのはもちろんのこと、風力発電においてはブレードと呼ばれる風車を回すだけの風速がなければいけません。
その目安は年間平均風速で7m/s(メートル毎秒)以上とされていますが、日本でそのような風速が観測されるのは北海道の内陸部や本州の中心を通る山間部でも山脈が通る場所に集中しています。
特に東北に多く見られることから、風力発電所は岩手県や秋田県、山形県、福島県に点在していますが、これは日本に設置されている風力発電所でも一部にすぎません。
多くの風を受けることができ、年間平均風速が比較的大きいもう一つの場所が海岸線になります。
そのため日本では内陸部よりも海岸線に多くの風力発電が置かれています。
津波や海風によるメンテナンスコストなどの問題はありますが、それでも陸地が少ない日本においては大規模な設備を置くことができ、多くの風を受けられる海岸線は風力発電を置くには適した場所なのです。
ただし海岸線とは言うものの、設置されているのは陸地ではなく洋上です。
海岸線に沿って海のなかに風車を立てる形で運用しています。
その一つが千葉県にあるウィンド・パワーかみす洋上風力発電所です。2010年から運転を開始し、合計3万kWもの電力を発電します。
洋上ではあるものの護岸から40~50メートルの水域に建設することでコストを低減した発電所の例としても注目されています。
(出典:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO 再生可能エネルギー白書」)
着床式洋上風力発電所
ヨーロッパで盛んに建設されている海上での洋上風力発電所ですが、日本でも建設されています。
その規模や数は少ないですが、国立研究所と民間の発電事業者が共同で銚子沖に建設した日本発の着床式洋上風力発電設備による発電が2016年まで行われていました。
この運転は実証研究事業として行われていたため、事業終了後は民間の発電事業者に譲渡され、そのまま発電を続けています。
浮体式洋上風力発電
世界に先駆けて複数基の検証研究が行われているのが、浮体式洋上風力発電です。
日本で風力発電が普及しない原因に地震や台風などの自然災害の存在があります。
その際発生する津波や高潮が風力発電設備を壊してしまうという懸念から、陸上や洋上での風力発電の普及を遅らせました。
しかしその問題を解決する一つの糸口として考案されたのが、風力発電施設を海底に固定するのではなく、海面に浮かせて運用するというアイデアです。
実証実験のうえで、そのデータによって改善などがなされなければ実用化は難しいですが、今後の風力発電関連産業としても大いに期待されるものになっています。
(出典:経済産業省「なっとく!再生可能エネルギー」,2017)
風力発電が占める日本の電力の割合は?
日本は2度にわたるエネルギーの転換期を経験してきました。
それは世界でも石油が主流となったことによる石炭から石油への脱石炭、そしてオイルショックによる脱石油です。
その2度のエネルギー転換期があったにも関わらず、現在も石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料に頼る現状があります。
しかし日本を含む多くの国が化石燃料に依存した結果招いたのが地球温暖化であり、温室効果ガスの排出削減を進めることが急務となった現実です。
これにより世界では京都議定書、そしてパリ協定という国際的な枠組みを作り、その目標を達成するための取り組みが各国で進められています。
言わばこれが日本でも3度目のエネルギー転換期となる「脱炭素化」の動きです。
そこで日本では風力発電を含む再生可能エネルギーの導入と主力電源化が政策の一つとして挙がりました。
風力発電はそのポテンシャルから主力電源の一つとして大きく期待される発電の一つとなったのです。
では、風力発電が日本の発電に占める割合はどうなっているのか、それを知るためには再生可能エネルギー全体が日本全体の電力に占める割合から知る必要があります。
2017年度における日本の総発電電力量における再生可能エネルギーの割合は16%程度になっているのです。
このなかでも風力発電は数パーセント程度であり、全体で見ても1%程度に留まります。
日本では導入が遅れていること、そして安定的な風が得られる場所が少ないことからまだまだ発電量は少なく、全体に占める割合も低いことが分かります。
安定的な発電が難しい再生可能エネルギーでは主力電源化は遠いという現実があるのです。
しかし火力発電に依存し続けるままでは、温室効果ガスの排出量は抑えられません。
そこで火力発電での発電量を段階的に抑え、再生可能エネルギーの弱い部分を補う形でのエネルギーミックスを進める形で対策が進められています。
(出典:経済産業省「2019—日本が抱えているエネルギー問題(後編)」,2019)
(出典:経済産業省「日本が抱えているエネルギーの問題」,2018)
風力発電所は次世代を担うクリーンエネルギーを作り出す重要な場所
風力発電は日本では導入が推進されているものの、発電量として少ない部類です。
しかしそのポテンシャルが高いのも事実であり、クリーンなエネルギーという点では非常に期待される再生可能エネルギーの一つです。
導入できる場所は限られますが、洋上風力発電所は今後の研究によっては、日本の風力発電事情を改善する大きな前進となるかもしれません。
また太陽光発電のように家庭での風力発電設備の設置も現在は可能であることから、私たちの生活のなかにも風力発電がより身近なものになる可能性があります。
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