太陽光発電は二酸化炭素を発生させず、特別な資源を必要としません。つまり太陽光さえ届けばどこでも発電できるなどのメリットがあるのです。
今後のエネルギー事情を支える可能性がある発電として期待したいですが、その一方で解決すべきデメリットも存在しています。
この記事では、太陽光発電のデメリットと今後の課題について紹介します。
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太陽光発電のデメリットと今後の課題
世界において、地球温暖化とその原因の一つである温室効果ガスの存在は脅威となっています。
温室効果ガスは二酸化炭素を主としており、これは私たちの生活からも多く排出されています。その一つが電力消費であり、電気を作る発電施設の二酸化炭素排出量が大きな問題となっているのです。
この二酸化炭素の発生を削減するため再生可能エネルギーが注目を集めるようになり、導入が進められてきました。
再生可能エネルギーは二酸化炭素を排出せず、特別な燃料などを必要としないため、国産で精製できるエネルギーでもあります。
太陽光発電は、再生可能エネルギーの中でも特に発電量が多く、導入量も伸びているエネルギーです。
しかし、主力となっている火力発電に代わるエネルギーになれるわけではなく、デメリットや課題もあることから、その対応が協議され、取り組まれています。
ではどのようなデメリットがあるのか、見ていきましょう。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電には太陽電池(セル)を接続し、樹脂などで強度を上げた太陽光モジュール(ソーラーパネル)や、それら複数接続したアレイが用いられています。
また太陽電池で得られる電気は直流であり、家庭などで使用するには交流にする必要があるため、パワーコンディショナ(パワコン)(※)と呼ばれる設備も同時に設置することが必要です。
これらを含め架台や工事費なども入れると、太陽光発電設備のシステム費用は高くなる傾向にあります。
毎年価格下落の傾向が見られますが、それでも2016年の通年のシステム費用は36.7万円/kW(キロワット)であり、1kWの発電を得るためにはこれだけのコストが発生するということになります。
また太陽光モジュールやアレイは設置すれば永久にそのまま使用できる、というわけにはいきません。
発電量の維持や安全性確保の観点から、定期点検が必要です。4年に1回以上は必要とされており、費用の相場は2万円程度と言われています。
加えてシステム費用の一部を構成するパワコンは、太陽光モジュールが実態として稼動する20年間で1度は交換しなければいけません。その費用は、およそ20万円が相場となっています。
2016年の経済産業省のデータによると、平均出力が5kWに達しており、この数値から年平均の運転維持費を考えると、以下のようになります。
(2万円×5回+20万円)÷5kW÷20年間=約3,000円/kW/年
(引用:経済産業省「電源種別(太陽光・風力)のコスト動向等について」,2016)
定期点検費用 | 2万円 |
---|---|
(20年間に行う定期点検の)回数 | 5回 |
パワコン交換費用 | 20万円 |
設置平均出力 | 5kW |
使用期間 | 20年間 |
この費用も2016年以前には3,200円/kW/年であったことから、約3,000円/kW/年に低下したと見ることができますが、コストとなることは明らかですし、20年間に1度とはいえ、パワコンの交換費用に20万円の出費は大きな負担となります。
これはあくまで20年間トラブルがなかったことを前提とした最低費用であり、台風や大雨、土砂崩れなど災害などでモジュールやパワコンなど太陽光発電の設備が破損すれば修理をする必要が出てきます。
また太陽光発電をやめる場合も、その廃棄に費用がかかるため、全体的にコストがかかることがデメリットになっています。
※パワーコンディショナ(パワコン):直流の電気を交流の電気に変換するためのもの
デメリットから見える今後の課題
太陽光発電のデメリットはそのコストの高さにあります。年々コストは低下していますが、システム費用だけ見ても、2014年末以降は大きなコストの改善ができていません。
そのためコスト削減が課題として挙げられており、取り組まれています。
システム費用、特に太陽光セルやモジュール、パワコンがコストの大部分を占めているため、これらのコスト低減や高効率化が研究開発により進められています。
例えば、太陽光セルとしてよく用いられる結晶系セルでは、大型化し、厚さを薄くして高効率化を図ることで、全体的なコストダウンを行っています。
また薄膜系セルでも、薄膜の均一化技術の向上や、成膜構造・膜構造の最適化などを実施し、コストダウンが実施されています。
もう一つの大きな負担となるパワコンについては、変換効率の高効率化、大型化、長寿命化、高電圧化などを実現することでコストを抑える必要があります。
特に設置してから20年間で交換する必要を考えると、長寿命化は必要不可欠です。次世代半導体や最新部品の採用による最適設計での部品数を減らしコストを抑えようとしています。
また海外規格や海外認証制度への準拠、および量産体制の継続と拡大をすることで、国内外市場への展開による生産量を確保し、これによる量産でのコストダウンの継続も実施されています。
ほかにも、基礎や架台(維持構造物)の材料費や施工費、加工費などは最適な工法の選択や品質を確保したままでの削減、量産化による削減などが求められています。
FIT制度とポストFITに向けた取り組み
太陽光発電のデメリットとして、初期のシステム費用や年間のランニングコストがかかることが挙げられました。
ただしこれらのコストは必ずしも、大きな負担と限りません。
政府は再生可能エネルギーの導入促進と市場拡大のために、FIT制度というものが2009年から行われています。
この制度は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」であり、家庭などで発電した余剰電力を電力会社が一定価格で一定期間買い取る制度です。
あくまで太陽光発電などの再生可能エネルギーによる発電に限定されています。例えば一般家庭であれば日中に発電したエネルギーで日々の電力を賄っても、余りがある場合は、電力会社に買い取ってもらい買い取り費用が支払われるという仕組みです。
またこの買い取り費用は、電気を使うすべての人が賦課金として負担し、集められたものから余剰電力を電力会社に買い取ってもらった人に支払われます。
そのため年平均運転維持費は約3,000円/kW/年と記載しましたが、あくまでこれはコストとして計算されてものであり、FIT制度により費用は抑えられています。
この制度は、10kW未満であれば適用されてから10年間が買い取り期間となり、買い取り期間満了後は、自動継続であれば新しい価格で継続して買い取りが行われます。そうでない場合は、電気自動車などと組み合わせた自家消費の拡大、引き続き売電を行うことも可能です。
しかしそれだけではデメリットの解消には至りません。コストダウンの目標の早期実現に加えて、FIT制度に代わる、あるいは発展させたポストFITと自由化された電力市場における再生エネルギー普及拡大のための準備および環境整備も課題となっています。
(出典:経済産業省「太陽光発電システムの現状と課題」,2014)
(出典:経済産業省「電源種別(太陽光・風力)のコスト動向等について」,2016)
(出典:経済産業省「なっとく!再生可能エネルギー」)
(出典:経済産業省「よくあるご質問」,2019)
太陽光発電のデメリットと課題を理解しよう
太陽光発電にはデメリットと今後の課題があることが分かりました。
しかし、このデメリットと課題は必ずしも太陽光発電の重大な問題とはなり得ません。
今後の技術開発によりデメリットの解消や課題の改善が行える可能性はあり、導入が進んでいけば解決できる問題もあります。
まずは、太陽光発電のデメリットや課題を正しく理解することから始めていきましょう。
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