再生可能エネルギーは、エネルギー事情を改善できると期待される発電です。
どの発電方法も多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあり普及が進んでいないものもあるのが現状です。
バイオマス発電もその一つであり、デメリットや改善点を抱え、それを解決・解消する術が日々研究され、対策が講じられています。
この記事では、バイオマス発電のデメリットとは何なのか、今後の改善点について解説します。
バイオマス発電とは?必要な燃料は?仕組みやメリット・デメリットを解説!
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再生可能エネルギーとバイオマス発電
近年、日本では夏に猛暑となる日が増加しており、冬でも暖冬となることがあります。気温が全体的に上昇している原因の一つとして地球温暖化が挙がりますが、被害はそれだけではありません。
台風の大型化や局地的あるいは長期間の降水量の増加、世界規模でば干ばつや豪雨による洪水、土砂崩れなど様々な災害に見舞われています。
このような気候変動や異常気象も地球温暖化が原因の一つとなっていますが、それは私たちの生活から出る二酸化炭素を主とした温室効果ガスに問題があります。
産業革命以降、世界では急速な技術の発展により産業は発達し、生活は豊かになりましたが、同時に多くの二酸化炭素を放出してきました。
また、私たちの生活にとってなくてはならないエネルギーを生成する発電所からも排出されています。
つまり二酸化炭素の排出を抑制する一つの手段として、発電による二酸化炭素の排出削減が必要になります。
そのため2020年時点での主力である火力発電に代わる発電方法が必要となり、注目されているのが再生可能エネルギーです。
太陽光発電や風力発電のほかにも、バイオマス発電や波力発電、地熱発電など様々な発電方法があります。
バイオマス発電とは
バイオマス発電は、動植物などから生まれた生物資源であるバイオマスを3種類に分類し、それぞれに適した方法でエネルギーに変換します。
バイオマス発電を含む再生可能エネルギーは、従来の発電方法から出る二酸化炭素の排出削減を目的として注目され、導入されるようになりました。
しかしバイオマス発電では、バイオマスを直接燃焼するなど二酸化炭素が発生します。
このバイオマス発電による二酸化炭素の発生はデメリットになり得るのではないか、と思われますが、実際にはデメリットになりません。
確かに木材や炭などを直接燃焼すれば二酸化炭素は発生しますが、その量は化石燃料を燃焼した場合より少ないのです。そして、二酸化炭素をバイオマスの原料となる植物が吸収し、生長することでバイオマスを再生産するため、総合的には大気中の二酸化炭素の量は増加しないとみなすことができます。
これをカーボンニュートラルと言い、化石燃料の変わりにバイオマス発電で電力を補えれば、二酸化炭素の排出削減につながると期待されています。
(出典:経済産業省「なっとく!再生可能エネルギー」再生可能エネルギーとは バイオマス発電)
(出典:経済産業省「知っておきたいエネルギーの基礎用語~地域のさまざまなモノが資源になる「バイオマス・エネルギー」,2017)
バイオマス発電のデメリットとは
どのようなデメリットがあるのか、それはバイオマスの素となる資源の問題とコストの問題が挙がります。
資源の問題
バイオマスは廃棄される資源を再利用して生成、あるいは発電に直接用いられます。
例えば木材系は、林地残材や製材廃材、建築廃材の一部からも出てくるのです。
また農業や畜産、水産系の廃棄物として稲わらやもみ殻、トウモロコシ残滓などの農業残滓、鶏や牛豚のふん尿といった家畜排泄物、糖やデンプン、パーム油などが挙がります。
ほかにも食品加工廃棄物や、製紙の際に出る黒液や廃材、セルロース、生活の中から出る産業食用油や下水汚泥、し尿なども含まれます。
これらは農業や産業、生活が行われる限り排出され続けますが、それを集め、運搬し、さらに利用されるまで管理しなければいけないという問題が発生するのです。
各地で廃棄されるものの、それを集めるだけで人件費や運搬費用などのコストがかかるため、後述のコスト問題にも直結します。
加えてバイオマス発電は、その発電方法にも使用するバイオマス資源に合わせていくつかの種類があり、発電施設が異なります。
そのため集めたバイオマス資源を、適切な場所に運搬しなければいけませんが、これも広い地域に資源が分散しているため、コストがかかる小規模分散型の設備になりがちであることも課題です。
コスト問題と利用率
資源の収集や運搬、管理、そして小規模分散型設備によるコストの高止まりが問題として挙がっており、コストが高くなってしまうことはデメリットとなっています。
近年はバイオマス発電への期待から、その技術開発などの評価がされていますが、以前は様々なバイオマス利用技術の開発・実証に対して、横断的な到達レベルの評価などがなされていませんでした。
また事業化に向けた課題が明確化されておらず、経済性が確保されていなかったことから、コストはより高くなってしまう傾向にありました。
2017年時点ではありますが、日本の電源構成においてバイオマスは全体の2.1%に留まっています。太陽光発電でも5.2%であることから、その半分以下の導入状況です。
加えて、バイオマスの種類別の利用率などの推移に注目すると、2017年時点で家畜排泄物は約86%、下水汚泥は約72%、黒液においては約100%利用できているのに対して、食品廃棄物は約29%、農作物非食用部は33%、林地残材は約24%と低い水準になっています。
それぞれ発生量が異なるという点も考慮しなければいけませんが、事業化に向けた戦略がなされていないことも課題点として挙がります。
例えばブラジルでは、大規模栽培・大規模生産によるバイオエタノールの生産が進んでおり、世界的にも注目されています。
ただこれはブラジルの広大な農地があってこそであり、日本で同じ方法ができるわけではありません。
そのため、新たなエネルギー政策や地球温暖化対策の展開方向を踏まえた日本型のバイオマス活用ビジネスモデルの構築と戦略が、今後の改善点として挙がっています。
技術開発はもちろんのこと、デメリットの一つとなっている収集・運搬・管理と小規模分散型施設となることを利用し、地産池消型や広域型、高付加価値型、開発輸入型なども挙がっています。
また、事業化に向けた入口から出口までの一貫体系の構築のための戦略も課題となっています。
(出典:農林水産省「バイオマスをめぐる現状と課題」)
(出典:農林水産省「バイオマス種類別の利用率等の推移」,2018)
(出典:経済産業省「国内外の再生可能エネルギーの現状と今年度の調達価格等算定委員会の論点案」,2019)
バイオマス発電はデメリットの改善も進んでいる
バイオマス発電は、その資源の散在や小規模分散型になることから、コスト面などの問題が浮き彫りになっています。
しかしそれを逆手に取った地産地消型や広域型の発電施設としての利用方法や、技術開発による改善も進んでおり、今後の導入量の進展に注目が集まります。
エネルギー事情の改善だけでなく、廃棄物の再利用や資源の問題の解決などバイオマス発電の発展はいくつもの問題が一気に解消できる可能性を秘めているため、今後の発展に期待していきましょう。
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