クリーンエネルギーとは、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のことです。
主なクリーンエネルギーの種類は以下のものが挙げられます。
- 太陽光発電
- 水力発電
- 風力発電
- バイオマス発電
- 地熱発電
これらのクリーンエネルギーは、地球温暖化防止に欠かせないエネルギー源でもあります。 この記事では、クリーンエネルギーが果たす役割について解説します。
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クリーンエネルギーの特徴とは?
クリーンエネルギーとは「再生可能エネルギー」とも呼ばれ、このエネルギーの開発は地球規模で重要な取り組みの一つです。 以下ではクリーンエネルギーに含まれるエネルギーと特徴について見ていきます。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽による光エネルギーを太陽電池に蓄え、エネルギーを発生させています。
太陽光発電の特徴は、下記の通りです。
- 太陽電池により電力を生み出す
- 光熱費を削減することができる
- 電気を貯蓄・売却することができる 災害時の自立発電としての役割を担う
太陽光発電に使用される太陽光パネルの寿命は約30年であり、2040年には大量のパネル廃棄物が発生すると言われています。
また太陽の光が届かない雨や曇りの場合、充電がされにくいという問題もあります。
水力発電
水力発電は、水の持つ位置エネルギーを利用し、発電機を作動させエネルギーを発生させています。
水力発電の特徴は、下記の通りです。
- 水が落ちる力を利用して電力を生み出す
- エネルギー効率が非常に高い
- 電力を安定的に供給することができる
- 資源が枯渇する日本において貴重な純国産エネルギーである
水力発電は、電力を生み出す過程で二酸化炭素(CO2)をほとんど発生させないため、非常にクリーンなエネルギーとされています。
風力発電
風力発電は、風による運動エネルギーによって風車を回し、その回転力を利用してエネルギーを発生させています。
風力発電の特徴は、下記の通りです。
- 風の力を利用して電力を生み出す
- 発電コストが安い
- エネルギー効率が非常に高い
- 陸・海での設置が可能
- 夜間でも発電可能
国土が狭く土地代が高い日本において、陸上に風力発電を設置する場合、発電コストが高いことが問題の一つです。
そのため今後は日本の海上に多くの風力発電を設置することが課題と見られています。
バイオマス発電
バイオマス発電は、動物や植物の生物資源を燃やしエネルギーを発生させています。
バイオマス発電の特徴は、下記の通りです。
- バイオマス資源を燃料として電力を生み出す
- 活用しない廃棄物を燃料として利用することができる
- 家畜排斥物・生ゴミを燃料として利用することができる
バイオマス燃料は広く分散しているため、燃料の取集・運搬コストがかかり、高価な維持費用が問題とされています。
地熱発電
地熱発電とは、地中深くにある蒸気を利用して、発電機を回しエネルギーを発生させています。
地熱発電の特徴は、下記の通りです。
- 燃料が不要
- 二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しない
- 純国産エネルギーである
- 季節の影響を受けないという利点
地下に眠る熱を利用するため、資源調査・有毒ガス対策・設備コストなどの費用がかかることが問題の一つです。 とはいえ、日本にとっては貴重なエネルギー源であるため、今後は地熱の有効利用が注目されています。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの歴史と未来」,2018年)
- クリーンエネルギーは地球規模で取り組むべき課題である
- クリーンエネルギーは地球環境にやさしいエネルギーであるが、維持費用などが多くかかる場合がある
- 資源の少ない日本では、地熱発電が今後の貴重なエネルギー源として注目されている
未来のクリーンエネルギー
再生可能エネルギーの割合を増やしていきたい日本ですが、実現するために様々な課題があります。
今後の課題について
日本における再生可能エネルギーの発電コストは徐々に低くなりつつありますが、海外諸国と比べると依然として発電コストが高い水準であるのが現状です。
今後に向けて発電コストの低価格化の実現・技術革新・規制などの必要性が求められ、これにより日本の発電コストを抑えることにつながります。 上記で説明した通り、太陽光発電・風力発電においてはクリーンエネルギーを支える重要な再生可能エネルギーとして機能しています。
しかし太陽光発電・風力発電はは天候に左右されるため、蓄電池を用いて電力を調整する機能や需給バランスを整える必要があります。 この問題を解決するために、技術分野における政策が既に実施されています。
水力発電・地熱発電は天候に左右されないため、1年を通して低価格且つ安定したエネルギー供給が可能ですが、多くのコストが発生するという問題もあります。
水力発電については、施設稼働を効率化する、比較的小さな規模の発電設備開発により費用の削減が進んでいます。
地熱発電については、地熱をエネルギー化する開発費用援助・開発の技術研究が行われています。
各クリーンエネルギー分野において、未来のために様々な研究や技術開発がされ「持続可能な社会」に向けた取り組みが行われています。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの歴史と未来」,2018)
二国間クレジット制度
途上国が二酸化炭素(CO2)削減プロジェクトに取り組む際に、資金不足・技術不足によりプロジェクト自体の実施が難しいことがあります。
二国間クレジット制度とは、先進国が途上国の悩みを解決する(=資金提供・技術提供)ことにより、途上国のプロジェクト成果をクレジットとして受け取ることが可能となる制度です。
先進国はそのクレジットを受け取ることで、自国の二酸化炭素(CO2)削減目標に成果をカウントすることができます。 途上国・先進国の両者にメリットがある制度が二国間クレジット制度なのです。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「二国間クレジット制度」は日本にも途上国にも地球にもうれしい温暖化対策」,2018)
- 日本は今後、発電コストの低価格化の実現・技術革新・規制などの必要性などが求められている
- 各クリーンエネルギー分野にて、未来のために様々な研究や技術開発がされ「持続可能な社会」に向けて動いている
- 二国間クレジット制度は、資金不足である途上国を支援し、その成果としてクレジットを受け取ることができる
日本のエネルギー政策
ここで日本のエネルギー政策における基本的な考え方について説明します。
2003年に日本政府が定めたエネルギー基本計画というものがあります。 さらに第5次エネルギー基本計画が2018年に閣議決定されています。この基本計画では、以下の4つを意識して取り組むことが定められています。
具体的には下記の通りです。
- 安全性(Safety)
- エネルギーの安定供給(Energy Security)
- 経済効率性の向上(Economic Efficiency)
- 環境への適合(Environment)
また安定したエネルギー需給構造を確立するために、エネルギー源の強みと弱みを組み合わせて補完しあえる電源を活用することが必要とされています。
そして安定供給、低コスト、環境適合などをバランス良く実現できる供給構造として位置づけられているのが以下の3つの電源です。
- ピーク電源
- ミドル電源
- ペースロード電源
ピーク電源とは、需要が必要とされる時間帯のみ供給される電源のことを指します。(石油、揚水式水力など)
ミドル電源とは、ピーク電源とペースロード電源の中間を担う電源のことを指します。(火力発電、LPガスなど)
ペースロード電源とは、初期コストが高額ですが、安定して安価なエネルギー供給が可能な電源のことを指します。(石炭、地熱、水力など)
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁(「エネルギー基本計画」,2018)
- 日本では2003年にエネルギー基本計画が定められ、2018年に第5次エネルギー基本計画が閣議決定された
- 安定供給、低コスト、環境適合などをバランス良く実現できる供給構造として位置づけられている3つの電源がある
- ピーク電源、ミドル電源、ぺースロード電源
クリーンエネルギーは次世代に必要不可欠
各クリーンエネルギーが果たす役割を理解した上で、現在どのような政策が日本において実施されているのかを理解することが大切です。
世界中でクリーンエネルギー(持続可能再生エネルギー)が不足している中、次世代に向けて効率的な再生可能エネルギーを生み出すことができるかが重要なポイントとなります。
クリーンエネルギーは、次世代に必要不可欠な要素と言えるでしょう。
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