パリ協定の目標達成のためにはクリーンエネルギーへの移行に問題点がある?

クリーンエネルギー

パリ協定の目標達成のためにはクリーンエネルギーへの移行に問題点がある?

パリ協定は世界で温室効果ガスを削減するために国際的な枠組みとして作られたものです。

日本もその協定を批准し、目標を立てて達成のために取り組みを行っていますが、そこにはいくつかの問題が立ちはだかっています。

この記事では、パリ協定の目標を達成するにあたって課題となる、日本のクリーンエネルギーへの移行に関する問題点などを紹介します。

クリーンエネルギーの種類や特徴とは?パリ協定についても解説

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パリ協定の目標達成のために日本が取り組む政策

パリ協定の目標達成のために日本が取り組む政策
パリ協定とは、気候変動問題について2020年以降の温室効果ガス削減に関する国際的な枠組みのことです。

パリ協定の前身である京都議定書の期限が切れること、そして京都議定書の現状を鑑みたうえで新しい枠組みが必要となったことから、2015年にパリで開かれたCOP21(第21回国連気候変動枠組条約締約国会議)で発効要件とともに合意されました。

このパリ協定では世界共通で以下の長期目標があります。

  • 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
  • そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる
  • (引用:経済産業省資源エネルギー庁「今さら聞けない「パリ協定」~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~」,2017)

    このような目標を掲げているパリ協定は、前身となっていた京都議定書と比較して画期的であると評されているところがあります。
    その画期的なポイントの一つが、途上国を含むすべての参加国に、排出削減努力を求めているという点です。

    パリ協定では途上国を含むすべての参加国に、2020年以降の温室効果ガス削減目標および抑制目標を定め、長期的な「低排出発展戦略」を作成して提出する努力をするよう規定しています。

    もう一つ画期的なポイントは、アプローチの方法です。

    京都議定書では先進国のみにトップダウンで定められた排出削減目標が課せられるアプローチを採用していました。それに対して、パリ協定では公平性と実効性の観点から、各国に自主的な取り組みを促すためボトムアップのアプローチが採用されています。

    このアプローチ方法は、協定の合意に至るまでの国際交渉において日本が提唱してきたものであり、このアプローチによって削減・抑制目標は各国の国内情勢などを織り込み、自主的に策定することが認められることになりました。

    日本ではパリ協定を批准した際に、2030年までに2013年度比で温室効果ガスを26%削減するという中間目標を、そして2050年までに基準年なしで80%削減することを長期目標に掲げています。

    そのためにエネルギー部門では再生可能エネルギーによる主力電源化などエネルギー転換や脱炭素化を進めるために、様々な選択肢の追求を行っています。

    また温室効果ガスを多く排出する産業分野に関しても、二酸化炭素フリー水素の活用や、バイオマスによる原料転換、人口光合成、省エネなどの抜本的な対策、中期的なフロン類の廃絶などが進められています。

  • パリ協定とは2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みのこと
  • 日本は中間目標として2030年までに2013年度比で温室効果ガスを26%削減すること、長期目標として2050年までに基準年なしで80%削減することを掲げている
  • 日本では目標達成のためにエネルギーの転換など様々な政策が行われている
  • (出典:経済産業省資源エネルギー庁「今さら聞けない「パリ協定」~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~」,2017)
    (出典:経済産業省「2050年カーボンニュートラルを巡る国内外の動き」,2020)
    (出典:外務省「パリ協定長期成長戦略のポイント」)

    パリ協定の目標を達成するにあたって問題点がある?

    パリ協定の目標を達成するにあたって問題点がある?
    日本のパリ協定の目標を達成するための取り組みであり、その主となる政策の一つがクリーンエネルギーへの移行です。

    2021年時点でも日本はエネルギー自給率の低さと、そのエネルギーを得るために火力発電に頼る状態、つまり化石燃料への依存が問題となっています。

    パリ協定では二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量削減を謳っていることから、脱炭素化をするという意味では、日本は現状の化石燃料依存の状態を転換する必要があります。

    エネルギー供給構造を変え、温室効果ガスの排出量を下げなければいけないということになります。

    そこで世界でも同様に導入を本格的に進めてきたのがクリーンエネルギー、別称再生可能エネルギーと呼ばれる発電方法と電力です。

    再生可能エネルギーは太陽光発電や水力発電、風力発電、バイオマスなどを用いた発電であり、火力発電とは違って燃料を必要としないものや二酸化炭素をほとんど排出しない、あるいは排出しても自然界の炭素循環においてほとんど影響がないものばかりです。

    またこれに加えて原子力発電や水素、蓄電池などあらゆるものの検討が進められてきました。

    問題点①:原子力発電の安全性

    再生可能エネルギーの導入と同様に期待されているのが原子力発電です。

    原子力発電は安定的に電力を供給でき、電力コストが低く、温室効果ガスの排出も少ないことから、日本だけでなくアメリカやフランスでも多く使用されています。

    かつては日本でも化石燃料に変わり多くの電力を供給できる発電として、その導入が進められてきましたが、2011年に起こった東日本大震災による福島原子力発電所の事故によって見直されることになりました。

    2021年時点では新規制基準を設け、安全性を最優先に考えながらの再稼動を行っていますが、いずれは原子力発電への依存も低減していく方針で進められています。

    問題点②:再生可能エネルギーの導入コスト

    再生可能エネルギーの導入において最も大きな問題がコストの高さです。

    太陽光発電であれば太陽光パネルを含む設備の設置、風力発電でも風車の設置と整備、バイオマス発電では専用の施設の建設、そしてどの発電方法でもランニングコストは必須となります。

    火力発電などでも同様のコストがかかりますが、発電し供給する電力量を考えると、コストは再生可能エネルギーのほうが明らかに多くかかってしまうという問題があります。

    これに関してはFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)による電力買い取りで、費用の一部を国民が広く負担して抑えるという政策を打ち出しました。

    また発電事業者の競争を促す、コスト効率の良い発電事業者を基準とした買取価格を設定するトップランナー方式を導入するなどの取り組みが進められています。

    問題点③:再生可能エネルギーの安全性と発電量

    再生可能エネルギーの導入に際して、もう一つ問題となるのが安全性です。
    再生可能エネルギーを主力電源化していくためには安定した電源にする必要があります。

    しかし安全性などを巡った地域とのトラブルの増加や、事業終了後の準備が不十分であるなど問題が取り沙汰されることとなったのです。

    そのため安全性の確保や地域との共生、太陽光発電設備を適切に廃棄するための取り組みなどを進めています。

    また安定した電源とすることが再生可能エネルギーには求められますが、太陽光発電や風力発電は特に発電量が季節や天候に左右されやすく、コントロールが困難です。

    条件さえ満たしていれば電力需要以上に発電することはできますが、常にその状態を維持するのは難しく需要と供給のバランスが崩れてしまい、大規模な停電が発生する恐れもあります。

    一方で余るほどの発電が行われた場合、発電量を抑えるなどの調整を図る必要もあるのです。

    これに関しては電力システム全体の改革を行い、電力が余っている地域から不足している地域への広域的な調整を図るなど、柔軟で効率的な調整の確保を進めています。

  • パリ協定の目標を達成するための政策としてクリーンエネルギーへの移行が挙げられるが様々な問題点や課題がある
  • クリーンエネルギーは導入コストが高い点が問題となっているが、費用の一部を国民が広く負担して抑えるFIT制度などが採用されている
  • 太陽光発電や風力発電などでは電力の効率的な調整を図ることが求められている
  • (出典:経済産業省資源エネルギー庁「2019—日本が抱えているエネルギー問題(後編)」,2019)

    パリ協定を達成するために問題点を見つめ直そう

    パリ協定を達成するために問題点を見つめ直そう
    世界におけるパリ協定の批准や日本の目標と取り組みは、どれも温室効果ガスの排出を抑え、地球温暖化を抑制するために必要なものです。

    そのためにも各国の政府主導で様々な取り組みが行われていますが、それは関係省庁や企業、団体などが積極的に行えば解決する問題ではありません。

    もちろん法整備などを行い、取り組みができる状態を作るのは政府の役割ではありますが、それを実行するのは私たち国民であり、一人ひとりが意識しなければ達成できないものです。

    問題点についても、節電を心がけたり、私たちが意識することで改善できるものもあります。
    私たちの生活とエネルギーとの関係や今ある問題などにも目を向けて、これからどうすべきなのか考えることが必要です。

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