動物を飼うときは最後まで家族として世話ができれば良いですが、何らかの理由で手放されてしまった場合、引き取り先がないと殺処分されてしまいます。
そのようなことを減らすために、行政機関や動物愛護センターなどが取り組みを進め、協力者としてボランティアを求めています。
この記事では、動物愛護のボランティアについて、活動内容や参加方法を紹介します。
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動物愛護に基づいたボランティアとは
人は昔からパートナーとして犬を飼っており、近年ではブームから猫を飼う人が増えています。
家族として迎えた日から最後まで大切に世話をする人がいる一方で、無責任に捨てる人や殺傷、虐待をする人もいます。
そのような捨てられた動物や虐待されている動物、飼い主から相談され引き取られた動物を保護するのが保健所や動物愛護センターです。
毎年何万頭もの動物、特に犬猫を保護していますが、保護するには場所も人手も足りません。そのため、一定期間が過ぎると殺処分されます。
つまり人の勝手で捨てられた命は、人の都合によって奪われてしまうのです。
2004年から2018年までの15年間の引き取りと殺処分の状況報告によれば、2004年には犬猫合わせて41万8,413匹が引き取られ、39万4,799匹が殺処分されています。
このような状況を改善するため、行政機関や動物愛護センターの殺処分ゼロを目指した運動により、2023年には4万4,576匹の引き取りとなり、殺処分は9,017匹まで大幅に減少しました。
しかしゼロになったわけではなく、未だに数万匹の犬猫が処分されているのです。
このような命を奪われる動物を減らすために様々な活動が行われていますが、それには人手が不足しています。
そこで動物愛護センターなどではボランティアを募集し、犬猫の世話や里親探しに協力してくれる人を探しているのです。
また動物の愛護という点では災害時に人だけでなく動物を救援する人でも必要となるため、特殊環境下ではありますが募集されるボランティアもあります。
どのようなボランティアがあるのか見てみましょう。
(出典:環境省「統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」,2018)
譲渡ボランティア
譲渡ボランティアは新しい飼い主を探すために募集されるボランティアです。
一般の人から動物愛護センターが行う譲渡事業の協力者を募り、採用されればボランティアとして働くことができます。
登録基準には団体だけでなく個人での参加も募集されているため、動物愛護団体などに所属していなくても参加できます。
活動内容としては、動物愛護センターで保護している犬または猫を預かり、必要なケアを行いつつ飼養しながら、適正がある新しい飼い主を探すことです。
また新しい飼い主が見つかった場合は、適切な手続きを踏んで譲渡し、飼い主に助言などを行い、動物愛護センターに新しい飼い主が見つかったことなどを報告します。
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ミルクボランティア
ミルクボランティアは譲渡ボランティアとは異なり、一時預かりを行うボランティアです。
預かる対象は子犬や子猫であり、哺乳や人慣れが必要な時期の世話を行います。
保健所や動物愛護センターで保護される動物には、そのような哺乳が必要な約1週齢から1ヶ月齢の犬猫もいます。
概ね2ヶ月齢に達し、固形フードが食べられるようになるまでの期間の世話を行うことが活動内容です。
譲渡ボランティアと異なり、ただ預かって普通の世話をするだけでなく、哺乳から排泄の補助、成長の記録、犬猫が人に慣れるように世話をします。
子犬や子猫の世話をするので、成人しており、ペットの飼養が可能な住宅に住んでいるだけでなく、終日犬猫の世話が可能であることも要件に含まれます。
放浪ペットの保護(回収)
放浪ペットの保護や回収を行うボランティアがあります。
このボランティアは災害が発生した際に、現地動物救護本部が実施する被災ペットの救援活動への協力を行うボランティアです。
被災の混乱で避難するときにペットとはぐれてしまうことも多々あります。また被災するとペットは興奮状態に陥ることがあります。そのようなペットを見つけ出し、保護することが主な活動です。
輸送
輸送も一般でも参加できる災害時のボランティアです。
活動内容は主に避難所や現地動物救護施設などでの支援物資の整理や輸送の協力などを行います。また被災動物の移動を行うこともあります。
災害により悪路となることが多いので、運転技術と輸送車両の扱いや、輸送時の動物の取扱いが求められます。
一時預かり
一時預かりは、避難中にペットの飼養が難しい飼い主から一時的に預かりの依頼があった場合に発生するボランティアです。
これは飼い主個人の依頼だけでなく、避難所や現地動物救護施設で受け入れが困難な場合にも発生し、自宅などで一時的に飼養協力することが主な活動内容です。
他者のペットを預かることから、その責任と適正な飼養や治療などを行い、経費を負担できる経済力などが求められます。
シェルターでの飼育管理
災害時に現地動物救護本部が設置した動物救護施設にて、飼養管理をサポートするのが主な活動です。
シェルターの運営管理、飼養管理、健康管理の3部門に分かれて活動を行います。健康管理は獣医療の専門となり、動物看護師などが行うため、一般ボランティアはそれ以外で協力することになります。
広報
災害時に不足して困る物資や資金などを募ったり、情報収集、譲渡活動についての情報発信や収集を行うことを主な活動内容とするボランティアです。
インターネットによる情報収集や広報に関する経験、知識などが必要であり、緊急対応が必要な支援など優先順位を付けられる分析力も求められます。
また様々な世代や障がい者にも情報が届けられる工夫も必要であり、誤解を生まないようなコミュニケーション能力や防災・避難対策への知識を持っていることも重要なスキルです。
専門的な知識や技術が必要なボランティアも
一般ボランティアは参加できないものの、専門的な技術や知識、資格を有していれば参加できるものもあります。
負傷動物の治療と健康管理では獣医師や動物看護師、飼育相談やしつけにはトレーナーやインストラクター、トリミングにはトリマーやグルーマーなど専門技術を求められることもあります。
普段からそのような仕事に従事しているのであれば、災害時にボランティアとして協力することが可能です。
(出典:新潟県「犬・猫の譲渡ボランティアを募集しています」)
(出典:岡山県「譲渡ボランティア」を募集しています!」)
(出典:奈良市「犬猫預かりボランティア(ミルクボランティア)募集のお知らせ」)
(出典:環境省「4.自分にできることは何だろう-ボランティアの種類と役割-」)
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動物愛護のボランティアに参加する方法
動物愛護のボランティアに興味のある人は参加方法も確認しておきましょう。
譲渡ボランティアへの参加方法
譲渡ボランティアに参加したい場合は、主に住んでいる都道府県や市区町村にある動物愛護センターの募集に従い、電話またはメールで問い合わせします。
ただし、必ず参加できるわけではなく、成人していることや法令に違反していないこと、譲渡動物を飼養する場所があることなどが要件です。
要件を満たしていれば面談が行われ、ボランティアとしての登録申請や、訪問による飼育場所の確認などを通して、登録が完了すれば活動開始となります。
ミルクボランティアへの参加方法
成人しており、ペットの飼養が可能な住宅に住んでいる上で、終日犬猫の世話が可能であることを満たしていれば、窓口に申請書類を提出し、書類や飼養環境に問題がなければ名簿に登録され、活動を開始することができます。
預かった子犬や子猫が無事2ヶ月齢に達せば、保健所に返還して活動は一区切りとなり、次の預かりを待つことになります。
放浪ペットの保護(回収)への参加方法
放浪ペットの保護や回収を行うボランティアへの参加要件としては、自分が持つ経験と能力で、冷静に判断を行い、動物を事故や怪我から保護できる技術や、動物の所有権、住居侵入などの法令への理解と遵守が求められます。通常のボランティアよりも少し敷居が高いですが、一般でも応募が可能です。
災害時の動物愛護のボランティアは、環境省や各都道府県の公式サイトなどで情報が公開されているものもあるので、状況に合わせて必要な窓口に問い合わせをする必要があります。
動物愛護のボランティアに参加して動物たちを助けよう
譲渡ボランティアやミルクボランティアは殺処分ゼロを目指した活動の一つであり、同時に命を守るための活動でもあります。
ペットとして飼われている動物はもちろんのこと、野生化していつ命を落とすか分からない動物もいます。
また保護されても引き取り先がなければ殺処分され、その命を奪われることになるかもしれません。
私たちはパートナーとして責任を持ち、適切な飼い主のもとで世話をしてもらえる環境を整えていかなければいけません。
そのための里親探しであり、殺処分ゼロの活動ですが、その頭数や世話の関係などから人手がなければ厳しいという現実もあります。
一時的ではありますが、里親が見つかるまでの期間だけでもボランティアに協力すること、あるいは災害時に状況が落ち着くまで参加することで救える命があるのです。
また、ボランティア以外にも、お金の寄付により殺処分ゼロの実現に貢献し、犬を救うこともできます。
おすすめの動物保護団体3選
保護された犬猫たちを救う活動をしているのが、動物保護団体です。これらの団体でボランティア活動をするのはもちろん、寄付というかたちで支援することも、犬猫たちを守ることにつながります。
ここではおすすめの動物保護団体を3つ紹介します。NPOの専門家やgooddoマガジン編集部の注目ポイントも参考にしてみてください。

ピースワンコ・ジャパン(認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン):支援者とのコミュニケーションを大切にしながら「犬の殺処分ゼロ」の実現を目指す
ピースワンコ・ジャパンは、「犬の殺処分ゼロ」の実現を目指し、犬の保護・譲渡活動を行っています。自然災害や紛争の被災地支援活動を行う、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが運営しているプロジェクトです。
災害救助犬やセラピー犬の育成、正しい飼い方や動物福祉の考え方の啓発活動などにも取り組んでいます。
ピースワンコ・ジャパンは、今まで8,000頭以上の犬の命を救ってきました(2024年1月末時点)。
プロジェクトの運営母体であるピースウィンズ・ジャパンは、広島県より認定NPOの認証を受けています。また、優れたソーシャルビジネスの取り組みを表彰する、日経ソーシャルイニシアチブの受賞歴もあります。
ピースワンコ・ジャパンは「犬と人がひとつになり、豊かな未来をつくろう」というメッセージを発信しながら、活動に取り組んでいます。
- 活動報告や今後の方針などのメールがこまめに配信されたり、YouTubeを始めとしたSNSでの発信も頻繁に行われている。団体とのつながりを感じながら支援できる
- 「日本での犬の殺処分ゼロ」を目指し、まずは広島県内で殺処分機を2016年4月から現在まで止めている。日本という大きな枠でのミッション実現に向け、まずは1つの県で達成できているのは大きな成果。
- ピースワンコ・ジャパンの毎月の継続寄付の会員「ワンだふるサポーター」は63,000人。多くの共感を呼ぶプロジェクトをしている、という実感が持てる。
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【怪しい?】ピースワンコ・ジャパンの口コミ評判は?専門家に詳しく聞いてみた
ピースニャンコ(認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン):医療支援をもとに保護猫ボランティアをサポート
ピースニャンコは、保護猫ボランティアを医療面からサポートする活動を行っています。
自然災害や紛争の被災地支援活動を行う、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが運営しているプロジェクトです。保護犬を支援するプロジェクトにはピースワンコがあり、既に蓄積されたノウハウがあります。
ピースニャンコでは、動物病院での診療費支援や不妊・去勢手術の費用援助を実施。ピースワンコの譲渡センターを活用した医療支援を通じて、保護猫の健康管理をサポートしています。
保護猫ボランティアの負担軽減を図りながら譲渡促進にも取り組み、1匹でも多くの保護猫が新しい家庭で幸せに暮らせる未来を目指しています。
- 不妊・去勢手術の費用や治療費の支援で、猫の殺処分を減らしている
- 災害時の緊急保護や医療支援にも対応し、猫の命を守る体制づくりに取り組んでいる
- 保護猫ボランティアと連携しながら、現場の声を反映した支援の仕組みを広げている
公益財団法人どうぶつ基金:保護・避妊・啓発を通じて殺処分される猫を減らす
公益財団法人どうぶつ基金は、野良猫の繁殖を抑制するための無料不妊手術事業「さくらねこ活動」を中心に活動しています。また、多頭飼育崩壊の救済支援や保護猫の里親マッチング、動物愛護に関する普及啓発活動を通じて、人と動物が共生できる社会を目指しています。
35年以上の長い歴史があり、活動報告書や会計報告書を詳細に公開していることから、信頼性の高い活動実績を持つ団体です。殺処分ゼロを目指し、多様なボランティアが協力して取り組む点が大きな特徴です。
- 無料不妊手術(TNR)という方法で殺処分をなくし、動物が人や自然と自由に幸せに共生することができる世の中をめざしている
- 広報とロビー活動を積極的に行い課題を発信している
- 行政や他団体、獣医師、ボランティアとの連携・協働により活動を広げている
どうぶつ基金の口コミが知りたい方はこちら
>>どうぶつ基金は怪しい?活動実態や口コミ評判を調べてみた
▼おすすめの動物愛護団体
団体名 | 寄付アドバイザー・gooddoマガジンの注目ポイント |
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ピースワンコ | ・活動報告や今後の方針などのメールがこまめに配信されたり、YouTubeを始めとしたSNSでの発信も頻繁に行われている。団体とのつながりを感じながら支援できる ・「日本での犬の殺処分ゼロ」を目指し、まずは広島県内で殺処分機を2016年4月から現在まで止めている。日本という大きな枠でのミッション実現に向け、まずは1つの県で達成できているのは大きな成果 ピースワンコ・ジャパンの毎月の継続寄付の会員「ワンだふるサポーター」は63,000人。多くの共感を呼ぶプロジェクトをしている、という実感が持てる |
ピースニャンコ | ・避妊去勢や治療費の支援で、保護猫の命を守り、殺処分を減らしている ・災害時の緊急保護や医療支援にも対応し、猫の命を守る体制づくりに取り組んでいる ・保護猫ボランティアと連携しながら、現場の声を反映した支援の仕組みを広げている |
どうぶつ基金 | ・無料不妊手術(TNR)で殺処分をなくし、動物が人や自然と自由に幸せに共生することができる世の中をめざしている ・広報とロビー活動を積極的に行い課題を発信している ・行政や他団体、獣医師、ボランティアとの連携・協働により活動を広げている |
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/日本ファンドレイジング協会・認定講師・関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。
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