動物愛護団体は、日々動物たちの命や健康を守るため様々な取り組みを行っています。それは団体単独のものだけでなく、行政などと連携した活動もあります。
この記事では、そんな動物愛護団体とは何なのか、活動内容や寄付の方法なども含めて紹介します。
また、動物愛護、なかでも犬を守る活動へ少しでも貢献したいという思いのある方は、殺処分ゼロに取り組む団体を応援してみませんか?
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動物愛護団体とは
動物愛護団体とは何か、それを知る前に動物愛護、そして動物愛護センターや自治体の活動について知ってもらう必要があります。
動物愛護は以下のように定義と目的が定められています。
動物の愛護とは、動物の取扱いに、その生命に対する感謝と畏敬の念を反映させること。「自然資源の WISE USE(賢明・良識的な利用)」の一概念。
その目的は、国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資すること。
(引用:環境省「動物愛護管理基本指針(仮称)」の基本的考え方(案)」)
これが動物愛護の基本的な定義と目的であり、そのための法律や行政機関があります。
2000年に動物愛護管理法が施行され、動物愛護、特に動物への虐待を防ぐための法律として機能しています。
またそれに基づく動物愛護管理基本方針を実行していくために、行政による動物愛護団体の育成と強化や、動物愛護団体との連携を図った取り組みを行っている都道府県があります。
動物愛護センターは各都道府県や市区町村にあり、これは地方自治体などによって運用されているものです。
その動物愛護センターの取り組みの一つが動物保護事業であり、様々な理由で動物を飼えなくなった人から犬や猫などを引き取ること、迷い犬などの収容や飼い主に対する指導助言、苦情処理などの犬の指導取締り、収容動物の管理、犬猫などの動物の譲渡などが含まれます。
ほかにも動物の適正飼養の推進や人と動物とのふれあい活動などを行う動物愛護普及事業や動物取扱業に対する指導、特定動物の飼養者に対する指導を行う動物取扱対策事業、動物愛護センターによっては動物由来感染症情報分析体制整備事業を行うところもあります。
このような業務体系で運用されており、環境省主導の下に行われている「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」による殺処分ゼロのための取り組みなども進められています。
ただし、この動物愛護の普及活動や人手が必要な動物の譲渡などは、どうしても動物愛護センターだけでは賄いきれないところがあり、その結果として殺処分になってしまう動物がいます。
そうならないために、協力を仰ぎ、連携して取り組みを行うのが、動物愛護団体です。
保健所や動物愛護センターに協力する形、あるいは独自の保護活動や啓発などを行っています。
※2020年12月時点
(出典:環境省「動物愛護管理基本指針(仮称)」の基本的考え方(案)」)
(出典:神奈川県「動物保護センター事業概要」)
(出典:環境省「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」)
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動物愛護団体の主な活動や寄付について
動物愛護団体では動物愛護センター同様に、行き場を失った動物の引き取りと飼養、保管が行われています。
ただしすべての団体で行われているわけではありません。
とある団体では、動物シェルターとしてユニットハウスなどを設け、そこで引き取りの相談を受けた動物や保護した動物を飼養・保管しています。
団体によってはそのまま終身飼養を行うところもありますが、動物愛護団体は動物愛護管理法に基づき、第二種動物取扱業者にあたるため、動物種による対象頭数分類の規制を受けるのです。
そのため一時預かりではない場合は、里親探しなど譲渡への取り組みも行っています。
動物愛護センターが募集する譲渡ボランティアに参加する団体もあり、連携して新しい飼い主を見つける活動もしています。
動物に関する相談についてもアドバイスを行う活動があります。とある団体では、不妊去勢処置のための助成を行っているところもあるようです。
また広報啓発活動として広報誌の発行や、講演・写真パネルの貸し出し、各種イベントなどの主催を行います。
この広報活動は、動物愛護の普及啓発、命の大切さや動物の尊さを広げる運動です。
これら動物愛護団体の活動を行っていくには、資金や物資が必要になります。
そこで動物愛護団体の中には、寄付や支援物資を募る活動も行われています。
動物愛護団体への寄付などの方法
動物愛護団体では様々な活動にお金がかかります。特に動物の餌代や消耗品、動物病院代には多くのお金が必要です。
動物愛護団体によっては、寄付や支援物資を募っています。
寄付の方法は、銀行による振込みを用意しているところが多いです。銀行はそれぞれの団体が指定しているところへの振込のみとなるため、寄付を行いたい団体の口座などを予め確認しておきましょう。
これも団体によりますが、月々定額の寄付をするマンスリーサポーター制度がある団体もあれば、単発で自由に金額を設定し寄付できる団体もあるため、そちらもチェックが必要です。
定額の場合はクレジットカードによる自動引き落としを申し込むことができる団体もあります。
(出典:環境省「第二種動物取扱業者の規制」)
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動物愛護団体は動物救援活動を支えている
動物救護活動は、地方自治体や現地動物救護本部などです。
しかしそれだけでは手が足りず、施設なども限られてくるので、人材の確保のためにボランティアの募集が行われます。
そのなかには普段から動物愛護の活動に関わる動物愛護団体も参加することができ、自治体や現地動物救護本部も、動物愛護団体と連携した円滑な救護活動を行っています。
もちろん連携するのは動物愛護団体とだけでなく、獣医師や動物看護師なども含まれており、個人の一般ボランティアを含め適切な役割を持って取り組んでいます。
特に災害時において、動物愛護団体は大きな支えとなることもあります。
主な割り当てとしては放浪ペットの保護や回収、物資や動物の輸送、一時預かり、譲渡対応、シェルターでの飼養管理、義援金や物資の募集、支援情報の広報などです。
どれも団体の主な活動として行われているものと変わりありませんが、普段から行っているからこそ、災害時でも通常通り機能し、動物救護活動の一助となり得ます。
実際に2011年に起きた東日本大震災では、行政が普段から動物愛護団体と連携をとっていたことから災害発生後もスムーズに連携を図ることができた事例が報告されています。
行政であらかじめ各団体の受け入れ可能頭数を把握していたため、保護依頼があった場合には依頼機関などを聞き取り、長期間の預かりに関しては動物のストレス軽減のために、各団体へ依頼するという方法がとられました。
日本は地震や台風、大雨など災害に見舞われやすい国ですが、避難場所では動物の受け入れが行われないところもあり、動物愛護センターや動物愛護団体に一時的にでも頼らざるを得ません。
そのとき、安心して預けられる存在としても、動物愛護団体は機能しています。
(出典:環境省「動物救護活動を支えるもの」)
(出典:環境省「4.自分にできることは何だろう-ボランティアの種類と役割-」)
おすすめの動物保護団体3選
保護犬や保護猫を守るために、多くの支援団体が日々活動を続けています。寄付という形で支援できるおすすめの団体を3つ紹介します。

ピースワンコ・ジャパン(認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン):支援者とのコミュニケーションを大切にしながら「犬の殺処分ゼロ」の実現を目指す
ピースワンコ・ジャパンは、「犬の殺処分ゼロ」の実現を目指し、犬の保護・譲渡活動を行っています。自然災害や紛争の被災地支援活動を行う、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが運営しているプロジェクトです。
災害救助犬やセラピー犬の育成、正しい飼い方や動物福祉の考え方の啓発活動などにも取り組んでいます。
ピースワンコ・ジャパンは、今まで8,000頭以上の犬の命を救ってきました(2024年1月末時点)。
プロジェクトの運営母体であるピースウィンズ・ジャパンは、広島県より認定NPOの認証を受けています。また、優れたソーシャルビジネスの取り組みを表彰する、日経ソーシャルイニシアチブの受賞歴もあります。
ピースワンコ・ジャパンは「犬と人がひとつになり、豊かな未来をつくろう」というメッセージを発信しながら、活動に取り組んでいます。
- 活動報告や今後の方針などのメールがこまめに配信されたり、YouTubeを始めとしたSNSでの発信も頻繁に行われている。団体とのつながりを感じながら支援できる
- 「日本での犬の殺処分ゼロ」を目指し、まずは広島県内で殺処分機を2016年4月から現在まで止めている。日本という大きな枠でのミッション実現に向け、まずは1つの県で達成できているのは大きな成果。
- ピースワンコ・ジャパンの毎月の継続寄付の会員「ワンだふるサポーター」は63,000人。多くの共感を呼ぶプロジェクトをしている、という実感が持てる。
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【怪しい?】ピースワンコ・ジャパンの口コミ評判は?専門家に詳しく聞いてみた
ピースニャンコ(認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン):医療支援をもとに保護猫ボランティアをサポート
ピースニャンコは、保護猫ボランティアを医療面からサポートする活動を行っています。
自然災害や紛争の被災地支援活動を行う、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが運営しているプロジェクトです。保護犬を支援するプロジェクトにはピースワンコがあり、既に蓄積されたノウハウがあります。
ピースニャンコでは、動物病院での診療費支援や不妊・去勢手術の費用援助を実施。ピースワンコの譲渡センターを活用した医療支援を通じて、保護猫の健康管理をサポートしています。
保護猫ボランティアの負担軽減を図りながら譲渡促進にも取り組み、1匹でも多くの保護猫が新しい家庭で幸せに暮らせる未来を目指しています。
- 不妊・去勢手術の費用や治療費の支援で、猫の殺処分を減らしている
- 災害時の緊急保護や医療支援にも対応し、猫の命を守る体制づくりに取り組んでいる
- 保護猫ボランティアと連携しながら、現場の声を反映した支援の仕組みを広げている
公益財団法人どうぶつ基金:保護・避妊・啓発を通じて殺処分される猫を減らす
公益財団法人どうぶつ基金は、野良猫の繁殖を抑制するための無料不妊手術事業「さくらねこ活動」を中心に活動しています。また、多頭飼育崩壊の救済支援や保護猫の里親マッチング、動物愛護に関する普及啓発活動を通じて、人と動物が共生できる社会を目指しています。
35年以上の長い歴史があり、活動報告書や会計報告書を詳細に公開していることから、信頼性の高い活動実績を持つ団体です。殺処分ゼロを目指し、多様なボランティアが協力して取り組む点が大きな特徴です。
- 無料不妊手術(TNR)という方法で殺処分をなくし、動物が人や自然と自由に幸せに共生することができる世の中をめざしている
- 広報とロビー活動を積極的に行い課題を発信している
- 行政や他団体、獣医師、ボランティアとの連携・協働により活動を広げている
どうぶつ基金の口コミが知りたい方はこちら
>>どうぶつ基金は怪しい?活動実態や口コミ評判を調べてみた
動物愛護団体の活動に協力しよう
動物愛護団体は、動物の命を守るための活動を行っています。
その活動方法は各団体で違いがありますが、どれも動物愛護につながる活動です。
私たちは個人でもボランティアなどに参加して、動物愛護のための取り組みを行うことができますが、1人では限界があります。
また直接的な活動には参加できないけど、間接的にでも動物を守るための活動に参加したいという人もいるかもしれません。
そんなときは動物愛護団体の活動に参加してみるのも手です。
募集されているボランティアに応募したり、寄付や支援物資を送ったりするのも活動の一つになります。
それ以外にも身近なところから始められる取り組みもあるので、動物たちを私たちの手で守っていけるよう考えてみましょう。
▼おすすめの動物愛護団体
団体名 | 寄付アドバイザー・gooddoマガジンの注目ポイント |
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ピースワンコ | ・活動報告や今後の方針などのメールがこまめに配信されたり、YouTubeを始めとしたSNSでの発信も頻繁に行われている。団体とのつながりを感じながら支援できる ・「日本での犬の殺処分ゼロ」を目指し、まずは広島県内で殺処分機を2016年4月から現在まで止めている。日本という大きな枠でのミッション実現に向け、まずは1つの県で達成できているのは大きな成果 ピースワンコ・ジャパンの毎月の継続寄付の会員「ワンだふるサポーター」は63,000人。多くの共感を呼ぶプロジェクトをしている、という実感が持てる |
ピースニャンコ | ・避妊去勢や治療費の支援で、保護猫の命を守り、殺処分を減らしている ・災害時の緊急保護や医療支援にも対応し、猫の命を守る体制づくりに取り組んでいる ・保護猫ボランティアと連携しながら、現場の声を反映した支援の仕組みを広げている |
どうぶつ基金 | ・無料不妊手術(TNR)で殺処分をなくし、動物が人や自然と自由に幸せに共生することができる世の中をめざしている ・広報とロビー活動を積極的に行い課題を発信している ・行政や他団体、獣医師、ボランティアとの連携・協働により活動を広げている |
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/日本ファンドレイジング協会・認定講師・関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。
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