町の中で見かけることがある野良猫は、元は誰かに飼われていたのかもしれません。あるいは野生の中で繁殖した個体かもしれません。
いずれにしても彼らは地域住民の相談があれば保護され、問題がなければ里親探しが行われます。
捨て猫を飼いたいけど、保護された猫を飼うにはどこに申し込めばいいのか分からないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、動物愛護センターから猫を引き取るための方法について紹介します。
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捨て猫は動物愛護センターが世話をする場合が多い
世の中では、空前の猫ブームが続き、多くの猫がペットとして飼われるようになりました。
その愛らしさから心が癒される人も多く、メディアやSNSで取り上げられることで、飼いたいと考える人も増えたようです。
一方で、飼い主のいない猫、いわゆる野良猫の数も急増することになりました。
これは飼い始めたものの世話ができない、不妊去勢手術を行っておらず増えてしまったなどの理由で捨ててしまう人がいるためです。
こうした猫は、鳴き声やふん尿の問題を広げてしまうこともあり、行政機関が動くことになります。あるいは飼い主からの相談により、引き取るのも行政機関の役割です。
日本は動物愛護管理法という法律があり、この中で行政機関に引き取りの義務について記されているため、動かざるを得ません。
引き取られた猫は里親を探すために動物愛護センターなどで世話がされます。
ここで里親になりたい人が見つかれば、その猫は新しい飼い主の下で過ごすことができますが、そうならなかった猫は殺処分という形で命を奪われることになるのです。
殺処分ゼロに向けた運動が推進されているため、殺処分にならないような取り組みがなされていますが、それでも毎年命を奪われる猫がいます。
あるいは野良猫となり、行政機関に保護される前に死んでしまう猫もいます。これまで外に出たことがなかった猫ならなおさら、車の往来などには慣れていないため危険にさらされてしまいます。
とある自治体では、毎年約800体の野良猫が事故などによって命を落とし、収容されているのです。
飼い主の無責任な行いにより、野に放たれ命を落とす猫が多くいることも、猫ブームの裏で起こっています。
(出典:松原市「不幸な猫を増やさないために」,2020)
(出典:名古屋市「目指せ殺処分ゼロ!犬猫サポート寄附金とは」,2020)
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動物愛護センターから猫を引き取るには?
各都道府県や市区町村には動物愛護センターがあり、そこには何らかの理由で行政機関に
引き取られた猫が預けられ、今も引き取り手を探しています。
引き取り手、つまり里親が現れなければ、猫たちは殺処分となる運命が待っています。
もし捨て猫が可哀相だから飼いたいけど猫の性格や病気など心配から、捨て猫は拾えないというのであれば、このような動物愛護センターを訪ねるのも手です。
自身の住む都道府県や市区町村で検索すれば、各地域の動物愛護センターの公式サイトが出てきます。
引き取り手や里親募集の情報があるので、そこで飼いたいという猫が見つかれば、里親に応募することで引き取ることができる可能性があります。
ただし条件などもあり、必ずしも引き取れるわけではありません。
どのような条件があるのか、そしてどのように応募したら良いのかなどを紹介します。
動物愛護センターの猫の里親応募条件
動物愛護センターから猫を引き取る条件は、都道府県ごとによって異なるため、詳しくはそれぞれの動物愛護センターに問い合わせましょう。
ただ大まかな条件は同じ部分も多いので、その条件について紹介します。
まず県内在住で引き取り手の責任者が成人であることが必要です。ただし60歳以上や65歳以上の人、単身世帯の人には後見人が必要といった条件を付与する都道府県もあります。
また、家族全員が動物を飼うことに同意していることも大前提に挙げられます。
基本は一戸建てですが、アパートやマンションなどの集合住宅、借家の場合、猫の飼育が認められていれば譲渡が可能です。
ただし犬あるいは猫の多頭飼いをしている場合は、断られることもあります。
その上で、最後まで責任を持って飼い続けること、不妊去勢手術を確実に行うこと、近隣に迷惑をかけないために室内飼いができることなどが条件です。
都道府県によっては、譲渡する前に「譲渡前講習会」を受講する必要があるセンターもあります。
センターによっては応募条件を満たしてもその譲渡前講習会でマッチングし、相性が合うかの確認をしてから里親となるケースもあるので事前に確認が必要です。
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動物愛護センターの猫の里親応募方法
猫の里親となるための応募方法はシンプルです。
基本的には里親募集をしている動物愛護センターに電話をします。
その際、譲渡条件を満たしているかの確認や、譲渡前講習会の案内などが行われますので、指示に従って応募手続きを進める必要があります。
この流れも各動物愛護センターによって異なるため、応募する際にあるいは応募する前に確認をしておくのも良いでしょう。
譲渡までの流れは、応募するときに案内される譲渡前講習会に参加します。
講習を受け、その後マッチングがなされますが、複数の人が同じ猫を希望している場合は抽選会となります。
晴れて里親となったら手続きを行い、後日不妊去勢手術の実施状況などを動物愛護センターに報告することが必要です。
また動物愛護センターによっては、1頭につき3,000円などの譲渡手数料が発生します。
動物愛護センターによっては譲渡ボランティアを介して猫の里親を探しているところもあるので、動物愛護センターに一度確認をすると良いでしょう。
(出典:愛知県「猫を飼いたい」)
(出典:青森県動物愛護センター「新しい飼い主さん募集」,2020)
(出典:岐阜県「ねこの飼い主さん募集」)
(出典:船橋市「犬、猫の譲渡ボランティアを募集します。」)
動物愛護センターの猫が殺処分される現状
近年の猫ブームから、ペットとして猫を飼う人が増えていきました。
ただ子猫のときはその可愛さから飼っていたものの、トイレや毛玉の処理、柱や床、障子などへの傷など飼う上で問題となることが増えると、手放してしまう人も出てきます。
それは飼い主としての責任を放棄しているということであり、動物愛護保護法では遺棄は犯罪の一つとされているため、処罰の対象となります。
それでも捨てられる猫は後を絶たず、毎年のように保護された先に殺処分される猫や、路上で車にはねられて死亡することも少なくありません。
実際に猫の引き取り数と殺処分数を見ると、2023年の猫の行政による引き取り数と殺処分数は、引き取り数が2万5,224匹なのに対して殺処分数は6,899匹となっています。
この中には野生で繁殖した猫も含まれるため、引き取り件数が捨てられた件数と一致するわけではありませんが、捕まらず野良として生活している猫も残っています。
いずれにしても、これだけの猫が人の手によってやむを得ずその命を奪っているという現実があります。
2004年は23万8,929匹の猫が殺処分されていましたが、20年前と比較すると大きく減少しています。
動物愛護センターなどが中心となって殺処分ゼロの運動を行っていることもあり、20年で引き取り数も殺処分数も大きく抑えられるようになりましたが、未だに殺処分を行わなければいけないという現状があります。
これは命を預かるという飼い主の責任の欠如や、適正な飼養と管理ができていない人がいること、そして野良となってしまった猫による苦情が相次ぐという問題が生み出している結果にほかなりません。
最後まで飼うことは飼い主の責任であり、どうしても飼えなくなったとしても新しい飼い主を探すこともまた責任です。
(出典:政府広報オンライン「飼う前も、飼ってからも考えよう 飼い主の「責任」とは?」」,2018)
(出典:環境省「統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」」,2023)
猫を飼いたい方は動物愛護センターから引き取ることも検討してみては?
猫を含む多くの動物たちは私たちのパートナーとして存在することが増え、日々のストレスから癒しを与えてくれるものとして好まれています。
しかしその動物たちは、自分だけでは生きていくことは難しく、飼い主による世話が欠かせません。
引き取り手のない猫や犬は最終的に殺処分されてしまいます。
可愛いからと飼い始めたものの、世話ができずに捨ててしまう人がいることが原因で引き取り手のない猫や犬が生まれてしまうのです。
動物を飼うということは、その命に責任を持たなければいけません。
動物を飼うことの責任をしっかりと理解した上で、猫を飼いたいと考えている人は、動物愛護センターからの引き取りを検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめの動物保護団体2選
保護猫の健康維持や殺処分をなくすために、多くの支援団体が日々活動を続けています。寄付という形で支援できるおすすめの団体を2つ紹介します。

ピースニャンコ(認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン):医療支援をもとに保護猫ボランティアをサポート
ピースニャンコは、保護猫ボランティアを医療面からサポートする活動を行っています。
自然災害や紛争の被災地支援活動を行う、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが運営しているプロジェクトです。保護犬を支援するプロジェクトにはピースワンコがあり、既に蓄積されたノウハウがあります。
ピースニャンコでは、動物病院での診療費支援や不妊・去勢手術の費用援助を実施。ピースワンコの譲渡センターを活用した医療支援を通じて、保護猫の健康管理をサポートしています。
保護猫ボランティアの負担軽減を図りながら譲渡促進にも取り組み、1匹でも多くの保護猫が新しい家庭で幸せに暮らせる未来を目指しています。
- 不妊・去勢手術の費用や治療費の支援で、猫の殺処分を減らしている
- 災害時の緊急保護や医療支援にも対応し、猫の命を守る体制づくりに取り組んでいる
- 保護猫ボランティアと連携しながら、現場の声を反映した支援の仕組みを広げている
公益財団法人どうぶつ基金:保護・避妊・啓発を通じて殺処分される猫を減らす
公益財団法人どうぶつ基金は、野良猫の繁殖を抑制するための無料不妊手術事業「さくらねこ活動」を中心に活動しています。また、多頭飼育崩壊の救済支援や保護猫の里親マッチング、動物愛護に関する普及啓発活動を通じて、人と動物が共生できる社会を目指しています。
35年以上の長い歴史があり、活動報告書や会計報告書を詳細に公開していることから、信頼性の高い活動実績を持つ団体です。殺処分ゼロを目指し、多様なボランティアが協力して取り組む点が大きな特徴です。
- 無料不妊手術(TNR)という方法で殺処分をなくし、動物が人や自然と自由に幸せに共生することができる世の中をめざしている
- 広報とロビー活動を積極的に行い課題を発信している
- 行政や他団体、獣医師、ボランティアとの連携・協働により活動を広げている
どうぶつ基金の口コミが知りたい方はこちら
>>どうぶつ基金は怪しい?活動実態や口コミ評判を調べてみた
▼おすすめの動物愛護団体
団体名 | 寄付アドバイザー・gooddoマガジンの注目ポイント |
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ピースニャンコ | ・避妊去勢や治療費の支援で、保護猫の命を守り、殺処分を減らしている ・災害時の緊急保護や医療支援にも対応し、猫の命を守る体制づくりに取り組んでいる ・保護猫ボランティアと連携しながら、現場の声を反映した支援の仕組みを広げている |
どうぶつ基金 | ・無料不妊手術(TNR)で殺処分をなくし、動物が人や自然と自由に幸せに共生することができる世の中をめざしている ・広報とロビー活動を積極的に行い課題を発信している ・行政や他団体、獣医師、ボランティアとの連携・協働により活動を広げている |
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/日本ファンドレイジング協会・認定講師・関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。
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