3月8日は女性の社会参加と地位向上を称える国際女性デーです。
「国際女性デーとは具体的にどんな日?」
「自分も参加できるイベントはあるの?」
「日本での活動や女性の支援団体を知りたい」
そんな疑問を持つ方に向けて、本記事では以下の内容をお届けします。
- ・日本と世界の国際女性デーの取り組み
- ・ジェンダーの課題と女性支援に取り組む団体
- ・国際女性デーの内容や歴史
この記事を通して国際女性デーを深く知り、女性の権利を守りジェンダー平等のための取り組みをはじめませんか。
国際女性デーとは?
国際女性デーとは、女性の社会的、経済的、文化的、政治的な成果をたたえる日です。1904年にニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源となり、1975年3月8日国連により「国際女性デー(International Women’s Day)」と制定されました。
日本でも男女共同参画担当大臣が国際女性の日に寄せてメッセージを発出しています。またイタリアでは、男性から女性にミモザの花を送る習慣から「ミモザの日」とも呼ばれています。
日本における国際女性デーの取り組み
近年、日本でも国際女性デーの認知が広がりつつあります。女性団体だけでなく、民間企業、自治体、大学などが主催し、3月8日前後にはセミナーや講演会など、さまざまなイベントが開催されています。
例えば、山梨県では3月8日に合わせて、ミモザの黄色をテーマに主要な建物をライトアップしたり、「女性の力は地域の力」というテーマでシンポジウムを開催したりするなど、女性の活躍を称える取り組みが行われています。
日本のジェンダー課題
国際女性デーの認知は広がりつつありますが、日本には依然として多くのジェンダー格差に関する課題が残っています。男女格差の現状を示す「ジェンダーギャップ指数」において日本は146カ国中118位と、依然として低い順位にとどまっています。
特に、経済分野は120位、政治分野は113位とスコアが低く、女性の社会進出の遅れが顕著です。
具体的な課題としては、男女間の賃金格差、女性CEOや政治家の少なさ、育児・家事・仕事の負担の偏り、職場や学校での性的ハラスメントの解決などが挙げられ、これらの改善が求められています。
出典:内閣府男女共同参画局「GGI ジェンダー・ギャップ指数」
国際女性デーから私たちにできることを始めよう!女性支援に取り組む団体5選
ここからは、女性を支援している団体を5つ紹介します。各団体の女性・ジェンダー支援の内容や実例を参考に、国際女性デーをきっかけに応援したい団体を見つけてみましょう。専門家による注目ポイントも参考にしてみてください。
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プラン・インターナショナル
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン:世界70か国で女の子や女性を支援
世界70カ国以上で、女の子や女性への支援などを行う国際NGOです。
「地域の自立」を最終目標に、教育、子どもの健やかな成長、若者の生計向上支援、性と生殖に関する健康と権利などの分野で活動しています。
アフリカや中南米、アジアの途上国で、年間1,700件以上の教育・保健・緊急支援に特化したプロジェクトを実施しています。
スーダンでは「女の子の早すぎる結婚対策」プロジェクトとして3,900人に啓発活動を行いました。またインドでは、「女の子のための教育推進」プロジェクトとして600人に奨学金を支給しています。
「子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会」を実現するために活動しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 「教育」「医療」といったピンポイントの“点”のプロジェクトではなく、ジェンダーに配慮しながらあらゆる分野にある課題を特定の村や地域で総合的に解決する“面”の支援。女の子に焦点を当て、支援効果を意識した特徴あるプログラム
- プラン・スポンサーシップ(継続支援)をはじめ、多様な支援メニュー
- 活動の報告を聞くことができる「プラン・ラウンジ」や支援者インタビュー、支援者の声などを参考にすることができる。著名人の支援者もいる
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グラミン日本
一般社団法人グラミン日本:ノーベル平和賞受賞の取り組みを日本で展開
グラミン日本は、貧困や生活困窮の状態にある日本の方々に低利・無担保で少額の融資、起業・就労支援、フォローアップを行い、貧困から脱却し自立するのを支援するマイクロファイナンス機関です。
借り手の97%はシングルマザーをはじめとした女性で、ほとんど貸し倒れのない実績を持っています。また、発展途上国のみならず先進国でも貧困削減の成果を上げています。
グラミン日本は、バングラデシュで設立されたグラミン銀行のノウハウを活かし、「マイクロファイナンス」や就労支援を通じて活動する一般社団法人です。
困窮するシングルマザーを中心とした女性の自立を支援し、夢に向かって一歩を踏み出すための機会を提供しています。
特にシングルマザーや女性たちの起業・就労に必要な資金の一部について、無担保で融資を行い、意欲のあるシングルマザーや女性、若者を応援しています。
支援を通して「貧困のない、誰もが活き活きと生きられる社会」を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 2006年にノーベル平和賞を受賞し、貧困削減に効果をあげている「グラミン銀行」の日本版
- 5人一組の互助グループを作り、起業や就労の準備の融資を受け、仕事の機会や就労支援、顔の見えるコミュニケーションを行うビジネスモデル
- 企業、NPO、金融機関、コンサルティングファーム出身者など各分野の専門家などの有志が参画
ジョイセフ
公益財団法人ジョイセフ:女性に選択する自由を届ける
ジョイセフは、世界各国において、母子保健向上、家族計画と避妊、女性のエンパワーメント、緊急復興支援などの分野で活動しています。
保健医療サービスの提供による妊産婦死亡の削減や、少女たちに対する家族計画に関する知識などを通して、命と健康が「格差」によっておびやかされている途上国の女性を支援しています。
女性による健康の格差とジェンダー不平等に苦しむ女性たちが、性と生殖の自己決定権を持ち命と健康を守れるよう、40以上の国と地域で支援活動を実施しています。
特に妊産婦のトータルケアや避妊、安全な中絶ケアへのアクセス、性感染症予防、子宮頸がんの予防と早期発見と治療、ジェンダー暴力の予防と対策、児童婚や若年妊娠を減らす取り組みに力を入れています。
ジョイセフでは、持続可能なコミュニティをつくるためには「人づくり」が重要だと考え、地域の人材育成を活動の中心としています。
活動を通じて、「すべての人びとが自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界」を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 日本において、家族計画、女性のエンパワーメントを中心とした保健分野の国際協力における最長の歴史と最大の実績を有する専門機関
- 日本で役目を終えたランドセルをアフガニスタンに寄贈し、子どもたち特に教育の機会に恵まれない女の子の就学に役立てる「思い出のランドセルギフト」は特徴的な取組み
- 「ジョイセフアンバサダー」に冨永愛さんが就任し広報リーダーの役割を果たす
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら:【実際どう?】ジョイセフの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
国連ウィメン日本協会
UN Womenは途上国の女性の自立を支援し、世界中の女性のエンパワーメントとジェンダー平等を実現するため活動しています。
特定非営利活動法人国連ウイメン日本協会は、国連で唯一、女性と少女の課題に取り組むUN Women(国連女性機関)の日本国内委員会で、日本はもちろん世界中の女性と少女がいきいきと暮らせる社会をめざして活動しています。
国連ウィメン日本協会は、「すべての女性と少女のために: 権利、平等、エンパワーメントを」というテーマのもと、2025年の国際女性デーを祝う予定です。
特に「女性と少女の権利の促進」「ジェンダー平等の推進」「若い女性や少女がリーダーシップを取り改革するエンパワーメントの促進」の3つの分野で具体的な取り組みを行うことを予定しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- UN Womenは国連で唯一、女性と少女の課題に取り組む機関。女性のエンパワーメントとジェンダー平等に活動が特化されている
- エマ・ワトソンやアン・ハサウェイ、ニコール・キッドマンなどハリウッドスターが親善大使として活動に参加
- UN Womenはバングラデシュで、『ロヒンギャ難民女性・少女の自立支援プロジェクト』やCOVID-19のパンデミックに際しては少女たちに感染防止の教育をするなど、社会状況に合わせて必要な支援を提供していることがうかがえる
日本YWCA
日本を含む120あまりの国で、約2,500万人の女性たちと共に、世界中の女性が言語や文化の壁を越えて力を合わせ、女性の社会参画を進めています。
「人権や健康や環境が守られる平和な世界」を実現する国際NGOです。日本YWCAは、女性がリーダーシップを発揮し、人権・平和・環境を大切にする社会を目指すための活動をしている団体です。
2024年の国際女性デーではウィメンズマーチ東京活動に参加し、アウトドアメーカーコロンビアと共同開発した国際女性デー啓蒙Tシャツを販売。国際女性デーをもっと認知してもらうための活動を行いました。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 日本では、24の地域YWCAと37の中学・高等学校YWCAが活動する
- 「ピース&エンパワー」人との出会いは自分、そして社会を変える力となる、というメッセージに共感
- 平和を創り出す女性のリーダーシップ養成や災害支援、パレスチナの平和などの活動や団体への寄付メニューあり
よくある質問
ここでは、国際女性デーにまつわるよくある質問とその回答を紹介します。
国際女性デーはどのように誕生しましたか?
国際女性デーは、1909年にニューヨークで発生した女性縫製労働者のストライキがきっかけで誕生しました。
その後、1910年から1917年にかけて、女性の権利向上を求める運動が世界中に広がり、コペンハーゲンやオーストリア、ドイツ、ロシアなどで記念行事が開催されました。
1975年3月8日には、国際連合が女性の権利や地位向上を目的とした活動を提唱し、正式に「国際女性デー」として制定されました。
イタリアでは国際女性デーにどのような習慣がありますか?
イタリアでは3月8日を「FESTA DELLA DONNA(フェスタ・デッラ・ドンナ)」と呼び、男性が母親や妻、恋人など身近な女性にミモザの花を贈る習慣があります。
ミモザは、悪天候にも強くしなやかに咲く花であり、その特徴が女性の姿に重なることから、プレゼントとして選ばれるようになりました。
アメリカでは国際女性デーをどのように祝いますか?
アメリカでは3月を「女性史月間」としており、学校や職場、地域社会で特別なプログラムやイベントが開催されます。
特に学校のカリキュラムでは、科学、数学、政治、芸術、スポーツなどさまざまな分野での女性の功績を学ぶ機会が提供され、米国の婦人参政権運動についても深く学べる仕組みが整っています。
ロシアの国際女性デーはどのような日ですか?
ロシアでは3月8日は国際女性デーと二月革命の両方を記念する国民の祝日です。この日には、男性が女性にチューリップの花を贈ったり、女性同士でプレゼントを交換したりする習慣があります。
また、1917年の二月革命は、女性労働者によるデモがきっかけで起こったため、ロシアでは「女性の行動が歴史を変えた日」としても広く認識されています。
ベトナムでは国際女性デーはどのように祝われますか?
ベトナムでは、男性が身近な女性に花を贈る習慣があります。さらに、10月20日には「ベトナム女性の日」という別の記念日も制定されており、年に2回「女性の日」を祝う文化があります。
これらの記念日は、女性の権利向上や社会における女性の役割を考える重要な機会とされています。
国際女性デーをきっかけに、身近な支援からはじめよう!
3月8日は、世界中が女性の権利向上を考える国際女性デーです。
国際女性デーについて押さえるべきポイントは、以下のとおりです。
- ・1975年3月8日に国連で国際女性デーが制定され、現在多くの国で女性の権利向上のためのイベントが行われている
- ・日本でも女性団体・民間企業・自治体・大学などで、セミナーやシンポジウムが開催されているが、依然としてジェンダー格差の課題が残っている
- ・国際女性デーには、女性支援団体の活動に参加したり、寄付を通じて支援したりする方法がある
世界中が女性たちの活動に注目する「国際女性デー」。あなたもこの機会に女性の権利向上やジェンダー問題解決への一歩を踏み出してみませんか。
▼女性支援に取り組む団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
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プラン・インターナショナル・ジャパン | ・「教育」「医療」といったピンポイントの“点”のプロジェクトではなく、ジェンダーに配慮しながらあらゆる分野にある課題を特定の村や地域で総合的に解決する“面”の支援。女の子に焦点を当て、支援効果を意識した特徴あるプログラム ・プラン・スポンサーシップ(継続支援)をはじめ、多様な支援メニュー ・活動の報告を聞くことができる「プラン・ラウンジ」や支援者インタビュー、支援者の声などを参考にすることができる。著名人の支援者もいる |
グラミン | ・2006年にノーベル平和賞を受賞し、貧困削減に効果をあげている「グラミン銀行」の日本版 ・5人一組の互助グループを作り、起業や就労の準備の融資を受け、仕事の機会や就労支援、顔の見えるコミュニケーションを行うビジネスモデル ・企業、NPO、金融機関、コンサルティングファーム出身者など各分野の専門家などの有志が参画 |
ジョイセフ | ・日本において、家族計画、女性のエンパワーメントを中心とした保健分野の国際協力における最長の歴史と最大の実績を有する専門機関 ・日本で役目を終えたランドセルをアフガニスタンに寄贈し、子どもたち特に教育の機会に恵まれない女の子の就学に役立てる「思い出のランドセルギフト」は特徴的な取組み ・「ジョイセフアンバサダー」に冨永愛さんが就任し広報リーダーの役割を果たす |
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。