ここ数年で、ガソリンなどの有限な燃料枯渇を防ぐために、「再生可能エネルギー」という新しい概念が広まりつつまります。
資源枯渇以外にも、排出物の低減などの大きなメリットがあると同時に、普及までに解決しなければいけない課題もあり、今後整備を進めていかなければいけません。
しかし、実際に再生可能エネルギーには、どのようなものがあるか知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、再生可能エネルギーの種類から、メリット・デメリットまでを解説します。
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再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーについては、「エネルギー供給構造高度化法」によって定義されています。
この政令では「再生可能エネルギー源」について、「太陽光・風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」とされています。
具体的に、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他自然界に存ずる熱・バイオマスなどが定められています。
再生可能エネルギーの特徴
再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出しないため、エネルギー安全保障にも寄与できる重要な低炭素の国産エネルギー源です。
東日本大震災以降、温室効果ガスの排出量は増加し、2013年に過去最高の排出量を記録しました。
このような現状の中で、2016年に発効したパリ協定では以下が合意されています。
(1)世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること。
(2).(1)のため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる
2016年時点で、日本はエネルギー供給のうち、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料が8割以上を占めており、ほとんどが海外依存です。またエネルギー自給率は8.4%と低いことから、改善を図っていくことが求められます。
再生可能エネルギーは、国産のエネルギー源であることから、エネルギー自給率の改善にも効果があります。
再生可能エネルギーの現状
2017年時点では、日本の電源構成に占める再生エネルギー比率は約16%となっており、ドイツ(33.6%)やイギリス(29.7%)といった諸外国と比較して低い水準です。2030年に向けた目標水準を、再生可能エネルギー24%と見通しており、今後数年に掛けて再生可能エネルギーを主力電源にしていきます。
(出典:経済産業省資源エネルギー庁 「再生可能エネルギーとは」)
再生可能エネルギー(クリーンエネルギー)の種類
ここまでは再生可能エネルギーの特徴や現状について解説しました。
次に、再生可能エネルギーの種類について説明します。
太陽光発電
太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用して、太陽の光エネルギーを太陽電池に直接電気に変換する発電方法です。日本における導入量は、着実に伸びており、世界的にも中国・ドイツとともに世界をリードしています。
エネルギー源が太陽光であることから、設置する地域に制限がないことや、送電設備のない遠隔地(山岳部、農地など)の電源として活用することが可能であるメリットがあります。
しかし、気候変動により発電出力が左右されるなどの不確定要素もあります。
風力発電
風のエネルギーを電気エネルギーに変えるのが風力発電です。
2000年以降から日本で増え始め、2016年度末で2,203基、累計設備容量は335.7万kWまで増加しています。
大規模に発電できれば発電コストが火力並みであり、経済性も確保できる点、風車の高さやブレードによって異なるが、風力エネルギーは高効率で電気エネルギーに変換できる点などがあります。
その反面、世界と比較して日本の風力発電コストは高止まりしており、系統制約(※1)、環境アセスメント(環境影響評価)(※2)の迅速化、地元調整等の開発段階での高い調整コストなども課題です。
※1 系統制約:再生エネルギー由来の電源が、日本の電力系統に大量に入っていくことで生じる制約。
電力の需要と発電エネルギーのバランスを保つために「容量面での系統制約」と、「変動面での系統制約」に大きく分けられる。
※2 環境アセスメント(環境影響評価):大規模な事業開発などの際に、環境への影響を調査・予測・評価を行い、深刻な公害や自然破壊を防ぐための制度。
バイオマス
「バイオマス」とは、動植物などから生まれた生物資源の総称です。
バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどしながら発電を行います。
光合成によってCO2を吸収して成長するバイオマス燃料は、「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しない環境に優しいメリットがあります。
しかし、資源が広い地域に分散していることから、取集・運搬・管理にコストがかかる小規模分散型の設備になってしまうという課題もあるのです。
水力発電
水資源に恵まれた日本は、発電への利用も昔から盛んです。
そのため、水力は国内で賄うことのできる貴重なエネルギー源として知られています。
水力発電といえば大きなダムを想像しますが、近年は中小水力発電の建設が活発化しています。
これは河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用して発電する場合もあります。
既に開発済みの大規模水力に比べて、まだまだ開発できる地点が多く、注目されています。
しかし、事業の開始前には河川流況の長期に渡る調査が必須であることや、環境への影響の理解や水利権(※)の調整などの課題もあるのです。
※水利権:河川の流水を占用する権利(水力発電、かんがい、水道等)
地熱発電
火山帯に位置する日本において、地熱利用は戦後早くから注目されていました。
1966年に地熱発電所は本格的に運転を開始し、現在では東北や九州を中心に展開しています。
総発電電力量はまだ不十分ですが、安定して発電ができる純国産エネルギーとして注目されています。
地下の地熱エネルギーを利用することから、化石燃料のように枯渇する心配が無く、長期間にわたる供給が期待されます。
その反面、地熱発電所の性格上、立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、地元関係者との調整が求められます。
太陽熱利用
太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、熱媒体を暖め給油や冷暖房などに活用するシステム。
機器の構成が単純であることから、導入の歴史は古く実績も古いのが特徴です。
システムのエネルギー源は太陽エネルギーであることから、エネルギー源そのものの導入コストは永久的に無料です。
また、簡単なシステムであるため、特別な知識や操作が必要なく、一般事務所だけでなく給油利用の多い介護施設などでも手軽に導入できます。
太陽の光エネルギーを太陽電池に直接電気に変換する発電方法。
地下の地熱エネルギーを利用して発電する。
風のエネルギーを電気エネルギーに変える発電方法。
河川の流水や農業用水、上下水道を利用して発電する。
太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、熱媒体を暖め給油や冷暖房などに活用するシステム。
(出典:経済産業省資源エネルギー庁 「再生可能エネルギーとは」,2017)
再生可能エネルギー(クリーンエネルギー)のメリット
ここまでは、主なクリーンエネルギーの種類について説明しました。
次に、クリーンエネルギーのメリットについて解説します。
温室効果ガスの削減
クリーンエネルギーは、化石燃料とは異なり、利用時に温室効果ガスであるCO2を排出しません。
そのため、世界で問題となっている温室効果ガス削減に大きく貢献します。
現在世界中で温室効果ガスの削減の取り組みは進んでおり、日本では2014年度以来5年連続で温室効果ガス排出を削減し、 2013年度から約12%削減に成功しています。
産業の国際競争力強化
世界のクリーンエネルギー市場は年々拡大を続けており、成長市場として世界から期待されています。
太陽電池に関連する関連特許出願数などでも日本は他国を大きくリードしていますが、現実として市場シェアは維持拡大できていない状態が続いています。
技術はあるのにも関わらず、付加価値の大きいシステム事業に参入できていない状態のため、今後十分に世界でも大きな競争力を付けることが可能なジャンルとなっています。
雇用の創出
クリーンエネルギーの導入は、設備製造、建設・設備、維持管理、資源収集等に関連する新規雇用創出に貢献します。
世界の再生エネルギー導入による雇用者数は年々拡大しており、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が発表した数値よると、再生可能エネルギー業界は、2017年に世界で50万人以上の新規雇用を創出し、再生可能エネルギー(大規模水力を含む)に雇用された総人数は初めて1,000万人を超えました。
また、2017年の太陽光発電産業の雇用は2016年から約9%増加し、世界中で340万人、風力発電産業の雇用はわずかに減少し、115万人になりました。
中国、ブラジル、米国、インド、ドイツ、および日本は、世界最大の再生可能エネルギーの雇用者であり、世界中のすべての産業の仕事の70%以上を占めています。
世界中で再生可能エネルギーが広がることによって、さらに雇用の拡大が予想されています。
(出典:環境省「NDC提出を契機とした我が国の更なる削減努力の追求について」)
(出典:国際再生可能エネルギー機関(IRENA)「再生可能エネルギーと雇用 年次レビュー2018」)
(出典:環境庁「再生可能エネルギー導入加速化の必要性など」)
再生可能エネルギー(クリーンエネルギー)の課題
ここまでは、クリーンエネルギーを導入するメリットについて解説しました。
次に、クリーンエネルギーが抱える課題について詳しく説明します。
発電コスト
クリーンエネルギーの主力電源化を叶えるためには、まず世界に比べて高いクリーンエネルギーの発電コストの低減が求められます。日本は世界と比較すると、クリーンエネルギーの発電コストにおいて遅れをとっています。日本においても、FIT制度(Feed In Tariff)(※)における中長期価格目標の設定から入札の活用、技術開発などによってコスト低減を図っていくことが重要です。
※FIT制度(Feed In Tariff):再生可能エネルギーによる電力を電力会社が一定の価格で買い取る制度。
長期的に安定した電源の実現
長期的に安定した電源となることも求められます。
これまで、FIT制度によって再生エネルギーの導入は進みましたが、FIT制度の認定を受けても長時間稼働しない事業者や、事業終了後の準備が不十分であるなどの問題が指摘されており、このような課題に取り組むことも必要です。
系統制約の解消
これまで、日本の電力系統は主として大規模電源と需要地を結ぶ形で作られてきましたが、従来の大規模電源が立地している地域とクリーンエネルギー電源のポテンシャルのある地域は、必ずしも一致しないのです。
そのため、クリーンエネルギーを電力系統に接続する際に、「系統につなげない」「費用が高い」「時間がかかる」などの系統制約の問題が顕在化しています。
系統の増強には多額の費用と時間が伴うため、まずは既存の系統を最大限に活用していくことが有効です。
先進的な海外の手法を導入しながら、系統制約の解消を進めていく必要があります。
(出典:経済産業省資源エネルギー庁 「再生可能エネルギーとは」)
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは何か?
発電促進賦課金とは、「固定価格買取制度」で買い取られる再生可能エネルギー電気を買い取りに要した費用を、電気使用者から広く集めるものです。私たちは毎月の電気代とは別に発電促進賦課金も納付しています。
ちなみに、固定価格買取制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。電力会社が買い取る費用の一部を電気を利用する方から賦課金という形で集めることで、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えているのです。
この仕組みによって、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進んでいきます。
(出典:経済産業省資源エネルギー庁 「固定価格買取制度とは」)
再生可能エネルギーへの知見を深め、環境について考えよう!
今回は、知っているようで知らない「再生可能エネルギー」の概要から、メリット・デメリットまでを解説しました。
普段生活の中で何気なく使う電気は、発電方法をよりエコなものに変える必要性に迫られています。
しかし、少しずつ地球の環境を守る取り組みは進んでいるものの、まだ十分とは言いきれません。
この記事をきっかけに、再生可能エネルギーをより知って、環境について考えてみてはいかがでしょうか。
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