愛玩動物看護師法とは?動物愛護に関する法律を知ろう

動物愛護

愛玩動物看護師法とは?動物愛護に関する法律を知ろう

現在、私たちの周りや家庭のなかには様々な動物が共生しています。
特にペットは家族として生活しており、そのペットの体調に変化や不調が現れたら動物病院に行くことになるでしょう。

そこでは獣医師はもちろん、動物看護師が診療にあたってくれますが、この動物看護師について新しい法律が定められました。
この記事では、その法律である愛玩動物看護師法について紹介します。

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愛玩動物看護師法とは

愛玩動物看護師法とは
人が病気になった場合、病院へ行けば医師に診察や処置をしてもらい、その診察や手術の補助、状況によっては入院中の世話を看護師がしてくれます。

医師と看護師は国家資格の取得が必要であり、研修で経験を積むことで、それぞれの役割のもと、人を助ける仕事として日夜従事しているのです。
どちらも人の命を預かる仕事であり、非常に重い責任を持つ必要があるため、厳しい試験を通過し、様々な技術と経験を身に付けています。

それは動物であっても変わりません。人と同じで動物も命があり、その命を預かる以上、獣医師やその補助となる動物看護師にも責任があるのです。
特に愛玩動物、いわゆるペットは、飼い主やその家族にとってかけがえのない家族であることから、厳しいルールと責任のもとで診察や治療を行います。

現在、愛玩動物のなかでも、犬と猫の飼養頭数は非常に多いです。2017年度の推計では、犬が約892万頭、猫が約953万頭で、合計約1,845万頭とも言われています。
もちろん飼われているのは犬や猫だけではありません。愛玩動物の種類が多様化し、また獣医療に求められることの高度化、生活環境や人の健康への被害が出ないように、飼い主に求められるものも増えているのです。

さらに、動物が人に与える影響の重要性が認知されています。
動物を介した介護や福祉、治療、教育などの活動にも行われるようになり、愛玩動物は飼養だけでなく、社会的な意義が増大しています。
愛玩動物とそれらに関わる諸問題を適切に対応していくためには、獣医師と動物看護師による獣医療の提供体制の整備、動物看護師のしつけなどといった活動の充実が求められるようになりました。

そこで2019年に施行されたのが愛玩動物看護師法です。
この法律では今後ますます重要性が増すと予想される愛玩動物を対象として、以下のように愛玩動物看護師法の主な内容が定められました。

愛玩動物の看護等の業務に従事する者の資質向上・業務の適正を図るため、愛玩動物看護師の資格を定める

(引用:環境省「愛玩動物看護師法の概要」,2019)

※2021年1月時点

  • 犬と猫の飼養頭数は、2017年度の推計によると犬が約892万頭、猫が約953万頭で、合計約1,845万頭
  • 愛玩動物看護師法は2019年に施行された
  • 愛玩動物看護師法の主な内容は「愛玩動物の看護等の業務に従事する者の資質向上・業務の適正を図るため、愛玩動物看護師の資格を定める」こと
  • (出典:農林水産省「愛玩動物看護師」,2019)
    (出典:環境省「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」,2018)

    愛玩動物看護師法と資格について

    愛玩動物看護師法と資格について
    愛玩動物看護師法はまだ制定されてまもない法律です。
    この法律では主に愛玩動物看護師の業務や免許について定められています。

    そもそも2019年以前は動物看護師、あるいは獣看護師と呼ばれるものは国家資格ではなく、民間資格であり、大学や専門学校を卒業し、その資格を取得することで動物病院での職務を行うことができました。

    しかし先述したように、獣看護師や動物看護師の資質向上や業務適正を目的にした愛玩動物看護師の資格を定めるために、この法律が制定されました。
    これにより民間資格の動物看護師から、国家資格の愛玩動物看護師に変わることになります。

    愛玩動物看護師法が定める免許と受験資格について

    愛玩動物看護師法は2019年6月に公布され、その一部が12月に施行されました。
    そのため大学や養成所の準備、試験期間の申請や指定などを経て試験を行わなければいけません。第1回の国家試験は2023年12月末を目処に実施される予定です。

    愛玩動物看護師法も順次施行しており、2022年6月までにはすべて施行する運びになっています。

    実施される試験以前に大学や専門学校を卒業し、民間資格を持っている動物看護師や、移行期間中に大学や養成所で必要科目を履修した人は通常の受験資格ではないものの、特例措置が設けられており、その措置に従って講習会などを受けることで受験することができます。
    通常ルートも含めて、受験資格を見てみましょう。

    愛玩動物看護師法が定める受験資格:通常ルート

    まず通常ルートは、大学で主務大臣(農林水産大臣および環境大臣)が指定する科目を修めて卒業した人、省令で定める基準に適合する養成所で3年以上愛玩動物看護師の必要な知識と技能を修得した人が受験資格を得ます。

    また外国の関連学校などの卒業生または外国で愛玩動物看護師免許にあたる免許を取得している人で、上記の2つの条件を持つ人、同等以上と主務大臣に認められた人も資格を得ることができます。

    では問題の法律施行前に卒業している、あるいは履修途中である場合はどうなるのか、それは特別措置として「既卒者」、「在学者」、「未就学者」に分けられます。

    愛玩動物看護師法が定める受験資格:特別措置(既卒者)

    大学で主務大臣が指定する科目を修めて、施行日前に卒業した人と養成所で愛玩動物看護師として必要な知識や技能の修得を施行日前に終了した人に関しては、主務大臣が指定する講習会を受講します。講習会を修了すると、愛玩動物看護師試験の受験資格を得ることができるのです。

    ただしここでの愛玩動物看護師として必要な技能には診察の補助は除外されています。

    愛玩動物看護師法が定める受験資格:特別措置(在学者)

    施行日前に入学した大学で主務大臣が指定する科目を修め、施行後に卒業した人や、養成所で愛玩動物看護師に必要な知識と技能の修得を施行後に終えた人も、主務大臣が指定する講習会を受講し、修了することで受験資格が得られます。

    この愛玩動物看護師として必要な技能には、診察の補助は除外されています。

    愛玩動物看護師法が定める受験資格:特別措置(未就学者)

    診察の補助を除く愛玩動物看護師の業務に係る実務経験を5年以上有する人や主務大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めた人が対象です。
    主務大臣が指定する講習会を受講、修了して予備試験を受けて合格することで受験資格を得られます。

    そのため、未就学での特別措置を受ける場合は予備試験と本試験の2回の受験が必要になります。

    愛玩動物看護師法が定める免許取得と業務範囲

    愛玩動物看護師の本試験に合格すれば、愛玩動物看護師資格を取得した人として登録されます。
    これで愛玩動物看護師として国家資格を持ち、業務に従事できますが、その業務範囲も法律により定められています。

    獣医療に含まれるのは診察、診療の補助、そのほかの看護であり、この3つは獣医師が実施可能な領域です。
    特に手術やX線検査、診察などに基づく診断は獣医師のみ許可されている行為になります。

    一方で獣医師の指示の下に行う採血や経口などの投薬、マイクロチップ挿入、カテーテルによる採尿などの診療補助は、獣医師だけでなく愛玩動物看護師も実施できます。
    また入院している動物への世話や診断を含まない検査などはそのほかの看護として獣医師も愛玩動物看護師も実施可能です。

    愛玩動物看護師の業務範囲が獣医療のなかの2つだけになってしまいますが、獣医療の枠外にも動物愛護看護師の業務が含まれています。
    それが「動物の愛護および適正な飼養に関する業務」です。

    この業務ではグルーミングや爪切り、歯磨きなど動物の手入れの指導や助言、人と動物の共生に必要な基本的しつけ、動物介在教育(AAE)への支援、動物介在活動(AAA)への支援などが含まれます。
    動物介在教育とは小学校などを訪問し学習活動をサポートするものであり、動物介在活動は高齢者施設などでセラピー活動を行うことです。

    また災害発生時には、被災動物適正飼養のための支援を、地方自治体との連携協力のもと行うことも業務に含まれています。
    主な愛玩動物看護師の業務は以上ですが、補足として、そのほか看護や動物愛護および適正な飼育に関する業務は愛玩動物看護師以外でも実施が可能です。

  • 愛玩動物看護師法の制定により民間資格の動物看護師から、国家資格の愛玩動物看護師に変わった
  • 愛玩動物看護師の第1回国家試験は2023年12月末を目処に実施される予定
  • 愛玩動物看護師の「動物の愛護および適正な飼養に関する業務」にはグルーミングや爪切り、歯磨きなど動物の手入れの指導や助言、人と動物の共生に必要な基本的しつけ、動物介在教育(AAE)への支援、動物介在活動(AAA)への支援などがある
  • (出典:環境省「愛玩動物看護師法の概要」,2019)

    愛玩動物看護師法は人と動物の共生に必要な法律

    愛玩動物看護師法は人と動物の共生に必要な法律
    愛玩動物看護師法は、その国家資格の内容や業務範囲などを明記したものですが、このような法律が必要となったのは人と動物の共生の多様性や、適正な飼養などができておらず、動物虐待や遺棄が起こっていることも背景にあります。

    獣医師はもちろん、動物看護師もスペシャリストであることから、その知識や技能を持ってより多くの動物の命を助けるとともに、動物の扱いについて人々に知ってもらうことも業務の一つです。
    私たちも動物と共生していく以上、できることから知識や適正な飼養など身に付けていけると良いでしょう。

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