1956年にイギリスとエジプトから独立したスーダンは、北部と南部の対立により内戦が勃発し、南スーダンが独立する2011年まで約50年間にわたって紛争が続きました。
経済制裁や政情不安が続く中、2023年4月15日、スーダンの首都ハルツームにて政府軍と準軍事組織である即応支援部隊との間で衝突が発生し、多数の死傷者が出ました。
その後も難民の増加や食料・医療不足といった人道危機が深刻化しています。
この記事では「支援している寄付先団体にはどんなものがあるの?」という方に向けておすすめの寄付先をご紹介します。
「スーダンの紛争の被災者のために何かしたい!」と考えている方は、ぜひこの記事をご覧ください。
スーダンはどんな国?
スーダンはどのような国なのか詳しく知らない方も多いでしょう。まずはスーダンの国の概要と歴史について簡単に紹介します。
スーダンの基本データ
アフリカの北東に位置するスーダン。基本情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
首都 | ハルツーム |
面積 | 188万平方キロメートル(日本の約5倍) |
人口 | 4,281万人(2019年/世界銀行) |
人種・民族 | アラブ人、ヌビア人、ヌバ人、フール人、ベジャ人など200以上の民族が混在 |
言語 | アラビア語(公用語)、英語も通用、その他部族語多数 |
宗教 | イスラム教、キリスト教、伝統宗教 |
出典:外務省「スーダン基本データ」
スーダンの歴史
アフリカ北東部に位置するスーダンは、古代エジプトの影響を受けながら交易の要所として発展しました。19世紀にはエジプトの支配を受け、その後1899年からイギリスとエジプトの共同統治下に置かれました。
1956年に独立を果たしたものの、北部のアラブ系住民と南部のアフリカ系住民との対立が続き、2度の内戦を経て2011年に南スーダンが独立します。
しかし、国内の政情不安は収まらず、軍と準軍事組織RSFの対立が激化。
2023年には首都ハルツームで武力衝突が発生し、多数の死傷者が出ました。戦闘は全国へ拡大し、多くの住民が避難を余儀なくされ、深刻な人道危機に陥っています。
スーダンの現状や起きている問題
2023年4月にスーダンで発生した武力衝突により、1250万人以上が避難を強いられ、深刻な食料不足に直面しています。戦闘による暴力や略奪、性暴力が横行し、2024年8月には北ダルフール州で飢饉が発生。
多くの人々が栄養不良や貧困に苦しみ、命を落としています。さらに、洪水の影響で衛生環境が悪化し、8月にはコレラが発生。難民や避難民の命が危険にさらされており、シェルター支援と衛生対策が急務となっています。
出典:国連UNHCR協会
武力衝突が発生した直後は食料や物資の配給などの緊急支援(救命支援)が最優先で行われました。
紛争長期化に伴い、以下の問題が生じています。
食糧不足により子どもが栄養失調の状態になっています。そして抵抗力が弱まり、感染症などで命を落とす子どもが出てきています。
対立組織による性的虐待や暴力が特に子どもに対して及ぶことが懸念されています。
紛争地域や避難先で教育体制が整っておらず、子ども達が教育を受ける機会を失っています。
長期化する紛争によって兵士として子どもが半ば強制的に戦闘員として紛争にかりだされています。
今後、紛争が収束しても、これらの問題がすぐには解決するわけではありません。例えば教育問題などに関しては、環境を整えないと子ども達の将来に関わる問題にも繋がってきます。
スーダンを支援している寄付先団体の選び方を紹介
「多くの支援団体から寄付先はどう選ぶべきだろう」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。ここでは、寄付アドバイザーであり幾つかの非営利団体にて理事やスタッフとして関わりながら、伴走支援としてコンサルタントもしている松浦 史典さんのコメントを紹介します。

海外の支援現場をいくつか経験し、ファンドレイザーとして活動中。丁寧な対話を重ね課題を深掘りすることで、解決に導ける人材の開発にも取り組んでいる。※詳細なプロフィールは文末に掲載
はじめまして。寄付アドバイザーの松浦です。ここから、みなさんの寄付先選びをサポートしていきます。
「寄付は個人の力で社会の課題に取り組む手段」です。少額でもあなたの寄付によって社会を変えることができるということです。よって、あなたの寄付が無駄になることはないでしょう。
では、これから寄付をはじめる人のために、団体選びのポイントを3つ紹介します。
- ミッションやビジョンなど価値観に共感できる団体に寄付をする
- 資金の使い道を開示している信頼できる団体に寄付する
- HPやSNSなどが更新され活動実態がわかる団体に寄付する
あくまで選び方の一例としてご覧いただければ幸いです。
また、あなた自身が「寄付をする際に何を大事にしていているのか」整理をしてみるのも良いでしょう。
例えば、団体への信頼性や資金の透明性、活動内容、実績や成果など。その他には、新たな挑戦を応援したい! 団体や支援を受けている人とのコミュニケーションをとりたい!など、様々な大事にしていること=価値観があるので、それらを整理することをおすすめします。
【どこが良い?】スーダン支援をおこなうオススメの寄付先団体
それでは、どの団体へ寄付すればスーダンの支援に繋がるのでしょうか。続いてはスーダンの紛争被災者の支援活動をおこなう寄付先団体を紹介します。
【寄付先1】日本ユニセフ協会
紛争が続いているスーダンでは、推定8万2,000人の子どもたちが近隣諸国に逃れ、約36万8,000人の子どもたちが国内で新たに避難民となりました。ユニセフ(国連児童基金)は、家を追われた子どもたちへの人道支援を強化しています。
ユニセフはスーダンで、病院やプライマリ・ヘルスケア・センターに救急医薬品キット、必需品、医薬品を提供し、負傷者の治療や命を守る基礎医療サービスへのアクセスを支援しています。
また、避難している子どもたちや家族を支援し、紛争の影響を受けた地域にある施設の80%以上が機能し続けられるよう、栄養物資の提供など必要不可欠なサービスの継続に努めています。
ユニセフはまた、紛争拡大が依然として限定的で、かつ最大規模の国内避難民がいる州において、新たに避難してきた子どもと家族、および影響を受けているホストコミュニティへの緊急支援を提供しています。
世界中で起きている紛争や武力衝突など、人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。ユニセフ「人道危機緊急募金」へのご協力をお願い申し上げます。
【寄付先2】(寄付金募集終了)プラン・インターナショナル
スーダン国内では重要なインフラが破壊され、基本的サービスが不足しています。首都ハルツームでは医療施設の61%が閉鎖され、数百万人が医療を受けることができない状況にあります。
大勢の人々が、輸送手段を提供する民間業者に高額な費用を支払い、バスやトラックを使って、南スーダン、エジプト、チャド、中央アフリカ共和国などの近隣諸国へ移動しています。避難に必要な高額費用を捻出するために、子どもや女の子、女性が搾取や虐待の対象となるリスクが高まっています。
プラン・インターナショナルでは、着の身着のままスーダン国内の別の地域や近隣諸国に避難を余儀なくされた人々に、毛布、水、食料などの緊急物資の支給や、子どもの保護、心理社会的ケアなどを行いました。
寄付の募集を締め切りました。ご支援ありがとうございます。
【寄付先3】ワールド・ビジョン・ジャパン
ワールド・ビジョンは、スーダンで活動する最大の人道支援機関・団体の1つであり、スーダンにおけるWFP(世界食糧計画)の最大の食料援助パートナーです。
ワールド・ビジョンはこれまで36年間にわたり、スーダンで最も弱い立場にある子どもや人々のために活動し、昨年1年間では、食料、子どもの保護、保健・栄養、水と衛生の分野を含む緊急支援によって国内の主に女性と子どもを含む150万人に支援を届けました。
現在、近隣国に避難している人々への支援など緊急援助活動を始めています。
私たちにできることからスーダンの支援を始めてみよう
紛争が解決したとしても復興には時間がかかるため、長期的な支援が必要です。一時的な寄付だけでなく継続寄付することで、支援団体も長期的な支援活動の計画が立てやすく、活動への後押しになります。
継続寄付者には定期的に活動レポートを送ってくれる団体も多く、寄付する側も寄付の効果と活動の様子を実感できます。
まずは自分にできることからすぐに始めることが、とても大切です。
「自分も何か支援をしたい」と考えている方は、この記事を参考に紹介した団体への寄付をはじめてみてくださいね。

NPO法人名古屋NGOセンター 理事
認定NPO法人ホープ・インターナショナル 開発オフィサー
認定NPO法人ムラのミライ メタファシリテーション認定講師
国際協力NGOに10年勤めながら、支援現場の本当の問題を引き出すコミュニケーション手法「メタファシリテーション」を習得。認定講師としてNPOや企業、行政、医療関係者向けに研修を行ってきた。
2022年にmetaLinkを立ち上げ「職場の問題を解決するためのコミュニケーション講座」をスタート。企業の人事部やコンサルを対象に、組織の困りごとの解決手法としてメタファシリテーションを伝えている。支援現場での経験に基づくノウハウが強み。大学の非常勤講師としても教壇に立つ。
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