世界には、自分の意志に反して紛争地に送り出される子どもがいます。
彼らは「子どもの兵」と呼ばれ、激化する紛争地で銃を持ち、戦力として数えられています。
誘拐され、反政府ゲリラの少女兵として2年間戦場にかり出されたモニカさんもその一人でした。
彼女は現在、自分の力で洋裁店を立ち上げ、村の人々に洋裁の技術を教え毎日を幸せに暮らしています。
子ども兵だったことで心に傷を負っていた彼女が、どのように人生を切り開いたのでしょうか。
「子ども兵」とは?武装勢力に誘拐され、洗脳・暴力によって戦場に送り出される子どもたち・・・。

子ども兵は世界中で25万人もいると言われ、紛争や内戦の多いアフリカに集中しています。
子どもたちは政府軍や反政府組織により誘拐され、無理やり子ども兵にされたり、中には貧困苦から衣食住を確保するために自ら志願する場合もあります。
子ども兵となった男の子は武器や食料などの重い荷物の運搬や戦場の最前列で「弾よけ」として使われ、女の子は性的暴力の対象や強制結婚をさせられたり、炊事、雑用をさせられます。
子どもは命令に従順、 子どもの数が多く補充しやすい、小柄なのでスパイ活動をさせやすいなどの理由から命を軽く扱われてしまうのです。
そして、何とか紛争から抜け出し「子ども兵」の鎧を脱いだとしても、心に負った傷までは消えません。
数々の殺害の現場を見て、自らも人を殺した体験からトラウマを抱えていることも多いのです。
元子ども兵たちは、地元の村の襲撃にも加担させられるため、帰還した後も地域住民の憎しみの対象になることもあります。
そうした現実から目をそらすために酒におぼれたり、再び軍隊へ戻ってしまったり、ホームレスになる元子ども兵もいるといいます。
子ども兵を脱し生活を立て直そうにも、教育を受けず読み書きもできないので自立した生活が送れないという現実が待っているのです。
モニカさんの人生が動き出した、平和教育の授業とは?
少女兵として2年間紛争に参加させられたモニカさん。
「村に買ってきてからは、毎日何もすることがなく、できることもなかったので辛かったです。自分には何の価値もない、と思っていました。」
そして、2013年から2015年の2年間、モニカさんはテラ・ルネッサンスの施設で社会復帰のための支援を受けました。
職業訓練で習った洋裁の技術はもとより、「平和授業」を通して、「人はその日一日を心穏やかに過ごすことができることを知り、人生が大きく変わった」と話してくれました。
「支援を受ける前は、毎日嵐の中にいるようでした。でも、その嵐は自分が作り出していたものだったんです。」
平和教育では地域の伝統的な和解方法などについて学びます。住民も元子ども兵と共に参加したり、一緒にダンスや歌を楽しんだり、和解や信頼構築の大切さを学ぶワークショップに出席しています。
このような活動を通して、モニカさんは周りの人とどのように付き合えばよいのかを学び、たくさんの新しい友達ができました。
自分の‘今’に夢中になること。職業訓練の経験がモニカさんにもたらしたもの。

モニカさんは職業訓練で洋裁の技術を身に着け、自分の洋裁店を開き、自分の力で収入を得ています。
そしていまでは近隣の女性から洋裁を教えて欲しいと頼まれ、自分の得た技術を地域に還元することで「働くことで問題は解決できる」ということを実感できたと話します。
「自分には何の価値もない」と思っていた一人の女性が、いまでは村の人々から頼りにされる存在になっているのです。
モニカさんは「いまではコミュニティの人々もサポートすることができ、以前よりも良い関係になりました。平和に暮らせるようになって、とても幸せです。」と話しています。
元少女兵として心に傷を負っていた彼女は、自分の人生に夢中になることができています。
元子ども兵に必要な「自立」と「自治」を促進するために。

テラ・ルネッサンスでは2005年からウガンダ北部に駐在員を送り、元子ども兵に対する社会復帰プロジェクトを行っています。
これまでに192名の元子ども兵の社会復帰を果たし、その家族約1,000名への生活支援を実施してきました。
また、ウガンダ小型武器行動ネットワークと共に一般市民への不法小型武器問題の啓発活動も行っています。
テラ・ルネッサンスが自立支援を行うにあたり、大切にしているのは「自立」と「自治」です。
「自立」とは一人ひとりが自らの力で立ち上がり、周囲との関係性の中で生きていくこと。
そして「自治」とは、その人たちが互いに手を携え、様々な問題を解決していくことです。
そして、個人の状況に合わせて柔軟に支援の方法を考えます。
そうすることで、一人ひとりが「やりたいこと」「できること」を見出し、自分の人生を見つける手助けとなるのです。
「自立」と「自治」を大切に考え、支援活動を続けてきた結果、いまでは雨季になると車が通れない道をテラ・ルネッサンスの支援を受けた元子ども兵たち約300名が地元の道路整備に汗を流しています。
このように、元子ども兵がコミュニティのために働く動きが拡がっています。
モニカさんのこれからの夢と私たちへの願いとは?
男の子2人と女の子2人の4人の子どもを持つモニカさんは「男の子には教師と医者になって欲しい、女の子二人にはモニカさんの後を継いでほしい」と願っています。
また新たに
また、テラ・ルネッサンスの支援を通して自分の人生を切り開いたモニカさんは、このようにも話してくれました。
「皆さんからの支援があったからこそ、いまの私になることができました。心から感謝しています。
そして、私に支援してくださったように、私も他の人々を支援するように務めることを誓います。
最後に、日本の皆さんにお願いしたいことがあります。
世界中のあらゆるところで、私にしてくださったように他の人々の支援も続けていってください。」
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テラ・ルネッサンスはウガンダのグル地区で活動するNGOと連携し、政府管轄の帰還施設に受け入れられました。理事、鬼丸昌也さんが2001年に1人で立ち上げたテラ・ルネッサンスは、現在、世界6カ国で47名のスタッフの組織にまで成長しました。
アフリカ諸国では、資源をめぐって紛争が長期化し、今も多くの人命が失われています。
Gooddoでは30秒で終わる3問のアンケートに答えるだけで、10円の支援金をテラ・ルネッサンスに届ける方法があります。支援にかかる費用は、サポーター企業が負担するため、あなたに費用はかかりません
紛争を経験した子ども兵が社会に復帰し、自立した生活を送るには多くの支援が必要です。
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