「このままでは、子どもたちと共に命を落としてしまう…」
悲痛な表情でそう語るのはケニアの北部に暮らすジョセフィンさん(32歳)。
4人の子どものお母さんです。
さらに、お腹には7ヶ月になる赤ちゃんがいます。
家族に新しい命が加わる未来を思い描きたい一方で、いまのジョセフィンさん一家は、そうした穏やかな日々とはほど遠い状況にありました。
長男(4歳)、次女(2歳半)、次男(9ヶ月)は急性栄養不良。
長女(8歳)は栄養不良ではないものの、危険なマラリアに罹っています。
ジョセフィンさん自身も、現在、貧血の症状と向き合いながら日々を過ごしています。

かつては、質素ながらも子どもたちの命の心配をする必要がなかった生活を、懐かしむように話してくれました。
「以前は、1日に1回ですが食事をとることができていました。それで充分でした。お腹が満たされたら、次の日の朝のために取っておくこともありました。
…けれど、今は、今日は食べられても明日はわかりません。ただ、水を飲んで眠るしかありません。」
この地域の人々の生活を大きく変えた要因のひとつが、「干ばつ」です。
地球規模で起きている気候変動の影響により、干ばつは深刻さを増しています。
ジョセフィンさんの夫は漁師で、湖から魚を捕って、家族を支えてきました。
しかし、干ばつの影響で、近年は魚の数が減り、収入も激減してしまいました。
家畜へ与えるエサも確保できず、ミルクを手に入れることも難しくなりました。
「いつもお腹を空かせては泣き、病気に直面する子どもたちを見ているのがとてもつらいのです…。」
このような状況の中で、妊娠中のジョセフィンさんも働かなければならなくなりました。
薪を集め、火を起こし、木炭を焼く。
その木炭を担いで売りに行き、わずかなトウモロコシを手に入れる日々。
調味料もなく、味付けのないトウモロコシが食卓に並びます。
木炭が売れない日もありますが、「生活を守りたい」その一心で、来る日も来る日も働き続けています。
追い打ちをかける「支援の中断」

以前からケニア北部では干ばつの被害により、生活が厳しくなることがありました。
そういった時には世界各国から支援団体による現金給付や食料支援、保健・衛生サービスなどがあり、なんとか生活を立て直すことができていたのです。
しかし、例年よりも厳しい干ばつの被害に、追い打ちをかけるように各団体の援助資金削減によって支援が中断されてしまいました。
長女がかかっているマラリアは、命にかかわる危険な感染症です。
栄養不良になってはいないものの、充分な食事はとれていません。
ジョセフィンさんに感染した場合には、お腹の赤ちゃんも危険にさらされます。
病院へ連れて行って、治療を受けたい。
しかし、一番近い診療所までは12キロの距離があり、手段は徒歩しかありません。
貧血を抱えた妊娠7ヶ月の身体で、2~3時間炎天下を歩き続ける…もはや現実的ではありません。
「どうして、こんなことになってしまったのだろう…」
ジョセフィンさんは栄養不良の我が子を目の前に、強い不安と戸惑いの中にいました。
先の見えない状況のなかで見つけた、一筋の光

そんな時、ジョセフィンさんの自宅のすぐ近くに、一台の車がやってきました。
セーブ・ザ・チルドレンの「移動クリニック」です。
・病気への対応:マラリアに感染し症状があった長女は適切な治療を受け、一家は感染を防ぐための蚊帳を手にしました。
・母親へのケア:ジョセフィンさんも産前健診を受け、貧血治療のためのサプリメントを処方されました。
医療が十分に届いていなかった地域に届けられたこの活動が、命を守るためのこの活動が、彼女たちの運命を変えたのです。
「支援を受けてから、子どもたちが以前とはまったく違います。体重も増えて、頬もふっくらしてきたのが分かります。本当に…子どもたちが生きていることに感謝しています。」
そう言って、ジョセフィンさんは愛おしそうに子どもたちを見つめました。
あなたの30秒が、次の一歩をつくります

ジョセフィンさん一家が直面した危機は、決して他人事ではありません。
ケニア全体では、今も74万人以上の5歳未満児が急性栄養不良の治療を必要としています。 しかし、世界的な援助資金の削減により、命を守る「栄養治療食」さえ底をつきかけているのが現状です。
セーブ・ザ・チルドレンは、設立から100年以上にわたり、世界約100ヶ国で子どもたちの権利を守るために活動を続けてきました。 移動クリニックによる医療・栄養支援だけでなく、学びの場の提供や、災害・紛争からの保護など、子どもたちが未来を諦めずに済むための活動を行っています。
いま、あなたの「30秒」で、この活動を応援することができます。
30秒で完了する、3問のアンケートにお答えいただくだけで、あなたに代わってサポーター企業が10円の支援金をセーブ・ザ・チルドレンへ届けます。
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※本エピソードは、実際のエピソードをもとに再構成をしております