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「ママはどこ…?」
生まれてまだ3ヶ月。
僕が人間に連れて来られたのは、知らない匂いばかりがする冷たくて広い場所でした。
コンクリートの床はひんやりしていて、遠くからも近くからもたくさんの犬や猫たちの不安な鳴き声が響いてきます。

鉄の扉がガチャンと閉まる大きな音に、僕の小さな体はいつもびくっと震えていました。薄暗い檻の中、人の足音が近づくたびに心臓が凍りつき思わずおしっこを漏らしてしまう毎日でした。
1日に5頭の命が消える場所

遠くで人間の話し声が聞こえました。
「今日は、あの檻の犬までが”殺処分”だから」。
殺処分…?
それが何を意味するのか、子犬の僕にはまだ分かりませんでした。
でも、檻の向こうから聞こえていた、昨日まで隣で震えていた子の声が今日はもう聞こえません。代わりにまた知らない子の不安な声が響いています。

僕の命の期限もあと数日しか残されていないことを肌で感じていました。そんな冷たい不安に心を支配されかけた、その時です。
僕の名前は「夢之丞」

檻の前に一人の人間が静かにしゃがみこみました。手を伸ばさず、ただ優しい声で何度も語りかけてくれます。
「大丈夫だよ。もう、何も怖くないからね」
その声は、なんだかとても温かかった。
やがて僕は、その人間に抱きかかえられ、あの場所から連れ出されました。初めて感じる温かい腕の中で、僕はまだ少しだけ震えていました。
この声の主は、「ピースワンコ・ジャパン」のスタッフさんでした。
後から聞いたんだけど、僕との出会いがきっかけで、「もう二度と殺処分機を稼働させない」って固く決意して、犬の保護活動を始めたんだって。
そして、「夢と希望を多くの人に与える子になるように」と願って、「夢之丞(ゆめのすけ)」という名前をプレゼントしてくれました。
僕を救い出してくれてから4年後。その固い決意は、2016年に広島県で「殺処分ゼロ」を実現する大きな奇跡に繋がり、今もそれは続いています。
1年の沈黙と、手のひらの上のご飯

でも、夢之丞という名前をもらっても、僕はまだ心を固く閉ざしたままでした。
スタッフさんは、すごく優しくしてくれます。
おいしいご飯も用意してくれるし、遊べるおもちゃもくれるし、そっと撫でてもくれる。
でも、どうしてもあの檻にいた日々を思い出して身体が固まってしまうんだ。散歩に連れ出してもらうまでに、なんと1年もの時間が必要だったのです。
それでもスタッフの方々は決して諦めませんでした。僕が心を開くまで、毎日毎日ただ静かに寄り添い、根気強く待ち続けてくれたのです。
ある日、僕は勇気を出して、スタッフさんが差し出した手のひらの上のご飯を、一口食べてみました。それは今まで食べたどんなご飯よりも温かくて、優しい味がしました。その瞬間、凍っていた心が、ほんの少しだけ溶けていくのがわかりました。
たくさんのスタッフさんの愛情に包まれるうち、僕は少しずつ人を信じられるようになっていきました。

ある時、災害救助活動を専門とするスタッフの人たちが、僕の特別な才能に気づいてくれました。それは優れた嗅覚。
「人から命を奪われるはずだったこの子が、もしかしたら人を救う子になれるかも…」その希望が、僕の新しい未来への扉を開いてくれました。
災害救助犬になるための訓練は僕が想像していたよりずっと大変でした。
何度失敗しても、僕を信じてくれるスタッフさん。あんなに怖かったはずの人間だけど、この時には僕もスタッフさんを心から信じることができていました。

いつも一緒に訓練してくれる人のことを「ハンドラーさん」って呼ぶんだけど、僕とそのハンドラーさんとの深い絆が、どんな大変な訓練も乗り越えさせてくれました。
土砂降りの広島で、僕が見つけた「命の匂い」

そして運命の日がやってきました。
2014年8月、広島を襲った大規模な土砂災害。僕は災害救助犬として初めて現場に立ったのです。
どしゃぶりの雨の中でしたが、僕は必死に泥と瓦礫の山を駆け上がり、匂いを嗅ぎ分けました。
「ここに、誰かいる!」
僕が激しく吠えたその場所から、一人の行方不明者の方が見つかりました。殺処分寸前だったこの小さな命が、ご家族がずっと探していたその人をおうちに帰すお手伝いができた瞬間です。

僕の姿はテレビや新聞でも大きく報じられ、たくさんの人に希望と感動を届けました。そしてその功績から「第7回日本動物大賞」の功労動物賞をいただくこともできたのです。
あなたの一歩が、次の“奇跡”に繋がる

僕の物語は、決して特別な奇跡ではありません。
今この瞬間も、かつての僕のように声なき声で助けを求め、ただ静かに“その日”を待っている犬たちがいます。
僕を助けてくれたピースワンコ・ジャパンは、広島で殺処分ゼロを実現し、今もそれを続けています。さらに、今も殺処分数が多い九州や四国からも犬たちを引き取り、新しい家族を見つける活動をしています。
でも、助けを待つ犬は後を絶ちません。彼らに残された時間は、もういくらも無いのです。
ここまで僕の物語を読んでくださってありがとうございました。
夢之丞のような犬たちを救う活動に、あなたも無料で参加しませんか?

彼らの未来を諦めないために、私たちに何ができるのか。
その答えを見つけるための簡単なアンケートにご協力ください。
たった30秒で終わるあなたの行動が、暗闇の中で震える小さな命を救う大きな希望の光となります。
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