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2024年1月1日。あの凄まじい揺れから、丸2年が経過しました。季節が二巡し、世の中の関心が少しずつ「日常」へと戻っていく中で、いまも時間が止まったままの場所があります。
石川県珠洲市。 震源地にほど近いこの街の人口は、震災前より約2割も減少しました。
「2年という月日」は、復興を遂げるにはあまりに短く、一方で、そこで暮らす人々が「耐える」にはあまりに長い時間でした。
倒壊家屋に埋もれた90代女性の救助医療処置を担った医師の想いとは

石川県能登地方で発生した震度7の地震。
この地震によって、16万棟以上が倒壊などの家屋の被害を受け、2,000名以上の死傷者が出ました。(出典:内閣府/2025年12月25日現在)
震災後1月2日には現場入りをした、医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”」。
ARROWSのプロジェクトリーダー稲葉医師は「2023年5月の地震で支援に行った珠洲市がテレビに映し出され、家が崩れていく様子を見て、とんでもないことになったと思った」と話します。
「とにかく一人でも多く助けよう」そう思った稲葉医師のもとへの要請とは?
2024年1月6日午後5時頃、緊急消防援助隊より本部に「珠洲市にて倒壊した家屋に埋もれている女性あり。生命徴候あり。」との連絡があり、ドクターの出動要請がなされました。
倒壊家屋のような狭く限られた空間で救助隊と連携して処置や救出を行うには、CSM(コンファインド・スペース・メディソン)と呼ばれる、特別な救助医療処置技術が必要で、その場にいたドクターの中でCSMの技術と知識を持ち合わせていたのは、稲葉医師のみ。稲葉医師は、看護師1名とともに出動し、現場に急行しました。
現場には100名を超える消防と警察が集まる騒然とした雰囲気のなか、稲葉医師と看護師は倒壊した家屋のなかに入っていきます。

災害時における行方不明者は通常、72時間以内に救出できないと助かる確率は急激に落ちるといわれていますが、発見されたのは、被災してから約120時間。
下半身をがれきに挟まれて身動きが取れず、救出にはさらに時間がかかる見込みでした。
絶望的な状況でしたが、女性に稲葉医師が声をかけると、かすかなうめき声が聞こえ、さらに手をさわると軽く握り返したことから、稲葉医師は「いけるかもしれない」と希望を持ったといいます。
こうした状況で疑われるのが、クラッシュシンドロームです。クラッシュシンドロームとは、長時間、瓦礫などに挟まれていた傷病者が何も処置をせずに救助されると、突然容態が悪化し体への急激なショックが生じて死亡してしまうという病状で、救出する前に適切な処置を施す必要があります。
稲葉医師は、見えていた左手と首の左側の2箇所から点滴を施し、さらに必要な薬を投与。クラッシュシンドロームの危険性を抑えるための医療処置を施していきました。

現場は不安定な倒壊した家屋。滑りやすく、雨が降りしきるなか、さらに余震も発生。
時折退避命令が出る状況で、安全を確保しながら処置できる時間は限られ、患者に寄り添えるのはほんのわずかな時間。
処置後は速やかに指揮所まで脱出し、レスキュー隊から患者の容態を随時確認しながら指示し続けるのと並行して、受け入れ先の準備も進めなければいけない。
時間は慌ただしく過ぎながら一刻の猶予もない、逼迫した状況が続きます。
発見されてからおよそ3時間。
処置をはじめた当初は脱水、低体温症の症状が見られ、体は冷え切ってかなり危険な状態でしたが、十分な点滴や薬を施しながら体をあたため続け、クラッシュシンドロームの危険性を抑えられたことを確認してからレスキュー隊が救出。
女性は待っていた救急車に運び込まれ、病院に搬送されました。

救急車のなかで女性に付き添った稲葉医師が「お名前は?」と聞くと、女性はしっかりと答えたそうです。
病院で患者を別の医師に引き継ぎ、病院のなかへと搬送される患者を見ながら、稲葉医師は「本当に心から嬉しい気持ちであふれた」と振り返りました。
「いろいろな災害現場を見てきたけれど、ここまで救助と医療の連携がうまくいって救出できたのははじめて。ほかでもあまり聞いたことがない。警察、消防、医療が連携して、いろいろな奇跡が重なった結果で、あとは本当に無事に元気になってくれることを祈るだけです」
この出来事によって、「まだ救える命がある」という思いがあらためてこみ上げてきたといいます。
大震災後に襲った集中豪雨
震災から半年が経った秋のはじめ、ようやく避難所から仮設住宅に入居した方も多く、まさに「これから、少しずつ」復興に向けて一歩を踏み出していこうとする矢先に今度は豪雨が能登を襲いました。
現地スタッフはこれまで続けてきた支援活動で築いてきたネットワークも最大限に活用しながら、各避難所、仮設住宅や、戸別訪問した方々の安否確認に奔走。

ARROWSは現地と綿密に連絡を取りながら必要な物資を調達し、すぐに支援活動を開始しました。
発災直後には、断水しているエリアへの飲料と非常用トイレの支援。また、急遽開設された避難所は、一時的な避難所のため、段ボールベッドや簡易テントなど。
とにかく、現場が「今必要」としているものを、迅速かつ丁寧な聞き取りから柔軟に対応を重ねていきました。

また、珠洲市からの協力要請を受け、広島県神石高原町の本部よりヘリコプターを出動。道路が寸断され、孤立した仁江地区に取り残された4名の救助に向かいました。60~70代の女性1名、男性3名を、孤立集落近くの道の駅から珠洲市の中心部近くまで無事搬送。4名とも特にケガなどはないとのことです。
市、県と連携したこうした支援活動は、1月の震災の経験が生かされたカタチとなりました。

壊れたままの風景と、見えない「隙間」

2025年12月、珠洲の街を歩くと、奇妙な静けさに包まれます。 道路の亀裂は埋められましたが、歩道には今も注意喚起のコーンが並び、案内標識は傾いた電柱に寄りかかったまま。
「復興」という言葉からはほど遠い、傷ついたままの景色がそこにあります。
ARROWSのスタッフとして、この2年ずっと支援を続けている橋本さんは、いまの被災地の状況をこう語ります。
「支援は子育てと同じで、いずれ手を離すもの。でも今は、背中を押されてもまだ立ち上がれない人がいるんです」
高齢化と過疎化が加速するこの街では、制度の隙間に落ち、孤立してしまう人々がいます。交通手段を失って病院に行けなくなったお年寄り、住む場所が変わり、誰とも話さなくなった独居高齢者。
ARROWSが取り組んでいるのは、単なる「医療支援」ではありません。それは、行政や既存の福祉では手が届かない「命の隙間」を埋める活動なのです。
私たちの目を覚まさせた「珠洲の底力」

正直に言えば、支援を続けるスタッフたちも、あまりに山積する課題を前に「この先、どうなってしまうのだろう」と頭を抱えそうになった時期があったといいます。
しかし、2025年の夏から秋にかけて、橋本さんたちはある光景を目にします。
それは、壊れた街の中で力強く行われた「祭り」でした。 飯田燈籠山(とろやま)祭り、蛸島、正院、そして寺家のキリコ祭り。
「その活気を見て、目が覚めました。この土地の文化を守り抜こうとする強い意志、珠洲の底力を見せつけられた。私が心配するなんておこがましい、そう思わされるほどのエネルギーでした」

家が壊れても、道が悪くても、彼らはキリコを担ぎ、声を上げました。 それは「ここに生き続ける」という、珠洲の人々の魂の叫びでした。
寄り添い、背中を支え続けるということ

ARROWSがいま続けている「健康相談会」には、これまでに延べ600人以上が訪れました。
そこでは、血圧を測るだけでなく、他県から届いた手編みの帽子を渡したり、家でできる体操を教えたりといった時間が流れます。
85歳の女性から届いた200個の手編み帽子を手にしたとき、ある男性は「帰ったら奥さんにプレゼントしよう」と、今日一番の笑顔を見せてくれました。
支援とは、誰かを無理に立たせることではありません。
ARROWSのいまの役割は、自らの力で歩もうとする人々の「背中を、ほんの少し支え続けること」。
その支えがあるからこそ、厳しい寒さの中でも、人々は明日へ一歩を踏み出せるのです。
30秒で終わる「ARROWS」の活動に関するアンケートに答えて、無料でできる支援に参加しよう!
もし、あなたが「今も被災地で苦しむ人々を助けたい」、と感じてくださったなら、
もし、あなたが今「被災地の人々のために何かしたい」という気持ちをお持ちなら。
その想いを、具体的な行動に変えてみませんか?
今、この記事を読んでくださっているあなただからこそ、できることがあります。
簡単なアンケートに答えるだけで、空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”の活動を支援することができます。
あなたの一歩が、今も被災地で苦しむ人々の未来のために、大きな力になるのです。
私たちは目の前の命と向き合い、寄り添いたいと想い活動をしています。
診察後のホッとした顔を見ると、こちらがかえって癒されることもあります。
被災地の復興には長い期間を要します。必要な支援も、その時々で変わっていきます。私たちは決してあきらめず、あらゆる可能性を探り、できる支援を続けていきます。
ぜひアンケートにご協力いただき、無料支援に参加していただけると嬉しいです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
「自分も何かしたいけれど、どう支援したらいいかわからなかった」
「本当に被災者のために寄り添ってくれる人を応援したい」
このように思われた方は、ぜひアンケートに回答して頂けないでしょうか?
あなたのご支援が、被災地の命に、そして笑顔につながります。
\いますぐアンケートに答えて、被災地の人々を支援する/
https://peace-winds.org/about/report
※情報提供:認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン