「はい、じゃあ今日の宿題を集めます!」
私の声に、2年1組の子どもたちがわっと駆け寄ってきます。
元気な挨拶と、ノートの束。
この、騒がしくも愛おしい日常が、私の宝物です。
でも、その輪の中に入っていない女の子が一人。
教室の少し後ろの席で、いつも窓の外を見ているような、小さな背中。彼女の机に、宿題のノートが置かれたことは、ほとんどありません。
「アンちゃん、宿題、難しかったかな?」
声をかけても、こくりと頷くだけ。
クラスメイトと話すことも少なく、休み時間はいつも一人で絵を描いている。彼女の周りだけ、時間がゆっくり流れているようでした。
35人の子どもたち。一人ひとり、全員が大切です。
でも、日々の授業、山のような採点、保護者対応に追われる中で、どうしても一人にかけられる時間は限られてしまう。
教壇から見えるあの子の小さなSOSに気づいていながら、踏み込めない自分が、いつももどかしく、不甲斐なかったのです。
「もっと、何かできるはずなのに」。無力な理想と、多忙な現実
アンちゃんのお母さんとお話ししたのは、夏のはじまり、個人面談の時でした。
外国にルーツを持つお母さんは、一生懸命に、たどたどしい日本語で話してくれました。
「娘の勉強、見てやりたいけど、私も日本語苦手で…ごめんなさい」
そう言って、何度も頭を下げるのです。
お母さんは普段は仕事で家を空けている時間も多く、アンちゃんとの時間もあまり取れていないこと。
経済的に厳しいために、塾などには通わせてあげられないこと。
アンちゃんのこと心配しているけど、どうしたらいいかわからない…とお話されました。
家庭の事情は、決してご家族のせいではありません。
お母さんが謝ることでもありません。
けれど、学校という場所で、私一人ができることには限界がありました。
放課後、アンちゃんのためだけに時間を取ってあげたい。
分かるまで、隣でじっくり教えてあげたい。
そんな理想とは裏腹に、現実は会議や事務作業に追われ、気づけば外は真っ暗。
教室の電気を一人消しながら、「今日も、あの子とちゃんと話せなかったな…」と自分を責める。
そんな日々の繰り返しでした。
学校の外にあった、一本の「命綱」
「佐藤先生、一人で抱え込まないでください」
途方に暮れていた私に、そう声をかけてくれたのは、地域の学校を巡回しているスクールソーシャルワーカーの方でした。
そして、一枚のパンフレットを差し出してくれたのです。
「Learning for All という居場所拠点が学校の近くにあります。ここでは、アンちゃんのように家庭に困難がある子たちのことを、ひとりひとり寄り添って見てくれるんです」
まさに、暗闇の中で見つけた一筋の光でした。
大学生ボランティアさんが勉強を個別でみてくれること
みんなで食卓を囲み、手作りの温かい夕飯を食べられること
生活習慣についても、必要な子にはしっかりと教えてくれること
いずれも経済的に厳しいご家庭には無料で提供していること
どれをとっても、今のアンちゃんにとって必要なことのように感じました。
私はすぐにアンちゃんのお母さんに連絡し、Learning for All(以下LFA)のことを伝えました。
最初は不安そうだったお母さんも、「学校とは違う、アンちゃんのペースに合わせてくれる場所」だと説明すると、少しだけ表情が和らいだように見えました。
数日後、お母さんから「LFAに通い始めました」と連絡があった時、私は心の底から「よかった」と呟いていました。
それは、私自身が救われたような気持ちがあったからなのかもしれません。
新しい居場所で得た自信と笑顔
変化は、思った以上に早く現れました。
夏休みが明けた新学期がはじまってしばらくした頃でした。
いつものように宿題を集めていると、アンちゃんが、おずおずと一冊のノートを差し出したのです。中を開くと、たどたどしくも、一生懸命に書かれた文字。ところどころ間違ってはいたけれど、すべての問題に挑戦した跡がありました。
「たくさん、がんばったね!」
私は、アンちゃんにそう声をかけてノートを返却しました。
うつむき加減ながら、どこか誇らしそうにも見えました。
授業中、まだ手を挙げることはありません。でも、まっすぐにこちらを見て、私の話を聞いている。目が合うと、小さくこくんと頷いてくれる。
そして何より、休み時間に、クラスの子に話しかけている姿を見たのです。
「これね、LFAで教えてもらったんだ」 少し得意げに、でも恥ずかしそうに笑うアンちゃんの顔。あんな表情を、私は初めて見ました。
私がしてあげられなかったこと。学校だけでは届けることができなかったサポート。
LFAという場所が、彼女の自信を、未来を繋いでくれたのです。
あの子を一人ぼっちにしなかった。その事実が、教師として、これほど嬉しいことはありませんでした。
※本エピソードは、複数のエピソードを元に、再構成して作成しております
教壇と子どもからのSOS。子どもたちの未来を、一緒に支えてください
たとえば、アンちゃんのように、何かをきっかけに自分の居場所を見つけ前に進めている子がいる一方で、今この瞬間も、声にならないSOSを発している子どもたちがまだまだたくさんいます。
先生方も、全力で子どもたちと向き合っています。
ですが、今は先生方も働き方などが時代と共に変わっており、対応しきれていないのもまた事実です。
家庭と学校だけが子育てを担うのではなく、地域や民間団体でサポートしてくことが今求められているのではないでしょうか。
地域の中に、LFAのような温かい眼差しと、安心できる居場所があることが、どれほど子どもたちや子どもたちを取り巻く環境にとって救いとなるか。
街で見かける小さなアンちゃんのような子どもたちに、直接手を伸ばすことは難しいかもしれませんが、子どもたちの安心できる居場所を守っていくために、応援できる方法はあります。
まずは、今すぐにできる「アンケートに回答するだけの無料支援」に参加してみませんか?
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※グッドゥ:gooddo株式会社(株式会社セプテーニ・ホールディングス/東京証券取引所 スタンダード市場 のグループ会社)
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一人でも多くの人に寄付や支援という形でLearning for All の活動を応援していただき、困っている子どもたちに温かい手を差し伸べていただけると嬉しいです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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※情報提供:NPO法人Learning for All