広がりを見せる『こども食堂』ってどんな場所?
2024年12月現在、『こども食堂』は10,867箇所以上。※2012年の統計以来増え続け、新型コロナウィルスの感染拡大がはじまった2019年からの5年間では6,000箇所以上も増えました。
※2018年度以降は認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ、および地域ネットワーク団体調べ、2016年は朝日新聞調べ
こども食堂とは、民間によって運営されており、無料もしくは低額で利用できる食事提供を行う場です。
その呼び名から子どもだけが行く場所と思われる方も多いでしょう。
また、子どもの中でも特に経済的、家庭環境に困難を抱えている子が行く場所と思われる方も多いかもしれません。
しかし、多くのこども食堂は特別な条件は設けておらず小さい子から高齢者までが訪れることのできる「誰が来てもいい」場になっています。
また食事だけの提供に留まらず、イベントを行うなど地域の交流の場でもあります。
全国のこども食堂の運営をささえる団体が行った調査結果 (こども食堂の現状&困りごとアンケート/第1回全国こども食堂実態調査集計結果)を元に、こども食堂の現実の姿、課題、なぜ多くの人に必要とされているのかを掘り下げていきます。
まず、各こども食堂が開設した年度を見てみましょう。
※出典: こども食堂の現状&困りごとアンケート
調査を開始した2012年以降、特に2016年以降増えていることがわかります。
コロナ禍に入り社会全体でイベント中止やさまざまな施設の営業停止、閉店などが相次ぐ中でも増え続け、特に2021年は調査開始後もっとも多くのこ ども食堂が開設されました。
少子高齢化が進み、核家族、単身世帯が増え続ける日本。
こども食堂がこれだけ増えているのは、ご近所付き合いが薄れている昨今において、改めて、かつては地域の中で自然にあった「人とのつながり」が求められていることの現れなのかもしれません。
どんな人がこども食堂の運営をしている?
こども食堂は、多くが民間のボランティアによって運営されています。
運営をはじめるきっかけや、開催日や時間など運営の形態も実にさまざまです。
10,867箇所のこども食堂があれば、10,867通りの運営者の思いがそこにはあります。また、開催頻度も月1回、2週間に1回程度のこども食堂が70%以上で、本業などの合間などに開催している場合が多いようです。
運営者の方に伺った、こども食堂開催の目的は以下のようなものです。
- ・子どもの食事提供 88.4%
- ・子どもの居場所づくり 83.7%
- ・ひとり親家庭の支援 59.6%
- ・多世代交流 57.5%
- ・地域づくり/まちづくり 56.4%
※複数回答可
以前の日本では、ご近所の大きなお兄さんお姉さん、おじさんおばさんと遊んだりお世話になったり…よそのおうちで食卓を囲むという光景も多かったはずです。
けれど現代の子どもたちは親戚でもいない限り、中高生や大学生と触れ合う機会はなかなかありません。
公園でも禁止事項が多くなり、誰にも怒られず自由に遊べる場所も減っています。
核家族であれば、ご飯を両親以外と食べることも少ないでしょう。
実は大人の私たちも同じで、近所の見知らぬ子どもとは、あいさつを交わす機会さえなかなかありません。
さまざまな環境にいる方たちを、地域をまるごと包み込むような場所、それがこども食堂の本来の姿なのではないでしょうか。
「ただの食事の場」ではなく、子ども達の大切な居場所に
とはいえ、こども食堂のすべてが安定して運営できているわけではありませ ん。
特に、生活に困難を抱える家庭の子どもたちが安心して通える居場所づくり には、多くの工夫と支えが必要です。
そこで、認定NPO法人Learning for All (LFA)では、子どもたちの孤立を防ぎ、地域の中に「安心できる居場所」を作るために、こども食堂の運営をしています。
LFAが大切にしているのは、「子どもたちが主役になれる場所」であること。
ここでは、小学生・中学生が一人で、あるいはきょうだいでふらっと訪れます。
「今日、家に帰っても一人」
「家には食べるものがない」
そんな子どもたちが、あたたかいごはんを食べられる場所。
保護者の付き添いは基本的になく、子どもたち自身が主役になれる時間です。
そして、子どもたちと一緒にご飯を食べ、遊び、話を聞いてくれるのは、地域の大学生ボランティア。
お兄さん・お姉さんのような存在がそばにいることで、子どもたちは自然と 心を開き、学校や家庭では話せないこともポツリとこぼしてくれることがあります。
かつては、近所に「誰かが見てくれている」、「一緒にごはんを食べられる」場所がありました。
しかし今、そんな当たり前の光景は失われ、子どもたちは見えない孤独を抱えています。
LFAのこども食堂は、「誰かが自分を気にかけてくれる」そんな体験ができる、かけがえのない場所です。
困難を抱える家庭の子どもたちに「学びの機会」を届ける
家庭の経済的な事情や環境によって、十分な学習の機会が得られない子どもたちがいます。
「わからないまま授業が進んでしまう」「誰にも相談できない」――そんな声も少なくありません。
LFAでは、そうした子どもたちに無料の学習支援教室を運営し、寄り添っています。
ここでも中心となるのは、地域の大学生ボランティア。
子どもたち一人ひとりの学びに合わせ、時にはマンツーマンで勉強をサポートします。
- ・学校の授業についていけるようになった
- ・勉強が楽しいと思えるようになった
- ・将来の夢を持てるようになった
そんな変化が、少しずつ子どもたちの中に生まれています。
LFAの活動の根底にあるのは、子どもの貧困問題を「今だけ」ではなく「未来まで」解決していくという思いです。
こども食堂や学習支援のほかにも、保護者への相談支援や地域との連携を通じて、子どもたちの生活全体を支える取り組みを行っています。
子どもたちが「今」を安心して過ごせる場所があり、「未来」に希望を持って進んでいける力を育む。
そのためには、地域の力、そして皆さまからの継続的な応援が必要です。
「こども食堂の日は、おなかいっぱい食べられるから嬉しい」
「勉強がわかるようになって、将来の夢ができた」
「ここに来ると、自分のことを気にかけてくれる人がいるって思える」
そんな子どもたちの声が、活動の原動力です。
「ちゃんとご飯がある」「勉強を見てもらえる」「誰かが見守ってくれている」――その積み重ねが、子どもたちの未来を変えていきます。
LFAは、「食」と「学び」の両面から、子どもたちの安心できる居場所を守り、未来を支える力を育てています。
【莉子ちゃんの物語】小さなお母さんの本当の気持ち
現在も、厳しい家庭環境に置かれた子どもたちを支援するこども食堂や居場所拠点を運営するLFA。
そんな子どもたちの中のひとりについて、LFAのスタッフが教えてくれました。
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莉子ちゃん(仮名)は、8歳になったばかりの明るく元気な小学2年生。
お母さんと、5歳の弟の3人暮らしです。
お母さんは仕事のため、莉子ちゃんの登校時間よりも早く家を出ていきます。
また一度家に帰ってからまた別の仕事場へ行くこともあり、夜は弟とふたりきりで過ごすことも少なくありません。
お母さんの仕事はどちらもパートのため、掛け持ちしているものの決して余裕のある暮らしではありません。
朝は、いつも自分で起きて身支度を整えます。
朝ごはんはキッチンに置いてある半分に切ってある食パンを1枚だけ食べます。
弟は保育園に行っているため、朝は一人きりで家の中はシーンと静まり返っています。
食器を洗ったり、洗濯物を畳んだりして、8時になると小学校へ向かいます。
お母さんから頼まれているわけではありませんが、「莉子は小さなお母さんみたいね」と褒めてもらって以来、莉子ちゃんにとっては大切なお手伝いとなりました。
学校では、明るく元気な莉子ちゃんは、いつも友だちに囲まれています。
休み時間には一緒に鬼ごっこしたり、教室の中で絵を書いたり…。
しかし、莉子ちゃんにとって悲しい時間があります。
それはお友だちが「お休みの日、パパと映画を観に行ったの」「アニメのキャラクターの文房具、買ってもらったんだ」といった話をするとき。
今まで莉子ちゃんは映画館に行ったことはありません。
キャラクターの文房具は、自分が欲しいと思ったものを買ってもらったことはありません。
いつもお母さんが一生懸命家計をやりくりしていることを、幼いながらも分かってきた莉子ちゃんは、小学生になってからは「あれを買って」「これが欲しい」とお母さんに言うことがなくなりました。
お友だちの話を聞きながら、笑顔で相槌を打つ…それが莉子ちゃんの精一杯です。
4時過ぎに学童から家に着くと、ちょうどお母さんが弟と保育園から帰ってきたところでした。
けれど、お母さんはまたすぐに仕事のために家を出てしまいます。
お母さんのいない夜ご飯は、だいたいうどんです。
お母さんがスープを用意してくれていて、温めてうどんを入れるだけ。
すると今日は弟が「何かもっと入れたい!」と言い出しました。
莉子ちゃんは、弟を連れて近くのスーパーへ買い出しに出かけました。
お母さんから預かっているお金を握りしめて…。
けれど実際にスーパーに着くと、うどんに何を入れたらいいのか、わからなくなってしまいました。
野菜は包丁を使わないといけない…勝手に使ってケガしたら怒られちゃう…
お肉は火を使わないといけない…火はもっと怖い…
夕方のスーパーはたくさんの人が急ぎ足でどんどんと進んでいきます。
莉子ちゃんは、急に心細くなり、弟の手をひっぱって何も買わずに家に帰りました。
冷蔵庫をのぞいたら、卵がありました。
一個だけなら、、と弟のうどんにだけ卵を入れてあげました。
「ねぇねは入れないの?」と弟に聞かれると「うん!だって莉子は小さなお母さんだからね!」と答えました。
お母さんもよく、子どもたちにだけご飯の量を増やしたり、品数を増やしてくれたりしていることに、莉子ちゃんは気づいていました。
お友だちと同じようにどこかへお出かけしたり、何かを買ってもらったり、習いごとをしてみたりしたい。
口には出さないけれど、これも莉子ちゃんの本当の気持ちです。
けれど、それよりも…
「お母さんともっと一緒にいたい。お母さんの作ったご飯を、お母さんと弟と一緒に食べたい」
これが、小さなお母さん、莉子ちゃんの一番の願いです。
莉子ちゃんたちの元に差し込む光…温かさにあふれた出会いとは
ある日、莉子ちゃんはスクールソーシャルワーカー※から「Learning for All (LFA)」という団体が運営している「居場所拠点」の存在を教えてもらいました。
※問題を抱える児童・生徒を取り巻く環境へ働きかけたり、関係機関等との連携・調整を行ったりする人
食事提供や学習支援を無償でしてくれるというので、お母さんに連れて行ってもらい弟と一緒に見学にいくことにしました。
「居場所拠点」に着くと、優しいお兄さんやお姉さんたちが待っていました。
学校の勉強で分からないところを丁寧に教えてくれます。
いっぱい遊んでくれます。
そして、提供される食事を姉弟ふたりだけでなく、たくさんの人と笑いながら食べることが何よりも楽しい時間でした。
すっかり「居場所拠点」を気に入った莉子ちゃんたち。
通っていくうちに、莉子ちゃんたちにとって、第二の家のような温かい場所となりました。
ある時、お母さんがお布団の中で莉子ちゃんにこっそり話しかけてきました。
「莉子、いつもありがとう。お母さんすごく助かってる。でも、莉子も、もっと甘えていいんだよ。頑張らなくっても大丈夫だよ。」
その言葉に、思わず涙が溢れてきた莉子ちゃん。
その日は、久しぶりにお母さんにぎゅっと抱きつきながら眠りました。
実は、「居場所拠点」はお母さんに対してもフォローがあったのです。
「何か困っていることはありませんか?」誰かに親身になってもらうなんて、久しぶりの経験でした。
また莉子ちゃんの本音を、それとなく伝えてくれていました。
なんでも自分で行動してくれ、手伝いもしてくれ、あまりわがままも言わないしっかり者の莉子ちゃんが、まだ小学2年生の小さな女の子であることを忘れかけてしまっていたことに気づいたお母さん。
女手一つで子育て、日々仕事に追われ、子どもたちに何もしてあげられていない…そんな罪悪感でいっぱいだったお母さんにとっても「居場所拠点」は心の中の温かい光となっています。
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私たちの周りには、さまざまな困難を抱えながらも、日々を懸命に生きる子どもたちがいます。
彼女は、8歳の小学2年生で、家族を支えるために小さなお母さんの役割を果たしていました。
莉子ちゃんの心の中には、どんな思いが渦巻いていたのでしょうか。
30秒で終わる「Learning for All 」の活動に関するアンケートに答えて、無料でできる支援に参加しよう!
生まれ育った環境や与えられた教育など、様々な環境の差で子どもたちの人生の可能性が左右されている…反対に生まれ育った環境が厳しいものだったとしても、教育など様々なサポートがあれば、子どもたちの未来は変わる可能性があるともいえます。
私たちがこうしている、まさに今、子どもたちは多くの困難を抱え苦しんでいます。
そんな子どもたちに学習支援だけでなく、居場所づくり、食事支援や保護者支援など包括的なサポートを行っているLearning for All 。
このような活動を応援し子どもたちを支えることが、あなたにもすぐにできます。
それは、Learning for All の活動に関する3問のアンケートに回答するだけ。

\かんたん3問!たったの30秒!/
今なら、30秒で終わる3問のアンケートに答えていただくだけで、10円の支援金をLeaning for All さんに届けることができます。
支援にかかる費用は、サポーター企業であるgooddo(※)が負担するため、あなたには一切費用はかからず個人情報なども必要ありません!
※gooddo株式会社は、株式会社セプテーニ・ホールディングス(東京証券取引所 スタンダード市場)のグループ会社
2025年3月末時点で、なんと36万人を超える方が無料支援に参加してくださり、360万円以上の支援金をLeaning for All さんにお届けできています!

全国には「今この瞬間」困っている子どもがたくさんいます。Learning for All は、活動を通じてその子たちとたくさん繋がっています。しかし、私たちだけでその子たちを支えるのは難しいです。
一人でも多くの人に寄付や支援という形でLearning for All の活動を応援していただき、困っている子どもたちに温かい手を差し伸べていただけると嬉しいです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
「困難を抱える子どもたちのために何かしたい!」
「子どもたちを支える現場の声をしっかり国に届けてほしい!」
このように思われた方は、ぜひアンケートに回答して無料支援に参加してみませんか?
あなたのご支援が、苦しんでいる子どもたちの未来を変える力となります。
\かんたん3問!たったの30秒!/
※情報提供:NPO法人Learning for All