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あかりさん(仮名)は、19歳の誕生日を今日迎えたばかりです。
コンビニで買った一切れのケーキを口にすると、思わず涙がこぼれ落ちました。
……………
あかりさんは7歳の頃、児童養護施設に入所しました。
お菓子やカップ麺、菓子パンが主食でしたが、それも1日1食か2食。
掃除や洗濯物を畳むのはあかりさんの仕事。
物心ついたころから、家の中にあかりさんがひとりでいる時間が長くなっていました。
いわゆるネグレクト状態だったあかりさん。
小学生になると給食だけという日が増え、見るからに栄養不足の状態に…。
ある日、連絡もなく、学校へ登校してこないことを心配した担任の先生が倒れているあかりさんを発見し、警察に保護、栄養失調のため緊急入院し、児童相談所の一時保護を経て、児童養護施設に入所することになったのです。
今まで見たことのない光景と経験を重ねたあかりさんは…
児童養護施設に入ったあかりさんは、その人数の多さや賑やかさに驚きました。
いつも家でひとりぼっちでいたあかりさんにとって、「いつも誰かと一緒にいる」ということが、こんなにも温かい気持ちになるのだと、それが最初の印象でした。
もちろん子どもの数が多いので、ケンカも絶えませんでした。
ひとつのものを何人かで共有しなければいけないので、自分だけのものも決して多くはありません。
けれど、今までのあかりさんの生活からすると何もかもが新鮮でありがたいもの。
何よりも、毎日あたたかい食事をみんなで朝晩食べられることが幸せでした。
最初は少しずつしか食べられなかったあかりさんですが、そのうち「お代わり!」の声が一番に響くようになりました。
同じような境遇だからこそ、分かり合える友だちにも出会えました。
学年は1つ上のえみさん(仮名)とは姉妹のような親友となりました。
ふたりで楽しいことも悲しいことも一緒に乗り越えていきました。
しかし、えみさんが18歳になるとその関係が終わってしまったのです。
あかりさんたちのいる児童養護施設は、18歳の3月には退所し卒業していきます。
卒業した後も仲良くいられると思っていたあかりさんですが、徐々に連絡が取れなくなっていきました。
職員さんにも聞いてみることにしました。
「えみ?施設にも連絡は来てないね。でも前に連絡着た時には新しい友だちもできたって楽しそうだったから…元気にしているといいんだけど」
そう言われたらそうなのかな?と思いそれ以上は聞くことができませんでした。
「あかりも来年は卒業かぁ」
いつも忙しくしながらも自分たちを気にかけてくれる職員さんのその言葉に、あかりさんも寂しさが募りはじめました。
「ひとりでがんばらないと」追い詰められていく日々
そして、ついにあかりさんも児童養護施設を巣立つ日がやってきました。
職員さんや後輩たちと抱き合い、時に涙を流しながら別れを惜しみました。
「今日から私は、ひとりで頑張らなきゃ…しっかりしなきゃ…」
あかりさんは自分にそう言い聞かせました。
反抗もしたことがあるけれど、今まで職員さんに助けてもらうばかりだったからこそ、ひとりでも生きていけるような、そんな大人になりたいという想いが強かったのです。
建設会社の事務員として働くことになったあかりさん。
男性だらけの仕事場で、事務員もかなり年上の女性がひとりいるだけ。
仕事中に気軽に話すような人もおらず、ほとんど何も話さず一日過ごしていました。
高卒でのお給料は決して多いとは言えません。
アパート代や光熱費などを支払うと、残りはわずかです。
ひとり分の自炊は、どうしても材料が余ってしまうなどうまくいきません。
仕事で疲れてしまうと、作る気持ちがなくなり最近はカップ麺や菓子パンなどでやり過ごすことが増えてきました。
「なんか…昔に戻ったみたい」
あかりさんはもう記憶もおぼろげなはずの、児童養護施設に入る前の日々を思い出すようになりました。
何人もの子どもたち、職員さんたちで囲んでいた食卓が恋しくなりました。
けれど…「職員さんに迷惑かけたらいけない…もう大人なんだから」あかりさんは施設への連絡をためらいました。
幸いにも職場の人たちは自分が児童養護施設の出身であることを理解してくれ優しく接してくれています。
けれど、あかりさん自身が負い目や壁を感じてしまい本音が話せません。
コミュニケーション不足からか、仕事でもミスが多くなってしまい仕事が続けられるのか不安でたまりません。
12月に入ると、あかりさんの19歳の誕生日がやってきました。
休日で仕事はありません。
今は親がどこで何をしているのかも知らず、会いたいとも思いませんが、「自分には家族と呼べる存在がいないんだな」と思うと、胸が締め付けられます。
あかりさんにとっては児童養護施設が実家のようなものでしたが、退所してしまうとなんだか遠く感じてしまいました。えみさんも音信不通のままです。
ご飯を買おうとコンビニへ行くと、ショートケーキが一切れ売っているのが目に入りました。300円以上もしたので、節約のためにご飯は買わずにケーキだけ買って帰ったあかりさん。
施設にいた時には、ケーキよりも何よりも、みんなの「おめでとう!」が嬉しかったことを思い出しました。自分が生まれてきても良かったのかもと思わせてくれる瞬間でした。
そうしてケーキを一口食べて涙を流したあかりさんは、「もう、頑張れないかも…」限界を感じはじめたのです。
「つながりがある、居場所がある」あかりさんに訪れた出会い
ある時、あかりさんの携帯電話に児童養護施設から着信がありました。
「あかり!元気にしてる?ちょっと手伝いが必要で…来てくれないかな?」
あかりさんは自分が少しでも役に立てるなら…と、施設へ顔を出すことになりました。
相変わらず施設はたくさんの子どもたちで賑やかな様子、職員さんたちも忙しそうです。
子どもたちの話に耳を傾けたり、一緒にカードゲームで遊んだり、食事の配膳を手伝ったり…あかりさんは昔を懐かしむように子どもたちと少しの時間を過ごしました。
ほっと一息ついたころ、職員さんが今のあかりさんの状況についてさりげなく聞いてくれました。
今までは相手との距離感をつかむことが難しく、誰にも話せなかったことを、ぽつりぽつりと職員さんに打ち明けるあかりさん。
「大丈夫、あかりはもう十分がんばってるよ。ここにも手伝いに来てくれて本当に助かった。ありがとう。」
そう言われ、これまで我慢していた不安やさみしさが溢れ涙がこぼれました。
ひとりで頑張らなくてもいいのかも…と少し思えた瞬間でした。
さらに職員さんは、あかりさんにとあるアフターケア団体の存在を教えてくれました。
この団体では、児童養護施設を出た若者たちの生活に必要不可欠な「居(※居場所)・食・住」のサポートを提供していると言うのです。
あかりさんはさっそく、そのアフターケア団体に連絡をしてみました。
あかりさんと似た経験を持つ若者が集うユースサロンがあると聞き、勇気を出して参加してみることに…。
温かく受け入れてくれるスタッフや参加メンバーの力を借りながら、少しずつ打ち解けていきました。
すると…ずっと音信不通だったえみさんとサロンで再会することができたのです。
最初は久しぶりの再会にぎこちないふたりでしたが、何度かサロン内で会ううちにえみさんはこれまでのことを話してくれました。
アルバイトでの生活が苦しく、少し借金をしてしまったというえみさん。
しかし、次第にその借金が膨らんでしまい…どうしていいか、誰にも相談できずにいたそうです。そして、そんな自分への自己嫌悪からあかりさんとの連絡を絶っていたというのです。
同じように施設の職員さんからの連絡があったものの、申し訳なさから何度も断っていたそうですが、やはりもう一度がんばりたいという想いからアフターケア団体が所有するシェアハウスで、共同生活して再スタートをはじめたばかりだったようです。
あかりさんもえみさんも、虐待の苦しさはそれぞれにまだ心の奥底に残っています。
それでも、人とのつながりがあることがどれだけ救いになるかということを改めて感じることができています。
このような若者にとって児童養護施設だけでなく頼る支援機関があること、相談できる、つながり続ける居場所があることを知ることは大きな心の支えになっているのです。
全国にあるアフターケア団体をつながりあるものに
※アフターケア団体とのミーティング(提供:認定NPO法人かものはしプロジェクト)
児童養護施設では目の前の子どもたちの対応に集中しており、退所した若者たちへのサポートをしたくてもなかなか手が回らない状況です。
そして若者たちへのアフターケアをする団体も数が少なく、現場での対応で精一杯…。
児童養護施設は公的なサポートがある程度整っているものの、アフターケア団体への行政からの委託費は潤沢ではないことも多く、重い相談にも少ない人数で対応し、ぎりぎりの状態で運営していることもあります。
各団体ごとに持っているノウハウを共有する機会もあまりありません。
少ない職員での対応に加え、各都道府県に1ヶ所という体制も少なくなく、存在しない自治体さえもあるのです。
そんな孤軍奮闘する全国各地のアフターケア団体をつなぎ、底上げしていく活動をしているネットワーク組織と協働して、児童養護施設等を巣立つ若者たちへの支援の充実化をめざしているのが認定NPO法人かものはしプロジェクトです。
元々は海外の人身売買の課題解決のために活動をしていたかものはしプロジェクトですが、日本国内でも、こどもや若者たちの尊厳が傷つけられていることに心を痛め、何か支援ができないかと2019年から日本での活動を開始しました。
さまざまな現場に足を運び、アフターケア団体などに実情をヒアリングしていく中、かものはしプロジェクトもアフターケア事業を展開するべきなのでは?といった構想もありました。
しかし、とあるアフターケア団体との相談の中で、
「政策提言や資金支援など、中間支援ができる人が不足している。現場は現場に集中できるように、その役割を担う人が必要で、ぜひかものはしプロジェクトにお願いしたい」
という言葉をいただき、今後の事業方針を決定する上での礎となったのです。
かものはしプロジェクトは、アフターケア団体が現場に集中できるよう、ネットワーク組織の事務局を担ったり、また全国の団体同士の交流や学び合いを促進しています。そして現場の声を拾い上げ、国や自治体へ届け、制度づくりをめざしていきます。
もちろん、かものはしプロジェクトが主体となって活動をしているわけではありません。全国各地のアフターケア団体の現場での活動があり、手が回らない部分を担うことで現場を応援し、結果として若者たちが「生まれてきて良かった」と思えるような社会をつくっていきたいと願っています。
こどもや若者たちが人とのつながりが必要不可欠なように、彼らを支える大人たちにもつながりがあることでより大きな力となるはずです。
海外で活動してきた「かものはしプロジェクト」が、日本でも子どもたちの尊厳を守る活動へ
認定NPO法人かものはしプロジェクトは、これまで主に海外で「売られる子どもをなくしたい」という想いで、人身売買問題に対し様々な活動をしてきました。
活動のきっかけは、創業者のひとりが大学生の時に「家族のために出稼ぎに出ていた少女が、人身売買によって売春宿へ売られ20歳の若さでエイズによって亡くなった」という現実を知ったこと。
実際に途上国の人身売買被害者の保護施設を訪れ、出会った12歳と6歳の姉妹。幼い少女までもが強制的に客を取らされ、保護されても後遺症によって苦しむ現実を知ったこと。
「こんな状況は変えなくてはならない」
強い想いをもって、2002年にかものはしプロジェクトは発足しました。
<カンボジア>
かものはしプロジェクトは、カンボジアでの根本的な問題解決を目指し、「警察支援」と「工房運営」のふたつを主な事業として行いました。
警察官への研修を他の国際機関等と協同して行い、子どもを売り買いする売春宿や仲介者を摘発、取り締まりを強化。
また、貧困家庭の家計を安定させるために雑貨や鞄をつくる工房を運営。
そうすることで、子どもたちは出稼ぎにでる必要がなくなり、また学校へ通うこともできるようになりました。
さまざまな関係機関の取り組みの結果、性犯罪の加害者の逮捕件数が大幅に増加。
カンボジアでは「子どもの売られる問題が解決した」と言えるまでになりました。
<インド>
インドで人身売買から子どもや女性たちを守るために活動しています。
現地パートナー団体などと協力し、裁判支援や法整備への働きかけ、被害者補償金受取のサポートなど行い、被害者が自立していくための支援を行っています。
事業開始時と比較すると10~20倍ほどの補償金の支払が認められるようになりました。
地道な活動が社会を変える力になる
カンボジアで活動をはじめた当初「子どもの売られる問題をなくすなんて、そんなことできるはずがない」といったネガティブな言葉をかけられることも多かったかものはしプロジェクト。
しかし、地道に活動をつづけていく中で「みんなの力を合わせれば、社会は変えられる」ということを確信していきました。
「子どもが、理不尽な暴力にさらされて、尊厳が踏みにじられているのは、インドも日本も同じ」
「海外でも日本でも、暴力や虐待に苦しむ子どもをなくしたい」
このような想いをもって、かものはしプロジェクトでは2019年から日本での児童虐待への取り組みを開始したのです。
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情報提供:認定NPO法人かものはしプロジェクト