妊娠や出産のリスクというのは、現在の日本においても存在します。
しかし数字で見ると日本の妊産婦死亡率は出生10万人あたり5人である一方、途上国の一つ、今も紛争や対立が続き内政が不安定なアフガニスタンにおいては妊産婦死亡率が日本の約155倍(※1)、さらに5歳未満児死亡率は日本の約30倍の18人に1人(※2)という状況で、まさに命がけの出産や育児が行われている現実がそこにはありました。
※1 Trends in Maternal Mortality: 1990 to 2020, WHO et al., 2023
※2 ユニセフ『世界子供白書2023』
貧しさと不安・孤独の中での出産、そして…
アフガニスタンに住むミーナさんは、3人の幼い子どもの母親です。
7年前から薬物中毒の夫は、現在更生施設に入っているため、1人で子どもの面倒を見なければなりません。
住む家がなかったので、給料の代わりに住み込ませてもらう条件で親戚の家で家政婦として働いていました。
3人目の子どもを出産したのはそんな状況の中でした。何とか出産を終えたものの、生まれたばかりの赤ちゃんはへその緒から細菌が入ってしまい、感染症にかかってしまったのです。
もう一人の女性サラさんも、出産時の状況は深刻でした。
イランでアフガン難民の夫と結婚しアフガニスタンに移住してきたのですが、夫が職を失い生活は苦しいものでした。
猛暑にもかかわらず、住む家も電気も水もないのです。そんな最悪な状況で妊娠していることがわかりました。
なんとか夫の親戚の家に身を寄せられることになり、帝王切開で女の子を出産することが出来ました。
しかし、生まれた赤ちゃんはぐったりとして元気がありません。サラさん自身もまた、産後に貧血を発症しており、体調がすぐれなかったといいます。しかも言葉が通じない場所であったため、誰にも相談が出来ませんでした。
このような状況下で、すぐに病院へ行くことが出来ない不安をあなたは想像できるでしょうか?
格差社会の一番の被害者は、弱い立場である女性たち
このようにアフガニスタンでは、住むところもない貧しく不安定な暮らしをしている人々が多くいます。
さらに2021年8月にタリバンによる政変が起き、国際社会から経済制裁を受けており、貧困は悪化の一途をたどっています。そのような状況で影響をまず受けてしまうのが弱い立場にいる女性なのです。
すべての人は、自分の意思で人生を選択し、決定する権利を持っています。当然女性たちもすべて。
しかしここでは成人女性は様々な制約を余儀なくされ、外で働くことはもちろん外出さえも簡単にはできません。シングルマザーになってしまった場合や、ミーナさんやサラさんのように夫の職がない場合には、収入源がどこにもない状態なのです。
また、宗教や慣習によって、成人女性は男性に肌を見せられず、男性スタッフしかいない医療機関では診察を受けることすら出来ません。
このような「女性であるがゆえ」の女性の生きづらさを生み出す格差は、女性の命や健康を脅かし、教育などの様々な機会を奪っています。
ミーナさんやサラさんのように、途上国の多くの女性が不安と孤独を抱えたまま命がけの妊娠や出産に立ち向かわなければならないのは、ジェンダー格差をはじめとした経済格差、教育格差、医療格差などが背景にあるのです。
ミーナさんが出会った「母子保健クリニック」とは?
ミーナさんとサラさんが置かれた深刻な事態を救ったのは、国際協力NGOジョイセフが支援している「母子保健クリニック」の存在でした。
このクリニックでは、プロジェクト地域の延べ10万人の妊産婦と女性、子どもたちに対して、保健医療サービスと産前・産後ケア、出産介助、避妊薬や避妊具の提供、個別カウンセリングなど母子保健に関連したサービスを提供しています。
女性スタッフを中心にサービスを提供し、保健省の方針に基づき、診療や医薬品の処方、予防接種を無償で行っています。
このクリニックの存在により、彼女たちをはじめ同じ境遇にある女性や乳幼児が安心して診察を受けられるようになりました。
「子どもが診察を受けられ、薬をもらえて安心しました。先生も大丈夫と言ってくれました。このクリニックがこの地域にあって本当によかったです。私のような生活が苦しい女性や子どもたちのためにこれからも活動を続けてほしいです。」
感染症にかかった子どももこのクリニックがあったおかげで助かることが出来、ミーナさんはこのように話しています。
サラさんも、次のように話しています。
「このクリニックは私の心の支えです。いつもここにくれば女性のスタッフが親切に相談に乗ってくれます。マラリアになった時も治療できましたし、マラリア予防の蚊帳も受け取りました。子どもも診てもらい、私の産後の貧血も治療してもらいました。」
今までは安心して診療を受けられる場所がなかったことがうかがえます。
収入のない彼女たちが置かれたこの状況において、もしこのクリニックがなかったら…ミーナさんの赤ちゃんやサラさん母娘はどうなってしまったのでしょうか。
「女性のいのちと健康を守る」ために活動をするジョイセフとは?
母子健康クリニックを支えるのが「女性のいのちと健康を守る」ために活動している日本生まれの国際協力NGOジョイセフです。
第二次世界大戦後の日本が実践してきた家族計画や母子保健の分野での経験やノウハウを途上国に移転してほしいという国際的な要望を受け、1968年に設立されました。
ジョイセフでは様々な格差によって弱い立場に置かれている女性のいのちと健康を守るために、持続可能な環境をつくることを目的としています。
すべての女性たちに「自分の意思が尊重され、自分の身体に関することを自分自身で決められる権利」があることを知ってもらい、
すべての女性が「身体的にも精神的にも社会的にも良好な状態である」ために、ミーナさんやサラさんを救った母子健康クリニックをはじめとし、アフガニスタン以外にもアジアやアフリカ44カ国で様々なプロジェクトを実施してきました。
国連との連携をはじめ、現地でも政府やNGO、地域住民とともに活動をしています。具体的には保健分野の人材養成や物資支援、生活向上支援などを行っており、プロジェクトが終了した後もサービスや支援活動が継続できるよう、地域の環境整備と保健ボランティアの人材養成にも力を入れています。
「ジョイセフ」の活動に関するアンケートに答えて、無料でできる支援に参加しよう!
ミーナさんやサラさんのように、日本では考えられないような不自由を強いられ、格差に苦しむ女性たちが世界には数多くいます。この格差は命をも脅かす「命の格差」と言えるでしょう。格差のない世界の実現を目指し「女性の命と健康を守る」ためにジョイセフは活動しています。
その活動は人々の寄付などの支援により支えられています。
今なら、ジョイセフの活動に関するアンケートに答えるだけで出来る支援があります!
30秒で終わる3問のアンケートにあなたが答えると、10円の支援金がジョイセフに届けられます。
その支援金は、サポーター企業であるgooddo株式会社(※)が負担するため、あなたに費用はかかりません!
※gooddo株式会社は、株式会社セプテーニ・ホールディングス(東京証券取引所JASDAQ市場上場)のグループ会社です。
『世界でがんばっている女性たちを応援したい』
『格差のある社会を変えたい!』
少しでもあなたがそう思ってくれるなら、アンケートに答えて支援に参加してみませんか?