あなたが今日捨てたペットボトルのゴミが、別の国の誰かの水や健康を害している?

私たちは日ごろプラスチック製品を多く利用しています。特にビニール袋やペットボトルなどは使用頻度も高い一方、ごみとして捨てられる量も多くなっています。

海に流れ出たプラスチックごみははるか遠くの海まで漂い、別の国の海辺に打ち上げられ、環境汚染につながっているかもしれません。
何気なく捨ててしまったごみが、遠くの誰かに影響を与えている可能性があるのです。

日本は世界第二位のプラスチックごみ輸出大国?!

環境保護と平和への取り組みを行う国際NGOグリーンピースが調査を行ったところ、日本はアメリカに次いで世界第2位のプラスチックごみ輸出大国であることがわかりました。

2018年の1~11月までに、プラスチックごみ排出の上位21カ国から輸出された量は、合計約580万トンにも及びます。これは、大きなゾウ約129万頭分の重さです。そのうち日本は15.3%を占めており、ごみの量に換算すると、日本だけで約89万トンものプラスチックごみを輸出している計算になります。

さて、ここであなたに質問です。この約89万トンものプラスチックごみは、どうやって処理されていると思いますか?

日本のプラスチックごみを受け入れてきたマレーシアの切実な訴えとは?

アメリカや日本から輸出されたプラスチックごみは東南アジアに運ばれます。
特にマレーシアには多くのプラスチックごみが届けられていますが、

など、最悪な方法で処分している廃棄場も多くあるんです。

環境汚染と健康被害 -ごみ量に耐えきれず起きてしまう現実-

上記のような処分方法によって、マレーシアの住人たちは重大な健康被害を訴えています。
あるところでは、プラスチックごみが屋外で燃やされて発生した煙と汚染物質によって呼吸器系の病気が発症しているなどの、近隣住民の健康被害が報告されています。

もちろん、マレーシアもこのような処理方法を望んで行っているのではありません。ごみ量が多すぎて、規定の方法では処理が間に合わないためこのような現実を引き起こすのです。

こうして、私たちがリサイクルされていると思い込んでいたプラスチックごみは、マレーシアのような開発途上国に送られ、誰かの健康を害したり街の土や水、空気を汚したりしているのです。

各国でごみの輸入が禁止に。私たちが出すプラスチックごみはどうなる?

これまでマレーシアでの現状をお伝えしてきましたが、2018年にマレーシアはごみの輸入を禁止する表明を出しました。つまり、私たちが出すプラスチックごみは「今後一切マレーシアで処理しません!」ということです。2020年1月には、マレーシアに不法輸入されたプラスチックごみを各国に返還したことがニュースとして取り上げられています。
その他、中国・マレーシアをはじめ東南アジア諸国を中心に、ごみの輸入規制が強化しています。


私たちはあなたのゴミ捨て場でない!と訴えるフィリピン市民

では、私たちが出すプラスチックごみはどこに運ばれるのでしょうか?
そんな考えで、ごみの受け入れ先を増やす・移すという対策を行っても、環境汚染や健康被害をたらい回しにし続けているに過ぎません。

私たちが本当に行うべきことは、プラスチックごみの行方を決めることではなく、プラスチックごみそのものの量を減らすことではないでしょうか。
プラスチックごみの処理を外国に押し付けるのではなく、まずは国内で処理できない分を削減するために動くことを選ぶのです。

この先確実に訪れるプラスチックごみの行き場がなくなる日。そうなる前に社会全体がするべきこととは?

一人ひとりが今すぐできることはたくさんあります。
プラスチックのストローを使わなかったり、エコバックを持ち歩きビニール袋をもらわなかったり。
しかし、「わたし一人の頑張りだけで変わる問題なのかな…」と疑問に思われる方々も当然いらっしゃると思います。

一人ひとりの行動や意識が変わることももちろん環境改善につながります。ですがやはり、プラスチックが身の回りにある環境のままでは、世界の環境をより良く、そして、人々が健康に暮らす世界を実現することは難しいですよね。

そんな今の状況をいち早く予測し、積極的な改善活動を行っている団体がありました。

プラスチックごみ問題を解決する「グリーンピース」の取り組みとは?

国際環境NGOグリーンピースは、プラスチックごみの問題に対し以下のような環境づくりができるよう、国・企業への提案を行っています。

  • パッケージのない量り売りのお店が身近に増える
  • 固形シャンプーやステンレスストロー、竹歯ブラシ等、プラスチックフリーの商品が豊富になる
  • スーパーで野菜やくだものなどのビニール包装がなくなる
  • いつでもどこでも水が補給できるマイボトル給水機が増える

そんなグリーンピースは、1971年の創設の老舗団体。世界55か国以上で活動し、一つの国だけでは解決が難しい“地球規模で起こる環境問題”に、グローバルで連携して解決に挑戦しています。海外での実績もさることながら、日本での活動も公式HPでたくさん紹介されています。
その成果は世界で認められ、ギャラップ社調査の「世界の非政府組織(NGO)評価ランキング」では国連機関、WHO、赤十字に次いで第6位にランクインしています。


© Gallup International Association

過去には、「松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)」、「アサヒビール株式会社」、ユニクロを展開する 「株式会社ファーストリテイリング」等といった名だたる企業とグリーンピースが協議したことで、環境にも人にも優しい、新しい商品開発の一歩を踏み出した成果もたくさんあります。

しかしプラスチックごみ問題を始め、世界で解決するべき深刻な問題については、継続的な調査や提案・活動資金が必要です。より広く、そして深く取り組み、課題解決するためにも一人でも多くの方のサポートを求めています。

「グリーンピース」の活動に関するアンケートに答えて、無料でできる支援に参加しよう

私たちがプラスチックごみの問題についてできることはたくさんあります。例えば先述したような日常生活の中で使用するプラスチックを減らすこともありますが、グリーンピースの活動を応援するために支援することも、その一つです。

方法は簡単、たった3問のアンケートに答えるだけです。あなたに負担はかかりません。
15秒程度で終わるたった3問のアンケートに答えるだけで、NGO支援サイトである「gooddo」からグリーンピースに10円の支援金が届けられます。

私たちが何気なく捨てているプラスチックごみが、どこかの国の環境を破壊しているかもしれません。 ほんの少しの時間を使い、環境問題に貢献してみませんか?