二週間にひとり・・・。生まれたばかりの赤ちゃんが虐待により命を落としている日本の現実とは?

テレビのニュースで見かけると、心が痛む赤ちゃんの虐待死のニュース。
日本では2週間に1人、生まれたばかりの赤ちゃんが命を落としています
そしてその多くは赤ちゃんを産んだ女性、つまり母親によるものなのです。
 
母親が自分の子どもを虐待し、殺してしまうほどの理由とは何なのでしょうか。
その背景には「望まない妊娠」や貧困、性犯罪の被害など様々な事情が隠れています。
 
赤ちゃんを虐待してしまうほど追い詰められている女性や、虐待で亡くなる赤ちゃんを救うために必要なことについて見てみましょう。

生後間もないわが子を自ら殺してしまう女性たちの境遇とは?


日本では、約7人に1人の子どもが貧困です。そして、国内の赤ちゃんが2週間に1人、遺棄・虐待死をしている現実があります。
 
それらの多くが赤ちゃんを産んだ母親によるもので、彼女たちは「予期しない妊娠/計画していない妊娠」という苦しみを抱えていることが多いのです。
 
さらに貧困や性犯罪の被害など様々な事情があり、悩みや苦しみ、不安を誰にも相談できない女性が多くいます。
 
彼女たちは家族や周りの人に相談できず自分だけで抱え込んでしまった結果孤立し、どうにもならなくなって子どもを虐待し殺してしまう…。
そんな現実が日本ではあります。

予期せぬ妊娠に悩む女性のための「にんしん・養子縁組相談」とは?


せっかく生まれてきた赤ちゃんの命を虐待から救うために、認定NPOフローレンスの赤ちゃん縁組事業では、無料相談窓口「にんしん・養子縁組相談」を運営しています。
 
この窓口に、予期せぬ妊娠をしてしまった女性たちが助けを求めて電話を掛けます。
 
「誰にも相談できない」
「どうすればいいのかわからない」
という女性たちの声に対し、相談者の気持ちに寄り添いながら、抱えている状況を整理できるように支援しているのです。
 
女性は母体保護法により妊娠22週をすぎると中絶することができないため、22週を過ぎて相談があった場合には、いずれにしても出産を迎えることになります。
 
フローレンスでは、カウンセリングと同時に母子の手帳取得や保険証を持っていない場合はその取得、受診などのサポートを実施。
また、必要な場合には役所や病院への同行支援を行い、女性が安全に出産できるよう支えています

様々な事由を持つ相談者たち。実際どのような声が寄せられているの?


フローレンスの無料相談窓口「にんしん・養子縁組相談」には、幅広い年齢層から様々な声が寄せられます。
 
相談内容の半数近くは妊娠が判明する前の相談で、妊娠中~子育て中の人からの相談では「妊娠初期」の相談が特に多い傾向にあります。
 

具体的な相談内容(一部)
  • 性犯罪の被害を受けた
  • 妊娠しているかもしれない
  • 中絶しようか悩んでいる
  • 産んでも育てられない
  • 中絶できる時期を過ぎてしまった
  • (妊娠中や出産後)子どもに障害が判明した。自分で育てて行くことは難しい
  • 養子縁組をしたい
  • お金がなく、まだ受診もしていないがお腹が大きい
  • 保険証がない
  • 出産費用がなく困っている
  • 転職したばかりで産育休の間の手当がもらえず子育てが不安
  • 子育てに疲れた。イライラがつのって子どもに手を上げてしまう

 
妊娠発覚前から産んだ後の不安、お金に関する心配まで様々な相談があります。

相談者たちに寄り添うフローレンスの支援とは?


フローレンスは「生みの親となる人(相談者)が子どもと自分自身にとって一番良い選択ができるよう考え抜くこと」を目指して支援を行っています。
そのうちの選択肢の一つとして行っているのはが「赤ちゃん縁組」です。
 
妊娠期に課題を抱える妊婦の相談を受け、出産と同時に、子どもを望む育ての親に託します。
 
フローレンスは、事業によって目の前の赤ちゃんを助けながら、政策提言による制度づくりを行っており、10年以内に赤ちゃんの虐待死をゼロにすることが目標です。

「にんしん・養子縁組相談」を利用したことで前向きな一歩を踏み出せた女性がいます。


妊娠後期の女性から「同居のパートナーには結婚の意志がなく、実家の家族にも妊娠したことを言えず相談できない。一人で子育てすることも考えられない、助けてほしい」という相談がフローレンスに入りました。
 
女性が「養子縁組について詳しい話を聞きたい」と希望し、フローレンスのスタッフが女性の住む地方まで出向き、時間をかけて対面でカウンセリングを実施
 
「できることなら自分で育てたい」という女性の望みをかなえるため、どのような道があるのかを一緒に考えました。
その後、女性は実家の家族にも相談し、パートナーとも再度話し合い、最終的には前向きに自分で子どもを育てる一歩を踏み出したのです。

虐待死のない未来を目指し、活動を続けるためには。


フローレンスのにんしん・養子縁組相談は無料です。相談者のなかには経済的に厳しい状況の人も多く、予期しない妊娠によって大きな不安を抱えています。
そんなとき、誰もが安心して相談できる窓口が必要だと考えるためです。
 
そして、にんしん・養子縁組相談を含む「赤ちゃん縁組」は非営利事業のため、妊婦の出産にかかる費用は育ての親の方々からのお金で行われていますが、縁組に至らない相談や、相談員にかかる費用を生み出すことができません。
 
しかし、にんしん・養子縁組相談は全国から相談があり、対面でのカウンセリングや受診同行支援には交通費や相談員の人件費などがかかるため、運営費の調達が大きな課題となっています。
 
予期せぬ妊娠に悩む女性に寄り添い、一人ひとりに手厚い支援を行うためには、フローレンスの活動に賛同してくれる人の寄付が必要です。

「フローレンス」の活動に関するアンケートに答えて、無料でできる支援に参加しよう

赤ちゃんの虐待死の裏では、多くの女性が不安や悩みを抱え、誰にも相談できずにいます。
フローレンスでは、予期せぬ妊娠により追い詰められてしまう女性を一人でも多く救うために無料の相談窓口「にんしん・養子縁組相談」を運営しています。
 
一人でも多くの赤ちゃんを助けるためには、多くの人の寄付が必要です。
 
今なら、30秒でできる無料の支援があります。
たった3問の簡単なアンケートに答えるだけで、10円がフローレンスに寄付されます
 
問題に苦しむ人と赤ちゃんの命を助け、未来の社会を変えるため、ほんの少しの時間で寄付をしてみませんか?
 

情報提供:認定NPO法人フローレンス