SDGs

SDGsの達成に貢献している世界の企業ランキング「2020 Global 100」とは

  • 2020年2月21日
  • 2022年7月15日
  • SDGs

SDGs達成に貢献している国には、世界的に活躍する企業の存在があります。
その企業のランキングを「2020 Global 100」といい、世界経済フォーラム(WEF)がスイスのダボスで開催している年次総会(ダボス会議)で発表されています。
この記事では、SDGsの達成に貢献している国や企業の取り組み、そして、SDGsの評価基準などを知ることができる「Sustainable Development Report 2019」(持続可能な開発に関するグローバル・レポート 2019)について解説します。

持続可能な開発目標・SDGsとは?17の国際目標やターゲットなどを解説

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2020Global 100とは

1971年に非営利団体としてスイスで発足した世界経済フォーラム(WEF)は、毎年1月にダボス会議(年次総会)を開催しています。ダボス会議の目玉となっているのが、「2020 Global 100」の発表です。
これはSDGsの17の目標達成のために貢献している世界の企業をランキングにしたものです。
下記は2020 Global 100の上位15位までを表にしたものです。

ランク2020 ランク2019 会社 業種 総合得点
4 Orsted A/S デンマーク エネルギー 85.20%
2 1 Chr. Hansen Holding A/S デンマーク 食品・化学物質 83.90%
3 3 Neste Oyj フィンランド 石油精製 83.64%
4 14 Cisco Systems Inc アメリカ 通信機器 83.59%
5 48 Autodesk Inc アメリカ ソフトウェア 82.84%
6 58 Novozymes A/S デンマーク 特殊化学物質 82.70%
7 35 ING Groep NV オランダ 銀行 82.53%
8 Enel SpA イタリア 卸売電力 81.77%
9 8 Banco do Brasil SA ブラジル 銀行 81.72%
10 Algonquin Power & Utilities Corp カナダ 電気事業 80.89%
11 77 Osram Licht AG ドイツ 電気機器及び電力システム 79.87%
12 89 Sekisui Chemical Co Ltd 日本 住宅・インフラ・その他事業 79.48%
13 Storebrand ASA ノルウェー 保険 79.32%
14 7 Umicore SA ベルギー 一次金属製品 79.07%
15 Hewlett Packard Enterprise Co アメリカ コンピューターハードウェア 78.43%

2020年の日本の企業の最上位は12位のSekisui Chemical Co Ltd(積水化学工業)でした。
100以内では次いで68位の武田薬品工業、72位のコニカミノルタ、86位の花王、89位のパナソニック、92位のトヨタ自動車の6社という結果になりました。

2019年に比べて2社減少しましたが、アジアの中では1番多くの企業数がランクインしています。
続いてこの企業のランキングを決める、エントリーポイント(評価基準)について説明します。
(出典:Corporate knight「2020 Global 100の結果」)

Sustainable Development Report 2019とは


Sustainable Development Report 2019では、2030年のSDGs達成のための6つのエントリーポイント(評価基準)が定められています。

日本語に訳されているもので確認してみましょう。

  1. 人間の福祉と能力について
  2. 持続可能でかつ公正な経済について
  3. 食料システムと栄養のパターンについて
  4. エネルギーの脱炭素化とエネルギーへの普遍的アクセス方法について
  5. 都市や都市周辺の開発について
  6. 地球環境コモンズ(共同利用地のこと)について

レポートは、出版された多数の学術論文や広範囲にわたる多様な知見、様々な国際評価報告書に基づいており、それを基準に評価しています。

持続可能な開発目標(SDGs)が採択された後、各国ではポジティブな展開が見られましたが、その反面、初期の努力にかかわらず、世界でのほとんどのターゲットが未達成のままだとされています。

SDGsが達成されない背景には「不平等の増大」「気候変動」「生物多様性の損失」「廃棄物の増加」などが挙げられます。
もし現在の動向がこの先も続くようなら、世界の社会システムや自然生物物理システムは人間の福祉への願いをサポートできないと言われています。

2030年のSDGs目標達成期限までに後10年間の猶予が設けられてはいますが、持続可能なレベルで見ると、達成できている国はまだ存在していません。
「2030アジェンダ」(※)を成功に導くためには、社会環境経済システムの緊急かつ明確な目標が必要です。
報告書では、現在の評価で強い緊急性があることや、「誰一人取り残さない」など、より高いレベルの福祉や決まり事を求める必要があると説明しています。

変革のためのエントリーポイントを6種類紹介しましたが、以下に、どのような手段で達成すべきか解説します。
SDGsの17の目標が主な長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。

※2030アジェンダ:2015年から2030年までの長期的な開発の指針として国連のサミットで採択されたもの。(SDGsはこの文書にある「持続可能な開発目標」のこと)

人間の福祉と能力について

ここ数10年の間に、社会制度は向上していますが、一方で制度を十分に受けられない人々も多くいます。
また能力についても経済的格差は広がるばかりで、SDGsで掲げる「誰一人残さない」という達成目標には程遠いのが現状です。
機会の平等なアクセスの保証や、法的・社会的差別の撤廃、能力開発への投資を行う必要があります。

持続可能でかつ公正な経済について

不均衡ではありますが、社会的、経済的な福利が向上し、経済成長によって国民所得が増加している地域もあります。
しかし人間社会と環境への影響は、未だ目標達成には至っていません。
持続可能でかつ公正な経済にするには、まずは政府関係者が、持続可能性のある投資を奨励する必要があります。その上で、持続可能性の低い投資の引きあげを進め、国の内外の富と所得の不平等を減少させることが大切です。

食料システムと栄養のパターンについて

食料は人類に欠かせないものですが、供給には10億人単位の人が関わっています。
健康的で安全な栄養はすべての人には行きわたっていない現状があります。

世界では先進国は十分な食料がある一方で、途上国は健康的で安全な栄養がいきわたっていない国があります。
改善方法としては、環境への影響を必要最小限に抑え、健康促進と栄養失調を改良するシステムに移行する必要があります。
特に先進国は、途上国の持続可能な農業の成長を支援することでシステムの改善を図らなくてはなりません。

エネルギーの脱炭素化とエネルギーへの普遍的アクセス方法について

世界保健機関(WHO)によると、エネルギー貧困は深刻な問題とされています。
近代的な再生可能エネルギーの割合は、過去10年間に年間平均で5.4%増加しているものの、化石燃料の代替手段がまだ確立されていない状態です。
また温室効果ガスの排出を減少させることもまだできていません。
もしエネルギーの脱炭素化と普遍的アクセスを達成したいなら、まずクリーンで信頼できる現代的エネルギー源を探す必要があるでしょう。

都市や都市周辺の開発について

途上国の都市が占める土地の割合は、2050年までに3倍になると予想されています。
都市には深刻な経済格差が生まれており、極端な不平等を産む可能性も指摘されています都市や都市周辺の開発を改善したいのであれば、市民の参加を得ることも大切です。
その上で、政府は都市に自治権と資源を与えるなどの重要なサービスの提供が求められます。貧困克服のための政策と投資を進めていくことが大事です。

地球環境コモンズについて

地球環境コモンズ(共同利用地のこと)は、地球の構成資源(森林・土地・水など)で成り立っています。そのため地球環境コモンズの長期的な健全性を確保することが、まず第一条件となります。
地球環境コモンズを改善していくには、自然資源の保護や回復、持続可能な利用などの改革が必要です。また政府は、地球環境コモンズに対して正確に評価をした上で、メカニズムを通じて使用パターンを変更することも重要です。

(出典:IGES「持続可能な開発に関するグローバル・レポート2019「未来は今:持続可能な開発を達成するための科学」(日本語抄訳版)」)
(出典:SDNS「Sustainable Development Report 2019」)

  • Sustainable Development Report 2019には、2030年のSDGs達成のための6つのエントリーポイント(評価基準)について記されている
  • レポートは、出版された多数の学術論文や広範囲にわたる多様な知見、様々な国際評価報告書に基づいている
  • SDGsが達成されない背景には「不平等の増大」「気候変動」「生物多様性の損失」「廃棄物の増加」などが挙げられている

各国のSDGs達成状況は?


続いて、国別にSDGsの達成への貢献度をランキングに表してみました。

ランキング順位 国名 スコア
第1位 デンマーク 85.2
第2位 スウェーデン 85.0
第3位 フィンランド 82.8
第4位 フランス 81.5
第5位 オーストラリア 81.1
第6位 ドイツ 81.1
第7位 チェコ 80.7
第8位 ノルウェー 80.7
第9位 オランダ 80.4
第10位 エストニア 80.2
第11位 ニュージーランド 79.5
第12位 スロベニア 79.4
第13位 英国 79.4
第14位 アイスランド 79.2
第15位 日本 78.9

2020 Global 100や2019年時点のSDGsの達成に貢献している国々を見てみると、上位国には欧州の国が多く、特に北欧ではスコアが高く、SDGsの取り組みが積極的なことがわかります。
2019年時点では、日本のSDGs達成率は15位です。
日本の企業に比べ、欧州の企業が多い理由としては、企業責任報告書においてSDGsに関する報告を行う傾向が強いためであり、これにはEU法が関わっています。

EU法ではサステイナビリティ報告(CSR報告書)や欧州委員会(EUの政策などを提案する機関)では非財務情報の開示を企業に求めています。
例えばデンマークでは大企業1,100社を対象にCSR(企業の社会的責任)開示要件として、経営者がCSRの方針やその活動、取り組み、その結果の報告をしなければならず、報告のない場合は企業は、CSR方針を構築しなかった旨を発表することが求められます。

非財務情報に関しては、大企業18,000社を対象に社会、環境、従業員に 関する事項の方針、その方針の結果、非財務リスク及び緩和策をアニュアルレポート(企業の財務情報・年次報告書)で報告します。
これも報告がない場合はCSRを構築しなかった理由を説明するように求められます。

このような取り組みがEUやEU加盟国では強化されており、多くの企業が有効なCSR報告を発表するようになりました。
このEU法に後押しされる形でSDGsへの取り組みが広がり、欧州でのSDGs目標達成率のスコアは高くなっているのです。

(出典:SDNS「Sustainable Development Report 2019」)
(出典:SDGIndex and Dashboards Report 2019
(出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「欧州のSDGs実践に関する調査」,2019)

  • SDGs達成の上位国には欧州が多い
  • 欧州の中でも北欧の達成率は高く、積極的に取り組みが行われていることが分かる
  • 欧州以外では、オーストラリアが高い順位である

SDGsの達成に向けて私たちにもできることを考えよう

2020 Global 100からは、世界のどのような企業がSDGsの達成に貢献しているかが分かりました。
また、「Sustainable Development Report 2019」ではSDGs達成のために重要なことが記されています。こうしたレポートを確認することで、現在足りないものを再確認し、これからの課題や問題点の改善を行うことができます。

日本はSDGs達成率や貢献している企業は世界基準で見れば上位ですが、まだまだSDGsの目標達成までは時間がかかります。
SDGsの達成をすることで、あなたも、周りの人もより良い社会を作っていくことができるのです。
すぐに改善することは難しいですが、私たちにできることから取り組んでいきましょう。

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この記事を書いた人
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