シングルマザー・母子家庭

シングルマザー(母子家庭)のために行われている貧困支援とは?

日本では今、貧困に苦しむシングルマザーが大勢います。
各々の事情で母子世帯となり、1人で子育てと仕事を両立しなければならず、さらに収入や就業事情などの問題で貧困状態に陥ってしまっています。
このような状況を改善するため、政府では貧困に対しての支援策を打ち出し、実施しています。この記事では、どのようなことが行われているのかを紹介します。

貧困に悩むシングルマザーの食事や生活とは?自己責任と言われる風潮から脱出するには

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日本のシングルマザーの貧困の現状


まずはシングルマザーの貧困の状況について見ていきましょう。
日本のシングルマザーが貧困に陥る要因として平均収入や就業状況が挙がります。平均年収で見れば、2016年度では母子世帯が243万円と言うデータが出ており、父子世帯の420万円より低く、厚生労働省が発表する貧困線よりも下回る結果となっています。

また就業率で見ても正規雇用の母子世帯は44.2%と5割を下回り、パート・アルバイトなどの非正規雇用の割合は43.8%と同じような割合になっています。
不安定な収入と福利厚生などが少ない非正規雇用であることから、平均年収も低くなり、子育てと仕事の両立の大変さや、養育費なども含めた出費の多さから貧困に陥ってしまうケースが多いです。

しかし、先ほど挙げた正規雇用の割合も5年前に比べて改善して高くなっていますし、平均年収も増えてきているため、全体的にも改善の傾向が見られています。

それでも貧困に苦しんでいるシングルマザーの割合が多いことは事実であり、課題はいくつもある状況であることも確かです。

  • 日本のシングルマザーが貧困に陥る原因として平均収入や就業状況が挙げられる
  • 母子世帯は243万円と言うデータが出ており、父子世帯の420万円より低く、厚生労働省が発表する貧困線よりも下回っている
  • 貧困に苦しんでいるシングルマザーの割合が多いことは事実であり、課題はいくつもある状況である

(出典:厚生労働省「ひとり親家庭等の支援について」,2016)

(出典:厚生労働省「平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」),2016

国がひとり親世帯のために行う就業・自立に向けた総合的な支援


シングルマザーを含むひとり親世帯は多くの課題を抱えています。

特に就業の問題や生活保護などに頼りきりで自立できない状況などが生まれており、これを解決することが重要とされています。
そこで国はこのようなひとり親世帯の就業や自立に向けた総合的な支援を行っています。

ひとり親世帯への支援はこれまでも行われていましたが、、就業・自立に向けた支援は施策としてさらに強化し、以下で紹介する4本の柱で現在も推進されています。

  • 子育て・生活支援
  • 就業支援
  • 教育費確保支援
  • 経済的支援

また2016年には児童扶養手当法を改正しており、これによって各地方自治体で国の4本柱を軸とした基本方針を踏まえた自立促進計画の策定を行いました。
この基本となる施策の4本柱でどのような支援や推進、支給が行われているかまとめました。

子育て・生活支援

子育てや生活に関する支援は以下の4つが代表的なものとして行われています。

  • 母子・父子自立支援員による相談支援
  • ヘルパー派遣、保育所等の優先入所
  • 子どもの生活・学習支援事業等による子どもへの支援
  • 母子生活支援施設の機能拡充

就業支援

就業支援では次のような支援や給付金の支給が行われています。

  • 母子・父子自立支援プログラムの策定やハローワーク等との連携による就業支援の推進
  • 母子家庭等就業・自立支援センター事業の推進
  • 能力開発等のための給付金の支給

教育費確保支援

教育費確保支援では事業や相談の推進のほかリーフレットによる普及も行われています。

  • 養育費相談支援センター事業の推進
  • 母子家庭等就業・自立支援センター等における養育費相談の推進
  • 「養育費の手引き」やリーフレットの配布

経済的支援

経済的支援では手当や貸付制度による支援が行われています。

  • 児童扶養手当の支給
  • 母子父子寡婦福祉資金の貸付就職のための技能習得や児童の修学など12種類の福祉資金を貸付
  • 就業の問題や生活保護などに頼りきりで自立できない状況などが生まれており、これを解決することが重要
  • 2016年には児童扶養手当法を改正し、自立促進計画の策定を行った
  • 子育て・生活支援、就業支援、教育費確保支援、経済的支援などが代表的

(出典:厚生労働省「ひとり親家庭等の支援について」)

児童虐待防止も目指すすくすくサポート・プロジェクト


ひとり親世帯の貧困は子どもの貧困にもつながります
子どもの貧困も問題視されており、深刻な状況であることから様々な施策が行われています。

特に問題となっているのは貧困からくる児童虐待ですが、児童虐待の防止も含め政府では「すくすくサポート・プロジェクト」という施策を推進しています。
近年の日本では経済的に厳しい状況におかれたひとり親世帯や多子世帯が増加傾向にあり、自立支援の充実が課題です。また児童虐待の相談対応件数の増加や複雑化などが起こってます。

「すくすくサポート・プロジェクト」はこれらの改善、防止を目的として作られています。

政府は「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」と「児童虐待防止対策強化プロジェクト」の2つのプロジェクトを打ち出しており、それぞれ課題とその対応を取り決め推進しています。

ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト

ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトでは、以下の2つを目的とした取り組みが行われています。

  • 就業による自立に向けた支援を基本にしつつ、子育て・生活支援、学習支援などの総合的な取組を充実
  • 具体的には、ひとり親家庭が孤立せず支援につながる仕組みを整えつつ、生活、学び、仕事、住まいを支援するとともに、ひとり親家庭を社会全体で応援する仕組みを構築

この2つの実現のため、自治体の窓口のワンストップ化の推進や、子どもの居場所作りや学習支援、親の資格取得の支援、児童扶養手当の機能の充実などが実施されています。

児童虐待防止対策強化プロジェクト

児童虐待防止対策強化プロジェクトでは「児童虐待について、発生予防から発生時の迅速・的確な対応、自立支援まで、一連の対策を更に強化」することを目的としています。

そのためにも子育て世代包括支援センターの全国展開や里親委託等の家庭的養護の推進、退所児童等のアフターケアなどが実施されています。

  • 貧困からくる児童虐待の防止も含め政府はすくすくサポート・プロジェクトを推進している
  • 「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」では就業による自立に向けた支援を基本にしつつ、ひとり親家庭が孤立しないよう生活、学び、仕事、住まいを支援するとともに社会全体で応援する仕組みを構築
  • 児童虐待防止対策強化プロジェクトでは「児童虐待について、発生予防から発生時の迅速・的確な対応、自立支援まで、一連の対策を更に強化」することが目的

(出典:厚生労働省「すくすくサポート・プロジェクト」について」,2015)

資格取得をサポートする自立支援給付金事業


ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトの中には親の資格取得支援が含まれています。実際に資格取得をサポートする自立支援給付金事業が進められています。
それが「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」です。

この事業では自立支援教育訓練給付金高等職業訓練促進給付金等事業を設け、母子世帯の母または父子家庭の父の経済的な自立を支援するため、自治体と協力して就業支援に取り組んでいます。

特に母子世帯の母は就業経験が乏しいことも多いことから、生計を支えるための十分な収入を得ることが困難な状況におかれるケースもあり、これにより困窮化する家庭が多いために実施されています。

自立支援教育訓練給付金

自立支援教育訓練給付金は母子世帯の母、父子世帯の父の主体的な能力開発の取組みを支援するものです。

対象となっている教育訓練を受講し、修了した場合にその経費の一部が支給されるシステムとなっています。

支給してもらうためには、受講前に都道府県などから受講する講座の指定を受ける必要があるため、事前に住んでいる市あるいは都道府県に相談する必要があります。

対象となる講座は、雇用保険制度教育訓練給付の指定教育訓練講座と、その他都道府県等の長が地域の実情に応じて対象とする講座です。

対象者は20歳未満の児童を扶養しており、児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあることが条件となります。

また就業経験や技能、資格の所得状況や労働市場状況から判断して、教育訓練が適職に就くために必要であると認められることも条件となります。

高等職業訓練促進給付金等事業

高等職業訓練促進給付金等事業も母子世帯の母または父子家庭の父が、看護師や介護福祉士などの資格取得のため、1年以上養成機関で修業する場合に給付される給付金です。

修業期間中の生活の負担軽減のために、高等職業訓練促進給付金が支給されるとともに、入学時の負担軽減のため、高等職業訓練修了支援給付金が支給されます。

対象となる資格は上述の看護師や介護福祉士、保育士、歯科衛生士など就職の際に有利となるものであって、かつ法令の定めにより養成機関において1年以上のカリキュラムを修業することが必要とされている者について、都道府県等の長が指定したものになります。
対象者は以下の条件を満たす人とされています。

  • 20歳未満の児童を扶養し、児童扶養手当の支給を受けているかまたは同等の所得水準にある
  • 養成機関において1年以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得が見込まれる
  • 仕事または育児と修業の両立が困難である
  • 「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」では母子世帯の母または父子家庭の父の経済的な自立を支援するため就業支援に取り組んでいる
  • 自立支援教育訓練給付金は対象となっている教育訓練を受講し、修了した場合にその経費の一部が支給される
  • 高等職業訓練促進給付金等事業は、看護師や介護福祉士などの資格取得のため、1年以上養成機関で修業する場合に給付される給付金

(出典:厚生労働省「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について」)

国の支援や施策を活用しよう


現在の日本の就業状態や環境ではシングルマザーが1人で子どもを育て、生活していくには厳しいものがあります。

そのためにも国の支援や施策を活用するのは大切なことです。
特に正規雇用などの職に就くためには資格を有していると働きやすくなることもあるため、支援を利用して技術を身につけてみていはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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