飢餓をゼロに

SDGsの目標になっている飢餓・食料問題、世界の現状とは?

SDGsの目標2「飢餓をゼロに」は、世界から飢餓問題を撲滅することを目的にした目標です。
飢餓・食料問題を撲滅するためには、子どもたちの栄養状態の改善や、農産システムの改善などが必要です。

農産システムは、気候変動問題の影響を受けやすいため、気候変動問題に対する対策も急務です。この記事では、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」についてわかりやすく解説していきます。

持続可能な開発目標・SDGsの目標2「飢餓をゼロに」のターゲットや現状は?

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SDGsの目標2「飢餓をゼロに」が目指す世界


SDGsの目標2「飢餓をゼロに」は、2030年までにあらゆる形態の飢餓と栄養不良に終止符を打ち、子どもや社会的弱者を始めとするすべての人が、1年を通じて栄養のある食料を十分に得られるようにすることを狙いとした目標です。

この目標は、食糧及び農業生産に特に焦点を当て、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進することを目指します。

飢餓と栄養不良を抱える人々は病気にかかりやすくなり、稼ぎを増やして生活を改善することが難しいため、生産性も低下してしまいます。
その結果、極度の貧困と栄養不良は依然として持続可能な開発を阻む障壁となり、人々が簡単に抜け出せない落とし穴となっているのです。

慢性的に食料摂取不足の状態にある栄養不足の人々の絶対数は、2016年のおよそ8億400万人から、2017年には8億2,100万人近くまで増加したと推定されています。
特に、南米やアフリカのほとんどの地域で状況は悪化しており、最近まで栄養不足の改善傾向がみられていたアジアでも著しく減速するなど、非常に厳しい状態が続いています。

食料へのアクセスが不十分であると、出生時の低体重や子どもの発育阻害のリスクが高くなってしまいます。食料不安や様々な形態の栄養不良の増加の兆候は、食料安全保障と栄養の確保を目指すSDGsの実現の途上に「誰一人取り残さない」ために、より一層の取り組みが急務となっています。
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)
(出典:国際連合食糧農業機関(FAO)公式サイト)
(出典:国際連合食糧農業機関「世界の食料安全保障と栄養の現状 2018」)

世界の飢餓・食糧不足の現状や課題


2015年時点で世界で飢餓に苦しんでいる7億9,500万人に加え、2050年までに予測される世界人口増加分の20億人の食料も確保するためには、グローバルな食料・農業システムの根本的な変革が必要です。

そのためには、世界の飢餓・食糧不足の現状を正確に把握し、正しく課題を設定する必要があります。そこで以下では、世界の飢餓・食料不足の現状や課題について解説します。

飢餓・食料不足

世界の栄養不良人口の比率は、2014-16 年で12.9%と20年前から半減しているものの、2015年でもなお7億9,500万人が健康で活動的な生活を送るために必要かつ十分な食糧を得られていないのが現状です。

長らく減少傾向にあった世界の飢餓人口が増加に転じており、2017年現在の栄養不足人口は、世界のおよそ9人に1人に当たる8億2,100万人に増加したと推定されています。

飢餓に陥っている人々が最も多いのはアジアで、全体の3分の2を占めています。南アジアの割合は近年低下してきているものの、2018年には約2億8,100万人が栄養不良に陥っています。

サハラ以南アフリカでは、2014‐2016年の期間予測値で、栄養不良率がおよそ23%に上ります。
栄養不良が原因で死亡する5歳未満の子どもは年間310万人と、子どもの死者数のほぼ半数(45%)を占めているとされています。

飢餓の原因

近年の飢餓人口増加の背景の一つであり、深刻な食料危機を引き起こす主要因にもなっているのが、気候変動による極端な気象現象や紛争などです。

気候変動の累積的影響は、食料安全保障の4要素とされる「供給・アクセス・利用・安定性」のすべてを損ねます。

特に貧困層の生計や生計資産が気候変動性と極端な気象現象の影響をより受けやすくなっていることが、食料不安や栄養不良のリスクをひときわ大きくしています。そのため、飢餓を撲滅するためには、気候変動問題に対する対策も重要です。

また、紛争により危険な地域にいる場合、危険な状況のために農作業ができなかったり土地が荒らされてしまったりします。収入が得られないために食料を買うことができないなどの様々な要因により食料の確保が難しくなってしまいます。

(出典:国際連合広報センター公式サイト)
(出典:国際連合「世界の食料不安の現状2015年報告」,2015)

栄養不良・栄養不足

毎年、数百万人の子どもたちが重度の急性栄養不良により、命の危険にさらされています。

栄養不良とは、健康に育つためのバランスのとれた栄養が摂取できていない状態を示し、発育阻害、消耗症、低体重、過体重などの形態があります。

2017年では世界の5歳未満児6億6,900 万人のうち、1億5,500万人が発育阻害(世界の5歳未満児人口の 22.9%)、5,200 万人が消耗症 (同6%)、4,100 万人が過体重(同 7.7%)の状態です。
発育阻害は日常的に栄養を十分に取れずに慢性栄養不良に陥り、年齢相応の身長まで成長しない状態を指し、消耗症は急性または重度の栄養不足から生じ、十分なカロリーを摂取できず差し迫った死のリスクに直面している状態です。

世界で飢餓に苦しむ人々の多くが暮らす開発途上国では、栄養不良率が人口の12.9%に達しています。世界の子どもの4人に1人は、発育不全の状態にあるとされ、開発途上国に限ると、この割合は3人に1人に上昇するなど大変深刻な状態であることがわかります。

(出典:国際連合広報センター公式サイト)

持続可能な農業生産システム

過去30年にわたり人口増加と国際食糧価格の高騰に刺激され、世界の農業生産システムは大きく変化してきました。

しかし、どのような農業システムが持続性の点で最適かについては、農業が営まれる生態系の状況に応じて、柔軟に考える必要があるため、地域に応じた持続可能な農業生産システムの構築が急務です。

SDGsの課題2「飢餓をゼロに」を達成するためには「人口増加や食料需要増大に十分に対応できるか」「農法を広く普及できるか」といった課題を解決しながら、持続可能な農業生産システムの構築について考えていかなければなりません。

(出典:国際労働機関(ILO)駐日事務所公式サイト)

農業投資

2030年までに世界の飢餓に終止符を打つためには、さらに年間2,670 億ドルが必要になると見られています。貧しい人々が食料を手にし、その生活を改善できるよう、農村部と都市部、さらには社会保障にも投資する必要があるためです。

従来、途上国への投資は公的資金(ODA)が中心であったものの、直近の10年間では民間による投資(民間企業による直接投資や民間財団による資金提供)が大きく拡大しています。
しかし、農業分野における投資はほとんどがその地域の農業従事者によって行われています。その点から、投資拡大のためには、農業従事者自身の投資を促進するような制度・政策(農村金融の拡大、投資優遇税制等)が重要です。

(出典:国際連合広報センター公式サイト)
(出典:国際労働機関(ILO)駐日事務所公式サイト)

農産物貿易

世界の農産物貿易は、旺盛な需要に支えられて継続的に拡大しています
貿易額でみると2000年から2012年までで約3倍に、貿易量では60%の増加となっています。

しかし、地域別でみると貿易収支に大きな差が発生しており、その傾向は今後拡大すると予想されています。貧困にあえぐアジア地域は、貧困であるにも関わらず、主に中国の需要拡大のため農産物の一大輸入地域となっており、貿易赤字を出しています。

一方、サブサハラ・アフリカ地域においても人口増加が大きいため、今後も輸入による赤字のままと予想されています。
今後、ラテンアメリカや北アメリカにおける農産物の需要が伸びれば、食料が足りなくなることも危惧されており、公正な農産物貿易を拡大するための制度の構築が求められています。

(出典:国際連合食糧農業機関(FAO)「世界食料農業白書2018」)

食糧市場の安定性

2000年代後半から2013年にかけて、世界の食糧価格は不安定かつ高価格の状態が続きました。
価格変動の要因としてはその他に、極端な気候による豊作・不作、地域紛争(ウクライナ情勢など)、国際的輸送ルートのインフラの問題(パナマ運河など)、さらに政治的動向(ソマリア沖海賊)などがあります。

食糧価格は、2013年以降徐々に低下・安定傾向にあり、2020年代までその傾向が続くと予想されています。
しかし食糧輸入額を商品輸出額と比較(商品輸出額/食糧輸入額)してみると、安定的に推移しているものの、今後、食料価格が高騰するようなことがあれば、飢餓と直結した問題となるため、しっかりとしたモニタリングが必要です。

(出典:国際連合食糧農業機関(FAO)「世界の食料不安の現状」

世界が一丸となり、飢餓をなくそう


飢餓の問題は複雑かつ範囲の広い問題であるため、世界が一丸となって取り組む必要があります。

飢餓の問題を解決に向けて、国や地域、企業、非営利団体などの取り組みが必要不可欠ですが、私たち一人ひとりにもできることはたくさんあります。
まずは自分の生活の中でできることから始めてみてはいかがでしょうか。

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