熊本地震

平成28年熊本地震からの復旧・復興プランとは?熊本県の復興状況も解説

2016年、熊本県は大きな地震に襲われ、甚大な被害を受けました。

多くの被害を受け、それでもすぐさま復旧や復興に向けたプランの立案がスタートし、現在はその計画に沿って復興への取り組みが進んでいます。

この記事では熊本地震からの復旧・復興プランの内容、そして熊本県の復興状況などを紹介します。

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平成28年熊本地震からの復旧・復興プランとは


2016年に発生した熊本地震から復旧及び復興のために、熊本県は「平成28年熊本地震からの復旧・復興プラン」を打ち出しています。

このプランでは3原則として「被災された方々の痛みを最小化する」、「単に元あった姿に戻すだけでなく、創造的な復興を目指す」、「復旧・復興を熊本の更なる発展につなげる」ことを掲げています。

これをもとに、県民の総力を結集し、将来世代にわたる県民の総幸福量を最大化することを基本理念としています。
そして将来的に災害に強く誇れる資産(たから)を時代につなぎ、夢にあふれる新たな熊本となることを目指しています。

このプランで掲げられている3原則に沿った取り組みついて解説します。

痛みの最小化を目指した早急な対応

復旧・復興プランは大きく分けると2つに分けられ、その1つがこの「痛みの最小化を目指した早急な対応」になります。
この項目は後述する4つに細分化され、それぞれが行う具体的な取り組みを定めています。

くらし・生活の再建

くらし・生活の再建では被災者に寄り添い、すまい、医療・福祉、教育など県民生活を再建することを目指しています。

そのために住まいの分野では避難所の運営支援から仮設住宅の提供、宅地の復旧や耐震化支援を行っています。

また被災者へは経済的困窮者や子どもの支援、震災離職者などの就労支援も実施されており、医療や福祉、教育分野では学校施設の復旧及び再開、心のケアと学力確保、医療・福祉施設の復旧なども進められています。

社会基盤の復旧

社会基盤、特にライフラインなどの復旧は急務となります。

そのため被災道路の応急復旧及び本格復旧の着手や南阿蘇鉄道、JR豊肥本線の復旧推進、市町村庁舎などの防災拠点の復旧支援などが行われています。

また復旧だけでなく更なる発展につなげるため、広域防災拠点の機能強化や、熊本都市圏東部地域グランドデザインの策定なども行っています。

地域産業の再生

災害時による風評被害は大きな損失を生み、産業が衰退してしまうことがあります。

そのため風評被害対策や観光産業の再生は必須ともいえる取り組みです。
また農地や農業用施設の復旧、営農支援、農林水産物の販路拡大などによる地域産業の再生などが行われています。

交流機能の回復

交流機能回復のため熊本港や八代港などの復旧だけでなく、その機能強化と利用促進も行われています。

また国際人材の育成と活動支援の実施や、先述した熊本都市圏東部地域グランドデザインの策定もここに係ってきます。

新たな熊本の創造に向けた取り組み

復旧や復興により以前と同じ熊本を取り戻すことも大切ですが、再生を機に新しい熊本の創造を行い発展させることも模索しています。
そのためにも4年間で取り組む概ねの計画を立て、それに則した以下の活動が行われています。

安心で希望に満ちた暮らしの創造

安心で希望に満ちた暮らしの創造のために3つの施策が行われています。

家族や地域の強い絆が息づく地域づくり すまいの再建、災害公営住宅の建設、住宅耐震化、宅地復旧の推進、みんなの家の整備などによるコミュニティの形成等を目指す
安心安全で暮らし学べる生活環境づくり 被災者や生活困窮者の生活再建支援や子どもの居場所作りなどの支援
あらゆる状況に備える医療・福祉提供体制の構築 くまもと暮らし安心システムの構築など防災対策の促進を計画

未来へつなぐ資産の創造

未来へ繋ぐ資産の創造についても3つの施策を行っています。

災害に負けない基盤づくり 幹線道路ネットワークの整備や道路や河川などの強靭化、庁舎等の耐震化・機能充実
地域の特性を活かした拠点・まち・観光地域づくり 熊本都市圏東部地域などの復興のまちづくりや拠点施設機能強化、地域資源の発掘や磨き上げによる観光地域づくり
くまもとの誇りと回復と宝の継承 熊本城や阿蘇神社などの文化財の修復、草原再生や地下水と土地を育む取り組みの推進

次代を担う力強い地域産業の創造

この取り組みでは主に5つの施策に分けて行っています。

  • 競争力のある農林水産業の実現
  • 県経済を支える企業の再生・発展
  • 自然共生型産業を核としたオープンイノベーション機能の確立
  • 地域資源を活かす観光産業の革新・成長
  • 地域を支え次世代を担う人材確保・育成
  • どれも産業の再生から発展、またそのために必要な支援などを盛り込んだ計画になっています。

    熊本の将来像

    このような施策を行うことで、熊本は先述したような将来像を描いています。
    具体的には4つの熊本を作り上げようとしています。

  • 将来が夢にあふれ、希望に満ちた熊本(Hope)
  • 災害に強く、 安全安心に生活できる熊本(Safety)
  • 熊本の宝が継承され、誇りに満ちた熊本(Pride)
  • 経済的に安定し、躍動する熊本(Economy)
  • 今後の震災復興モデルとなるために

    また、熊本地震の被害や経験を無駄にすることなく、熊本が震災の復興モデルとなるために以下のような取り組みも進めています。

    市町村との連携被災市町村の復興計画の策定や着実な推進を支援、地域の振興計画とも連携県内外の多様な主体との連携県民、地域組織、ボランティア団体、産業界、教育機関、金融機関等の総力を結集「創造的復興」のモデルとして全国に発信する とともに、災害対応の教訓等を後世に伝承

    国や市町村など多様な主体との連携・協力 国との連携 国直轄事業の実施を含め、技術・人材・財源等で国と県が緊密に連携
    復興財源等の確保 復旧・復興事業への人材と財源の重点化、及び国に対する財政支援要望
    プランの進行管理 平成28年熊本地震復旧・復興本部を中心としてPDCAサイクルによる進行管理
    災害対応の検証を踏まえたプランの見直し 検証結果をプラン改訂に反映

    このような関係各所の連携や協力、復興財源の確保、復興プランの進行管理、プランの見直しなどをモデル化することで今後同じような震災に見舞われても、どのように動くべきなのか他県や他市町村が参考にできるような取り組みも同時に行われているのです。

    (出典:熊本県公式サイト)

    熊本地震の復興・復旧状況は?


    このような復旧・復興プランを進めていく中で、熊本県の復興は着々と進められています。

    2019年9月時点で港湾や海岸、下水道や公園の復旧事業に関しては既に完了済み、道路や橋りょう河川などは8割が完了している状況です。

    また今回の震災で特に酷かった阿蘇地域での地すべりや山腹崩壊などの土砂災害に対して、復旧が既に完了し、砂防えん堤17ヵ所、地すべり対策3ヵ所、斜面対策28ヵ所の対策も既に終わっています。
    しかし砂防や地すべり防止施設に関しては、まだ復旧しなければいけない場所が残っており、重要インフラの砂防事業を含め今後迅速に取り組んでいくことが課題となっています。

    熊本城の復興・復旧状況

    熊本県のシンボルでも有り、今回の震災で大きな被害を受けた熊本城の復旧も順調に進んでいます。

    震災によって崩れた石垣は大天守の約790個の積み直しが行われ復旧が完了
    小天守に関しても2019年1月から石垣復旧工事が始まっています。

    (出典:熊本県公式サイト)
    (出典:熊本城公式サイト)

    熊本県の復興・復旧を応援しよう!


    熊本県は2016年以降も様々な災害に見舞われました。
    豪雨による被害や台風の上陸、2019年1月に発生した地震など、復旧が滞ってもおかしくない状況下が続いています。

    しかし現地の人々、そして行政、関係機関が一丸となって熊本県の復旧に当たっています。
    これにより以前のような活気を取り戻しつつ、さらなる発展に向けた取り組みが進められているのです。

    私たちができるのはこの復興や復旧を応援するための行動です。
    例えば応援として熊本の商品を買ったり、旅行に行ったり、ボランティアや寄付を行うなど、私たちにもできることがあります。

    まずは熊本県の現状を知り、私たちが取り組めることを行ってみてはいかがでしょうか。

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    この記事を書いた人
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