記事提供:ケノコト


まっすぐな眼差しで、澄んだ瞳で子どもに聞かれる。
「毎日注射を打たなくちゃいけないの?いつ、治るの?」
「大丈夫、もうすぐ治るからね。」

糖尿病、と聞くと生活習慣病のイメージが強く、大人の病気だと思っていませんか?糖尿病の中でも1型糖尿病は子どもでも発症し、全国に7〜8万人いると言われています。

病気を克服しようと立ち向かっている、子どもの未来のこと、一緒に考えてみませんか?



1型糖尿病とは?
1型糖尿病は、生活習慣病と言われている2型糖尿病とは違い、突然インスリンを体内で作れなくなる病気です。

まだ認知度が低く、患者やその家族は社会での偏見や誤解に悩まされているのが現状です。

また現在の医学では、この病気は注射等による毎日のインスリン補充が必須であり、完治への糸口は見つかっていないのが現状です。

「治るよ」という言葉が勇気に
1型糖尿病の場合、本来ならば体内からインスリンを出すはずの膵臓のβ細胞が破壊されてしまうため、毎日自分で血中からブドウ糖を取り込み、血糖値を下げる「インスリン」注射を打たなくてはなりません。

発症した子どもは、自らの手で血糖値を計り、自らの手でインスリンを自分の腕、お腹、太ももに注射している子がたくさんいます。その体には注射の痕。

幼い体でありながら、自らの病気と向き合う姿勢には、言葉にし難い思いを感じます。

「治るの?」と聞かれたら、大きな声で「治るよ。」そう言ってあげられたら、どんなに勇気を与えられることか。



なぜ障害のある子どもの親は仕事を辞めるのか。重い障害がある子どもを預かれる場所が極端に少ないからです。さらに痰の吸引やチューブでの経管栄養などの医療的ケアと保護者の就労を前提とした長時間保育を両立する施設は今までありませんでした。

根治への取り組み


そんな中で、「1型糖尿病研究基金」によって根治を目指そうと、2025年での根治を目指した研究が進められています。1型糖尿病の患者や家族は、インスリン注射を一生打ち続けなければならず、治らないことで絶望してしまいます。

ですがそんな患者や家族に「治るよ」と言えるよう、医学・医療の現場では、根治を目指した研究が日々行われています。

患者や家族にとって、根治に向けた研究こそが、希望であるのです。

そんな患者と家族を支援しようとこれらの取り組みの中心となっているのが認定NPO法人日本IDDMネットワーク。2005年(平成17年)夏、治らない病気といわれてきた1型糖尿病を「治る」病気にかえるため「1型糖尿病研究基金」を設立し、1型糖尿病根治に向け研究をサポートしています。



1型糖尿病の患者とその家族一人ひとりが、希望を持って生きられる社会になるように。

「大丈夫、もうすぐ治るからね。」

自信をもって言える日が、もうそんなに遠くないのかもしれません。