日本聴導犬推進協会とは?
聴覚障がい者に音を知らせ、生活をサポートする「聴導犬」。日本ではまだ頭数も少なく、知っている人が少ないのが現状です。日本聴導犬推進協会では、聴導犬普及協会の事業を引き継ぎ発展させるべく、聴導犬の育成と、聴導犬や聴覚障がいについてを、社会に認知してもらう為の活動を行っています。


■聞こえる人の「聞こえない」

障害者手帳を持つ聴覚障がい者は日本全国で約36万人いると言われています。

他にも加齢による聴覚の衰えや、事情により障害者手帳を持たないという方も含めると100万人以上が聞こえない・聞こえにくいという生活を送っています。

これだけ多くの聞こえない方が多くいるにも関わらず、聞こえる方達の抱く「聞こえない人」のイメージには誤解が多く存在します。

例えば「みんな手話で会話する」「補聴器を付ければどんな人でも聞こえるようになる」「筆談でなら誰とでもスムーズに会話ができる」などのイメージは全て間違いです。

手話を使わない方もいますし、聴覚障がいの種類によっては補聴器が意味をなさない場合もあります。

手話をメインで会話する方は言語数が少なかったり、文法が違うという場合もあります。

こういった誤解の中でも1番多いのが、「聞こえないけど見えるから生活は困らない」というイメージです。



■「聞こえる」と「聞こえない」の間にある壁

音は何かを知らせる合図になることが多くあります。

例えば、目覚まし時計がなれば起きる時間になったことを、クラクションがなれば車が近付いていることを知らせます。

ですが、聞こえないとこの合図が分からないため、行動が出来ないのです。

そもそも合図に気がつけず、自分が困っていることにすら気が付けないという状況なのです。

見えない方は行動するのに困りますが、聞こえない方はそもそもこの行動ができないのです。

また、聴覚障がいは人とのコミュニケーションという部分でも困らせます。

聞こえる方は小さい頃に家族の会話を聞き、言葉を無意識のうちに覚え、会話をするようになります。

ですが、生まれつき聞こえない方は会話の方法を身に付けるまでにとても苦労し、コミュニケーションに自然と慣れるということが難しいのです。

せっかく身に付けても相手の言っていることが分からない、自分の言いたいことが伝わらないなどは日常よくあることです。


■言葉のすれ違い

ここでコミュニケーションのすれ違いの例を2つ紹介させて頂きます。

まず、口話(口の動きで言葉を読み取る方法)をメインで行う方によくある事ですが、「1時に集合」という言葉を「7時に集合」と読み取ってしまうというケースです。「1時」と「7時」は口の形が一緒です。

口の形が一緒の言葉は読み取りが難しく、間違えてしまうことがあります。

そして手話をメインで使う方は言語数が日本語よりも少ないです。

「10時10分前に集合」と言われたら、聞こえる方はおそらく「9時50分」に集合だと思う方が多いと思います。ですが、聞こえない方の中には「10時10分の前」つまり「10時5分」くらいと理解する場合もあるのです。

こうした誤解から聴覚障がい者は、聞こえる人とのコミュニケーションを面倒だと感じさせてしまうケースも多くあります。「視覚障がいは人と物との間に壁をつくる、聴覚障がいは人と人の間に壁をつくる」という言葉があります。

この壁を壊すには聞こえる人が聞こえないということへ理解を深め、お互いが歩み寄る必要があります。


■壁を壊してくれる、聴導犬

この歩み寄りを進めていく上で、重要な役割を果たすのが「聴導犬」です。

聴導犬は聴覚障がい者に必要な音を知らせるというお仕事をする犬達です。

例えば、メール着信音や目覚まし時計などの生活音、車の接近音や非常ベルなどの危険を知らせる音です。

聞こえなかった音を知ることができるというのは、安心で安全な生活を送れるようになり、大きな自信となるのです。

また、聴覚障がいに対する社会的な興味は薄いのが現状です。

でも、犬に興味を持つ方は多い。

つまり、聴導犬は聴覚障がいに興味を持たせるきっかけになってくれるのです。聴導犬に興味を持ってもらえれば、聴覚障がいへの理解も進んでいくことにもつながります。

聞こえない方には自信を、聞こえる方には理解をもたらしてくれるのが聴導犬です。

聴導犬は日本全国でも57頭しかいませんが、数が増えていくことは社会を良くすることに繋がると信じています。

また、聴導犬は捨てられた犬を引き取り訓練していますので、動物愛護の分野でも社会を良くする可能性を持っているのです。

日本聴導犬推進協会では、聴導犬の育成と普及を通じ、障がい者福祉と動物愛護の活動を行っています。

ぜひ応援して下さい。

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一般社団法人 日本聴導犬推進協会(旧聴導犬普及協会)について
一般社団法人 日本聴導犬推進協会(旧聴導犬普及協会)は、母体となった活動から数えて30年の歴史があり、日本で最初の聴導犬訓練施設です。聴導犬の必要性を伝えるため、積極的な広報活動を行うとともに、聴導犬を育成して聴覚障がい者に無償で貸与しています。

聴覚障がい者が、不安を抱える生活からの解放され、社会参加を実現することを目指しています。

団体名:
一般社団法人 日本聴導犬推進協会(旧聴導犬普及協会)

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